感情分析とは?AIとPythonを使った手法とツールを徹底解説

感情分析をビジネスに活用したいけど、その方法がわからない。そう感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事を読めば、感情分析の仕組みから活用方法までがわかるはずです。

具体的には感情分析の定義から、機械学習をはじめとしたAIを用いた手法、Pythonのライブラリの紹介、そしてビジネスへの活用事例まで、感情分析に関する総合的な解説を行っています。

例えばマーケティング、カスタマーサポート、商品開発といった部門などに、感情分析を取り入れることで、顧客の潜在的なニーズを把握し、ビジネスの効果を高めることができるのです。

AI感情分析を使ってビジネスを改善したい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

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監修者 Webライター writerbear

個人事業主としてWebライターをしています。 WebやIT関連を中心としてさまざまな分野の執筆をしています。

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    自然言語処理の一分野:AIによる感情分析とは?

    AIで感情分析をすることで、顧客の感情や意見などを客観的に把握できるようになります。人間が感情分析をしようとすると、自身の経験や考え方、願望などに影響されてしまい正しく顧客のニーズをつかめない場合があるでしょう。

    そこで、AIで感情分析をすることで顧客のニーズをつかみ満足度向上が期待できます。AIでの感情分析は自然言語処理の一部です。

    自然言語処理については下記記事をご確認ください。

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    感情分析の種類

    近年ではさまざまな方法でAIによって感情判断できます。1つの方法だけでは十分な分析ができない場合でも、複数を組み合わせることでより詳細な分析が可能です。感情分析には次のような種類があります。

    • 音声によるAI感情分析
    • 文章によるAI感情分析
    • 表情によるAI感情分析
    • 生体によるAI感情分析

    音声によるAI感情分析

    人間がAIに話すことで、声のトーンや話すスピードなどを分析します。分析することで喜びや悲しみ、怒りなどといった感情を読み取ることが可能です。

    人間が感情表現をするにあたって文字では表せない非言語コミュニケーションが大きな比重を占めています。

    AIが音声感情分析をすることで、言葉では言い表せない感情を把握できるようになります。音声感情入力はスマートスピーカーにも応用されようとしています。

    言葉以外に感情を分析することで、感じていることや思っていることに寄り添った答えを提供できるようになるでしょう。

    文章によるAI感情分析

    人間が入力した文章をAIが分析することで、ポジティブやネガティブなどの感情を把握できます。

    中には、恐れている、悲しんでいる、喜んでいるなどの感情まで分析して数値化できるAIも存在します。

    文章によるAI感情分析は膨大なデータを学習することでAIが高度な分析を行う仕組みです。

    必要なデータと判断基準を用意することで、AI分析の精度を高められます。

    表情によるAI感情分析

    人間の微妙な表情のニュアンスをAIが読み取ることで、さまざまな分野で活用されています。

    例えば、デジダルサイネージを見た人の反応をAIが分析することで今後の広告運用に活かすことが可能です。

    顧客の感情や好み、ニーズなどを把握できることで広告効果を最大化します。

    表情によるAI感情分析は、広告業界以外に教育や医療などさまざまな分野で活用されており今後さらに需要が高まっていくことでしょう。

    生体によるAI感情分析

    脈拍や発汗、脳波などといった生体に関連する情報をセンサーで感知することで人間の感情を把握できる場合があります。

    これらの生体情報は自身でコントロールしにくい部分であり、より正確な感情を分析できるとされています。

    また、生体情報や音声、テキストなどさまざまな分析を行うことでより感情分析の精度を高められます。

    利用者の生体を的確につかむことによって、より顧客ニーズにあった商品の展開が可能です。

    感情分析のメリット・できること

    感情分析の活用によって次のようなメリットが挙げられます。

    • 顧客フィードバックの分析
    • ブランドイメージの管理ができる
    • マーケティング戦略の最適化につながる
    • リアルタイムでの対応ができる
    • 製品開発の改善につながる

