Googleが提供する開発者向けプログラミング言語には、Go言語(golang)があります。この言語はシンプルで理解しやすく設計されており、開発したプロジェクトは高いパフォーマンスを発揮するため、人気があります。また、「2020年のエンジニアが学びたいプログラミング言語ランキング」で第1位を獲得している人気の言語です。
この記事では、Go言語の利点や可能性について詳しく解説します。Web開発やデータベース開発など、さまざまな開発領域で活用できるポイントを紹介します。Go言語の機能や開発時の仕組みをしっかり理解した上で、自社の開発に活かしてください。
プログラマー(PG)経験 3年 システムエンジニア(SE)経験 8年 プロジェクトマネージャー(PM)経験 7年 過去の開発システム ・ロケット飛行安全システム ・魚雷発射評価シミュレーションシステム ・船舶電話システム ・NHK番組管理システム ・IBM生産管理システム(データベース設計) ・学習塾管理システムパッケージソフト開発 ・6軸アームロボット開発 ・露光装置監視システム その他多数システム開発にかかわってきました。 39歳で独立して、アフィリエイトシステム開発と運営を3年ほど行い、 ライター業務を始めて現在に至ります。
Go言語とは?初心者にもわかる言語の基本
Go言語はGoogleによって開発されたプログラミング言語で、シンプルさと高いパフォーマンス性から多くの開発者に支持されています。
2009年に開発が始まり2012年に正式リリースされたGo言語は、C言語の影響を受けつつも現代のコンピューティング環境に適した設計がなされています。
特に並行処理を簡単に扱える「goroutine」という機能は、マルチコアプロセッサの効率的な利用を可能にし、大規模なシステムやネットワークアプリケーションの開発に適しています。
Go言語の特徴の一つに、コンパイル速度の速さがあります。
これによって開発のイテレーションが速くなり、プロダクティビティの向上に役立っています。
また、静的型付け言語であるため、大規模開発における安全性と信頼性が高いコードの作成が可能です。
さらに、標準ライブラリが充実しているためネットワークプログラミングや並行処理など、現代のソフトウェア開発に必要な多くの機能を標準でサポートしています。
Go言語はシンプルな構文と強力な標準ライブラリを持ち合わせているため、学習曲線が比較的緩やかなのでプログラミング初心者から経験豊富な開発者まで幅広く受け入れられています。
そのため、Webサーバの開発、クラウドサービス、マイクロサービスアーキテクチャ、データベースシステムなどの多岐にわたる分野での採用が進んでいます。
また、DockerやKubernetesなど現代の開発システムにおいて中心的な役割を果たすツールもGo言語で書かれていることから、その将来性と重要性はますます高まっています。
【目的別】Go言語でできること
Go言語はGoogleによって開発されたプログラミング言語で、多くの開発者に支持されています。
特にWeb開発、システム開発、アプリ・ゲーム開発などの幅広い分野でその力を発揮しています。
Go言語の特徴として、コンパイル速度の速さ、並行処理の容易さ、静的型付けによる安全性、そして豊富な標準ライブラリが挙げられますが、ここではGo言語でできることについて解説していきます。
Web開発
Go言語はWeb開発において特にその真価を発揮します。Go言語にはライブラリがあり、初心者でも簡単に利用できる要因なっています。net/httpパッケージというものがあり、これを使うことでサーバ・クライアントのWebシステムを初心者でも構築可能です。
GO言語があれば、サーバ・クライアント構築を行う時に必要なWebサーバーソフトを使う必要がありません。Go言語をコンパイルすると、単純なバイナリーデータが生成されるので、シンプルで見やす実効形式に変換されます。
システム開発
Go言語は、システム開発にも適しています。近年の開発では並列処理(マルチタスク)が必要不可欠です。この考えをすでに網羅していて、開発者は意識することなく開発でき、システム開発ができるようになっています。
なぜならば、Go言語には、実現するためのゴルーチン(goroutine)とチャネル(channel)というものがあるからです。
クラウドおよびコンテナ化
Go言語は軽量スレッドを活用した並行プログラミングが得意です。そのため、クラウドやコンテナ環境での利用に最適です。Go言語はシンプルな構文と高いパフォーマンス性を兼ね備えており、HTTPサーバーやRESTful APIの実装が容易です。
さらに、AWS、Google Cloud、Azureなど主要なクラウドプロバイダがGo言語をサポートしているため、クラウド開発にも最適な選択肢となっています。
アプリ・ゲーム開発
Go言語はモバイルアプリやゲーム開発にも利用できます。Goのクロスプラットフォームコンパイル機能により、同じコードを使用してiOSやAndroid向けのアプリケーションを開発することができます。
