RPAとは?できることや導入メリット・デメリット、やり方まで解説!

RPAの導入メリットとは?簡単にできる進め方や費用、導入事例も紹介

RPA(Robotic Process Automation)は、事務作業や定型業務を自動化するための技術です。導入することで、業務効率化やコスト削減が期待できる一方で、初期投資や運用コストが課題となることもあります。

本記事では、RPAの基本的な仕組み、具体的にどのような業務が自動化できるのか、導入のメリット・デメリット、そして導入方法について詳しく解説します。RPAの導入を検討している企業や個人にとって、実践的なガイドとなる内容です。

目次
監修者 中田

2020年のコロナ渦で在宅期間が増えたことに伴いライター活動を開始。 プログラミング関係からAI関連の記事まで幅広く執筆しています。

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    RPAとは?

    RPAとは?

    RPAは、「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、定型的な業務を自動化する技術です。

    具体的には、請求書の処理やデータの入力など、人がPCを使って行う繰り返し作業を、ソフトウェアロボットが代わりに行います。この技術により、業務の効率化が図れるだけでなく、人的ミスを減らし、社員がより価値の高い仕事に集中できるようになります。

    RPAツールは導入が比較的容易で、プログラミング知識がなくても業務の自動化が可能です。これにより、多くの企業で導入が進んでおり、作業効率の向上やコスト削減に大きく貢献しています。

    RPA(Robotic Process Automation)とは

    RPA(Robotic Process Automation)とは、普段の業務で発生する単純作業をソフトウェアロボットに覚えさせ、業務の一部をロボットに肩代わりさせるための作業自動化ツールの総称です。より簡単に言えば、「手順の決まった定型業務をPCに肩代わりさせるためのロボットを作る」ためのツールです。

    既存のソフトウェアと違い人間と同じ手順で作業するため、今までの仕事のやり方を崩さずに業務効率化できるところが特徴になります。

    例えば、顧客データと外部データを突き合わせて修正追記したり、送られてきたメールをExcelに転記して整理する等、我々が行う”業務”には必ず「同じことをミスなく何度も繰り返す、単調な作業」がつきまといます。

    しかし、人間の脳はこの「単純な反復作業の繰り返し」がとても苦手です。そのようなルーティンワークをコンピュータに代替させることがRPAツールです。

    RPAとAIとの違い

    RPAは、事前に決めた手順によりプロセスの自動化が目的です。それに対しAIは、人間の知能を模倣し、データの分析
    や意思決定を元に高度なタスクの自動化が目的です。

    RPA AI
    対象 ルーティンワークや高頻度の業務プロセス 画面認識やチャットボットなど複雑で非定型的な業務
    技術 ・事前に決めた手順を遵守
    ・例外や分岐の際に人間の入力を待機
    ・ノーコードのツールが多いため、専門知識が無くても導入可能
    ・ビックデータの解析
    ・複雑なアルゴリズムを使用

    以上がAIとRPA主な特徴の違いです。AIと違いRPAは勝手な判断をしないため、同じルーティン業務を代替することに向いています。

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    RPAとDXの違い

    RPAとDXは、ビジネスプロセスの効率化とデジタル化に関係していますが、技術的アプローチや導入効果が異なります。

    RPA DX
    技術的アプローチ ソフトウェアロボットを使用し、定型的でデータ入力や帳票作成などルールベースの作業を代替 ・クラウドコンピューティング
    ・ビックデータ
    ・IoTなど先端技術を統合的に活用
    ・新しいサービスの創出
    ・データ駆動型の意思決定
    導入効果 ・作業時間の短縮
    ・ヒューマンエラーの減少
    ・市場への変化
    ・組織全体の変革

    DXは企業全体のデジタル化を目指しているのに対して、RPAは既存のプロセスを自動化することが目的です。RPAとDXの違いを理解することで、企業のニーズに合わせた経営戦略を実行できます。

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    RPAを導入するべきかの判断方法

    RPAの導入を判断するうえで重要なことは様々ですが、以下のような事例がある際はRPAの導入を検討するべきでしょう。

    ・小規模な導入から開始し、段階的に拡大が可能
    ・処理時間が長く、人口的リソースを多く消費している
    ・エラー削減によるパフォーマンス向上が期待できる
    ・RPAツールを操作できる基本的なスキルを持つ従業員がいる

