近年、働き方の多様化により、場所に囚われることなく利用できるクラウドサービスを積極的に導入する企業が増えてきています。
クラウドサービスを導入することで、業務効率化やコスト面で大きなメリットがありますが、一方で不正アクセスや情報漏洩といったリスクがあります。
このため、このようなクラウドサービスのリスクから企業の機密情報を保護するために、適切なセキュリティ対策を講じることが大切です。
本記事では、クラウドサービスにおけるリスクと具体的な対策について解説するとともに、おすすめのクラウドサービス15選を紹介していきます。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
クラウドセキュリティとは?初心者向けに解説
まずは、クラウドセキュリティとは何かを知る必要があります。
以下では、クラウドセキュリティの基本や、クラウドサービスを利用する上でのセキュリティの重要性について解説します。
クラウドセキュリティの役割
クラウドセキュリティとは、クラウドサービス利用で発生しうるセキュリティリスクに対応するための施策のことです。
クラウドセキュリティは具体的に以下のような役割を担っています。
- クラウド上のデータ保護
- データ損失、破損への対応
- クラウド環境のモニタリングとインシデント対応
クラウドサービスはインターネット上でデータのやり取り・保管を行うため、サイバー攻撃の標的になりやすいといった危険性があります。
そのため、クラウドセキュリティを導入することで、サーバー攻撃やマルウェア感染といった外部からの攻撃からクラウド上のデータ保護が可能です。
また、クラウド事業者側のサーバーに不具合が発生した場合に、クラウド上のデータが損失・破損するケースもあります。
クラウドセキュリティでは予期せぬデータの損失や破損に備えるために、バックアップ機能や冗長化の仕組みを導入します。
これにより、データ損失前の状態に回復したり、拠点ごとにデータを分散して保存し、データの損失を防げたりといった対応が可能です。
さらに、クラウドセキュリティにはクラウド環境をモニタリングし、危険な操作やアプリの使用を検知・対処する役割もあります。
危険なwebアクセスやアプリの使用やウイルス感染をいち早く検知し、ネットワークの遮断やアプリの操作制限など早急な対処が可能です。
クラウド環境におけるセキュリティの重要性
近年では、クラウドサービスを利用する民間企業や公的機関が増えてきているため、クラウド環境のセキュリティ対策の重要性が高まっています。
特に、インターネット上でサービスを利用するクラウド環境は、常にサイバー攻撃による個人情報やデータの流出のリスクがあります。
このため、クラウド環境のセキュリティ対策を網羅的に行うことが重要です。
以前は、物理的なセキュリティ対策ができないクラウド環境を不安視する声もありました。
しかし、ここ数年のクラウド環境を提供するプロバイダによるセキュリティ対策のレベルは、オンプレミス環境と変わらないほど強固になっています。
ただ、ラウド自体のセキュリティが強固であっても外部攻撃によるリスクはゼロではありません。
必要な対策を行えるクラウドセキュリティ製品を導入することで、よりセキュリティを強化することが重要視されています。
クラウドセキュリティの対象サービス
クラウドサービスは、大きく分けて以下の3つがあります
サービス名 | 特徴 |
IaaS(Infrastructure as a Service) | 初期費用を抑えられる 迅速にシステム構築可能 |
PaaS(Platform as a Service) | 開発環境やミドルウェアが含まれる 開発に集中できる |
SaaS(Software as a Service) | Webブラウザやアプリで利用可能 サービス全体の管理はベンダーが行う |
それぞれの特徴とセキュリティ対策のポイントを見ていきましょう。
IaaS
IaaSは、サーバーやネットワークなどのハードウェア資源を、クラウドプロバイダーから借りて利用するサービスです。
自社でサーバーを管理する必要がないため、初期費用を抑え、迅速にシステムを構築できます。
IaaSの場合、インフラ資源の管理はクラウドベンダーが行います。
しかし、自身で構築したシステムのセキュリティ対策は自社で行う必要があります。
