生成AIでCM風の動画を作る方法を解説!実際にAI制作されたCMの事例も紹介

近年、生成AI技術の進化は目覚ましく、動画制作の分野においても大きな変革をもたらしています。従来、専門的な知識や高額な機材が必要だった動画制作が、誰でも手軽に行える時代になりました。

本記事では、生成AIを活用することで、CM風の動画を制作する方法を解説します。具体的な手順として、台本作成、原画生成、動画編集、BGM作成の各工程におけるAIツールの活用方法を紹介します。

生成AIの活用は、動画制作のハードルを大幅に下げ、個人のクリエイティブな表現を促進する可能性を秘めています。

本記事を通して、生成AIの可能性を感じ、あなた自身の動画制作への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

監修者 i_writer_daisuke

クリエイティブ系AI・メタバース・3Dアバターのクリエイター。日本最大級の生成AIコミュニティ「SOZOコラボ」運営。クリエイティブ生成AIの導入支援・AIアイドル・動画生成AIで映像制作・メタバース、VTuber制作事業をしています。ご依頼はSNSのDMまで。https://x.com/daisu_creator

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    AIでCM風動画を作る手順1:Geminiで台本の作成

    CM制作において、最も重要な要素の一つが「台本」です。魅力的なストーリー、ターゲットに響く言葉選び、そして商品の魅力を効果的に伝える構成など、台本には多くの要素が求められます。

    今回は、Googleが提供しているAIチャットサービス「Gemini」を使用して、AIで台本を作成する手順をご紹介します。

    ①Gemini の特徴

    Gemini はChatGPTのように文章を生成することができるテキスト生成AIであり、CMの台本作成にも活用できます。

    日本語の性能が非常に高く、複雑な指示に対しても自然な文章を生成することができます。

    特にGeminiの最大の特徴は、圧倒的なコンテキストウィンドウの多さです。

    コンテキストウィンドウが大きいほど、より多くの過去の会話履歴を記憶することができるので、長い文章の要約、複数の文書に基づいた質問への回答、複雑なコードの生成など、より長いテキストや複雑なタスクを処理することが可能になります。

    ※現在は「Gemini 1.5 Pro – Exp – 0827」が最新バージョン

    ②Gemini で台本を作成する手順

    -1. テーマ、ターゲット、伝えたいメッセージを明確にする

    まずはCM制作において、何を、誰に、何を伝えたいか?という想いや狙いを明確にすることが重要です。

    今回は、以下のように決めました。

    テーマ:ハワイの観光PRのCM風の動画

    ターゲット:日本人

    メッセージ:ハワイに思わず行きたくなるような楽しい動画

    ターゲットやメッセージが決まっていない場合は、Geminiに質問してみるのもよいでしょう。

    -2. 指示文を作成し、ストーリーのアイデアを作成

    次に、-1で決めた内容を元に、Geminiにストーリーのアイデアを作成するように指示します。

    例えば今回は下記のような指示をしてみました。

    <指示文>

    <回答>

    映像シーンや音楽などの説明を詳細に答えてくれましたね。

    ここでアイデアが気に入らなかった場合は、Geminiに指示して新しく作成してもらうのもよいでしょう。

    -3. ストーリーの作成

    次に、-2で出したアイデアを元に、ストーリーを作成してもらいます。

    また、表形式にまとめることで、分かりやすく出力することができます。

    <指示文>

    <回答>

    ストーリーが作成できました。表形式で非常に見やすくなっています。

    生成されたストーリーは、そのまま使うのではなく、商品の特性やターゲット層に合っているかなどを確認し、必要に応じて修正を加えましょう。

    Geminiの操作は以上になります。

    AIでCM風動画を作る手順2:Midjourneyで原画の作成

    次にCMの動画の素材となる画像をAIで生成していきます。

    ①Midjourney の特徴

    Midjourneyは他の画像生成AIと比べると、非常に高品質な画像を生成することができます。無料枠がないのはデメリットですが、手軽に使用できる高品質な画像を生成できるサービスということで、多くのユーザーが使用しています。

    Midjourney Flux.1 AdobeFirefly DALL-E3
    クオリティー ◎(芸術性のある画像が得意) ◎(リアルな画像が得意)
    コスト 10$〜 無料枠あり(サービスにより異なる) 毎月25クレジット無料 1日2回無料
    機能の多さ
    操作性

    ①Midjourney で原画を生成する

    -1. 事前準備

    まずはMidjourneyにログインします。

    Midjourneyは現在有料プランに入らないと画像を生成できないので、左下のユーザーネームの「Manage Subscription」から有料プランに入ります。

