Sakana AIは、日本文化に特化したAIを活用し、広告やマーケティングの分野で効果的なソリューションを提供する企業で、生成AIとアートを融合させた点が特徴的です。
本記事では、浮世絵作成AIのEvo-UkiyoeとEvo-Nishikieの特徴や使い方を解説します。
本記事を読んで、どのようにSakura AIを活用するかの参考にしてください。

PHPを独学で勉強した後にWeb業界に参入。大手企業でプログラマーとして活躍後、自社サービスの立ち上げ、大手検索エンジンサービスの保守運用作業、ソーシャルゲーム開発などに携わりながら、SE・管理職の道を歩んで現在に至る。現在は、管理職に携わる傍ら、これまでの経験を活かした執筆活動を続けている。
ユニコーン企業を 国内最速で 目指すSakanaAIとは?
Sakana AI社は、東京を拠点とするAIスタートアップです。元Google AIの研究者であるLlion Jones氏(以下:ジョーンズ氏)とDavid Ha氏(以下:ハー氏)によって2023年8月に設立されました。
Sakana AI社の sakana AIは、日本文化に特化したAIで、生成AIとアートを融合させた点に特徴があります。
ここでは、以下の項目に分けて、SakanaAI のメンバーや特徴などについて解説します。
- SakanaAIの創業メンバー
- SakanaAIの特徴と強み
Sakana AIは、魚の群れのようにそれぞれの能力は異なるものの、1つにすることで大きな存在となり機能するAIの技術を目標としています。
SakanaAIの創業メンバー
SakanaAIの創業メンバーは、以下の3人です。
- ライオン・ジョーンズ(Lion Jones)氏
- デビット・ハ(David Ha)氏
- 伊東錬氏
ライオン・ジョーンズ(Lion Jones)氏は、元GoogleのAI研究者であり、機械学習や人工知能の分野での専門知識が豊富です。
自然言語処理(NLP)、深層学習、強化学習などの領域において多くの研究成果を上げており、特に大規模データセットを用いたモデルのトレーニングや改善に関する研究で知られています。
デビット・ハ(David Ha)氏は、著名な人工知能研究者であり、特に機械学習と進化的アルゴリズムの分野での研究で知られています。AIモデルの訓練方法や、生成モデル、強化学習に関する研究を行っていました。
伊東錬氏は、日本のAI(人工知能)研究者であり、特に機械学習や深層学習の分野での業績が高評価。技術の進展と応用を通じて、さまざまな業界における課題解決に寄与しています。
SakanaAIの特徴と強み
SakanaAIは、AI技術を活用して、広告やマーケティングの分野で効果的なソリューションを提供する企業です。Evo-UkiyoeやEvo-Nishikieといったプロジェクトを通じて、AIを活用したクリエイティブな広告制作を行い、データ解析に基づいた効果的なキャンペーン設計をサポートします。
AI研究者や専門家チームが集まっており、最先端の技術を駆使して企業のマーケティング戦略を強化することを目指しています。特に、北米や欧州市場への展開を見据えた国際的な視野を持ち、グローバルな成長が期待されています。
SakanaAIが開発したもの
Sakana AIは、異なる特徴を持つ精製AIを組み合わせて、優れたAIを生み出すことが特徴であることがわかりました。このSakana AIが開発したものは、どのようなものなのでしょうか。
ここでは、以下の項目に分けて、Sakana AIが開発したものを解説します。
- 進化的モデルマージ
- AI サイエンティスト
- 日本語に対応した画像生成モデル
SakanaAIは、さまざまなものを開発して、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速する役割を果たしています。
進化的モデルマージ
進化的モデルマージ(Evolutionary Model Merging)は、複数の機械学習モデルを組み合わせて新たなモデルを生成する手法です。
異なるモデルの強みを活かし、相補的な情報を統合することで、より高い精度と汎用性を実現します。進化的アルゴリズムを基に、適応度に応じてモデルを選択・改良し、最適化。
複雑なデータセットに対して効果を発揮し、分類や回帰、クラスタリングなど多様なタスクに適用可能です。
進化的モデルマージを活用すれば、単一モデルよりも優れた性能を持つ新しいモデルが生成され、モデルの性能向上や一般化能力の強化が期待できるでしょう。
AI サイエンティスト
AIサイエンティストは、「アイデア創出」「実験の実行と結果の要約」「論文の執筆及びピアレビュー」といった科学研究のサイクルを自動的に遂行するAIシステムのことです。
最初の準備以外、一切人間の介入なしで、機械学習研究の全ライフサイクルを自律的に実行できるのが特徴となっています。研究アイデアの発案、実験の設計・実施、結果の収集と分析までを自動で行い、その結果をもとに研究論文を執筆することが可能です。
さらに、生成された原稿を批評し、フィードバックを提供して研究を改善したり、次のサイクルでさらに発展させるべき有望なアイデアの選定をしたりすることもできます。
日本語に対応した画像生成モデル
Sakana AIは、進化的モデルマージにより構築された日本語の大規模言語モデル「EvoLLM-JP」と画像言語モデル「EvoVLM-JP」を公開しています。
これらのモデルは、言語生成を目的とした自己回帰型Transformerモデルです。
この開発にあたっては、進化的モデルマージの可能性をさらに示すために、画像生成タスクで広く用いられる拡散モデルへの適用が行われています。
日本語に対応し高速・低コストな画像生成が可能なEvoSDXL-JPは、生成AIを手軽に試し体験するのに最適なモデルです。
Evo-Nishikie・EVO-Ukiyoeを使ってみる
Evo-Nishikie・EVO-Ukiyoeは、それぞれ浮世絵の美学やスタイルを利用した画像描画AI技術です。ここでは、Evo-Nishikie・EVO-Ukiyoeを使う前に、それぞれの技術のことを詳しく解説します。
- Evo-Nishikieとは?
