株式会社シーエーシー

設計書作成・レビュー工数を約70%削減。AIを活用した知見継承と技術者育成の成功事例

  • #開発効率化
  • #業務改善
  • #SI業
株式会社シーエーシー

会社名

株式会社シーエーシー(CAC)

業界

SI,IT

業種

情報・通信業

従業員規模

1327名 (2024年12月31日現在)

システムの種類

金融システム、製薬システム、製造業向けシステムなど

インタビュー担当者

CAC

(写真、左二番目から)
インテグレーション統括本部サービスプロデューサー 中川 達夫様
金融ビジネス第三部長 浅見 美奈子様
インテグレーションP&S部 藤尾 壮様
金融ビジネス第三部 深谷 瞳様 ※オンラインにてご出席

Jitera

(写真、左)
Head of Customer Success and Pre-sales, JP 中嶋 佑介

課題

  • 業務知見を持つベテラン層が定年期となり、知見継承と若手育成が急務。

  • レガシーシステムのモダナイズに向けたリバースエンジニアリング要員の確保が必要。

  • 金融機関の大規模システム保守を担当するエンジニアが、業務の中で新技術をキャッチアップする機会が少ない。

導入効果

  • 既存システムのソースコードからのリバースエンジニアリングを前提とした設計書作成工程で約70%の工数を削減。

  • アセンブリ言語の経験のないメンバーだけで高精度なリバースエンジニアリングを実現。

  • AI未経験者でも直感的に利用でき、技術者層拡大・即戦力化に手応え。

  • SaaS上で知見を蓄積・共有でき、新メンバーも迅速な業務参画が可能となった。

今後の展望

  • PoC検証に加え、実装・テスト工程へ活用範囲拡大、開発プロセスの標準化を推進。

  • クライアント企業への開発プロセスの一括支援による内製化支援を強化。

  • CACとJiteraのテクノロジーパートナー契約締結により、技術・業務両面で情報共有を図り、組織および社会に新たな価値創出を目指す。

事業内容と『Jitera』導入の経緯

― 貴社と事業内容についてお聞かせください。

中川様:1966年に日本初の独立系ソフトウェア専門会社として発足し、現在はCAC Holdingsグループの中核企業として事業を展開しています。 特定のメーカーや資本系列に属さない独立系IT企業として、創業以来、高い技術力と金融・製薬・製造といった業界における豊富な業務知識を基盤に、多様なお客様へシステム開発・運用やBPOサービスを提供しています。

近年、CACグループでは”人を活かすためのAI活用”の研究開発に力を入れており、そこから生まれたプロダクトを中心とした新規事業を複数立ち上げています。今年4月には、新規事業開発本部を分社化し、さらなる事業推進を図っています。

― 今回、『Jitera』を導入した経緯についてお聞かせください。

中川様:以前から、私は自分たちの本業であるシステム開発・保守の分野に、生成AI(LLM)を活用できないかと調査を進めていました。その中で、プロンプトを入力すればソースコードを出力してくれるツールは数多く存在し、人によるレビューは必要なものの、相当程度のものが生成できることは分かりました。

一方で、設計や要件定義といった前段階に活用できる有効な手段はまだ見当たらずにいました。その背景には、人の頭の中にある暗黙知やチーム開発のために作成されるドキュメントが、人には見やすくてもAIにとって必ずしも解析しやすいものではないという課題があると考えました。

そうした中でも、より有効なアプローチがないかを探っていたところ、設計書の生成からソースコードの生成まで、AIを活用してシステム開発のプロセス全体を効率化できる『Jitera』を知りました。

中川様:また2024年の末頃に生成AIを活用できる所はないかと社内ヒアリングしたところ、浅見さんからレガシーシステムのモダナイズに困っていると返信をもらいました。そこでまず頭に浮かんだのが『Jitera』でした。