また、Go言語は優れたパフォーマンスと効率性を提供しており、リアルタイム処理が必要なゲーム開発にも適しています。さらに、Go言語のシンプルで読みやすい文法のおかげで、複数人でのモジュール化されたプログラミングも容易に行え、後の結合テストもスムーズに進められます。
並行処理
Go言語で並行処理を行ううえで重要なのがゴルーチンとチャンネルです。この2つを使って並行処理を行います。そもそも、並行処理とは、プログラム複数同jに動作させることです。この並行処理を行うのにC++などの専門的な知識が必要な言語では専門的な考え方が必要でした。
並行処理をGO言語では、プログラミングの初心者でも簡単にできるようにしてのがゴルーチンとチャンネルを組み合わせて使うことです。
Go言語の強み
Go言語が多くの開発者や企業に選ばれる理由には、その多くのメリットが関係しています。
Go言語はGoogleによって開発されており、シンプルで習得しやすい構文、高速な処理能力、堅牢な並行処理機能、そしてオープンソースという特性を持っています。
また、Go言語はポインタをサポートしていますが、ポインタ演算は許可されていないためメモリ安全性が高くなっています。
簡潔で読みやすいコード
標準ライブラリの豊富さ
大規模システムに適した設計
Go言語は大規模システムの開発に適しています。その理由はいくつかあります。まず、豊富な標準ライブラリが提供されており、ネットワーク、データベース、暗号化など幅広い用途に対応しています。これにより、開発者は多くの基本機能を手早く実装でき、開発時間を短縮できます。
さらに、Go言語のプログラミングコードはシンプルで読みやすい特徴があります。大規模なプロジェクトでは、他の開発者が書いたコードを修正やメンテナンスすることがよくありますが、Go言語の明快な文法と構造化されたスタイルは、効率的な作業を支援します。
これらの要素が組み合わさることで、Go言語は大規模システムの開発において生産性が高く、メンテナンス性も良好な言語です。
Go言語のデメリット
Go言語はそのシンプルさと高いパフォーマンスで多くの開発者から支持されていますが、一方でいくつかのデメリットもあります。
ここでは、Go言語の下記のデメリットについて解説します。
- ジェネリック(汎用プログラミング)が不足している
- 言語の仕様変更に対応しにくい
- 言語の成熟度にまで問題はある
ジェネリック(汎用プログラミング)が不足している
Go言語は長い間ジェネリックをサポートしていませんでした。
ジェネリックは、異なるデータ型に対して同じ操作を行うことができるプログラミング機能のことで、これによりコードの再利用性が高まり、型安全性を保ちながら柔軟なコーディングが可能になります。
しかし、Go言語ではこのジェネリックが長らくサポートされていなかったため、同じような処理をする関数やデータ構造を異なる型に対して再利用ができないという欠点があります。
2022年にGo言語にジェネリックが導入されましたが、まだ情報が少なく実践的な使用例も限られています。
言語の仕様変更に対応しにくい
GO言語の仕様は、日々変わっているにもかかわらず、今まで使っていたプログラムコードが動作しなくなる恐れがあります。言語仕様が変わった沖は再度コーディングをやり直さなければいけなくなります。
言語の成熟度にまで問題はある
GO言語は、使えるようになって日が浅いため、成熟度やエコという面では未熟であることは否めません。他の主要な言語(JavaやPython)に比べると、ドメインやライブラリに関しての豊富な種類は持ち合わせていません。
Go言語と相性の良い開発者向けツール・サービス5選
Go言語はそのパフォーマンスの高さと開発のしやすさから、多くのシチュエーションで選ばれています。
特に、高速な処理が必要な場合、並行処理が求められる場面、シンプルなコードを書きたいとき、マイクロサービスの開発、そしてコンテナ環境での使用時に、Go言語は大きな強みを発揮します。
ここではGo言語を使用するべきシチュエーションについて、各項目でそれぞれ解説していきます。
Goland
Golandは、Go言語開発に特化した統合開発環境(IDE)であり、開発者に多くの便利な機能を提供します。まず、高度なコード補完やリファクタリング機能により、効率的なコーディングが可能です。これにより、開発者は素早く正確なコードを作成でき、開発時間の短縮ができます。
また、Golandは組み込みのデバッガーを備えており、コードの実行時にステップ実行や変数の確認などのデバッグ作業が簡単にできます。さらに、テスト環境も統合されていて、コーディング後すぐにユニットテストや統合テストを実行し、コードの品質を確認できます。
特にコード生成機能は開発者にとって非常に役立ちます。自動的にコードを生成すれば、繰り返しの作業を減らし、開発の効率を大幅に向上させます。これらの機能が統合されたGolandは、Go言語プロジェクトの開発をスムーズに進めるための強力なツールとなっています。
Visual Studio Code (VS Code) with Go extension
