Midjourneyとは何か?
Midjourneyは、深層学習モデルを用いてユーザーの入力したテキストプロンプトから独自の画像を即座に生成するAIベースのサービスです。
このプラットフォームは複雑なデータセットを学習してそれを基に新しい画像を創出することができます。
そのため、デザイナー、アーティスト、クリエイター、マーケターなどの幅広いユーザーにとって、アイデアの視覚化やコンセプトアートの作成、プレゼンテーション資料の充実などの多様な用途で利用されています。
例えばユーザーが「未来都市の夜景」というプロンプトを入力した場合、Midjourneyはその指示に沿った画像を生成してくれます。
この技術は、クリエイティブなプロジェクトにおいてインスピレーションを得るための手段の1つとなり得るでしょう。
Midjourneyの最新モデルと新機能
Midjourneyの最新モデルである「Midjourney V6」はこれまでのモデルとはどのような違いがあるのでしょうか。
新たに追加された機能の紹介や、Midjourney V5と比較してどのような違いがあるかを見ていきましょう。
最新モデルはMidjourney V6
最新モデルのMidjourney V6は2024年1月に公開されました。
以前のモデルと比べても格段にクオリティの高い画像が生成できるようになり、
話題となっています。
最新モデルで追加された新機能は次の通りです。
- より高画質な画像生成
最大解像度が2024 × 2024pxへとスケールアップ - 高解像度化機能
アップスケールが「Subtle」と「Creative」の2種類へ - 質感の改善
質感や立体感といった細部のディティールの向上 - 文字テキストの使用
アルファベットのテキストを高精度で生成 - 手や指の細部の表現
これまで課題とされてきた手や指の表現が改良
Midjourney V5との違い
Midjourney V6は、これまでのMidojourney V1~V5を踏襲せず、新たに訓練されたモデルのため、アウトプットがこれまでとは別物と言えるほどに進化しました。
手指の表現が改良された点や、画像内に日本語文字を表現することができるようになった点は大きな特徴です。
Midjourney V5と比較した結果をまとめると次のようになります。
Midjourney V5 | Midjourney V6 | |
最高画質 | 1024 × 1024 | 2024 × 2024 |
日本語文字の表現 | ✖ | 〇 |
肌の質感 | 奇麗に表現しすぎによるAIぽさがある | あえて、肌のシミやシワを表現しよりリアルに |
手指の表現 | 指が5本ではないなどのバグが発生 | バグが発生することなくリアルに表現 |
Midjourneyの使い方
Midjourneyのような画像生成AIは、ユーザーがテキストプロンプトを入力することでその説明に基づいた画像を生成するツールで、この技術はディープラーニングと呼ばれるAIの一分野を利用しており、大量の画像データから学習しています。
そのためユーザーは簡単な説明から複雑な物語までをさまざまなテキストプロンプトを使用して、独自の画像を生成することができます。
ここでは画像生成AIとしてのMidjourneyについて説明していきます。
MidjourneyのAPIを利用した画像生成方法
MidjourneyのAPIを利用することで、開発者は自身のアプリケーションやウェブサイト内で直接画像生成機能を組み込むことが可能になります。
APIを使用するには、まずMidjourneyのウェブサイトでAPIキーを取得する必要があり、取得したAPIキーを使用してHTTPリクエストを送信することで、テキストプロンプトに基づいた画像を生成してその結果をアプリケーションに取り込むことができます。
あるウェブサービスがユーザーに対してカスタマイズされたアバター生成機能を提供したい場合、MidjourneyのAPIを利用して、ユーザーが入力した趣味や興味に基づいたアバター画像を生成することができます。
DiscordでのMidjourneyの使い方
DiscordでMidjourneyを使用する場合、通常は特定のサーバー内でボットとして機能します。