IaaSのセキュリティ対策としては、データの暗号化、アクセス管理、ネットワークのセキュリティが重要です。
特に、仮想マシンのセキュリティや物理的なデータセンターの保護も考慮する必要があります。
PaaS
PaaSは、開発環境やミドルウェアなどをクラウド上で提供するサービスです。
開発用の統合環境、ミドルウェア、データベースなどの機能が含まれているため、開発者はアプリケーション開発に集中できます。
PaaSの基盤部分のセキュリティ対策はクラウドベンダーが行いますが、アプリケーション層のセキュリティ対策はユーザ自身が行う必要があります。
PaaSのセキュリティ対策には、アプリケーションのセキュリティ、データの暗号化、脆弱性管理が含まれます。
開発中のコードやデータが安全であることを保証するために、多層的なセキュリティ対策が求められると覚えておきましょう。
SaaS
SaaSは、アプリケーションソフトウェアをクラウド上で提供するサービスです。
ユーザーは、Webブラウザやアプリを通じて、ソフトウェアを利用できます。
サービス全体のセキュリティ対策はベンダーが行うため、ユーザー企業の負担は軽減されます。
ただし、業務データの取り扱いなど、一部のセキュリティ対策が必要な場合があります。
SaaSのセキュリティ対策としては、ユーザー認証、データの暗号化、アプリケーションのセキュリティアップデートが重要です。
また、サービスプロバイダーが適切なセキュリティ基準を遵守しているかも確認しておくとよいでしょう。
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クラウド上で起こりうるセキュリティリスク
クラウド環境は、利便性が高い一方で、従来のオンプレミス環境とは異なるセキュリティリスクも存在します。
クラウドサービスを利用する際には、これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
ここでは、代表的なセキュリティリスクとして以下の4つを詳しく解説します。
- 情報漏洩
- データ消失
- サイバー攻撃
- 不正アクセス
情報漏洩
クラウド環境は、利用者がインターネットを経由してサービスを利用するため、データ漏洩を引き起こすリスクがあります。
データ漏洩の原因は、外部からの攻撃だけでなく、人的ミスやクラウド環境の設定ミスといった企業内部が要因となるケースもあります。
データ漏洩によって顧客の個人情報を流出させてしまうと、個人や企業への金銭的な実害はもちろん、企業にとっては社会的信頼を失う結果にもなりかねません。
一度情報が漏洩すると、企業に多大な損害が生じる恐れがあるため、厳重な対策が求められます。
データ消失
クラウド環境では、サーバーやストレージなどの物理的なハードウェアの故障や、自然災害によるデータ消失のリスクがあります。
重要なデータが失われると、事業の停止や業務の遅延など、大きな損害が発生する可能性があります。
データ消失を防ぐためには、定期的なデータバックアップが不可欠です。
バックアップは異なる物理的な場所に保存し、万が一の際の復元手順も確認しておきましょう。
サイバー攻撃
クラウド環境は第三者によるサイバー攻撃を受けやすい点にも注意が必要です。
サイバー攻撃を受けると、クラウドサービスが一時的にダウンしたり、不正アクセスによるデータの持ち出しが可能になってしまいます。
クラウド環境に多いサイバー攻撃の例は以下のとおりです。
- DDoS攻撃
- ブルートフォースアタック
- ランサムウェア
クラウドサービスを利用する際には、強固なファイアウォールの設定や、リアルタイムの監視システムを導入することで、これらの攻撃からサービスを守る必要があります。
不正アクセス
不正アクセスは、アカウント情報やパスワードが盗まれたり、セキュリティ対策が不十分なために、外部から不正にアクセスされることで発生します。
不正アクセスにより、データの改ざん、窃盗、システムの破壊などの被害が発生する可能性があります。
以下のような対策を行うことが重要だと覚えておきましょう。
- 強いパスワードを設定する、多要素認証を導入するなどのアカウントのセキュリティ対策
- 適切なアクセス権限の設定
- ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどのセキュリティソフトの導入
クラウドセキュリティを向上するための7つの対策
クラウド環境は主に外部からの攻撃のリスクが高いため、具体的なセキュリティ対策をしっかり検討しておくことが大切です。
以下では、クラウドセキュリティの代表的な対策として以下の7つを解説していきます。
- データの暗号化
- アクセス管理・制御
- 他要素認証を活用
- 脆弱性の検知
- データのバックアップ
- 外部共有の設定確認
- 監視ログの取得
データの暗号化
インターネット上のクラウドサービスの利用は、第三者から攻撃を受けると、通信の盗聴やデータの改ざん、不正アクセスに繋がる可能性があります。
クラウド上の機密性の高いデータを保護するためのセキュリティ対策の一つとして、データの暗号化が有効です。
データ暗号化の方法としては主に以下があげられます。
- 通信の暗号化
- ファイルの暗号化
通信の暗号化は、クラウドサービスを利用する通信経路を暗号化することで、第三者からの攻撃を防げます。
具体的には、SSLを使用して通信を暗号化することで、第三者からの攻撃リスクを低減します。
また、近年では、インターネット上にファイルを保管するクラウドストレージを導入する企業も増えてきています。
これにより、人的ミスや外部からの攻撃によるファイルの流出の危険性も増えています。
ファイル流出に備えて、ファイル自体に暗号化の仕組みを取り入れておくことも重要です。
ファイルを暗号化しておけば、万が一外部に流出した場合でもファイルの中身を第三者が読み取れなくなるため、被害を最小限に抑えられます。
アクセス管理・制御
不正アクセスなどの第三者攻撃からクラウド上のデータを保護するために、アクセス権の管理が必要です。
アクセス管理では、クラウドサービスにアクセスできるユーザーを制限・管理することで、外部の悪意を持ったユーザーからのアクセスを防御します。
アクセス制限のための条件の一例としては以下のようなものがあります。
- 接続元IPアドレス
- 一定以上のセキュリティパッチが適用されたデバイス
- データの流出や改ざんに繋がる操作を一部制限する
また、ユーザーごとにアクセス権限を設定し、必要最低限の権限のみを付与することで、不正アクセスのリスクを減らせます。
役割ベースのアクセス制御(RBAC)や、ポリシーベースのアクセス管理を導入することで、より細かい制御が可能なことも押さえておきましょう。
他要素認証を活用
クラウドサービスにアクセスする際の認証プロセスの強化には、認証要素を複数組み合わせて本人確認を行う、多要素認証が有効です。
認証要素としては、「知識情報」「所持情報」「生体情報」の3つがあり、2つ以上を組み合わせることで、認証プロセスを強化できます。
それぞれの要素として、具体的には以下があります。
- 知識情報:パスワード、PIN番号、秘密の質問
- 所持情報:SMS認証、ワンタイムパスワード
- 生体情報:指紋、顔
Microsoftによるとクラウド環境に多要素認証を導入することで、アカウントに対する攻撃を99.9%以上ブロックできるとのことです。クラウドのセキュリティレベルを高めるために多要素認証の導入を検討しましょう。
引用:One simple action you can take to prevent 99.9 percent of attacks on your accounts
脆弱性の検知
クラウド環境は、常に新しい脅威にさらされています。
そのため、定期的にセキュリティチェックを実施し、脆弱性を早期に発見して対策することが重要です。
脆弱性を検知することのよるメリットは、セキュリティリスクの早期発見、情報漏洩のリスクを低減、システムの安定性を向上といったことが挙げられます。
脆弱性スキャンなどの自動化ツールを活用したり、外部の専門家に依頼するなどして、漏れのない検知を心がけましょう。
データのバックアップ
クラウド上のデータは、定期的にバックアップを行う必要があります。
ハードウェア故障や災害などの緊急事態が発生した場合でも、バックアップデータから復旧することで、事業の継続性を確保できます。
バックアップはクラウド内外の異なる場所に保存し、復元手順を確立することが重要です。
また、バックアップの種類としては以下あります。