    顧客フィードバックの分析

    AIを使った感情分析では、テキストや音声などから顧客の思いを分析可能です。

    顧客が投稿したSNSやレビュー、コールセンターでの会話など顧客フィードバックを分析することで、顧客の思いや考えなどを把握できます。

    顧客の思いを把握することで、顧客ニーズを満たした商品やサービスを提供できるでしょう。

    ブランドイメージの管理ができる

    企業にとってブランドイメージを高めることで、顧客の信頼を高め競争優位性を構築できます。

    感情分析を活用することで、アンケートや顧客のレビューからどのようなブランドイメージを持っているかを把握することが可能です。

    また、ネガティブな口コミを早めに見つけて迅速な対応をすることもできるでしょう。

    これらのように、感情分析を活用して顧客満足度を高めてブランドイメージを上げる施策を実現できます。

    マーケティング戦略の最適化につながる

    感情分析によって、顧客のニーズを把握できます。

    そのため、顧客のニーズにあった商品やサービスを展開できることからマーケティング戦略の最適化につなげることが可能です。

    また、性別や年齢、住んでいる場所などニーズの高い属性を把握できることから効果的なターゲティング広告を展開できます。

    適切なマーケティング広告を運用できることから、売上向上が期待できます。

    リアルタイムでの対応ができる

    顧客の感情分析をすることで、顧客がリアルタイムに求めていることや不満を持っていることを理解できます。

    そのため、リアルタイムに対応することで顧客満足度を高められるでしょう。

    このことで、顧客との信頼関係を構築し顧客離脱の防止も可能です。

    リアルタイムな対応で顧客満足度を高め売り上げ向上も期待できます。

    製品開発の改善につながる

    感情分析をすることで、リアルタイムに顧客ニーズをつかめます。

    そのため、ニーズにあった製品開発の改善につなげることができるでしょう。

    顧客のニーズは常に変わっていきますが、リアルタイムな情報をつかめることで商品やサービスのファンが増えブランディングにつながります。

    また、リピーターが増え口コミやSNSなどで拡散してくれることもあるでしょう。

    感情分析の手法

    感情分析には、主に以下の4つの種類があります。分析したい目的に応じて、適切な手法を選択することが重要です。

    機械学習を活用した感情分析の手法

    AIに膨大なデータを学習させることで、データの関係性を把握しわけることを機械学習といいます。

    顧客からのアンケートや購買記録など膨大なデータから、機械学習を使って売り上げを上げるためのパターンを見つけます。

    膨大なデータを分析することで商品が売れた理由を見つけることによって、安定した売り上げにつなげることが可能です。

    また、顧客の行動パターンを把握することで顧客満足度が上がり、優良顧客を獲得できます。

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    AIを活用した感情分析の手法

    AIを使った感情分析を活用することで、人間の表情や文章、言動などから気持ちの変化や感情を読み取ります。

    例えば、アンケートに記入された顧客の書いた文章を分析することで、商品やサービスに対してどのような思いを持っているのか理解することが可能です。

    また、コールセンターではオペレーターの声の高さやアクセントなどをAIが定量化することで、顧客が満足しやすい話し方を追求できます。

    これらのように、AIを活用した感情分析を利用することによって顧客満足度の向上を実現できるでしょう。

    Pythonを活用した感情分析の手法

    感情分析をする際に使うPythonのおすすめライブラリ6つを簡単に紹介します。

    NLTK

    NLTKはPythonの標準的なライブラリです。感情分析に必要な形態素解析や、文書分類などの機能が簡単に利用できます。文書データの前処理に便利なライブラリです。

    NLTKにはストップワード除去、ステミング、品詞タグ付けといった、テキストデータの正規化機能が揃っています。感情分析に不要な言葉を取り除いたり、単語を基本形に変換したりする前処理が簡単に実装できます。

    また、SentenceTokenizerやWordPunctTokenizerなどのトークナイザーを使えば、文書を1文ごとに分割したり、単語に分割することもできます。データの形式を処理しやすく、変換する時に便利なライブラリです。

    NLTKは機械学習までは含まないので、データ前処理に特化して活用することをおすすめします。

    ※トークナイザー・・・文章を単語などのトークンに分割する自然言語処理のコンポーネントです。文書を単語トークンに分割したり、句読点で文トークンに分割したりします。感情分析ではトークナイザーを使用して入力テキストを前処理します。