導入前の課題感と『Jitera』を選んだ理由

― 具体的にどのような課題感をお持ちだったのでしょうか。

浅見様:金融機関の大規模システム保守を担うメンバーにとっては、技術革新が進む一方、自身の担当システムは変化が少ないため、新しい技術への感度が低下しがちです。しかし、技術者としての価値を向上させるためには、生成AIに触れる機会をつくることは不可欠だと感じていました。また、当社は業務知識を強みに事業を展開してきましたが、その知見と実績を持つメンバーが定年期を迎えつつあり、大きな課題に直面しています。

― 『Jitera』を選んだ決め手は何だったのでしょうか。

浅見様:初めて『Jitera』の説明会を受けて、こんなに様々なことができるんだと実感したんです。また定年前のメンバーに新しい技術をゼロから覚えてほしいと言ってもなかなか難しいですが、『Jitera』であれば理解しやすく、取り組みやすいと思いました。

前述の通り、有識者の高齢化という危機に対応する上でも、『Jitera』の存在は大きいと考えています。日本で技術者不足と言われる中、『Jitera』の技術とメンバーの業務知識をつなげることで、より長く働き続けられる環境をつくれるのではないかと期待しています。

また、ともすれば負の遺産対応のような印象を受けやすい、「レガシーシステムのモダナイズ対応」を、「イマドキの技術を習得できる前向きな案件」として取り組めることも非常に魅力的に感じました。

中嶋:まさに”人を活かすためのAI活用”ですね。エンジニアのモチベーションという観点でも、単にまったく同じ機能を作り直すだけでなく「生成AIのスキルを身につけられる」という方が前向きに取り組めます。そういう意味でも、AIを活用したモダナイゼーションは有効ですよね。

浅見様:はい。当社だけでなくクライアント企業にとっても、定年世代のエンジニア×『Jitera』という組み合わせが非常に幅広い可能性を持っていると感じています。

導入の流れとJiteraのサポート体制について

ー 本契約を決めることになった、3ヶ月のトライアル期間についてお聞かせください。

藤尾様:今回、クライアント企業のサービスをリバースエンジニアリングによって設計書に起こすというプロジェクトで『Jitera』を活用しました。アセンブリ言語からJavaへ移行するために、まず仕様を可視化しようというものです。

状況としては、ソースコードは存在するものの内容は非常に分かりにくく、またアセンブラを扱える人がいませんでした。さらに、生成AIをリバースエンジニアリングに使った経験があるのも自分だけ、というところからのスタートでした。

ー 具体的には、どのような手順で進めたのでしょうか。

藤尾様:最初の1ヶ月は私が『Jitera』の使い方や可能性を探る試行錯誤をしていました。徐々に活用の手応えが見えはじめて、リバースエンジニアリングもできるのでは、という確信を持てるようになりました。

残りの2ヶ月では、新しくアサインしたメンバーにプロセスを適用できるかを検証しました。そのメンバーはアセンブリ言語の知識もなく『Jitera』を使うのも初めてで、我々が構築したプロセスが有効かどうかを試す機会になりました。

ー トライアル期間のJiteraのサポート体制についてお聞かせください。

藤尾様:生成AIの使い方のイロハも含めて分からない部分は中嶋さんをはじめJiteraのCSメンバーの方々に迅速にご回答いただけました。

もちろん生成AIを使っている以上、今のプロダクトの仕様上どうしても解消できない部分があるため、その点は今後改善いただけるようにフィードバックさせていただいています。

導入後の効果

ー 『Jitera』導入後、どのような効果があったかお聞かせください。

浅見様:まだ本格導入はしていないPoCの状態ではあるんですが、設計書を作成する作業において、人手と『Jitera』を用いて作業を行なった時間を比較すると、約70%の作業時間を削減できました。 

『Jitera』でLLMを使った場合は、どの行からこの設計が出てきているかを明示してくれます。そのため、生成された日本語の設計書を読み解きながら「この行とこの行が対応している」と確認できます。こうした作業を通常の設計者とレビュアーのように行うことで、設計者側の負担を大幅に軽減できることが分かりました。