- フルバックアップ:全てのデータをバックアップする。
- 増分バックアップ:前回バックアップ以降に変更されたデータをバックアップする。
- 差分バックアップ:前回フルバックアップ以降に変更されたデータをバックアップする。
どこにどのようなデータをバックアップするのか、バックアップポリシーを定めて管理することが重要です。
外部共有の設定確認
クラウドサービスにはファイルやフォルダを外部と共有する機能があり、設定を誤るとデータが漏洩する可能性があります。
外部共有の設定を確認し、必要最低限の範囲で共有するように設定することが重要です。
外部共有の設定を確認するときのポイントは、共有するデータの種類や共有相手、共有期間を確認することです。
誤って機密情報を公開しないよう、アクセス権限や共有リンクの設定を定期的に見直しましょう。
監視ログの取得
クラウド環境では、システムやユーザーの活動を監視し、ログを取得することが重要です。
ログデータを分析することで、不正アクセスや異常な活動を早期に検出できます。
監視ログの取得に当たっては、リアルタイムの監視システムを導入し、異常検知のアラートを設定することで、迅速な対応が可能になります。
監視ログを取得するときのポイントは以下のとおりです。
- 重要なイベントを記録する
- ログを定期的に確認する
- ログを安全な場所に保管する
ログを常時モニタリングして、迅速な対応ができるようにしておきましょう。
クラウドセキュリティガイドライン
クラウド環境における高品質なセキュリティを設計する際には、総務省が公表している「クラウドセキュリティガイドライン」を活用することをおすすめします。
セキュリティ基準とコンプライアンス
以前は、クラウドサービスの利用が増加するにあたって、利用者・提供者双方の運用ルールが定まっていませんでした。
そこで、クラウドサービスの利用にあたっての基準としてクラウドセキュリティガイドラインが作成されました。
このガイドラインには、クラウドセキュリティの国際的規格である「ISO/IEC 27017:2015」やNIST(米国国立標準技術研究所)の「SP800-53」を基準としています。
このため、グローバルスタンダードなセキュリティ対策の考え方が利用者・事業者双方に分かりやすい形で示されています。
また、提供されるクラウドサービスの中には、海外のデータセンターを利用するものもあります。
海外のデータセンターを利用する場合、クラウドサービスに適用される法令の順守も必要となります。
このような場合でもコンプライアンスを遵守するための基準もガイドラインで示されています。
ガイドラインに基づくセキュリティ強化
クラウドセキュリティガイドラインには、クラウド環境を扱う上で発生しうるリスクへの対策について記載されています。
クラウドサービスの利用者と提供者の視点からセキュリティ対策におけるベストプラクティスを分かりやすく解説しているともいえるでしょう。
クラウドセキュリティガイドラインは、世界的なセキュリティ規格に準拠するように作成されているため、信頼性が高いです。ガイドラインに従ってセキュリティ対策を検討していくことが、クラウド環境におけるセキュリティの強化につながります。
主に記載されているのは以下のようなリスクに対する対策です。
- ネットワークのリスク
- 仮想化基盤のリスク
- サービス基盤のリスク
- 統合管理環境に関するリスク
- ID管理に関するリスク
上記のように、クラウドサービスを利用する上でのリスク対策について網羅的に記載されているため、ガイドラインを参考にすることで、クラウド環境のリスクを考慮したセキュリティ強化が実現できるでしょう。
おすすめのクラウドセキュリティサービス15選
製品名 | 特徴 | 参考価格 |
i-Filter | ・網羅率の高いデータベースで危険なサイトへのアクセスを高確率でブロック
・国内導入シェアNo.1のWebフィルタリングツール |
月額換算250円(500ライセンス購入の場合)※ |
BLUE Sphere | ・WAF/DDoS/改ざん検知などの多層防御を実現するオールインワンツール
・登録ドメインは無制限!複数のサイトを1つの契約で守れる |
月額45,000~154,000円 |
漏洩チェッカー | ・低価格で情報漏洩対策ができるIT資産管理ツール
