ビジネス用SNSとして世界で圧倒的なシェアを持つ「LinkedIn」。
ビジネスにおいて重要な採用活動、情報収集やコネクション作りをサポートしてくれるビジネスに特化したSNSです。
世界ではすでに200か国以上、10億人以上のユーザーが利用しており、日本でも導入する企業が増えています。
本記事を読むと「LinkedInとは何か」「どういったメリットがあるのか」が分かります。
興味をもった方はぜひご一読ください。
現役エンジニアです。プログラミングは基本的にどの言語も好きですが、特にSQLとVBAが好きです。趣味は釣り。
Linkedinの基本

LinkedInはX(旧Twitter)やFacebookといったプライベート用SNSとは異なり、ビジネス特化SNSです。
日本のSNSユーザー数ランキングでは8位となっており、ビジネス用SNSとして唯一トップ10以内にランクインしています。(1位LINE、2位YouTube、3位Instagram)
複数の種類があるビジネス特化SNSですが、世界的、および日本国内でもビジネスSNSランキングでトップであると言えるでしょう。
Linkedinとは?
LinkedInでは企業アカウントと個人アカウントを作成できます。
企業アカウントでは、主に下記の目的で利用されます。
- ハイスキル人材の採用と採用活動の効率化…求人表を掲載し、求職者に応募を促したり転職意思のないハイスキル人材にアプローチ。
- つながり作成…見込み客や提携したい企業とのコネクション生成。
- 業界や競合の情報収集…マーケットの最新の動向や、競合のリアルタイムな情報を入手する。
- PR活動…自社製品のリリース情報やイベント情報を投稿し宣伝をする。
一方、個人アカウントではマーケットトレンド調査やコネクション形成の目的もありますが、就職活動のため使用されることが多いです。
就職活動の場合、職務経歴書のようにプロフィールに学歴や職歴を記載し、アイコンに「#OPENWORK」のタグをつけて求職活動中であることを明示し、ポジションを探して応募したりスカウトを待って使用します。
Linkedinの特徴
LinkedInの特徴についてご説明します。
大きな特徴の1つに、「つながり」という関連性の度合いがあります。
「つながる」とはFacebookの友達のような状態で、つながっている相手とDM連絡が可能です。
自分と直接つながっている人を「一次つながり」と呼び、つながりのつながりは二次、その次は三次とつながり度合いを表します。
また、LinkedInはビジネス用SNSという特性上、下記の特徴もあります。
- 原則、実名登録。顔写真を掲載する。
- 足跡機能で、誰が自分に興味を持ったのかを確認することができる。
- 求人検索機能がある。転職メディアのように職種、リモート可否や職務レベルなど条件にあった求人を検索できる。
Linkedinの活用方法