    -2. 画像生成

    次に画像を生成していきます。

    Geminiで作成した画像生成AI用のプロンプトを使用し、Midjourneyで画像を作成しましょう。

    設定で画像の縦横比は16:9にしておきましょう。

    気に入った画像が生成できたら保存しておきます。

    AIでCM風動画を作る手順3:Runwayで動画の作成

    次に、Midjourneyで作成した画像を、動画生成AIのRunwayで動かしていきます。

    ①Runwayの特徴

    Runwayは現時点で(2024/9/1)最も高品質な動画を生成できるAIサービスになります。

    特に実写系の描写をとても自然に生成できる点が魅力的なサービスです。

    ただし、無料枠がとても少なく、動画を大量に生成しなければいけない場合は高い金額のプランに契約する必要があります。

    ②Runway で動画を作成

    -1. 事前準備

    まずはRunwayにログインします。

    アカウント作成時に、動画を10回程度生成できるクレジットが付与されています。

    クレジットが無くなった場合は有料プランに登録する必要があります。

    -2. 動画の生成

    下記の画像の黄色枠をクリックして、動画を生成できる画面に移動します。

    次に、Midjourneyで生成した画像をアップロードします。

    Runwayは現時点で(2024/9/1)「Gen-3 Alpha Turbo」と「Gen-3 Alpha」の2種類のモデルがあります。

    「Gen-3 Alpha Turbo」は、生成スピードが早く、クオリティーはそこそこ。

    「Gen-3 Alpha」は、生成スピードが遅く、クオリティーは高い、といった特徴があります。

    また、生成される動画の時間は5秒か10秒の2種類を選択できます。

    次に、プロンプトを入力して動画を生成しています。

    基本的にプロンプトはMidjourneyで生成したものと同じでよいのですが、思い通りの動画を生成できなかった場合は、Runway公式が出しているプロンプトガイドブックを参考にしましょう。

    以下のようなプロンプト構造がよいと説明されています。

    <カメラワーク>、<画像の説明>、<追加したい詳細>

    AIでCM風動画を作る手順4:SunoAIでBGMの作成

    次に音楽生成AIのSunoAIでBGMを作成していきます。

    ①SunoAIの特徴

    SunoAIは音楽生成AIの中でも高品質な音楽を生成してくれるサービスです。

    ロック、ポップ、ジャズ、クラシックなど、様々なジャンルの音楽を短時間で生成できます。

    日本語にも強く、Geminiで歌詞を作り、SunoAIで作曲することも可能です。

    ②SunoAI でBGMの作成

    まずはSunoAIにログインします。

    SunoAIはアカウント作成時に無料生成枠がありますので、そちらを利用して生成します。

    次に生成する音楽のスタイルを決めます。

    今回はGeminiで出してもらったアイデアをそのまま採用したいと思います。(下記図の青色部分)

    こちらは日本語になっているので、英語に変換しましょう。

    英語変換はDeepLが精度がよくておすすめです。

    英語変換されたものをSunoAIに貼り付けます。

    バージョンは最新のV3.5、今回は歌詞はいらずに楽器の音楽のみを想定しているので、「Instrumental」をONにします。

    Createボタンを押すと、音楽が生成されます。

    AIでCM風動画を作る手順5:仕上げ

    この仕上げ工程では、今まで作成した動画や音楽の素材を組み合わせて、1本のCMを作成していきます。

    この工程はまだ生成AIでは出来ないので、動画編集ソフトを使用して人力で編集していく必要があります。

    動画編集ソフトは、CapCut、Filmora、Adobe Premiere Pro、DaVinci Resolve など色んな種類があるので、自分の使えそうなソフトを使用しましょう。

    完成した動画がこちら。アイデア出しから仕上げまで、合計1時間ほどで作成することができました。

    このように、生成AIを活用することで、短期間で、ある程度のクオリティーの高さの動画を作成することが可能になりました。

    生成AIを活用して制作されたCMの事例

    様々な分野で注目を集めている生成AIですが、2024年は企業が生成AIを活用してCMを制作する事例も増加してきました。

    今回は、特に注目を集めた生成AIを駆使して制作されたCMの事例をいくつかご紹介します

    事例①マクドナルド

    こちらはマックフライポテトM・Lサイズ250円キャンペーンで採用されたCMです。

    AIを活用したクリエイターとして有名なKaku Drop(架空飴)さんが作成を担当されています。

    事例②KATE(ケイト)

    日本のメイクアップブランドであるKATEが作成したCM。このCMでは、リアルで撮影されたモデルの映像を、動画生成AIでアニメ風のスタイルに変換しています。

    実写とAIが組み合わさった面白い取り組みです。

    事例③トイザらス

    引用:トイザらス

    この動画は、米玩具大手のトイザらスが、OpenAIの動画生成AIツール「Sora」を用いて制作したと発表されている動画です。

    創業者のチャールズ・ラザラス氏が子どもの頃に見た鮮やかな夢が、トイザらス誕生のきっかけになったというストーリーを描いています。

    事例④パルコ

    画像生成AIを駆使したファッション広告として、作成された動画になります。

    実際の撮影は行わず、グラフィック・ムービー・ナレーション・音楽も全て最先端の生成 AIにて作成されています。

    まとめ

    この記事では、生成AIを用いてCM風の動画を制作する具体的な手順と、実際に企業が生成AIを活用して制作したCMの事例を紹介しました。

    2024年は特に画像、動画、音楽などのクリエイティブな生成AIの進化が著しく、企業がCM制作に生成AIを採用する事例も増加しています。

    しかし、生成AIは著作権や倫理的な問題など、批判の対象となることもあります。今後、クリエイティブな生成AIはさらに進化し、私たちの生活により深く浸透していくと考えられます。

    その過程で、倫理的な課題や社会的な影響についても議論が深まり、新たなルールやガイドラインが形成されていくでしょう。

    生成AIは、私たちに新たな表現方法や創造性を提供する一方で、責任ある利用が求められる強力なツールです。生成AIがどのように活用され、社会にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要があります。

    この記事をきっかけに、あなたも生成AIに触れ、その可能性を探求してみてはいかがでしょうか。

    例:開発手順、ツール、プロンプト

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