- EVO-Ukiyoeとは?
それぞれの項目をみて、2つの技術をより深く理解していきましょう。
Evo-Nishikieとは?
Evo-Nishikieは、進化的アルゴリズムを活用した新しいアート生成技術です。
Evo-Nishikieでは、進化的モデルマージの手法を応用し、複数のデザインやスタイルを組み合わせ、世代ごとにアート作品を改良していくプロセスが特徴的です。伝統的なアートの持つ歴史的な要素と、デジタル時代の新しい表現を融合させた新しい美的体験を提供します。
アート制作の分野で新しい可能性を追求し、文化とテクノロジーの架け橋を作り出す取り組みです。
EVO-Ukiyoeとは?
EVO-Ukiyoeは、AIと進化的アルゴリズムを組み合わせて伝統的な浮世絵を現代的に再解釈・生成する技術です。
EVO-Ukiyoeは、浮世絵の持つ美学を継承しながら、現代アートやデジタル表現の要素を加えた独自のアートスタイルを創出する試みです。
文化遺産と最先端技術の融合を図り、新たな視覚表現や美的体験を提供することを目的としています。
Evo-Ukiyoeの使い方
ここからは、Evo-Ukiyoeの使い方をみていきましょう。Evo-Ukiyoeの利用方法は、デモ版とHugging Faceからのインストール版の二種類。
ここでは、デモ版での使い方を以下の項目に分けて解説します。
- Evo-Ukiyoeにアクセス
- イメージに沿ったプロンプトを入力
- 詳細設定からネガティブプロンプトを入力
- シード値の調整
- 画像を生成する
上記の手順に沿って、Evo-Ukiyoeを使ってみましょう。
Evo-Ukiyoeにアクセス
まずは、Evo-Ukiyoeにアクセスします。
イメージに沿ったプロンプトを入力
次に、画面上部にある、プロンプトに描画したい絵のイメージを日本語で入力します。
今回は、「髪が短い女の子がいます。砂浜を女の子が走っています。」と入力。
詳細設定からネガティブプロンプトを入力
詳細設定にネガティブプロンプトを入力すれば、よりイメージ通りの画像が生成できます。
ネガティブプロンプトとは、たとえば、「動物を除く」「背景に山を入れない」などです。 今回は、「動物を除く」と入力しました。
シード値の調整
シード値とは、AIがアート作品を生成する際にランダム性をコントロールするための設定です。
シード値は、生成プロセスにおける乱数の出発点を決定するもので、同じシード値を使用すると、毎回ほぼ同じ結果が得られます。
逆にシード値を変更することで、作品のバリエーションを変えることが可能です。たとえば、シード値を固定したまま設定やプロンプトを調整すれば、似たテーマやスタイルで一貫性のある作品を生成でき、異なるシード値を使えば、ランダムな要素が強調され、異なるアート作品が生まれます。
今回は、設定を変更せずに画像を生成することにしました。
画像を生成する
ここまでで設定が完了したので、「RUN」ボタンを押下して画像を生成します。画像生成をすると、さまざまな処理が走るため何度もバーが表示され、処理中の画面が表示。
その後、画像生成が行われて、上記のような画像が生成されました。
プロンプトに入力した通り、可愛い女の子が砂浜を走っている、浮世絵の画像が生成されています。
Evo-Nishikieの使い方
次に、Evo-Nishikieの使い方をみていきましょう。
Evo-Ukiyoeと同様に、Evo-Nishikieの利用方法もデモ版とインストール版の二種類。今回は、デモ版での利用方法を以下の項目に分けて解説します。
- Evo-Nishikieにアクセス
- 画像をアップロード
- イメージに沿ったプロンプトを入力する
- シード値の調整 画像を生成する
Evo-Nisikieは、伝統的な浮世絵を現代的に再解釈・生成する技術です。
アップロードした画像から、どのような浮世絵が生成されるかみていきましょう。
Evo-Nishikieにアクセス
まず、Evo-Nisikieにアクセスします。
画像をアップロード
浮世絵を生成するための元画像をアップロードします。画像には、 単色摺の浮世絵(墨摺絵等)が必要となる点に注意が必要です。
今回は、サイトに用意されている画像を使用することにします。
イメージに沿ったプロンプトを入力する
画像をアップロードしたら、イメージに沿ったプロンプトを入力します。