    TextBlob

    NLTKをもっと簡単に扱えるように作られた、ラッパーライブラリです。少ないコードで感情分析機能を実装できるので、使いやすい特徴があります。

    TextBlobにはSentiment()メソッドが用意されており、これを文書に適用するだけで簡単に感情分析を行うことができます。極性スコアや主観性スコアといった指標も算出してくれるので、感情の正負や強さを数値的に確認できます。

    また、言語検出機能や翻訳機能も備えているので、多言語のテキストデータを扱う場合にも柔軟に対応できます。少ないコードで実装できるので、プロトタイピングに向いています。

    簡単な感情分析システムを構築したい場合にオススメのライブラリです。

    ※ラッパーライブラリ・・・あるライブラリの機能を簡略化・抽象化することで、より使いやすくラップ(包装)したライブラリのことです。例えばTextBlobはNLTKのラッパーライブラリで、NLTKをもっと扱いやすくしています。ラッパーライブラリは元のライブラリの概念を熟知していなくても利用できるメリットがあります。

    spaCy

    文章の意味解析が高速にできるライブラリです。感情分析に必要な文法解析が強力なので、大量のテキストデータを扱う際には向いています。

    spaCyは形態素解析、品詞タグ付け、固有表現の抽出などの機能を高速に処理できます。文章内の主語や目的語などの文法依存関係も解析できるので、感情と関連の深い単語を正確に抽出できます。

    また、Word2VecやGloVeといった意味ベクトルの機能も備えているので、単語の意味的な類似度を計算できます。これにより、感情価を表す単語の類似語も効率的に抽出できます。

    大量のテキストデータを扱う際の高速処理と、意味解析機能が強力なのが特徴です。データ量が膨大なSNSや商品レビューの感情分析に向いています。

    spaCyは学習済みモデルが提供されているので、すぐに高性能な解析が可能です。実運用向けの大規模感情分析に有用なライブラリといえます。

    ※形態素解析・・・文や句を構成する最小の言語単位である形態素(言葉の部品)に分解する自然言語処理の一手法です。「名詞」「動詞」「助詞」に分割することで、コンピュータが言語を理解しやすくなります。感情分析においても、まず形態素解析を行うことが一般的です。

    Gensim

    トピックモデリングに強みを持つライブラリです。文章のトピックと感情の関係性を分析するのに適しています。

    GensimにはLDA(潜在ディリクレ配分)によるトピックモデル分析機能が搭載されています。これにより、文章から自動的にトピックを抽出できます。

    例えば、商品レビューの場合、「画面」「操作性」「デザイン」などのトピックが抽出されるでしょう。それぞれのトピックに対するポジティブ/ネガティブな感情を分析することが可能です。

    GensimはWord2Vecによる単語の意味ベクトルも生成できるので、意味的に関連の深い単語を効率的に抽出できます。トピックと意味ベクトルを組み合わせることで、文章のニュアンスを感情分析できます。

    大量の非構造化データから、効率的にトピックと感情を分析したい場合に適したライブラリです。

    ※トピックモデリング・・・大量の文章データから統計的手法を用いて、隠れたトピックを自動抽出するテキストマイニングの一手法です。文章中の単語の出現パターンから文章の主題となるトピックを機械的に発見できます。感情分析ではトピックと感情の関係を分析するのに利用されます。

    TensorFlow

    Googleの有名な深層学習ライブラリです。最新のニューラルネットワークを活用した高度な感情分析が実装できます。

    TensorFlowでは、LSTMやCNNといったニューラルネットワークを用いた、感情分析モデルを構築できます。単語ベクトルを入力層に、多層のLSTMで特徴抽出し、Softmax関数で感情分類を行うアーキテクチャが一般的です。

    また、TensorFlow Hubを使えば、学習済みのBERTやXLNetなどの先進の言語モデルも取り入れられます。大規模で高品質なデータセットを活用することが可能です。