ユーザーはDiscordのチャットウィンドウにテキストプロンプトを入力し、Midjourneyボットがそのプロンプトに基づいて画像を生成して、チャット内に投稿してくれます。
チャットルームへの参加
MidjourneyはDiscordのチャットルームで動作し、無料で使用する場合は「NEWCOMER ROOMS」セクションの「newbies-○○」という名前のチャットルームに参加します。
有料版ユーザーはダイレクトメッセージで画像生成が可能ですが、無料版はチャットルームでの使用に限られています。
チャットルームは世界中のユーザーがアクセスするため、個人情報の共有には特に注意が必要となります。
画像生成のコマンド入力
チャットルームに参加したら入力フォームに「/imagine」とタイプし、「/imagine prompt」と表示されたらそれをクリックしますが、これが画像生成のための基本コマンドとなります。
次に、「/imagine prompt」の後に、生成したい画像の説明を英語で入力していきます。
例えば「oosaka city」と入力すると、大阪の街並みに関連した画像が生成されます。
画像の生成とブラッシュアップ
具体的なテキストを送信すると、約1分で4枚の画像が生成されます。
もし生成された画像がイメージに合わない場合は、テキストを調整して再度送信することで望むイメージに近づけることができます。
高解像度画像の生成
生成された画像の中から気に入ったものがあれば「U1」から「U4」のボタンを使用して、選択した画像を高解像度で再生成できるため、より詳細な画像を得ることが可能となります。
縦横比の指定
Midjourneyでは、生成する画像の縦横比を指定することができます。
横長の画像を生成する場合は「-ar 16:9」、縦長の画像を生成する場合は「-ar 9:16」とテキストに追加します。
Midjourneyの料金とプラン
Midjourneyは画像生成AIツールとして多くのクリエイターやデザイナーに利用されていますが、現在はMidjourneyは無料プランの提供を終了し、有料プランのみを提供しています。
また、Midjourneyにはベーシックからメガまでの4つの有料プランがあり、それぞれ異なる料金設定がされています。
ここではこれらの料金やプランについて解説していきます。
Midjourneyの有料プランと料金設定
プラン名 | 月払い料金 | 年払い料金(ひと月あたり) | 商用利用 | リラックスモード | ステルスモード |
---|---|---|---|---|---|
ベーシックプラン | 10ドル | 8ドル | 可 | – | – |
スタンダードプラン | 30ドル | 24ドル | 可 | – | – |
プロプラン | 60ドル | 48ドル | 可 | – | – |
メガプラン | 120ドル | 96ドル | 可 | – | – |
Midjourneyの有料プランには、ベーシック、スタンダード、プロ、メガの4種類があり、これらのプランは月額料金制で、ベーシックプランは10ドル、スタンダードプランは30ドル、プロプランは60ドル、メガプランは120ドルです。
年間契約を選択するとこれらの料金からさらに割引が適用され、よりお得にサービスを利用できます。
例えば、ベーシックプランの場合は年間契約では月額8ドルになります。
これらのプランでは商用利用が可能であり、SNSへの投稿やビジネスでの活用が許可されています。
Midjourneyの無料トライアルとは?
Midjourneyは以前に新規ユーザーが無料で25枚の画像を生成できる無料プランを提供していましたが、現在はこの無料プランは終了しています。
この無料プランの終了は、サービスの品質維持とサーバー負荷の管理のための措置となっているようです。
今後、一時的に無料プランが再開される可能性はありますが、その場合でも以前と同様に生成枚数や商用利用には制限があると予想されます。
現在、Midjourneyを体験するには有料プランへの登録が必要であり、無料でサービスを試す方法は提供されていません。
Midjourneyの日本語での利用ができる?