次は、実際にLinkedInを活用するためのコツについてご紹介します。
難しいコツはありませんので、ぜひ実際に試してみてLinkedInをビジネスに活かしてください。
また、継続することでどんどん良いアカウントに育ちますので、一回限りでなく継続して実行できると良いですね。
プロフィールの充実
LinkedInでは企業アカウントと個人アカウントがありますが、どちらのアカウントにとっても、プロフィールを充実させることが重要です。
理由はシンプルで、情報が多い方が信頼性が高く感じられるためです。
極端な例ですが、社名のみ書かれたアカウントと、社名、本社地などの連絡先、製品情報や経営陣の情報が書かれたアカウントでは、まず間違いなく後者の方が信頼できますよね。
見込み客や求職者の応募を獲得するためには、プロフィールを充実させましょう。
ここからは求職者向けの情報になりますが、LinkedInでは企業からスカウトを受信する場合があります。
プロフィールに下記情報を記載することで、自身の信頼性があがり、さらに、企業に自身をよく知ってもらいミスマッチを防止するというメリットもあります。
- 自身の経歴:プロフィール=職務経歴書と思い記載しましょう。できるだけ詳細に、また自己アピールを含め記載できると良いです。
- 推薦コメント:LinkedInでは推薦コメント機能があり、第三者観点での評価となるため信頼性が向上します。「推薦を依頼する」のリクエスト機能もあるため、推薦してほしい人に依頼をしてみるのも良いですね。
コンテンツの投稿とシェア
LinkedInでは、Twitterなど他SNSと同様、コンテンツの投稿と他アカウントのコンテンツのシェアが可能です。
自社製品のリリース情報やイベント情報を投稿して、自分のフォロワーやつながりに情報を届けることができます。
自身で投稿するのももちろん良いのですが、自社についての投稿や今後注力したい分野の投稿は積極的にシェアすることをオススメします。
フォロワーやつながりに自社の情報やビジョンを理解してもらうことができるというメリットがあり、また、自社が投稿をシェアすることで投稿主へのリアクションとなり、コネクション形成や信頼関係構築という点でもメリットもあります。
自身で投稿をすることはもちろん、関連のある投稿は積極的にシェアしましょう。
コネクションの築き方
次は、Linkedinで重要視される「つながり」を増やす方法をご説明します。
LinkedInでは「フォロー」機能もありますが、下記の通りつながりとは異なるものです。
- つながり:Facebookでいう友達の状態。つながり申請が承認されるとつながりになる。DMが可能。
- フォロー:Twitterのフォローと同様、相手の投稿がタイムラインに表示される。相手の承認は不要。DMは不可。
つながりを増やす方法はシンプルで、とにかくつながり申請を出すことです。
下記のように、相手が積極的につながりたい場合や、すでに自分に関心を持っている場合はつながり申請が承認されやすい傾向があります。
つながりたいと思った相手、つながりやすそうな相手がいる場合、積極的に申請してみましょう。
- 「つながり申請歓迎」とプロフィールに書いてある人
- 自分のアクティビティに反応をくれた人
- 共通のつながりが多い人
- LinkedInアルゴリズムによりオススメされる人
グループ参加と活動
LinkedInでは、同じ業種の企業、同じ分野に関心がある企業や個人を集めグループを形成することができます。
グループ作成は簡単にできるため、自分で作成をしてももちろん良いのですが、既に多くの参加者が集まっているグループに参加するのがオススメです。
多くの意見や情報を共有でき、また、同じ界隈の人や同じ理念の人が集っているためつながりを増やすという点でもメリットがあります。
参加の方法について、グループ名が分かっている場合、LinkedInの検索ボックスにて検索し参加リクエストを送信します。
自分に合ったグループを探したい場合、LinkedInのグループページでキーワードを入力すればLinkedInがキーワードに合致したグループをオススメしてくれます。
オススメされたグループの参加者や活動を確認し、良いと思ったグループがあれば積極的に参加リクエストをしてみてください。
Linkedinのメリットとデメリット