・利用目的に合わせた機能単位で契約可能 |
基本料金:8,000円
利用機能数 × 台数 × 150円 |
Netskope | ・40,000種類以上のクラウドサービスのリスクを可視化・分析が可能
・SaaSだけではなく、IaaSやWebサービスにも対応 |
要問い合わせ |
Cloud Mail SECURITYSUITE | ・メールに関するセキュリティ対策をオールインワンで利用可能
・低コストかつ必要な機能だけを選択して導入可能 |
1アカウント月額:最小200円~
※選択するプラン毎で変動 |
DriveChecker | ・Googleドライブのセキュリティを高めるアドオンツール
・不透明になりがちなファイル共有を一元管理し、セキュリティの穴を未然に防ぐ |
1アカウント月額:300円~ |
Prime WAF | ・専門知識が無くても簡単にWebサイトのセキュリティ強化が可能
・従量課金制のため、コストパフォーマンスに優れている |
基本月額:14,500円~ |
Aegis Wall | ・特権ID管理による厳密なアクセス制御で企業のセキュリティを強化
・クラウド/オンプレミスの環境に左右されずに導入が可能 |
要問い合わせ |
Symantec Endpoint Security | ・世界中で利用されている最高レベルのエンドポイントセキュリティ
・より多くの標的型攻撃を検知し、感染経路の特定も容易 |
要問い合わせ |
IIJ セキュアWebゲートウェイサービス | ・Webフィルタリング、アンチウイルス、プロキシ機能を統合したWebセキュリティサービス
・セキュリティ機能を常にアップデート!最新の脅威に常に対応可能 |
要問い合わせ
※無料トライアルあり |
Microsoft Defender for Cloud Apps | ・組織内で利用されているクラウドサービスの使用状況を監視し、シャドーITの利用をいち早く検知可能
・クラウドアプリのコンプライアンス状況をチェック!危険性の高いアプリをブロック可能 |
要問い合わせ
※Microsoft 365 E3/E5ライセンス |
ProofPoint CASB | ・クラウド環境やWeb、アプリへのアクセスを管理し、サイバー攻撃をいち早く検知・対処が可能
・メールセキュリティにも強く、不審なURLや添付ファイルを検知し、フィッシング被害を未然に防ぐ |
要問い合わせ
※無料トライアルあり |
イージスWAFサーバセキュリティ | ・定額制の低コストであらゆる攻撃手法に対応
・毎月防御証明のレポートが届くため、今後のセキュリティ改善に役立てる |
要問い合わせ
※無料トライアルあり |
Scutum | ・国内SaaS型WAF市場の売上シェア12年連続No.1
・セキュリティのプロによるサポートで、誤検知の少ないWAFを実現 |
月額29,800円~ |
Cloudbric WAF+ | ・Webセキュリティ確保に必要な機能を全て搭載
・導入後のセキュリティ運用を専任のセキュリティエキスパートにおまかせできる |
月額28,000円~ |
クラウドセキュリティ製品は、提供するベンダー毎に特徴や提供している機能が異なります。
以下では、おすすめのクラウドセキュリティ製品15選の特徴を解説します。それぞれ比較検討して自社に合ったセキュリティ対策を行える製品を導入しましょう。
i-Filter
i-Filterは、標的型攻撃対策や情報漏洩対策までを1つで実現するWebフィルタリングソフトです。
高い網羅率を誇るDBにより、あらゆるWebサイトがカテゴリー化され、有害なWebサイトへのアクセスをブロックします。
また、情報漏洩対策も充実しており、国内2,700以上のWebサービスの操作の制限が可能で、シャドーIT利用による予期せぬ情報の流出を防げる点も大きな特徴です。
i-Filterはこちら
BLUE Sphere
BLUE Sphereは、WAF・DDoS防御・改ざん検知を1つのツールで実現できるオールインワン型のセキュリティサービスです。
本来、複数のセキュリティ製品を導入して実現する「多層防御」を、BLUE Sphereを導入するだけで実現できます。
また、保護の対象にできるサイト数は無制限で、1つの契約で自社すべてのWebサイトを保護できる点は、他にはない魅力です。