Midjourneyを日本語で始められると、知識が少ない方でも簡単にアクセスできるためよりツールを使いやすくすることができますが、現在ではその機能はまだ提供されていません。
しかし、ネットで調べることにより基本的なコマンド等操作については情報を得ることができるため、活用の可能性はあるでしょう。
日本語での提供はされていないものの、最新モデルのMidjourney V6では画像内に日本語のテキストを表現できるようになりました。
以下で詳しく解説していきます。
Midjourneyは日本語対応なし
Midjourneyの日本語対応が提供されるようになれば、日本人にとっては効果的にツールを使用できるようになるでしょう。
一般的にこのような対応には、ウェブサイトのインターフェース、使用説明、サポート文書の日本語翻訳が含まれることが多く、ユーザーが快適に操作できる環境への対応が含まれています。
しかし、日本語対応が提供されていないのが現状です。
とはいえ、さまざまなメディアで取り上げられているため、簡易的な疑問や不明点程度などはネットで調べることで解消できるでしょう。
日本語対応が導入されれば、技術的な問題や操作方法に関する疑問を自分の言語で解決することが可能になりますし、日本語コミュニティの存在によって、ユーザー間の情報交換や作品の共有、フィードバックの提供といった日本ユーザーの活発化を促進できるようになるでしょう。
日本語を含む画像生成は可能
Midjourneyを日本語で利用する方法は現在はありませんが、Midjourneyを使用して日本語文字を含む画像を生成することは可能です。
画像生成にはスラッシュコマンド「/imagine prompt」を使用します。
このコマンドを活用して特定のシナリオを含むプロンプトを入力し、日本語文字が含まれる画像の生成を行っていきます。
例として、「A girl holds a piece of paper and inside it is written the word “おはよう” –ar 16:9 –niji 6 –s 50」というプロンプトを使用すると、このプロンプトでは美少女が「おはよう」と書かれた紙を持っているシーンを描写してくれます。
「–niji 6」というパラメータを使用することで、日本語文字の生成を試みています。
実際にこのプロンプトを使用しても全ての候補が正確に日本語を含むわけではありませんでしたが、成功した例もいくつかあったため、ひらがなの生成は可能であることがわかっています。
次に漢字やカタカナの生成についてですが、「A girl holds a piece of paper and inside it is written the word “日本”」というプロンプトでは漢字の生成には失敗するようですが、「A girl holds a piece of paper and inside it is written the word “オハヨウ”」というプロンプトではカタカナの生成に部分的に成功するようです。
そのため、ひらがなやカタカナの生成は可能ですが、漢字には対応していないなどまだ改善の余地があると言える状態のようです。
Midjourneyを利用する際の注意点と危険性
Midjourneyはあらゆる画像を生成してくれるため多くの人に利用されていますが、その使用にはいくつかの注意点と危険性がひそんでいます。
特に個人情報の保護、法的規制の理解は重要で、これらの要素を適切に管理しない場合、ユーザーは予期せぬトラブルやリスクに直面する可能性があります。
利用前には次の注意点を確認し、理解をした上で利用するようにしましょう。
- 個人情報の漏洩に気を付ける
- 倫理的な問題に注意する
- 悪用される可能性もある
- 技術的な問題やサポート体制の不備
個人情報の漏洩に気を付ける
Midjourneyを含む生成AIを利用する際には個人情報の漏洩に気を付ける必要があります。
個人情報を含む情報を利用して画像を生成した場合、生成したデータが不適切に利用されることで第3者に漏洩してしまう危険性があります。
また、あらかじめ本人の同意をえることなく個人データを含むプロンプトを入力し、応答結果の出力以外の目的で利用すると、個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性があります。
倫理的な問題に注意する
AIが生成した画像は、気づかないところで人々の感情や価値観を傷つけてしまう危険性があることに注意しましょう。
特に、人種、性別、宗教などのデリケートな話題に関わる画像を生成する場合には取り扱いに気を付けましょう。
生成した画像によっては人種差別や宗教批判などを表現した画像のように受け取られてしてしまう可能性もあります。
変な誤解を生まないためにも、生成した画像の利用については人間の倫理観に則って利用することが求められます。
悪用される可能性もある
AIの進化によって一般人を狙う新たな脅威が増えていることについて、2023年にアメリカの連邦捜査局(FBI)が警告を発しました。
AIによる画像生成技術を利用して生成した卑猥な画像で被害者を脅迫する「セクストーション」と呼ばれる犯罪行為が増加しています。
例えば、ディープフェイクを悪用して普通の写真や動画から卑猥なコンテンツを生成する行為などが挙げられます。
手口としては、生成した卑猥なコンテンツの掲載の停止と引き換えに身代金や本物の性的なコンテンツの送信の要求などがあります。
日本でも同様の犯罪は今後増加すると予想されるため、これまで以上に注意が必要です。
技術的な問題やサポート体制の不備