次は、LinkedInを使用することのメリットとデメリットについてご説明します。
LinkedInはビジネス観点で多くのメリットが存在します。
ユーザーや情報の多さからデメリットも存在しますが、うまく活用しビジネスに活用したいですね。
メリット
LinkedInは採用や戦略の立案、宣伝などビジネスに関連し幅広いメリットがあります。
ここではメリットの詳細と、具体的な機能を一部、ご紹介します。
ビジネスに特化したプラットフォーム
LinkedInを活用すると、採用やマーケティングについて下記のようなメリットがあります。
- 採用活動の円滑化と、ハイスキル人材へのアプローチ
- 見込み客や提携希望の企業へのアプローチ
- 自社製品のPR
- 市場の動向や競合企業についてのリアルタイムな情報収集
採用やマーケティングなど複数観点でメリットがあることが分かりますね。
どのように上記を達成するのか、LinkedInの具体的な機能を一部ご紹介します。
他にも豊富に機能があるので、気になる方はアカウントを作って実際に機能に触れてみてください。
- 求人票の添付:企業アカウントから求人票を添付。求職者は求人票から直接応募が可能であり、LinkedInで採用活動を完結。
- SlideShareでのプレゼンテーション:スライドや動画でのプレゼンテーションを表示。見込み客や提携したい企業へのアピール効果が有り。
- LinkedInダイナミック広告(有料):アルゴリズムによりターゲティングした相手に、優先的に自社の広告を表示。
専門知識やキャリア情報の共有
LinkedInは様々な分野な企業や有識者が使用しており、専門知識が蓄積されています。
毎時間と言っても良いほど頻繁に記事やコラムの寄稿がされており、分野は経営のほか、IT、学問、芸術など多岐に渡ります。
LinkedInは情報共有の場としてもちろん、専門知識やキャリア情報の吸収の場として非常に有効なSNSです。
有料サービスですが、LinkedInラーニングサービスという学習コースもありますので興味がある方は詳細を確認しみてください。
(分野:ビジネス、クリエイティブ、テクノロジー)
ネットワーキングの機会拡大
LinkedInはビジネス観点でつながりを求めるユーザーが多く、コネクションを作りやすい特徴があります。
つながりやフォロー、グループ傘下でコネクションを広げ、ネットワーキングの機会を増やすには非常に有効なSNSです。
LinkedInを使用していると、思わぬ相手からつながり申請を受け取ることもあります。
思わぬビジネスチャンスに繋がるかもしれないため、そういった機会は大事にしてコネクションを増やしていきましょう。
デメリット
ビジネスについてメリットが多いLinkedInですが、その情報の多さや特性からデメリットも存在します。
ここでは代表的なデメリットをご紹介します。
過度な営業メッセージの存在
LinkedInでは、一次つながりの相手にはDMを送ることができますが、有料の「InMail」機能を使用すればつながっていない相手にもDMを送付することができます。
実名性で信頼性の高いLinkedInですが、InMailクレジットを使用し、信憑性のない営業メッセージを送る危険アカウントは残念ながら存在します。
また、つながり申請をし一次つながりとなった後、詐欺まがいの営業メッセージを送られた事例も存在します。
もしそのような場面に存在した場合、ブロックやスパム報告で冷静に対応しましょう。
情報過多による情報選別の難しさ
LinkedInは10億人以上のユーザーが使用していることもあり、情報が溢れています。
コラムなどの記事も多く、ソースが多すぎて、どこを見れば良いのか分からなくなることもあるかもしれません。
そういった場合には、情報のソースとなる人のプロフィールやつながりを確認し、ソースとして適切な人かを確認してみてください。
LinkedInの成功事例

LinkedInを既に導入している企業は数多く存在します。
効率的な採用活動、企業ブランディング、ビジネス機会創出の観点で成功事例をご紹介します。
大企業だけでなく、スタートアップしたばかりの少人数企業でもLinkedInを導入し成功している企業もあります。
LinkedInを導入するとどのようなメリットがあるのか、具体的なイメージが湧くかと思いますのでぜひご一読ください。
企業のブランディング〜LINE株式会社〜

日本国内で約9500万人以上が利用しているSNS「LINE」。
LinkedInを導入し国外での認知度向上と採用活動の強化に成功しました。
導入の目的
・国内外での企業ブランディング
・経営理念にマッチしたハイスキル人材の採用採用の強化
・採用の強化
結果
・国内外の企業やユーザーとつながり、ダイレクトにプロダクト情報やビジョンをPR。結果としてフォロワーが増加し、LINEの認知度向上につながった。
・LinkedInのツール「タレントインサイト」を利用し、候補人材や競合企業の分析。新しい採用戦略を策定。
・リクルーター個人のブランディングにも注力し、採用候補者とのつながりを拡大。候補者に対し個人対個人で対話委し、企業にマッチしたハイスキル人材を採用。
求人募集と人材採用〜株式会社ワークスアプリケーションズ〜

株式会社ワークスアプリケーションズ LinkedInアカウントはこちら
世界で初めてAI技術を搭載したERP「HUE」の開発に成功したワークスアプリケーションズ。
LinkedInを専門知識を持つ人材採用に役立てています。
導入の目的
・画像解析や機械学習といった最先端技術を有した人材や、Webデザインやソフトウェア開発の経験者を採用するため
・将来的にエンジニア採用の競争が激しくなると予想し、候補者との密なコミュニケーションが必要と考えたため
・必要な専門知識、経験をもつ人材を発掘
結果
・採用候補者のプロフィールや活動、つながりを確認し、ポジションにマッチした人材であるか分析ができている。
・グローバル規模で最新のマーケットトレンド情報を収集するツールとしても利用している。
B2Bビジネスの拡大〜株式会社メルカリ〜