    導入する際は、どのプロセスが自動化による効果が高くRPAに最適かを特定することや、パイロットプロジェクトを実施した結果を基に、フルスケールの導入計画を策定するというステップを踏む必要があります。それにより、RPAの効果を最大限に引き出し、業務効率化やコスト削減が実現されます。

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    RPAでできること・メリット

    適切なRPAツールの導入は従業員の負担を軽減し、より”人間が行うべき仕事”に集中させてくれます。導入することで得られるわかりやすいメリットを5つ紹介します。

    手作業を始めとする人件費の削減

    RPAを導入する一番のメリットは人件費の削減です。

    手動でのメール送付、アポイントメントの記録、顧客情報の突き合わせなど未だに手作業で行っている業務もあるのではないでしょうか。デスクワークで毎日発生する煩雑な作業は、その一つ一つは簡単なことでも、積み重なることで人手をかなり圧迫していきます。

    毎日20分だけの作業も、30日積み重なれば10時間。結構なコストが積み上がります。これを自動化することで、人手不足解消や業務効率化が期待できます。

    作業ミス抑制による損失の減少

    単純なケアレスミスを100%なくすことは非常に難しいです。

    特に人が作業を行うならば、絶対にどこかしらでミスが発生します。しかし、ソフトウェアロボットは予め決められた手順を守り続け、同じ動作を繰り返し続けます。元々の指示書にミスがない限り、作業ミスはありません。

    ヒューマンエラーのリスクを無くすことで、より価値と生産性の高い業務に集中することができます。

    スケジュール短縮などの生産性の向上

    人間の手作業に比べて、RPAは圧倒的な速度で作業を終え、さらにロボットは休まずに働き続けます。

    例えば、毎日1時間かかっていたデータ検証が、1分パソコンを放っておけば終わる。煩雑なメール送信処理、それに伴うデータの更新もボタン一つで自動的に終了するなどのプロセスをRPAが代替してくれます。このようにして浮いた時間を商品開発などに集約できるため、生産性の向上が期待できます。

    サービス品質の向上

    「ストレスの溜まりやすい反復作業が自動的に終わってくれる」というのは、従業員の心に余力を生みます。

    煩雑な業務に忙殺されなくなった従業員は、より顧客のことを考える時間を取れるようになりますよね。RPAの導入によって、副次的にはサービス品質やモチベーションの増加も期待できるのです。

    社員のモチベーションが上がる

    RPA導入の大きなメリットの一つは、社員のモチベーションの向上です。

    日々の業務で繰り返し行う単純な作業をRPAが代行することにより、社員は創造的な仕事やより専門的な業務に集中できるようになります。

    例えば、データ入力や報告書の作成などの時間を要する作業をRPAツールが担うことで、社員は新しいプロジェクトの企画や顧客との関係構築など、人間特有のスキルを活かせる仕事に時間を割くことができます。

    このように、RPAの導入は、業務の効率化だけでなく、従業員の仕事への満足度や達成感を高め、企業全体の生産性向上にも繋がります。

    RPA導入の6つのデメリット

    RPA導入の3つのデメリット

    一方でRPA導入にはデメリットもあります。導入時の際には、メリットだけでなくデメリットも把握し、費用対効果を含めて検討する必要があります。

    導入にタスク・コストが発生する

    RPAツールは、取れる手段もツール自体の種類も豊富ですが、ツールの選定、RPAのための手順書の作成、RPAの開発などタスクが一時的に増えます。

    通常業務と並行し進行することは難しいうえ、外部委託では年数十万円を要するので、コストに見合うかの判断が必須です。

    導入後の費用対効果の検証が必要

    RPAには、導入後費用対効果の検証と今後の別業務RPA化の検討が必須です。そのため、導入後を見据えた計画を行わなければなりません。

    例えば導入後の費用対効果の算出、別業務にRPAを適応できるのかなどの検証を十分にすることが効率化に繋がります。導入後のランニングコストを算出し、まずは小規模な範囲へ試験導入といった形から始めることが必要です。

    システム障害やバグによるサービス停止のリスク

    ソフトウェアは何らかの要因で停止やバグが発生するリスクがあります。

    例えば外部システムのバージョンアップ、OSのアップデートなど様々な理由でシステムが停止します。事前に停止やバグが起こった際のリカバリー手順だけでなく、担当者を用意し日々のメンテナンスにより、停止リスクを低減するこどが重要です。