今回は、「着物を着た女性が、赤ん坊を抱え、もう一人の子どもが手押し車を引いています。背景には木があります。」を選びました。
シード値の調整
シード値とは、AIがアート作品を生成する際にランダム性をコントロールするための設定です。
Evo-Ukiyoeと同様に、値を変更することで作品のバリエーションを変えることができますが、今回は特に変更なく使用します。
画像を生成する
サンプルを選択すると、自動で処理が始まり、選んだ単色摺の浮世絵が多色摺の浮世絵(錦絵)風に変換されました。
さまざまな色が使われており、現代に浮世絵が再現されています。
Evo-Ukiyoe、Evo-Nishikie、AIサイエンティストの活用例
Evo-UkiyoeやEvo-Nishikieは、デモ版であれば誰でも簡単利用できることがわかりました。次に、これらの技術の活用例を見ていきましょう。
ここでは、以下の項目に分けて、Evo-Ukiyoe、Evo-Nishikie、AIサイエンティストの活用事例をみていきます。
- 広告やマーケティングへの活用
- 論文執筆の支援
これらの項目をみながら、自社での活用方法をの参考にしてください。
広告やマーケティングへの活用
浮世絵や錦絵を使ったマーケティング画像の生成は、伝統的な美術と現代のデジタル技術を融合させた効果的な手法です。
AI技術を用いることで、ブランドのテーマや商品の特徴に合わせたカスタマイズ可能なビジュアルを短時間で生成できます。
特にEvo-UkiyoeやEvo-NishikieといったAI技術を活用することで、浮世絵や錦絵の特徴的な色彩や構図を生かしつつ、現代的なメッセージやデザイン要素を組み込んだマーケティング素材を作成可能です。
ただし、公式からは、当該技術の性能や結果については何の保証もしていません。利用者は、本モデルの使用に伴うリスクを十分に理解し、自身の判断で使用することが必要です。
論文執筆の支援
AIサイエンティストを活用した分析は、論文執筆において多大な支援となります。
AIは、大量のデータを迅速かつ正確に解析し、統計的な洞察やパターンを抽出する能力が魅力の一つ。
また、自然言語処理(NLP)技術により、関連文献の自動要約や引用文献の抽出が効率化され、研究者の時間の節約が可能です。さらに、AIは実験結果のシミュレーションや予測モデルの作成にも寄与し、実証的なエビデンスを強化することができます。
SakanaAIの今後は?
Sakana AIから生まれた技術は、広告やマーケティングなどさまざまな分野で活用されていることがわかりました。では、Sakana AIの今後はどのようになっていくのでしょうか。
ここでは、Sakana AIの今後を以下の項目に分けて考えます。
- 北米やヨーロッパなどに国際展開を目指す
- 大規模GPUスパコンを活用した研究開発を加速させる
Sakana AIの今後は明るく、日本国内にとどまらず世界中で活用されていくでしょう。
北米やヨーロッパなどに国際展開を目指す
SakanaAIは、今後の展開として北米やヨーロッパ市場への国際進出を目指しています。同社は、AI技術を活用した革新的なソリューションを提供しており、特に広告やマーケティング、データ分析分野での活用に期待です。
国際展開では、各地域の市場ニーズに応じたカスタマイズされたAIソリューションを提供し、企業の競争力を強化することを目標としています。
また、グローバルなパートナーシップを構築し、現地企業との協力を通じてAI技術の普及を図り、世界的なブランドとしての地位を確立することが狙いです。
大規模GPUスパコンを活用した研究開発を加速させる
SakanaAIは、今後の成長戦略として、大規模GPUスパコンを活用した研究開発の加速を目指しています。AI技術の進化には、大量のデータを迅速に処理できる計算能力が不可欠であり、GPUスパコンはそのニーズに応える強力なツールです。
Sakura AIの技術を活用すれば、複雑なアルゴリズムやモデルのトレーニングを効率化し、高度なAIソリューションの開発が可能になります。
さらに、研究者たちはこのインフラを利用して、AIの応用範囲を広げる新しい技術革新を追求できるようになるでしょう。特に、広告やマーケティングの分野での実用的な成果を生み出すことが期待されます。
AIを使ってアプリ・システム開発を行う日本企業、Jiteraとは?
