この記事では、この生成AI技術を理解し実際の業務に応用できる能力を証明する「生成AIパスポート試験」について詳しく解説します。
資格の詳細から取得方法、活用法まで、詳しく見ていくので、資格を取得してみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
小中規模プロジェクトを中心にSEやコンサルとして活動。クラウド導入やスタートアップ、新規事業開拓の支援も経験しました。
生成AIパスポートとは?
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生成AIパスポートは、AIの生成技術を理解し、それを実際の業務に応用できる能力を証明する資格です。合格すると、一般社団法人生成AI活用普及協会から認定を受けられます。
生成AIパスポートは、以下のような方におすすめの資格です。
- AI開発者
- AIをビジネスに活用する方(IT企業担当者)
- AIに興味関心がある
- ChatGPTを使って業務効率化を図りたい
生成AIパスポートを取得することにより、AIの生成技術への深い理解とその応用能力が身につきます。つまり、AIを活用する分野において、自身がAIの技術を持っていることを証明できます。
また、AIに関する信頼性と専門性の向上も図れるため、知識が必要な業界、もしくは活用する業界の方が保有すると、重宝される人材になるでしょう。
ちなみに、こちらの記事では画像生成AIについて詳しく解説しています。自信がどのようなAI技術に興味があるのかを知るためにも、一度この記事に目を通していただくことをおすすめします。
生成AIパスポート試験の概要
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ここでは、生成AIパスポート試験の概要について詳しく解説します。
試験を受けようと考えている方や、これから生成AIパスポート試験の勉強を始めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
試験の形式
生成AIパスポート試験は、学歴、年齢、実務経験などの制限は一切なく、誰でも受験できる資格です。
まずは、試験形式と内容を表にまとめますが、内容を要約すると、次のとおりです。
- 60分、60問のオンライン試験
- 一般は11,000円(税込)で受講できる
- 年3回開催されている(2025年)
| 項目 | 生成AIパスポート試験 |
|---|---|
| 開催形式 | オンラインでの実施 ( IBT方式※1) |
| 試験時間 | 60分間 |
| 問題数 | 60問(4択式) |
※1 IBT(Internet Based Testing)試験とは、インターネット上で実施する試験やeラーニングのことです。
試験の日程
2025年の日程は以下の通りです。
| 申込期間 | 受験期間 | |
|---|---|---|
| 第1回 | 10月1日 0:00 〜1月31日 23:59 | 2月1日 0:00 〜2月29日 23:59 |
| 第2回 | 2月1日 0:00 〜5月31日 23:59 | 6月1日 0:00 〜6月30日 23:59 |
| 第3回 | 6月1日 0:00 〜9月30日 23:59 | 10月1日 0:00 〜10月31日 23:59 |
取得にかかる費用
生成AIパスポートの受験料は11,000円(税込)です。学生は5,500円(税込)の半額ですが、学生証のような証明する書類が必要です。
受験したい場合は、まず、こちらの「生成AI活用普及協会マイページ」に登録・ログインします。
ログイン後、試験ページへログインできるので、そこから「試験ページへ」をクリックし、実際の試験ページへ進みましょう。
試験の難易度と対策
公式サイトの情報によると、2023年10月、2024年2月、2024年6月の試験における合格者の累計は4,318名です。合格率は76.78%となります。
そのため、そこまで難易度の高い資格ではないと考えられます。参考までに、有名資格の難易度を紹介するので、参考にしてください。
- 簿記3級:40〜50%
- 漢検準2級:30〜40%
- 宅建資格:15〜20%
これらの資格と比較しても、そこまで難易度の高い資格ではないことがわかるでしょう。
ただし、全く勉強をせずに資格に合格できるような試験ではありません。AIの生成技術に関する基本的な理解とそれらの技術の実際の応用に関する知識が求められるため、日常レベルの知識では合格は難しいと考えられます。
生成AIパスポートを取得するメリット

生成AIパスポートを取得することで、4つの重要なメリットが得られます。これらのメリットは、ビジネスの現場で即座に活用できる実践的な価値を持っています。
特に、AIの適切な利用方法を体系的に学べることで、個人のスキルアップだけでなく、組織全体のデジタルトランスフォーメーションにも貢献できます。
パスポート取得は、今後のビジネス環境において、重要な投資といえるでしょう。
AIが持つリスクを予防できる
生成AIの利用には、著作権侵害やプライバシー情報の漏洩など、様々なリスクが伴います。パスポート取得により、これらのリスクを適切に管理する知識が身につきます。
AIが生成した内容の検証方法や、機密情報の管理方法なども学べるため、安全にAIを活用できるようになります。
より良いコンテンツ生成ができるようになる
AIに対して適切な指示(プロンプト)を出すスキルが向上し、より質の高いコンテンツを生成できるようになります。
画像生成でも、求める表現や雰囲気を的確に伝えられるようになり、思い通りの成果物を得られる確率が高まります。また、生成された内容を効果的に編集・改善する方法も習得できます。
キャリアアップができる
AIリテラシーの証明として、キャリアの幅を広げることができます。
多くの企業がAI活用を推進している中、生成AIの適切な使用法を理解していることは、大きなアドバンテージとなります。社内でのAI活用プロジェクトのリーダーや、AIを活用した業務改善の推進役として活躍する機会も増えるでしょう。
特に、AI活用が進む今後の職場環境において、重要なスキルとして評価されることが期待できます。
自社のビジネスに応用できる
パスポートで得た知識を活かし、自社の業務やサービスにAIを効果的に導入できます。
新しいビジネスモデルの創出や、既存サービスの付加価値向上にもAIを活用できるため、企業としての競争力強化にもつながります。従業員へのAI活用教育も実施できるようになり、組織全体のデジタル化を推進できます。
生成AIパスポートの学習方法