    情報漏洩のリスクがある

    RPA導入において検討すべき重要なデメリットの一つは、情報漏洩のリスクがある点です。

    RPAツールは企業の様々なシステムにアクセスし、多くの機密情報を扱うため、セキュリティの脆弱性がリスクを高める可能性があります。特に、セキュリティ対策機能を備えたRPAツールを選ぶことが極めて重要です。

    例えば、データの暗号化、アクセス制御、監視機能を持つツールを導入することで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能です。

    エラーに気づけない可能性がある

    RPAツールの導入により多くの業務が自動化されますが、エラーに気づけない可能性も存在します。

    例えば、RPAが誤ったデータに基づいて作業を行った場合、その間違いを自動的に検出することは難しいです。RPAによる作業結果を定期的に監視し、異常がないかを確認するなどの人為的なメンテナンスが必須です。

    エラーに対応するプロセスのルールを設定し、運用することで、RPAの導入効果を最大化しつつ、リスクを最小限に抑えることができます。

    引き継ぎをする際に注意が必要

    RPAツールを導入する際、引き継ぎの難しさは見過ごせないデメリットの一つです。特に、設定やプロセスの詳細が一部の担当者にしか理解されていない場合、作業がブラックボックス化してしまう恐れがあります。

    担当者の退職や長期休暇の取得時に、業務の継続性に影響を及ぼします。対策として、RPAの運用に関するドキュメントによる引き継ぎや、レビュー会でプロセスの透明性を保ち、複数の担当者に共有することが望ましいです。

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    RPA導入の費用・料金

    また、RPAは導入価格だけでなく、開発・導入・運用の全てにおける部分でかかる費用を確認することも重要です。各ツールのライセンス費用や導入後の運用コストを見てみましょう。

    デスクトップ型RPAのライセンス費用

    初期費用 ライセンス料
    無料〜50万円程度 買い切り型や月額5万円〜

    (幅広いラインナップあり)

    サーバ型RPAのライセンス費用

    初期費用 ライセンス料
    10万円〜数千万円 30万円〜120万円程度

    サーバ型RPAはサーバー代の費用も加算されますが、PCのスペックに左右されずらく、複数のPCの動作を管理することもできます。セキュリティ面も安心なものが多いです。初期費用は10万円〜数千万円と、選ぶサーバの性能や機能によってかなり幅広いです。ライセンス料も30万円〜120万円程度となります。

    クラウド型RPAのライセンス費用

    初期費用 ライセンス料
    50万円程度 10万円程度

    クラウド型RPAは初期費用が低く、試して確認しやすいところが魅力です。最小構築で考えれば、初期費用は50万円程度。ライセンス料も10万円程度のところが多いです。

    ハードウェアの手配費用

    従来のITソフトウェアと違い、多くの場合RPAはロボット専用のハードウェアを必要とはしません。あくまで既存のシステムを手伝ってくれるソフトウェアロボットを用意することが目的です。そのため、新規のハードウェアコストはあまりかかりません。

    RPA導入コンサルティング費用

    一からRPAを導入する場合、最初のうちは外部コンサルティングに相談したい場合も多いでしょう。RPAのコンサルティングは規模や形式によって費用も様々です。

    例えば導入時に「ソフトウェアロボットの開発方法」をレクチャーしてくれるような形式ならば、1日8万円~10万円程度のところが多いです。また、RPAに詳しい外部エンジニアに常駐してもらい、実際の開発と並行して社内スタッフへの助言や指導を行なってもらう方法も考えられます。

    この場合は、エンジニア一人あたり1ヶ月80万円~150万円程度の人件費がかかります。他にも、導入するツールによってはアフターサポートとして導入支援まで行なってくれる場合もあります。サポートの範囲を導入前に検討しておいたほうがいいでしょう。

    RPA開発委託費用

    RPAツールの開発を外部エンジニアに委託するのも一つの手です。現状に適したRPAロボットの相談もできますし、専用のRPAをスムーズに導入できれば、どれぐらいの費用対効果を見込めるのかも確認できます。

    自動化する業務により相場はかなり変動しますが、RPAロボット一つに30万円前後程度はかかります。また、開発委託を行う場合は社内でRPAツールの担当者が育たないという問題もあります。RPAロボットはいくつもの業務を同時に任せられるようなものではありません。業務ごとに何度も委託することになるため、毎回費用が掛かってしまいます。