技術的な問題に直面したときに、サポート体制が整っていると安心して利用することができます。
しかし、前項でも紹介したようにMidjourneyでは現時点で日本語でのサポートを受けることはできません。
そのため、技術的な問題が発生した場合には、自力で解決する必要があります。
ネットで調べることで基本的な問題については解決することができるかもしれませんが、高度な問題については解決に時間と労力を費やさなければならない点に注意が必要です。
また、ユーザーコミュニティについても今後は日本のコミュニティも増えていくかもしれませんが、現状は英語圏のコミュニティがほとんです。
Midjourneyの商用利用は可能か
Midjourneyを商用利用することができれば、自社の宣伝の幅が広がることは間違いないでしょう。
しかし、商用利用にあたっては生成された画像の著作権や使用権に関するガイドラインを理解し、適切に遵守することが重要となります。
商用利用は可能
Midjourneyの商用利用によって、企業や個人事業主はMidjourneyを利用してブランディング資材、広告キャンペーンのビジュアル、ソーシャルメディア投稿の画像などを作成することができます。
例えば、ファッションブランドが新しいコレクションのコンセプトアートを生成するためにMidjourneyを使用したり、ゲーム開発会社がキャラクターデザインのアイデアを得るために利用することが考えられます。
Midjourneyはよりクリエイティブな作業を加速させ、画像関連やデザイン関連の領域においては特に有力なツールとして注目されています。
商用利用する際の注意点
Midjourneyを商用目的で使用する場合は著作権と法的規制の理解が不可欠です。
生成された画像を商品や広告素材として使用する際には、その画像の著作権が誰に帰属するかを明確にする必要があります。
Midjourneyでは有料版を利用している場合、基本的にはその生成した画像の権利は生成したユーザーのものとなりますが、このツールの仕組み上、世の中にあるありとあらゆる画像のデータをもとに画像が作成されます。
そのため生成した画像によっては何かのアニメの模倣と見えるような画像であったり、ディープフェイクと疑われてもおかしくないような画像も生成してしまう可能性もあるため、一概には安全に商用利用できるとは言えません。
正直、この問題に関しては明確なラインというのが存在していないためいわばグレーゾーンのような扱いとなっていますが、面倒な問題に巻き込まれないようにするためにはこのあたりにも配慮していくのがおすすめといえるでしょう。
Midjourneyの解約方法
Midjourneyの解約方法はそれほど難しくないため、ここでは初心者向けに解約ステップを説明していきます。
ステップごとに説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Midjourneyのサービス解約手続き
まず、解約方法をステップバイステップで紹介します。
- まず、Midjourneyを利用しているDiscordアプリケーションを開きます。
- Discordのメッセージ欄に「/subscribe」と入力し、Enterキーを押します。
- Midjourney Botからの回答に含まれる「Open subscription page」リンクをクリックします。
- サブスクリプションページに表示される自分の契約しているプランの下にある「Cancel Plan」ボタンをクリックします。
- 最後に「Confirm Cancellation」をクリックすることで、プランの解約手続きが完了します。
購読期間が終了すると、プランは自動的にキャンセルされます。
解約に関する注意事項
Midjourney では、Midjourney v6という2023年12月22日にアルファ版としてリリースされたMidjourneyの最新バージョンがあります。
このバージョンでは「画像内に文字を挿入可能」「より長いプロンプトに対応」「画像のクオリティの向上」など機能がアップグレードされており、よりリアルな画像を作成できるようになりました。
しかしv6は、これまでのv5.2と比較してもプロンプトの記述方法が異なっており、再学習が必要になる可能性があります。
有料版を解約することで、次以降再度契約してたとしてもこれまでプロンプト入力してきた内容が学習されず、再度学習のし直しが必要となる可能性があります。
解約する場合はそのような点も考慮して慎重に判断するのが良いでしょう。
まとめ:Midjourneyは誰でも使えるAIクリエイティブツール
Midjourneyは今話題の画像生成AIであり、ユーザーがプロンプトを入力することで独自のビジュアルコンテンツを生成できます。
この記事では、Midjourneyの基本概要から料金プラン、日本語での利用方法までを幅広く解説してきました。
無料トライアルから商用利用までのオプションが備わっており、有料版であればより幅広くよりリアルな画像を生成することができるようになります。
しかし便利な一方で、著作権など法的なリスクについても念頭に置いておくべきです。
ユーザーに権利があると言っても生成した画像の全てが著作権に引っかからないわけではなく、ディープフェイクや模倣と疑われてしまう可能性もあります。
そのため商用利用する場合は特に注意しつつ、Midjourneyを最大活用できるようにしていきましょう。
今回のテーマである生成AIをはじめ、AIを活用したシステム開発や課題解決はJitera社の最も得意とする領域です。
ご相談がある方は、一度Jitera社へご相談してみてはいかがでしょうか。