前述したように、生成AIパスポート試験はそこまで難易度の高くない資格ですが、全く勉強せずに合格できる簡単なものでもありません。
そのため、合格したいなら、生成AIについての学習は必要不可欠です。ここでは、生成AIパスポート試験に合格するためにおすすめの学習方法を2つ紹介します。
- GUGA公認 生成AIパスポート テキスト問題集
- 生成AIパスポート公式テキスト 第2版
『GUGA公認 生成AIパスポート テキスト問題集』

『GUGA公認 生成AIパスポート テキスト問題集』は、公式が監修する形で提供されているテキストです。
このテキストでは以下のような内容を学習できます。
- AIの生成技術の基礎知識
- 実際の試験(非公開)にならった模擬問題
生成AIパスポートで取り上げられる出題範囲をカバーできるだけでなく、模擬問題を解きながらAIについての知識を深められます。より実践的に学習を進めたい方にはおすすめの教材となっています。
2024年現在の価格は、電子書籍版1,604円(税込)、製本版1,980円(税込)です。
『生成AIパスポート公式テキスト 第2版』

『生成AIパスポート公式テキスト 第2版』は、公式が出版しているテキストです。出題範囲を網羅しているので、基本的にはこの範囲からmん題が出題されます。
2024年現在、公式テキストは電子書籍版は1,782円(税込)、製本版1,980円(税込)で販売されています。
あまり大きな出費ではないため、必ず1度で合格したいという方は、公式テキストを購入しても良いでしょう。
また、公式サイトには生成AIパスポート試験の例題1P分が、無料公開されているので、一度挑戦してから購入するべきかを検討してみても良いかもしれません。
生成AIパスポート試験対策アプリ

一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供を開始した「生成AIパスポート AIクイズアプリ」は、LINEを通じて無料で利用できる学習ツールです。このアプリは、公式テキストの内容をAIに学習させ、○×形式のクイズを生成します。
受験検討者の「試験のイメージを掴みたい」というニーズに応えるとともに、受験者の学習ツールとしても活用できます。通勤中や休憩時間などのスキマ時間を使って学習できる手軽さが特徴です。
アプリの利用方法は簡単で、GUGAのLINE公式アカウントを友だち追加し、メニューから「AIクイズアプリ」を起動するだけです。出題範囲を選択し、問題に対して○×で回答することで、解答結果と正答例を確認できます。
ただし、実際の試験は四肢択一式であり、補助的な学習ツールとして利用するのみにしましょう。
生成AIパスポートの勉強に役立つAIツール

生成AIパスポートの試験では、実践的な知識が問われるため、実際にツールを使用しながらの学習が効果的です。
特に重要なのは、これらのツールを通じて、AIの特性や限界を理解し、適切な使用方法を身につけることです。学習に役立つAIツールを紹介します。
ChatGPT

ChatGPTはテキストベースのAIとして、最も基本的な学習ツールです。
無料版でも十分な機能があり、プロンプトエンジニアリングの基礎を学べます。会話形式でAIの特性を理解したり、生成AIの仕組みについて質問したりできます。有料版では、より高度な機能やGPT-4の利用が可能で、より実践的な学習ができます。
特に、プロンプトの作り方や、AIとの効果的なコミュニケーション方法を体系的に学ぶのに適しています。
Midjourney

Midjourneyは画像生成AIの代表的なツールで、ビジュアルコンテンツの生成を学ぶのに最適です。
Discord上で操作するという特徴があり、コミュニティでの学び合いも可能です。基本的なプロンプトから高度な指示まで、段階的に学習を進められます。有料プランによって生成できる画像の数や質が変わりますが、Standard以上のプランで十分な学習が可能です。
著作権や適切な使用方法についても実践的に理解できます。
Runway

Runwayは、動画編集や特殊効果の分野で強みを持つAIツールです。
無料トライアルで基本機能を試せるため、学習の初期段階で活用できます。動画生成やエフェクト適用など、より高度なAI活用スキルを身につけられます。
特に、実務での活用を想定した実践的なスキルを習得できる点が特徴です。月額制のプランで、必要な機能に応じて選択が可能です。
まとめ:生成AIパスポートを取得してキャリアにつなげましょう

この記事では、この生成AI技術を理解し、実際の業務に応用できる能力を証明する「生成AIパスポート試験」について詳しく解説しました。
AI開発者、ビジネス、AIに興味がある一般の方など、様々な方におすすめの資格です。試験は年3回開催され、60分、60問のオンライン試験形式で、誰でも受験することができます。
合格率70%以上と、そこまで難しい試験ではないため、公式テキストや問題集を使って効率的に学習すれば合格できるはずですので、ぜひ挑戦してみてください。
また、生成AIにまつわる疑問や質問、案件、ご依頼などがございましたら、実績豊富な株式会社Jiteraに一度ご相談ください。貴社の要件に対する的確なアドバイスを提供させていただきます。