    RPA導入後の点検費用

    RPAは日々の保守点検も必要となるため、社内に導入する際にはRPAスキルをもつ担当者が半ば必須となっています。そのため、スキルを持ったスタッフが居ないならば、導入後に外部研修を行う必要があります。外部に委託する場合の研修費用は、大体一人あたり10万円前後のところが多いです。

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    RPA導入の手順・具体的な方法

    RPA導入の進め方・具体的な方法

    RPAを導入するために必要な進め方を6段階のステップで紹介します。

    STEP1  現在の業務プロセスの棚卸し

    RPA導入の一歩目として、まずは業務の洗い出しと棚卸しを始めましょう。

    ・実施範囲の明確化が重要です。部署部門やそれらの業務内容の違いといった組織ベース
    ・作業の種類、業務の手順といった実務ベース
    ・業務にかかる優先度や導入リスクといった導入難易度ベース

    以上の3つを軸に考えると導入のハードルが下がります。

    STEP2  RPA導入で効率化したい業務を決める

    棚卸しによって業務内容を整理できたら、今度は効率化できる業務を絞り込みます。
    RPAを導入する際にリスクが小さいものを選ぶのは当然ですが、業務を更に区切って単純作業のみに着目するのも大切です。

    ・はじめから終わりまでPCを操作して行う業務の判別
    →そうでない場合、PCを使う業務と使わない業務の区分け
    ・決められた手順に従っているかルーティンワークの判別
    →そうでない場合、判断や例外が必要な作業の前後を区分け

    以上のような観点からRPA業務と通常業務の細分化が欠かせません。

    STEP3 導入するツールを決める

    効率化する業務を選定したら、導入するツールを選びます。RPAツールは数多くのベンダーが提供しているので指標として以下のことが挙げられます。

    ・導入予定の対象業務に対し、適した機能がある
    ・マニュアルやサポートが充実しているか
    ・導入コストと必要な機能、予算のバランスは取れているのか

    などの3点を特に意識して、ツールの決定することをオススメします。

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    STEP4 自社で導入するか業者に依頼するかを決める

    次は、外部事業者に委託するか、自社で完結するかを判断します。自社で行うメリットは、コストの削減とエラー発生時などに迅速な解決が可能なことです。

    しかし、社内に元々RPAスキルを持つエンジニアが居なければ、スタッフの育成に時間と手間がかかり、RPAへの着手が大きく遅れます。

    逆に外部事業者に任せれば、RPAの導入は容易ですが、開発コストが高くなります。RPA導入初期段階は外部に委託し、その間に社内スタッフのトレーニングを進めることも検討しましょう。

    STEP5 RPAの開発・カスタマイズを行う

    RPAツールを用いた実装段階です。洗い出しで絞り込んだ対象業務に対し、要件定義を行い、業務手順を明確にしたRPAシナリオを作成し、RPAツールを用いて開発を行います。

    使用者の感想をフィードバックしてカスタマイズしていくのも良いでしょう。ただし、社内開発でも外部委託であっても、分かりやすいマニュアルや、バグ発見時の管理体制はしっかり整備しておく必要があります。

    STEP6 RPA導入後の効果検証を行う

    RPA導入後は、具縦的な相対効果が表れたのか検証します。RPAツールの目的は業務改善ですから、この作業は絶対に欠かしてはいけません。検証方法としては、以下のような例が挙げられま明日。

    ・定量的な方法:「人件費」「作業時間」といった指標でどれだけ削減できたか
    ・定性的な方法:事前にアンケートを取るなどで、仕事のしやすさの変化などを確認する

    可能ならば両方で確認し、RPA化の影響がどこに現れたかを検証すると良いです。

    RPA導入の成功事例3選

    RPA導入の成功事例3選

    様々な”業務効率化”を目指し、RPAを導入して問題を解決した企業事例が増えています。
    RPAを導入したことで、どんな効果があったのか具体的な事例を見ていきましょう。

    年間6,700時間の余力創出を実現したファンケルの事例

    株式会社ファンケル(以下、ファンケル)は、人材不足解消のためにRPAツールを活用し、年間6,700時間の余力を創出することに成功しました。ファンケルは、「人が介在する定型作業を減らしたい」という販売管理部門からの相談を受け、情報システム部門がRPAの導入検討を始めました。

     