Visual Studio Codeは、無料ですべての機能を利用できるMicrosoftが開発した統合開発環境(IDE)です。Go言語の開発時でも利用できる韓発環境になっています。
Go言語をこの環境で開発を行うには、「Go extension」と呼ばれる拡張機能を導入するとより効果的な開発ができます。この拡張機能により、コード補完、リファクタリング、デバッグサポートなどの機能が強化され、よりスムーズで効率的な開発作業が可能になります。
VS CodeとGo extensionの組み合わせは、柔軟性があり、さまざまなプロジェクトに適応できる強力な開発環境として、広く利用されています。
Delve
DelveはGo言語を開発するときのデバック環境として提供されています。デバック時に必要なステップ実行、ブレークポイントは揃っています。ステップ実行とは、1ステップづつ実行していくことで、ブレークポイントとは、指定したブレークポイントのコードまで実行する機能です。
また、Go言語の並行処理のデバックでも使えます。並行処理は、同時に複数のタスクが動作するので、デバックするときは非常にむつかしくなります。それをサポートしてくれるのが、Delveになります。
Golangci-lint
Golangci-lintは、Go言語の静的解析ツールであり、コーディングした後にデバッグをするのではなく、コーディング中に静的デバッグを行うことができるツールです。静的デバッグとは、プログラムを実行せずにソースコードを解析して、潜在的な問題やコーディング規約の違反を検出することです。これにより、開発者はバグを事前に見つけて修正できます。
Golangci-lintは、コードの品質向上を支援するためにさまざまな機能を提供します。例えば、構文エラーや不良なプラクティス、一貫性のないコーディングスタイルなどをチェックします。また、セキュリティ上の脆弱性や安全でない操作も検出するため、セキュリティを向上させる手助けもします。
さらに、Golangci-lintはカスタマイズ可能なルールセットを提供し、プロジェクト固有のコーディングスタンダードに合わせた検査を設定することができます。統合開発環境(IDE)やCI/CDツールと連携して使用することで、コードの変更が行われた際に自動的に静的解析が実行され、問題が早期に発見されるようにもなります。
Swagger/OpenAPI Generator
Swagger/OpenAPI Generatorは、APIの設計、文書化、実装を効率化するツールです。APIのエンドポイント、リクエストとレスポンスのフォーマット、パラメータ、認証方法などを定義する際に役立ちます。また、APIの設計と開発に伴い複数のバージョン管理を簡単にします。
Swagger/OpenAPI Generatorを利用することで、一貫性のあるAPI仕様書を保ちつつ、自動化されたコード生成やテストのサポートを通じて、開発プロセス全体の効率化が可能です。
Go言語のインストール方法
Go言語を実際にパソコンにインストールするまでの手順を解説します。まず、Go言語のダウンロード先として
よりダウンロードします。
ダウンロード可能なOSごとにダウンロードができるようになっています。Windowsの場合は、一番左のmsiをクックするとダウンロードが開始されます。
ダウンロードされると、パソコンのダウンロードフォルダにインストール用パッケージがダウンロードされています。
ダウンロードされたモジュールをクリックすればインストールが開始され、上図のようなウインドウが表示されるので、赤枠内の「next」をクリックしてください。
上図のように、重要事項の確認ウィンドウが表示されるので、下部にチェックを入れて「next」ボタンをクリックします。
上図のように、インストール先のフォルダ設定ウィンドウが表示されるので、デフォルト表示で問題ありませんので、「next」をクリックします。
インストール開始ウィンドウが表示されるので、「install」をクリックしてインストールを開始します。
上図のようにインストールが開始されます。
インストールが完了すると上図のウィンドウが表示されるので、「Finish」をクリックしてGo言語のインストールの完了となります。
まとめ:シンプルなGo言語でシステム開発を始めましょう
この記事では、Go言語(golang)でできることについて詳しく紹介し、プログラミング言語の特徴や将来性、学習方法まで解説してきました。
Go言語(golang)はGoogleによって開発されたプログラミング言語で、シンプルさと高いパフォーマンスが特徴です。
Web開発、システム開発、アプリ開発など幅広い用途に適しており、特に高速な処理や並行処理が求められる場面で力を発揮します。
また、シンプルな構文により学習しやすいため、マイクロサービスやコンテナ環境での開発にも最適なのが魅力と言えます。
その一方で、デメリットもありますが、将来性の高い言語として注目されています。
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