    Keras APIを利用すれば、TensorFlowでのモデル開発がより直感的に行えます。パラメータチューニングによって、高精度な感情分析を実現できるでしょう。

    大量のデータに基づく深層学習を活用し、高度な感情分析システムを構築したい場合に適しています。

    ※パラメータチューニング・・・機械学習モデルの構造はそのままに、モデルの性能を最適化するためにパラメータを調整することです。ニューラルネットワークの重みやバイアス、学習率のパラメータなどを調整することで、より高精度なモデルを得ることができます。感情分析でも大規模データに基づくパラメータチューニングが重要です。

    PyTorch

    Facebookが開発した深層学習ライブラリです。TensorFlowと並ぶ汎用的な機械学習プラットフォームとして人気があります。

    PyTorchではAutograd機能により、ニューラルネットワークの勾配計算を自動で効率的に行えます。LSTMやCNNなどの感情分析モデルも簡単に構築できます。

    またtorchtextライブラリを使えば、テキストデータの前処理がスムーズに行えます。単語IDへの変換や、単語ベクトルの作成が便利なインタフェースで処理できます。

    PyTorchはONNX形式で他フレームワークとの互換性も高く、TensorFlowと組み合わせたアンサンブル学習なども可能です。

    強力なGPUによる高速化も、PyTorchの特徴の1つです。大規模データでの高精度かつ高速な深層学習が実現できるため、実用的な大規模感情分析に向いています。

     

    ※勾配計算・・・機械学習で損失関数を最小化するために重みパラメータを更新する際に必要な勾配(微分)を計算することです。

    ※Autograd機能・・・PyTorchなどのディープラーニングフレームワークで実装されている、勾配を自動計算する機能です。

     

    感情分析の使われ方

    感情分析を活用することで以下のようなことが可能となります。

    ・SNSの投稿などからトレンドを把握する
    ・商品レビューから評価した感情を分析する
    ・コールセンター対応の感情分析から問題点を発見する
    ・チャットボットでユーザーの感情を判断して対応する
    ・会議やプレゼンの反応から内容の改善点を見出す
    ・ゲームや映画などの感動を呼び起こす作品を作る
    ・警備カメラの表情認識からトラブルを未然に防ぐ
    ・音声対話AIに感情を加えることで会話力を高める
    ・運転時の表情認識でストレスや眠気を検知する

    このように、様々なデータから感情情報を読み取ることで、ビジネス、製品開発、サポート、安全管理など、多岐にわたる分野での活用が期待できます。自動車、ロボット、スマートスピーカーなどの製品の高度化や、より良いサービス提供に役立てることができるでしょう。

    日常での活用事例

    日常でもさまざまな目的で感情分析を利用できます。

    例えば、APIを利用して Twitter、Facebook、InstagramなどのSNS媒体から投稿データを収集することで、SNSの投稿などからトレンドを把握することが可能です。

    ビジネスでの活用事例

    感情分析は様々な業務で活用できます。代表的な活用シーンをいくつか紹介します。

    マーケティング

    商品やサービス、広告の感情分析を行い、消費者の本音を把握することで、マーケティング効果を最大化できます。SNSの感情分析から需要を予測したり、広告の感情分析で訴求ポイントを特定したりできます。

    例えば、新商品のSNS上の反応を感情分析することで、消費者の評価を知ることができます。「画面が綺麗だね」「カラーが好き」といったポジティブな感情から需要予測をしたり、「高すぎる」「機能不足」といった改善点を発見したりできます。

    また、テレビCMの感情分析も有効です。視聴者の反応から、どのシーンで好印象を与えているか、どのシーンで違和感があるかを把握できます。好印象の原因となる演出を継続し、違和感のある演出を修正することで、広告効果を高めることができます。

    このように、マーケティングにおいて感情分析を活用することで、消費者の生の声を入力として、戦略を立案することが可能となります。

    商品開発

    製品レビューやアンケートの感情分析を行うことで、消費者が望む機能や改善点を見つけられます。例えば「画面サイズは良いが、重量が重い」といった感情を分析し、商品企画に活用します。