BLUE Sphereはこちら
漏洩チェッカー
漏洩チェッカーは、IT資産を管理し内部からの情報漏洩を未然に防ぐツールです。
テレワークや異動によってIT資産を管理できない、社内端末の管理を一元化したいといった情報管理の悩みにアプローチできます。
また、端末内のソフトウェアのインストール状況の管理や、社内のフォルダー管理、USBへのダウンロード履歴を監視・追跡することで、内部からの情報流出を防ぎます。
利用したい機能を選んで契約する形態のため、必要なのは運用費用のみで低コストで導入できる点も大きなメリットです。
漏洩チェッカーはこちら
NetSkope
Netskopeは、クラウドサービス利用の可視化や制御、脅威に対する防御などを包括的に提供するセキュリティ製品です。
SWGやVPNなどのプライベートアクセス機能、クラウドサービス利用におけるセキュリティ対策などを提供しています。
これにより、社内環境やクラウド上のサービスへの安全なアクセスを実現します。
また、NetSkopeはCASB機能により、40,000種類以上のクラウドサービスの危険性を可視化・分析できます。
この機能により、セキュリティレベルの低いサービスを把握して適切な対応を行えます。
Netskopeはこちら
Cloud Mail SECURITYSUITE
Cloud Mail SECURITYSUITEは、Microsoft365やGoogle Workspaceを導入する上で不足しているメールセキュリティ機能をオールインワンで追加できる製品です。
PPAP対策や誤送信防止対策はもちろん、アンチウイルス機能やメールアーカイブ、シングルサインオンといった用途毎に最適な機能を提供しています。
また、導入目的や必要なセキュリティ対策に絞って機能を選択できるため、低コストで導入できる点も特徴の一つです。
Cloud Mail SECURITYSUITEはこちら
DriveChecker
DriveCheckerは、Googleドライブ上に保存される共有ファイルをまとめて管理できるセキュリティ管理ツールです。
DriveChekcerでは、セキュリティの穴を「見つける」「ふさぐ」「作らない」といった3つの方向性からアプローチしてGoogleドライブ利用時のセキュリティを強化します。
情報漏洩につながりやすいパターンを簡単にルール化できるため、運用担当者の負担を減らせる点も大きな特徴です。
DriveCheckerはこちら
Prime WAF
Prime WAFは自社Webサイトのセキュリティを強固にすることで、DDoS攻撃やハッカーによるサイバー攻撃を防御するWAF製品です。
使いやすく分かりやすい管理画面で、専門的な知識が無くても設定が可能かつ、自社のWebサイトの状況を簡単に把握できます。
一般的にWAF製品は定額制のものが多いです。
PrimeWAFは使用された量に応じて課金される形式のため、プラン変更の必要が無く、より効率的にWAF機能を利用できます。
Aegis Wall
Aegis Wallは、社内サーバーやデータベースの特権IDのアクセス管理・操作ログの監視によって、情報漏洩の防止・不正アクセス対策を強化できる製品です。
パスワードの定期的な自動変更や、二段階認証の設定など特権IDを使用したユーザーを特定できるような機能を提供しています。
また、サーバーやデータベースへの特権アクセスや、実施した操作等をログに記録、操作画面の録画まで行えます。
これにより、日々の監査やインシデントが発生した際の迅速な対応にも役立ちます。
Aegis Wallはこちら
Symantec Endpoint Security
Symantec Endpoint Securityは、PCやスマホ、IoT機器をマルウェア感染から多層防御により保護するエンドポイントに特化したセキュリティ製品です。
一般的なマルウェア対策だけではなく、未知のウイルスを検知して駆除するふるまい検知や、攻撃の標的になりやすいActive Directoryの保護機能など、幅広い脅威に対応できます。
端末のセキュリティ状況はクラウド上で把握でき、管理用のサーバーも必要ないため、管理コストの削減にも役立ちます。
Symantec Endpoint Securityはこちら
IIJセキュアWebゲートウェイサービス
