Open Interpreterは、自然言語を用いて多様なプログラミング言語を操作できるオープンソースツールです。
データ分析、スクリプト作成、画像・動画編集、PDF生成など多機能であり、ローカル環境で安全に実行することが可能です。
シンプルな操作で、プログラミング経験がなくても使える点が魅力です。
本記事では、Open Interpreterの基本的な使い方から、データ分析や活用の幅広さ、潜在的な危険性について詳しく解説します。
本業でシステムエンジニアをしています。 分かりやすい記事を心がけています。
Open Interpreterとは?

Open Interpreterは、自然言語を使ってプログラムのコードを生成・実行できるツールであり、AI技術によるプログラミングのサポートを行います。
ユーザーはプログラミングの専門知識がなくても、英語や日本語といった自然言語を用いて簡単に指示を出し、PythonやJavaScriptなどの多様なプログラミング言語を操作することが可能です。
さらに、ローカル環境で実行できるため、インターネットに接続せずに作業を行うことができ、プライバシーやセキュリティ面での懸念も軽減されています。
このツールの大きな利点の一つは、対話式のコーディング体験ができる点です。
ユーザーは自然言語でコマンドを入力するだけでなく、その結果に応じてAIが自動的にコードの改善や最適化を提案することが可能です。
プログラムの生成だけでなく、デバッグや修正といった作業もAIがサポートするため、初心者から経験豊富なエンジニアまで幅広い層に役立つツールとなっています。
また、Open InterpreterはPythonやJavaScriptなど、さまざまなプログラミング言語に対応しており、複雑なコード作成だけでなく、簡単なスクリプトの自動生成や実行にも適しています。
このように、多様なタスクに柔軟に対応できることから、開発業務を大幅に効率化できるツールとして注目されています。
Open Interpreterの特徴

Open Interpreterは、AI技術を活用したプログラミング支援ツールであり、プログラムの自動生成や実行を自然言語を通じて簡単に行うことができます。
プログラミングの専門知識がなくても、PythonやJavaScriptといった複数の言語に対応しているため、初心者からプロまで幅広い層が活用できることが大きな特徴です。
ここでは、次のOpen Interpreterの特徴について紹介します。
- ローカル環境で実行できる
- 導入が手軽でカンタン
- 自然言語から多くのプログラミング言語まで対応
- 大量のデータ分析ができる
- PDF作成や画像・動画編集ができる
ローカル環境で実行できる
Open Interpreterは、ローカル環境で実行できるため、インターネット接続が不要であり、データのプライバシーを保護しながら使用できます。
外部サーバーにデータを送信せずに実行できるため、セキュリティ面でも優れています。
導入が手軽でカンタン
Open Interpreterのインストールと導入は非常に簡単で、複雑なセットアップは不要です。
数回のコマンド実行で設定が完了し、初心者でもすぐに使い始めることが可能です。
自然言語から多くのプログラミング言語まで対応
Open InterpreterはPython、JavaScript、SQLなどのプログラミング言語に対応しており、自然言語でプログラムの作成や修正ができます。
そのため、技術的な知識が少ない人でも、高度なプログラムを簡単に実行することが可能です。
大量のデータ分析ができる
データ解析においても優れたパフォーマンスを発揮し、大規模なデータセットを処理することができます。
特にビジネスや研究の分野での活用が期待されており、データサイエンスのスキルがなくても効果的にデータを活用できます。
PDF作成や画像・動画編集ができる
Open Interpreterは、プログラミングだけでなく、PDFの作成や画像・動画の編集機能も備えています。
これにより、データ分析や開発業務に加え、クリエイティブな作業も簡単に行うことができます。
Open Interpreterの使い方

Open Interpreterは、導入から基本的な使用方法まで、誰でも簡単に扱える設計になっています。
以下は、Open Interpreterのインストールから実際のタスク実行までの手順です。
1.インストールする
2.対話セッションを開始する
3.OpenAI APIキーを設定する
4.タスクを実行する
インストールする
まず、公式のドキュメントに従い、ローカル環境にOpen Interpreterをインストールします。
Pythonがインストールされていることを確認し、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
pip install open-interpreter
対話セッションを開始する
インストールが完了したら、次にターミナルで以下のコマンドを実行し、Open Interpreterの対話セッションを開始します。
OpenAI APIキーを設定する
Open InterpreterはOpenAIのAPIを利用するため、APIキーを設定する必要があります。
OpenAIのキーを使用しない場合は、Code-Llamaを利用することができます。

タスクを実行する
準備が整ったら、自然言語でタスクを指示します。
例えば、「Pythonで簡単な電卓プログラムを作成して」と入力するだけで、Open Interpreterがコードを生成し、実行してくれます。
Open Interpreterの料金

Open Interpreter自体はオープンソースのツールであり、無料で利用することができます。
ただし、Open InterpreterがOpenAIのAPIを使用する場合、APIの利用料金が発生します。
OpenAI APIの料金は、モデルの種類や使用量によって異なります。
また、Open Interpreterを使用する際に、サーバーやクラウドサービス(Google ColabやAWSなど)を利用する場合も、使用するリソースに応じた追加コストがかかる可能性があります。
コストを最小限に抑えるためには、ローカル環境でLLAMAなどの無料モデルを活用することも一つの選択肢です。
Open InterpreterをDocker+LLAMAで使う