中嶋:トレーサビリティがあるので、レビューがしやすいということですね。

浅見様:そうですね。例えば、条件が一部落ちていた場合でも行単位でトレースしていけば漏れている箇所がすぐに分かります。人手と組み合わせることで最終的には精度を100%まで高められます。

ー 深谷様、実際に『Jitera』を使ってみていかがでしたか。

深谷様:『Jitera』は生成AIを使ったことがない技術者にとっても敷居が高くなく、安心して活用できます。リバースエンジニアリングにおいても、特定の言語知識がなくても精度の高い結果が得られ、出力される設計の表現も人が作成したものと大きな差がありません。

さらに『Jitera』のチャット機能自体に様々なアドバイスを聞くことが出来るため、AIの専門知識がなくても『Jitera』が十分にサポートしてくれます。

ー 「約70%工数削減」という結果は、今後の開発において期待値が上がりますね。

藤尾様:はい。先ほどの約70%削減という結果は、他のSIプロジェクトで設計の実績を持つエンジニアがリバースエンジニアリングの設計フェーズを中心に『Jitera』を使用した場合で、入社2〜3年目の新人エンジニアの場合は、最初の1〜2機能目は従来のリバースエンジニアリングと同程度の時間を要します。

しかし、当社ではすでに生成AIでたたき台を作っており、また前述の通りレビューもしやすいため、1〜2週間ほどで劇的に生産性が向上しベテランのエンジニアのように設計を行うことができます。今後も引き続き成果を検証していく必要はありますが、誇張ではなく、実際に実現可能だという手応えを感じています。

『Jitera』を選んで良かった点、他AIエージェントとの違い

― 他のAIエージェントと『Jitera』の違いは、どのような点にあるのでしょうか。

中川様:常に他のAIエージェントと比較していて感じるのは、多くがコーディング寄りであるという点です。設計も不可能ではありませんが、その際には与えるコンテキストが必要となるため、ツールを使う側が一生懸命に情報を集めて準備しなければならないんです。さらには貯める場所を自分たちで考えて作らなければならない。

一方、『Jitera』はツール内に情報を貯めて共有しつつ、その一部をコンテキストを使いながら更新できる。情報がリアルタイムで共有されている状態を作れて、さらに貯めたものに対して質問もできる。この『Jitera』の”貯める”という発想が、チーム開発を行なう私たちにとって非常に大きな意味を持っています。

藤尾様:従来は閉じた所で知見が溜まっていたため、共有の際はファイルを渡すしかありませんでした。しかし『Jitera』では知見がSaaS上に蓄積され、新しいメンバーもすぐに活用できます。蓄積と共有が一つのツールで実現できる点は大きなメリットだと感じています。

今後の「Jitera」活用について

浅見様:3ヶ月のトライアル期間ではリバースエンジニアリングに取り組みましたが、今後は実装やテストの部分まで検証を進め、開発の一連の流れを我々で標準化できるようにしたいと考えています。その上で、クライアント企業へのご提案や、他社から受託する案件においても、アセスメントや段取り、プロンプト設計といったノウハウを一括で提供できる形に整えていきたいと思っています。今年いっぱいを目途にその取り組みを進める予定です。

PoCを実施したお客様以外にも、多くの企業がさまざまな課題を抱えています。その課題解消をいかに早く正確に進められるかという点で『Jitera』は大きく寄与できると考えています。効率的な開発を進めるとともに、効率化によって生まれる余力を新たな検討や付加価値の創出に充てられるようにし、貢献していきたいです。また金融業のクライアント企業の中には内製化を目指す動きもあり、そのサポートにも力を入れていく予定です。

CACとJiteraがテクノロジーパートナー契約を結んだことで、今後も情報共有やアドバイスをいただきながら、一緒に取り組みを進めていきたいと考えています。

中嶋:パートナー企業として、今後も尽力してまいります。年内には順次新機能のリリースを予定していますので、ぜひご活用いただければ幸いです。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。


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