    その結果、

    「商品予約をWebで受け付ける200店舗分のデータ集計と伝票作成」
    「生産計画にあたって複数システム間で必要となるデータ連携」
    など数多くの業務を自動化させ、業務効率化に成功。

    2019年から導入したRPAツールは、その後社内研修を終えて50人以上が使い方に習熟。RPA活用部署を拡大していき、現在は23部門で様々な業務自動化を推進しています。

    使いやすいRPAの導入でDX意識の醸成を行った墨田区の事例

    業務効率化とDX推進を目指して多くの自治体がRPAの導入を検討する中、職員の時間外業務が深刻になっていた墨田区税務署はいち早く大きな成果を上げました。

    墨田区RPA導入事例記事より引用

    同じことを繰り返す定型業務が数多くある税務署の仕事とRPAとの親和性の高さに着目し、日本語の詳しいマニュアルが完備されたRPAツール「MinoRobo」(SCSK Minoriソリューションズ提供)で実証実験を開始。

    まずは若手中心のプロジェクトチームを立ち上げ、RPA化に適した業務の洗い出しを行いました。その結果、5つの業務で職員の業務処理を年間1,010時間分の削減に成功し、本格導入を決意。現在は27業務を自動化し年間2,704時間分の業務効率化を成し遂げています。

    医療現場のDX・働き方改革を推進に繋がった済生会熊本病院の事例

    パナソニックインフォメーションズ株式会社によるRPA導入事例記事より引用

    激務が続く医療業界では、単純作業の自動化が死活問題につながる大きな悩みとなっています。済生会熊本病院は、RPAを用いて時間外労働の削減を目指し、現場の負担の大きい作業の自動化に成功しました。

    多機能で細かいカスタマイズができるRPAツールを利用していましたが、RPA担当者の負担が大きく「手軽に作れて手軽に試せる」ツールを求めパナソニック製RPAツールを新たに導入。

    「外出先の医師に手術予定表をメール」「健診予約の登録」「職員の体調分析表の連絡処理」など簡単だが毎日何度も繰り返さないといけない作業を自動化し、スタッフの負担軽減に貢献しています。

    AIとRPAを組み合わせた事例

    年間72万時間の労働時間削減成功:日本通産株式会社

    日本通運は働き手不足や働き方改革に伴い、2018年3月からRPA導入を推進しています。
    業務統括部門に集約型ロボットを導入し、1か所に業務を集約することで、各支店の業務負担を減らすことに成功しました。

    また1つのロボットをコピーして、複数の課所に導入することでスムーズに社内全体へRPAの導入できる横展開型ロボットにより、年間72万時間の削減に成功しました。

    RPA導入は、運転日報などの手書き伝票をデータ化するAI-OCR×RPAパッケージにおいて、システムの根幹を成しています。

    手作業の45%カットに成功:NECの事例

    引用HP ITmediaエンタープライズ / 画像出店:NEC

    NECは、WorkFusion社と連携し、AI搭載型のRAP「WorkFusion Smart Process Automation」を導入しました。このソリューションは経理や財務業務に適用されます。非定型フォーマットの帳票から、目的の情報を自動的に抽出し、人為的な作業を大幅に削減します。

    このRPAは業務プロセスを遂行する過程で、人間が判断や修正した内容を継続的に学習し、ロボットによる業務範囲が広く展開できます。これにより、手作業の45%を削減することに成功しました。

    ビジネスプロセス全体の自動化を浸透:タタ・コンサルタンシー・サーシビズ(TCS Japan)

    タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS Japan)公式HPから引用

    TCS JapanはRPAとAIを組み合わせたビジネスプロセスの自動化を推進しています。
    チャットボットはユーザーのインターフェースになり、RPAがバックエンドとして社内システムの情報を学習することが可能です。さらにAIを活用して最良な回答をユーザーに提供するので、顧客満足度や利便性の向上に貢献し、ビジネスプロセスの自動化が浸透しました。

    金融機関はネット上の膨大な情報を分析し、顧客へマーケットレポートを提供します。しかし、レポート業務は膨大な時間を要することが課題でした。その問題を解決するために、ネット上の統計学や金融情報をRPAに収集させます。その情報を基に、マシンラーニングやテキストマイニングを駆使し、今後の市場予測をレポート化することにより大幅な時間短縮が実現しました。