株式会社Jiteraは、AIを使ってアプリ・システム開発を行う日本企業です。ここでは、以下の項目に分けて、AI開発に特化した株式会社Jiteraについて詳しくみていきます。
- Figmaデザインや要件定義をインポートするだけでアプリ開発が出来る
- Jitera社の特徴は?
株式会社Jiteraは、AI開発に関することであればなんでも的確にアドバイスができます。AIを活用したシステム開発であれば、株式会社Jiteraにぜひご用命ください。
Figmaデザインや要件定義をインポートするだけでアプリ開発が出来る
Jiteraは、Figmaデザインや要件定義を簡単にインポートすることでアプリ開発を効率化するプラットフォームです。
デザイナーが作成したUI/UXデザインをそのまま開発プロセスに反映させることができ、デザインと開発のギャップを縮めます。
Figmaのデザインをインポートする際、Jiteraは自動的にコードを生成し、アプリの機能や要件に基づいて適切なコンポーネントを作成します。
開発者は手動でのコーディング作業を大幅に削減でき、開発スピードの向上しが期待できるでしょう。また、要件定義の明確化も支援するため、プロジェクト全体の管理がしやすくなります。
Jitera社の特徴は?
Jitera社には、Figmaデザインや要件定義をインポートするだけでなく、ほかにも以下のような特徴があります。
- 高度な技術力による高品質な開発ができる
- 顧客に寄り添った、開発支援をしている
- 緻密なコミュニケーションと提案力によって委託がしやすい
それぞれの項目を見て、自社での活用方法をぜひ検討ください。
高度な技術力による高品質な開発ができる
Jitera社の特徴は、高度な技術力に裏打ちされた高品質なアプリ開発です。同社は、Figmaデザインや要件定義をスムーズにインポートすることで、デザインと開発の連携を強化し、プロセスの効率化を図っています。
また、AIや自動化技術を駆使して、コード生成やエラー検出を行い、開発の精度とスピードを向上させています。
さらに、Jiteraは多様なプラットフォームに対応しており、モバイルアプリやウェブアプリの開発が可能です。
顧客のニーズに応じた最適なソリューションを提供することができます。
高度な技術力に基づくプロフェッショナルなサポートもあり、クライアントは安心してプロジェクトを任せられるでしょう。
顧客に寄り添った、開発支援をしている
Jitera社の特徴の一つは、顧客に寄り添った開発支援を提供している点です。
クライアントのニーズやビジョンを理解し、それに基づいたカスタマイズされたソリューションを提案することで、より効果的なアプリ開発を実現しています。
プロジェクトの初期段階から顧客と密にコミュニケーションを取り、要件定義やデザインの段階で意見を反映させるため、期待通りの成果物が得られるでしょう。
また、Jiteraはアフターサポートにも力を入れており、開発後のフィードバックや改善点を積極的に受け入れています。
このように、顧客の成功を第一に考えたアプローチが、Jiteraの強みです。
緻密なコミュニケーションと提案力によって委託がしやすい
Jitera社の特徴は、緻密なコミュニケーションと高い提案力によって、委託がしやすい環境を提供している点です。同社は、顧客との対話を重視し、プロジェクトの初期段階から継続的にニーズを把握しようと努めています。
顧客の要望を的確に理解し、適切なソリューションを提案。
また、Jiteraは、開発プロセスの各ステージでの進捗状況を透明に共有し、顧客が安心して委託できるように配慮しています。
定期的な報告やフィードバックを通じて、プロジェクトの方向性を確認しながら進めるため、顧客は安心感を持って進行状況を見守ることができるでしょう。
SakanaAIのまとめ
今回は、Sakura AIに関して、以下のことがわかりました。
- Sakura AIは日本文化に特化したAIで、生成AIとアートを融合させる点が特徴的
- 「進化的モデルマージ」「AI サイエンティスト」などがSakura AIで開発されている
- 「Evo-Nishikie」「Evo-Ukiyoe」はSakura AIを活用したツール
- 株式会社Jitera はAI開発に特化した日本企業である
Sakura AIを活用すれば、日本文化と融合したソリューションを多く生み出せますが、実際にどのように活用すればよいかわからないこともあるでしょう。
AI開発に関することであれば、株式会社Jiteraにご相談ください。
自社でSakura AIをどのように活用したいかをヒアリングさせていただき、最適なアドバイスをいたします。