株式会社メルカリは、LinkedInをビジネスプロフェッショナル同士が知り合う場所と考えています。
一方向の発信ではなく、双方向で発信し合い、つながりを拡大しています。
導入の目的
・プロフェッショナルとのつながりを作る
・採用候補者にメルカリでの働き方を伝え、メルカリで働くイメージをもってもらう
・今後グローバル展開をするにあたり、グローバルのつながりを作る
結果
・LinkedInでつながりやフォロワーをオフラインイベントに招待。実際に会い対話することで、他企業のビジネスマンとのリアルなつながりを作成。
・採用候補者にメルカリという働く環境情報を伝え、働くイメージを持ってもらうことでミスマッチを減らせている。LinkedInから実際に内定者も複数でている。
小規模企業の事例〜株式会社SQUEEZE〜

株式会社SQUEEZEは、スタートアップし間もないころ、社員数を増加させるために採用メディアを使用していましたが、思うような結果を得られていませんでした。
採用戦略を検討した結果、能動的にアプローチできるLinkedInの導入を決めました。
導入の目的
・ハイスキル人材へ能動的にアプローチするため
・候補者とダイレクトなコミュニケーションをし、ポジションへマッチしている意識を候補者にも持ってもらいたい
・人事担当者が居ない状況で、採用を効率的におこなう必要があり、豊富な採用サポート機能を利用するため
結果
・3か月という短期間内で複数名を採用。
・候補者とのダイレクトなコミュニケーションによりミスマッチは無し。採用のオファー後、必ず承諾いただいている。
・第三者を介さないため、スピード感のある採用活動が可能と感じている。
Linkedinの今後の展望

既に豊富な機能を搭載し、多くの企業がメリットを享受しているLinkedInですが、今後ますます進化することが予想されます。
AIといった最先端技術との融合やユーザーエクスペリエンスの向上など、Linkedinが現在試みていることをご紹介します。
プラットフォームの機能強化
2023年秋から2024年春にかけて、他アプリとの連携や採用円滑化などに関連し、複数の機能リリースが予定されています。
下記にリリース内容を一部、ご紹介します。
- ZoomやMicrosoft Teamといった外部アプリとの連携
- CRM(顧客情報管理システム)との接続
- 候補者の転職意思、関心度に基づいた検索機能の強化
- 候補人材を見つけた際に、候補者と類似した人材をオススメ表示
他にも高い頻度で機能リリースがおこなわれており、今後の機能強化も期待されます。
AIやデータ分析の活用
AIを利用した支援機能もリリースが発表されています。
例えば採用活動の際、スカウトメッセージは返信を受け取れないことも多いですが、メッセージを個人の職歴や経歴をまぜてパーソナライズすることで返信率は上がるといわれています。
LinkedInではAIがパーソナライズしたメッセージを作成してくれる機能がリリース予定となっています。
また、採用担当者が目標を入力すると、AIが個人ユーザーの状況を分析し、採用担当者に候補者を提示したりプロジェクトを提案するといった分析・提案機能もリリース予定です。
ユーザー体験の向上
LinkedInではユーザーエクスペリエンスの向上も重要視されています。
検索機能の精緻化や、送信メッセージに返信がない場合の自動フォローアップ機能など、ユーザーが時間を節約できるような機能が次々とリリースされています。
忙しいビジネスマンにとって、こういった時間を節約する姿勢は大変ありがたいですね。
Linkedinの機能リリースの頻度は高く、今後どういったリリースがあるか楽しみなところです。
ビジネス特化SNSのまとめ

本記事ではビジネス特化SNS LinkedInの特徴やメリット、成功事例についてご紹介してきました。
下記に、本記事の内容をまとめます。
- LinkedInはビジネス特化SNSであり、世界では10億人以上のユーザーが利用している。
- 効率的な採用、マーケティング、コネクション作成や業界や市場の情報収集にメリットがある。
- つながりを増やすため、つながり申請は積極的に送ると良い。
- 情報過多、過度なセールスというデメリットが存在する
- AIを搭載した機能も増えており、ユーザーエクスペリエンス向上のため高頻度で新機能がリリースされている。
LinkedInがビジネスにおいて非常に有用なことをお分かりいただけたでしょうか。
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