IIJセキュアWebゲートウェイは、Webのセキュリティに関する入口・出口対策をワンストップで実現する、クラウド型のWebセキュリティサービスです。
Webフィルタリングだけではなく、アンチウイルスやプロキシ機能など、複数のセキュリティ製品を組み合わせることで実現できる対策をIIJセキュアWebゲートウェイ一つで実現できます。
また、最新の脅威に対応したアップデートを定期的に行っているため、セキュリティ対策が陳腐化することがなく、いつでも最新のセキュリティ対策を維持できます。
IIJセキュアWebゲートウェイはこちら
Microsoft Defender for Cloud Apps
Microsoft Defender for Cloud Appsは、クラウドサービスへのアクセス状況の可視化や、潜在的なリスクの検知を行い、組織全体のセキュリティガバナンスを向上できるCASB製品です。
組織で利用されているSaaSやIaaSなどのクラウドサービスのセキュリティリスクを評価します。
評価の過程でシャドーITの検出も行えるため、情報漏洩や外部からの攻撃につながるクラウドサービスの使用を把握・制御が可能です。
Microsoft Defender for Cloud Appsはこちら
ProofPoint CASB
Proofpoint CASBは、クラウドを利用するユーザーやデータやアプリケーションを外部の脅威から保護するCASB製品です。
Proofpointの強みは、クラウド環境の使用状況をユーザーやアプリ、データといった視点から可視化できる点にあります。
これにより、リスクのある操作やデータをいち早く検知できます。
内部の不注意によるデータ流出や、外部からの悪意のある攻撃などを未然に防ぐことで、クラウド上の情報漏洩のリスクを最低限に押さえられます。
Proofpoint CASBはこちら
イージスWAFサーバセキュリティ
イージスWAFサーバセキュリティは、外部からの攻撃をいち早く検知・遮断するIPS/IDS機能を備えたセキュリティ製品です。
クラウドサービスで利用できるため、サーバの設置や運用に関する費用がかからず、低コストで広範囲の脅威に対応できるIPS、WAF機能を利用できます。
また、攻撃報告レポートも月次で届き、攻撃の検出状況や攻撃元のIPアドレスの情報などを視覚的に分かりやすくまとめてくれます。
このように、攻撃活動に対する対策を打ちやすい点も特徴です。
イージスWAFサーバセキュリティはこちら
Scutum
Scutumは、Webアプリケーションの脆弱性を狙った外部からの攻撃を防御し、情報漏洩や改ざんのリスクからWebサイトを保護するWAFサービスです。
AI技術をフルに生かした、検知精度が高い独自開発ののWAFエンジンを搭載しており、より誤検知が少なく汎用性の高いWAFエンジンを構築しています。
国内シェアは12年連続No.1を達成しており、幅広い業種、サイト種別や規模を問わない豊富な導入実績がある点も安心です。
Scutumはこちら
Cloudbric WAF +
Cloudbric WAF+は、企業のWebセキュリティの確保に必須とされるセキュリティ対策を一括で行えるWebセキュリティに特化した製品です。
WAFサービスだけではなく、DDoS対策やSSL証明書サービス、脅威IPや悪性Botの遮断といったセキュリティ対策をリーズナブルに導入できます。
また、導入時と導入後の運用期間において、セキュリティエキスパートによるサポートを受けられます。
このように、製品の誤検知や過検知を抑え、より高度なセキュリティを維持できる点も特徴の一つです。
Cloudbric WAF+はこちら
クラウドセキュリティの被害実例
クラウドサービスの普及に伴い、セキュリティインシデントの事例も増加しています。
ここでは、実際に起きた被害事例を紹介し、クラウドセキュリティ対策の重要性について説明します。
防衛関連の機密情報が約2万件流出した事例
2019年、日本の防衛関連企業のクラウドサーバーから、防衛関連の機密情報が約2万件流出した事件が発生しました。
この事件では、攻撃者は、サーバーの脆弱性を突いて不正にアクセスし、機密情報を盗み出したとされています。
この事例では、脆弱性への迅速な対応の重要性が浮き彫りになりました。
システムの脆弱性を放置すると、企業の根幹を揺るがすような深刻な被害につながる可能性があります。