    感情分析から具体的に得られる洞察は以下のようなことです。

    ・商品のどの部分に対してポジティブ/ネガティブな感情があるか
    ・機能面での改善要望点
    ・デザインや見た目への評価
    ・直感的な操作性の評価
    ・商品コンセプトへの共感度

    これらの洞察から、消費者が求めている機能を把握したり、改善した方が良い点を発見したりできます。

    例えば、「機能は充実しているが、デザインが古くさい」といった感情分析から、消費者は機能面は評価していますが、デザイン改良の需要があることが分かります。この洞察を次期の商品設計に活かすことができるでしょう。

    カスタマーサポート

    お客様の問い合わせ内容の感情分析をすることで、お客様の本当の悩みや要望を把握できます。不満を感じている場合は丁寧に対応するなど、感情に合わせたサポートで満足度が向上します。

    感情分析から以下のような洞察が得られます。

    ・お客様の曖昧な不満の原因を特定できる
    ・謝罪対応が必要なケースが分かる
    ・満足しているケースとその要因が分かる
    ・やり取りのパターンから改善点を発見できる
    例えば、「配送が遅かった」とのクレームの際、感情分析で強い不満感を検知した場合は丁寧に謝罪する必要があることが分かります。一方で、事実関係の確認のみの場合は、それほど丁寧にする必要はないと判断できます。

    このようにカスタマーサポートの品質を向上させ、感情面も含めてお客様の満足度を高めることができます。

    店舗運営

    来店者の表情や会話から感情を分析することで、店舗のどの要素がストレスに感じられているのか発見できます。例えばレジの待ち時間への不満などが分かり、改善できます。

    感情分析から店舗運営に活用できる洞察は以下のようなものがあります。

    ・来店者がストレスを感じるポイントの特定
    ・商品の陳列方法への評価
    ・レジの待ち時間への感情変化
    ・スタッフ対応の好感度分析
    ・BGMや空調などの環境への評価

    例えば、レジ待ちの長さによって来店者の表情が次第に険しくなることを分析し、人員配置を見直すことで改善できます。

    このように店舗のあらゆる要素に対する来店者の感情フィードバックを分析することで、より快適な店舗環境をデザインできます。

    HR

    面接時の言動や書類審査の文章から、応募者の感情や性格特性を分析します。採用の適性判断に活用できます。

    例えば面接時の応答文章から、以下のようなことを感情分析することができます。

    ・言葉遣いから判断力や教養が分かる
    ・語彙の豊かさから表現力が判断できる
    ・文章トーンから性格が分かる
    ・経歴説明の感情から仕事への姿勢が分かる

    また、グループディスカッション時の発言内容からは、以下のようなことが分析可能です。

    ・議論の切り返しから思考力や即応性が分かる
    ・仲間とのコミュニケーションから協調性が分かる
    ・発言量から積極性と主体性が分かる
    ・表情やトーンから性格や姿勢が分かる
    このように面接過程の様々な要素から、応募者の適性や強みを感情分析することで、採用判断をより正確に行うことができます。AIでは判断しにくい人間性も評価可能です。

    AI活用!初心者でも使える感情分析ツール4選!

    初心者でも使いやすい感情分析ツールを4種類ご紹介します。

    MATLAB

    MATLABは、画像処理やデータ解析などを行うための数値計算・視覚化ツールです。感情分析の研究開発現場で多用されているため、豊富な機能が揃っています。音声や顔表情の解析機能も充実していて、柔軟に感情分析システムを構築できます。

    MATLABには機械学習やディープラーニング、信号処理関連の多くのツールボックスが用意されています。感情分析研究で常用される汎用的な機能が揃っているため、効率的に開発を進められます。

    例えば、音声分析では音声処理ツールボックスを用いて、音響の特徴量を抽出します。

    テキスト分析では、機械学習ツールボックスを利用して特徴エンジニアリングとモデル構築を行います。GUIベースなので、プログラミング経験がなくてもある程度実装できます。