Open InterpreterをDockerとLLAMA(Large Language Model Meta AI)で使用することで、ローカル環境に依存せず安定してAIモデルを実行することが可能になります。
まず、Dockerをインストールする必要があります。
公式サイトから、OSに合わせたインストーラーをダウンロードしてインストールします。
インストール後、Dockerが正常に動作しているか確認するために、以下のコマンドを実行します。
次に、LLAMAをダウンロードします。LLAMAはMeta AIが提供するオープンソースの大規模言語モデルです。
GPT-4のAPIキーを聞いてきますが、ここで何も入力せずにエンターを押すとLLAMAを使うことができます。

LLAMAのモデルをダウンロード後、そのモデルを適切なフォルダに配置します。
次に、Docker上でOpen Interpreterを実行するためのコンテナを作成します。Dockerfileを用いて、必要なライブラリや依存関係をセットアップします。
以下、例です。
FROM python:3.10-slim
# 必要な依存関係をインストール
RUN pip install open-interpreter llama-cpp-python
# 作業ディレクトリの設定
WORKDIR /app
# コンテナ内でOpen Interpreterを起動するためのコマンド
CMD [“open-interpreter”]
次に、このDockerfileを基にDockerイメージをビルドします。以下のコマンドを使って、カスタムイメージを作成します。
ビルドが成功した後、イメージが正常に作成されたか確認するには、以下のコマンドを実行します。
docker images
イメージが作成されたら、次にDockerコンテナを起動してOpen Interpreterを実行します。
docker run -it open-interpreter-llama
これで、Open Interpreterがコンテナ内で起動し、LLAMAモデルを使用した自然言語処理が可能になります。
Open InterpreterをGoogle Colabのクラウドで使う

Google Colabは、クラウド上でPythonコードを実行できる無料のプラットフォームで、GPUやTPUといったリソースを活用することができます。
これを使って、Open Interpreterをインストールし、ローカル環境ではなくクラウド上で自然言語処理やプログラミングの自動化を実行することが可能です。
まずは、こちらからモジュールのインストールを行います。
次に、your_openai_api_keyを、自身のOpenAI APIキーに置き換えます。
こちらのキーはCode Llamaなどの他のLLMでも可能です。
import interpreter# Paste your OpenAI API key below.
interpreter.api_key = “your_openai_api_key”
実際にできているか確認してみます。以下のように、プログラム、実行結果、コメントが出力されます。

Open Interpreterでデータ分析してみる

最初に、データ分析を行うためにCSVファイルを読み込みます。
Open Interpreterに以下の指示を出すことで、ファイルの読み込みと内容の表示が可能です。
interpreter.run(“Load the CSV file ‘data.csv’ and show the first 5 rows.”)
次に、データの基本的な統計情報を取得します。平均、中央値、標準偏差などを計算してデータの概要を確認します。
interpreter.run(“Calculate the mean, median, and standard deviation for the numerical columns.”)
データの傾向を視覚的に把握するため、グラフを作成します。
interpreter.run(“Create a scatter plot of column A vs column B.”)
Open Interpreterの危険性

AI技術の進展に伴い、多くの人々がOpen Interpreterを活用するようになっています。
しかし、この便利な技術にはいくつかの危険性が潜んでいることを理解しておく必要があります。
特にプライバシーやセキュリティに関するリスク、そして学習データに起因する問題が懸念されています。
プライバシー侵害のリスク
Open Interpreterがユーザーデータを処理する際、個人情報が不適切に扱われる可能性があります。
データの共有や保存が安全でない場合、プライバシーが侵害されるリスクが高まります。
このため、利用者はデータがどのように扱われるかを十分に理解し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
セキュリティとデータ損失のリスク
オープンソースのプラットフォームは、その特性上、悪意ある攻撃者の標的となりやすく、セキュリティ上のリスクが存在します。
学習データのバイアスによるリスク
Open Interpreterが学習に使用するデータが偏っている場合、AIの判断や応答にバイアスが生じる可能性があります。
これにより、不正確な結果や偏見を含む回答が返されるリスクがあり、特に重要な意思決定に影響を与える場合には深刻な問題となり得ます。
このため、学習データの質とその影響についても注意が必要です。
Open Interpreterのまとめ

本記事では、Open Interpreterは自然言語を用いてプログラミングを支援する強力なツールであることを紹介してきました。
初心者からプロまで幅広く活用でき、データ分析や画像・動画編集、PDF作成など多機能に対応しています。
また、ローカル環境での実行が可能で、プライバシーやセキュリティ面でのメリットもあります。
しかし、その便利さの裏には、プライバシー侵害やセキュリティリスク、学習データのバイアスなど、潜在的な危険性も存在します。
これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。加え、Open Interpreterだけでなく、JiteraもAIによるプログラミングサポートすることが可能です。
気になる方はぜひ株式会社Jiteraまでお問い合わせください。