定期的な脆弱性検査と、発見された問題への素早い対処が重要だと覚えておきましょう。
約149万件の顧客データが漏洩した事例
2020年、日本の大手企業のクラウドサービスから、約149万件の顧客データが漏洩した事件が発生しました。
原因は、同社が利用していたクラウドサーバーの設定ミスでした。
本来は内部からのみアクセス可能なはずが、外部からもアクセスできる状態になっていたのです。
この事例からは、クラウドサービスの設定確認の重要性が分かります。
クラウドサービスは便利な反面、設定を誤ると大規模な情報漏洩につながるリスクがあります。
特に外部からのアクセス制御は慎重に行い、定期的な監査も忘れずに行いましょう。
S3バケット設定の誤りによるAWSデータ漏洩した事例
AWSのS3バケットの設定ミスによるデータ漏洩も、クラウドセキュリティの典型的な問題です。
この事例では、S3バケットの公開設定が誤って行われていたため、大量のデータが外部からアクセス可能な状態になっていました。
AWSなどのクラウドストレージサービスでは、ユーザー側での適切なアクセス権設定が欠かせません。
S3バケットなどのクラウドストレージサービスを利用する際は、アクセス制御の設定を慎重に行い、定期的に設定を確認することが重要です。
クラウドセキュリティの今後の課題
クラウドの発展とともにクラウドセキュリティの必要性が高まってきていますが、クラウドセキュリティを推進していく上での課題も存在します。
新たなセキュリティ脅威と対応策
クラウドのセキュリティ品質を保つための課題の一つとして、新たなセキュリティ脅威に対する対応策を常にアップデートしなければならないことが挙げられます。
クラウドサービスのセキュリティ対策は以前と比べて強固なものとなっていますが、サイバー攻撃の手段も同様に年々巧妙化します。
また、今のクラウド環境のセキュリティ対策も数年後には陳腐化してしまうため、放置すると脆弱性を生み出すことにもなりかねません。
そのため、セキュリティ担当者はクラウドに対する最新のセキュリティ脅威を常に学習する必要があります。
クラウド環境のセキュリティ状態の評価・改善を継続的に行っていくことが重要だと覚えておきましょう。
ただ、IT業界は今後人手不足が加速すると言われています。
次々と生まれるセキュリティ脅威に対応できる人材を確保・育成していく必要がある点は、今後の課題ともいえるでしょう。
セキュリティ技術の進化とトレンド
ウイルスやなりすましといった攻撃手段は日々巧妙化しており、数年後には既存のセキュリティ技術では対応できなくなっている可能性があります。
しかし、クラウドセキュリティの技術も日々改善・進化しており、常に最新のセキュリティ技術をクラウド環境に適応していくことが必要です。
クラウドセキュリティを常に最新の状態に保つため、セキュリティ技術の進化とトレンドをいち早く抑え、クラウド環境へ適用していくスキルを持った人材の育成を行うことが重要です。
まとめ:クラウドセキュリティの強化とその重要性
不正アクセスやサイバー攻撃が巧妙化するなか、クラウドサービスを安全に利用するためには、セキュリティ面の強化は必須です。
特に、クラウドに対するセキュリティの脅威は進歩が速く、新たな脅威に対応できるようにするため、セキュリティの継続的な強化を行うことが大切です。
セキュリティ対策を怠り、一度でも企業内のデータを流出させてしまうと、企業に対する社会的信頼が落ちてしまい、ビジネスに対する影響もはかり知れません。
そのため、クラウドサービスを利用する上でのセキュリティリスクを把握し、適切なセキュリティ対策を継続的に行うことが重要です。
これにより、大切な企業データを保護することにつながり、ビジネスを安定して継続できます。
クラウドセキュリティに関する製品は提供するベンダーによって特徴が異なります。
本記事で紹介したサービスを比較・検討することで、貴社にとって本当に必要な機能を備えたクラウドセキュリティ製品を選定することをおすすめします。
もしクラウドセキュリティ製品の選定に迷った場合は、ぜひ株式会社Jiteraにご相談ください。
世界中から集められた経験豊富なメンバーによる伴走型のサポートで、貴社のクラウド環境のセキュリティ対策について最適なアドバイスが期待できるでしょう。