    大学や研究機関を中心に高いシェアを誇るMATLABは、感情分析分野で最も多く使われているツールの1つです。研究・教育目的での利用に適しています。

    新規ライセンスの購入価格 (税込み)
    学生向け MATLAB ¥1,098
    個人使用 ¥17,050

    MATLAB

    Amazon Comprehend

    Amazonが提供するクラウド型の感情分析サービスです。文章テキストを送信すると、ポジティブかネガティブかを判断してくれます。APIを使用するので、簡単に既存システムに組み込むことができるため便利です。大量の感情分析が必要な場合にオススメです。

    異なる複数の言語(日本語、英語など)にも対応しているので、グローバルなテキストデータでも対応可能です。JSONやCSV形式で結果が得られるので、業務システムとの連携がしやすくなっています。

    料金プランは、解析したテキストデータの量に応じた課金方式です。大量のデータを持つ企業でも、利用しやすい価格設定となっています。

    拡張性と信頼性の高いAmazonのクラウドサービスを活用することで、自社開発したシステムに手軽に感情分析機能を追加できます。

    ユニット量 ユニットあたりの料金
    10 M ユニットまで 0.0001USD
    10 M~50 M ユニット 0.00005USD
    50 M ユニット超 0.000025USD

    Amazon Comprehend

    IBM Watson

    IBMの人工知能プラットフォームWatsonにも、感情分析サービスが用意されています。顧客対応のチャットログなどから感情を推定してくれるので、ビジネス分析に活用しやすいです。APIや各種言語に対応しているのが魅力的です。

    Watson Tone Analyzerを使うことで、テキストに含まれる感情トーンを検出できます。文章全体のトーンに加え、喜び、悲しみ、怒りなどのカテゴリ別スコアを出力してくれるので、ニュアンスの違いも分析できます。

    対応言語は英語のほか、日本語、韓国語など多言語に対応しています。法人向けのプランでは企業の機密データも安全に処理できるようになっています。

    Watson Developer Cloudを利用すれば、Java、Node.js、Pythonなど各種開発言語からAPIを呼び出すことができます。既存システムにもスムーズにWatsonの感情分析を統合できるのが強みです。

    長い実績と多言語対応、セキュリティ面での信頼性の高さがWatsonの強みといえます。

    プラン 料金
    ライト 無料
    Professional ¥157.6767

    IBM Watson

    Microsoft Azure

    MicrosoftのクラウドサービスAzureには、Cognitive ServicesというAI系の機能群があり、その中に感情分析サービスがあります。Text Analytics APIを用いることで、アプリケーションに簡単に感情分析を実装できます。

    Text Analytics APIでは、入力テキストから感情ラベル(喜び、悲しみなど)を抽出できます。結果はJSON形式で返ってくるので、他システムとの連携が容易です。

    Azure Blob Storageにデータをアップロードするだけで、大量のデータでも手軽に感情分析を実行できます。柔軟な課金プランも魅力の1つです。

    利用可能な開発言語は、C#、Python、JavaScript、Javaなどです。SDKを使えば、Windowsアプリ、Webアプリ、モバイルアプリなど、さまざまなアプリケーションに簡単に実装できます。

    Microsoftのプラットフォーム上で感情分析機能を手軽に追加したい場合に最適なサービスです。

    Azureは従量課金制です。詳しくは料金計算ツールをご利用ください。

    Microsoft Azure

    感情分析のまとめ

    今回の記事では、感情分析の解説をしてきました。

    感情分析はAIを使って、文字や音声、顔の表情から人の感情を読み取る技術です。マーケティングやお客様対応、店舗運営など、様々な業務で活用できます。

    機械学習を使ってデータから感情を推定する仕組みの解説や、実際に使用できるツールの紹介を行いました。Pythonのライブラリやクラウドサービスを活用することで、手軽に感情分析を始められそうですね。

    感情分析に興味がある方は、株式会社Jiteraにお問い合わせください。最新のAIを活用した感情分析のサービスを提供しています。お客様の声から改善点を見つけたり、商品開発に役立てたりと、ビジネスに生かしていただけると思います。ご質問やご要望など、お気軽にご連絡ください。

    例:開発手順、ツール、プロンプト

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