    RPA導入の注意点とポイント

    RPA導入の注意点とポイント

    RPA導入の検討において最も大切なことは

    • 「何を自動化するか」
    • 「それによって何を期待するか」

    の2つです。

    しっかり目的を持ってRPA化を進めることをおすすめします。

    RPAを導入する目的を曖昧にしない

    RPAは多くの業務プロセスを効率化し、生産性を向上させる強力なツールですが、万能ではないことを理解することが重要です。RPAは基本的に定型的でルールベースのタスクに最適化されており、複雑な判断が必要な作業や高度な分析を必要とするタスクは自動化が難しい場合があります。

    例えば、顧客からの照会に対してパーソナライズされたレスポンスを生成するような場合、RPAはその内容を理解し適切な回答を生成する能力に限界があります。このような状況では、人の介入が必要となることがあります。

    したがって、RPA導入を検討する際には、どの業務プロセスが自動化に適しているかを慎重に評価し、RPAの限界を理解した上で適切な導入計画を立てることが不可欠です。これにより、RPA導入の効果を最大化し、期待外れの結果を避けることができます。

    RPAのできること・できないことを把握しておく

    RPA導入の成功は、既存システムとの相性に大きく依存します。RPAは、企業がすでに使用しているシステム上で自動化タスクを実行するため、これらのシステムとスムーズに連携できるかを事前に確認することが不可欠です。

    例えば、顧客情報管理システムや在庫管理システムなど、RPAを導入しようとする業務領域のシステムが対応しているかどうかを検討する必要があります。

    特に、レガシーシステムの場合、RPAツールとの互換性に問題が生じることがあります。これらのシステムは更新が難しく、RPAツールの機能をフルに活用できない可能性があります。

    したがって、RPAツールを選定する際には、既存のITインフラとの互換性を慎重に評価し、必要に応じてシステムのアップグレードや変更を検討することが重要です。

    この相性を確認し、計画的に対応することで、RPA導入後のトラブルを避け、自動化のメリットを最大限に享受することができます。

    RPAの運用ルールや運用担当者を決めておく

    RPA導入の計画段階で最も重要なステップの一つは、費用対効果の検証です。この検証を行うことで、投資に見合う実際のメリットが得られるかを予測することができます。

    具体的には、自動化によって削減される人件費、作業時間の短縮による生産性向上、品質の向上による顧客満足度の向上など、数値化可能なメリットを詳細に分析します。

    また、RPAツールの導入コスト、メンテナンス費用、必要に応じたシステムのアップグレード費用など、導入に際して発生する費用も詳細に計算する必要があります。費用と効果を丁寧に比較検討することで、RPA導入が企業にとって本当に価値のある投資であるかを判断できます。

    このプロセスを省略せずに慎重に実施することで、未来の業務改善に向けた確固たる根拠を持ってRPA導入の決定を下すことが可能になります。

    RPA導入後の効果測定は必ず行う

    RPA導入の成功には、野良ロボットの発生を防ぐことが不可欠です。

    野良ロボットとは、管理されずに放置された自動化スクリプトのことで、IT環境にリスクをもたらす可能性があります。そのため、RPAの適切な管理体制を築くことが重要です。

    このためには、RPA人材の教育と育成がカギとなります。技術的な知識だけでなく、プロジェクト管理や運用管理に関するスキルも必要です。したがって、RPA導入と同時に、これらのスキルを持った人材を育成するプログラムを整えることが推奨されます。

    さらに、RPA導入の際には、自社の業務プロセスやIT環境に合ったツールを選定することが重要です。例えば、定型的なデータ入力作業が多い企業では、RPAによる効率化が期待できます。業務プロセスの詳細な分析とRPAツールの適合性評価を行うことで、導入のメリットを最大限に引き出すことができます。

    RPAツールの導入のまとめ

    まとめ

    RPAはルーティンワークを自動化し、企業の生産性や顧客満足度の向上に大きく貢献します。ヒューマンエラーの減少、生産性の向上、地道な手作業の自動化など多くのメリットがあり、工数削減による働き方改革の実現が可能です。

    しかし、導入には初期費用や運用時のリスクも伴います。自社の業務プロセスに合ったツール選定、導入目的の明確化、継続的な運用、効果測定が業務プロセス自動化の鍵になります。

    従業員の理解と協力を得るためには、RPAの人材トレーニングが必須です。なぜなら適切なトレーニングを通じて、従業員がRPAを効果的に活用できることが、企業のデジタルトランスフォーメーションを成功させます。

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