おすすめ・比較
BIツールやデータ分析ツールの存在感が高まっている昨今ですが、まだ本格的な導入には至っていない企業も多いのが実情です。
デジタル化の波はビジネス環境を刻々と変化させており、そのスピードに対応するには、データサイエンスを活用した合理的な判断が欠かせません。過去の経験則に頼る経営手法では、激しさを増す競争に太刀打ちできなくなりつつあります。
リアルタイムなデータをもとに柔軟かつ迅速な意思決定をすることは、今後さらに重要度を増すでしょう。
BIツールを適切に活用することで、データから事業上の課題を発見し、的確な戦略立案につなげる強力な武器となります。今こそ導入検討の必要性が高まっているといえるでしょう。
この記事では、BIツールの基本概念や活用例、おすすめのBIツールについて紹介します。
現役のシステムエンジニアとして10年程度のキャリアがあります。 Webシステム開発を中心に、バックエンドからフロントエンドまで幅広く対応してきました。 最近はAIやノーコードツールも触っています。
BIツールとは？
BIツールは、ビジネスインテリジェンス(BI)の実現を支援するソフトウェアです。企業が保有する膨大なデータを分析・可視化することで、意思決定を支援します。
BIツールは業務データを集計・分析し、レポートやダッシュボードを生成します。大量のデータから必要な情報を抽出・可視化することで、経営課題の解決を支援します。
また、BIツールの主な用途は、販売分析、マーケティング分析、リスク分析です。販売データから地域別売上を分析したり、SNSデータからブランドイメージを分析するなど、多様なデータソースを活用できます。
以下ではBIツールの役割やメリットについて紹介します。
BIツールの役割
BIツールは、企業が大量のデータを分析し、ビジネスの意思決定に役立てるためのソフトウェアです。
企業は、販売、マーケティング、顧客管理など、さまざまな部門で大量のデータを持っています。しかし、そのデータを十分に活用できずにいる場合が多いのが実情です。
BIツールを使うことで、企業は保有するデータから有益な情報を引き出し、戦略的な意思決定ができます。BIツールの活用によって、企業は自社の強みや課題を明確に把握でき、データに基づいた戦略を立てることが可能になります。
BIツールはビジネス運営を合理化し、競争力を高める上で欠かせないツールといえるでしょう。
BIツールのメリット
BIツールの大きなメリットの一つが、社内に散在するデータの一元管理と可視化です。
企業内には、売上管理、在庫管理、顧客情報など、部門や業務によってデータが分散していることが多いのが実情です。BIツールを導入することで、これらのデータを一元的に管理し、グラフや表などで視覚的に分析・把握することが可能になります。これにより、従業員は簡単に必要なデータにアクセスでき、迅速な意思決定が可能となります。
また、BIツールを活用することで、経営陣やマーケティング担当者などの意思決定者が経営戦略やマーケティング戦略を策定する際に、より正確な情報をもとに判断できるようになります。
例えば、経営層は売上データや顧客データの分析によって市場動向や顧客ニーズを把握し、戦略の修正や施策の立案に役立てられるでしょう。
また、マーケティング担当者は、BIツールを活用することで新しいビジネスチャンスを発掘できます。データに基づいた的確な分析によって、今まで見逃していた顧客ニーズの発見や、新規事業の立ち上げなどが期待できるでしょう。
BIツールの主な機能
BIツールには、データの収集、整形、分析、可視化など、さまざまな機能があります。
ここでは、BIツールで特に重要な4つの機能について解説します。
データをグラフや表などで見やすく表示する機能
BIツールは、データを視覚的に分かりやすく表現する機能を提供します。
集計したデータを、グラフやチャート、テーブルなどの視覚的な形式で表示することで、データを分かりやすく表示し、傾向や問題点を直感的に把握できるようにします。
データの傾向や変化を一目でわかるように可視化することで、意思決定がしやすくなるともいえるでしょう。
OLAP（オンライン分析処理）機能
BIツールのもう1つの主要な機能がOLAP機能です。
OLAP機能は、複雑なデータを多角的な視点から分析するための機能ともいえます。
スライス分析やドリル分析といった機能を活用することで、データをさまざまな視点から掘り下げて分析できます。
スライス分析とは、特定の軸（例：地域、製品カテゴリ、時期など）に着目して、データを切り取って分析することです。一方、ドリル分析は、データの詳細レベルを上下に移動させながら分析する機能になります。
これらの機能により、さまざまな視点からデータを徹底的に分析できるのがOLAP機能の特徴です。
データマイニング機能
BIツールには、さまざまなデータから潜在的な関係性や傾向を発見するデータマイニング機能も備わっています。
データマイニング機能は、大量のデータの中から隠れたパターンや法則を発見するための機能です。
具体的には、回帰分析やクラスタリング、アソシエーション分析など、統計学や機械学習の手法を活用してデータを解析します。
これらの分析手法により、顧客の購買行動の分析、リスクの予測、マーケティング戦略の立案など、様々な場面でデータを活用できます。
プランニング機能
BIツールの中には、分析結果をベースに数値シミュレーションをするプランニング機能を備えたものもあります。
過去のデータから予測モデルを構築し、仮想的な条件を設定してシミュレーションすることで、より精度の高い事業計画の立案が可能になります。
プランニング機能を活用することで、売上予測やコストシミュレーション、リスク分析といった不確実性のある状況下でも、より効果的な計画を策定できるでしょう。
【比較】おすすめBIツール15選一覧！
では、ここからはおすすめのBIツール15選を説明していきます。
今回紹介するBIツールの一覧は以下のとおりです。
| BIツール | 特徴 |
| b→dash | プログラミング不要でデータを扱える マーケターなどが直接データを操作可能 |
| LaKeel BI | 豊富なテンプレート ドラッグ&ドロップでレポート作成 |
| Qlik Sense | 「連想技術」搭載 他のBIツールでは見落としていた情報も発見可能 |
| Domo | データの集約とリアルタイム分析が可能 業界ごとのアプリも豊富 |
| Yellowfin | データの変化を自動解析 権限を細かく設定可能 |
| Srush | クリックするだけでデータの統合が可能 直感的に操作可能 |
| Sisense | 様々な形式のデータを扱える プロによる高品質なテンプレート |
| Altair Monarch | データ処理が直感的な操作で簡単 非構造化データの処理にも優れている |
| Alteryx Designer | 様々なデータソースやBIツールと連携可能 処理スピードが速く、大容量データもスムーズ |
| Looker | 誰が使っても同じデータ分析結果が得られる セキュリティが高く、アップロード不要 |
| Actionista! | ライセンス費用がクライアント数に依存しない 国内サポートが手厚い |
| MotionBoard Cloud | 多彩なグラフ表現が可能 誰でも短期間でBIを活用できる |
| MicroStrategy 2024 | Officeとも連携可能 スマホでも快適に使用可能 |
| ノバセルアナリティクス | 専任のスタッフが改善案まで提案 画面も分かりやすく3分で設定完了 |
| Whatagraph | 広告代理店やマーケター向け マーケティングデータの管理にかかる手間を軽減 |
それでは各ツールについて特徴やメリットを見ていきましょう。
b→dash
b→dashでは、プログラミング不要でデータを扱えるのが大きな特徴です。
通常、データを分析に使うにはプログラミング言語「SQL」が必要ですが、b→dashにはそれが不要な「データパレット」が搭載されています。
データパレットを使えば、プログラミングができなくても、データの加工や統合が直感的にできます。プログラマーに頼らずに、マーケターなどが直接データを操作できるので、大幅に時間とコストを削減できます。
プログラミングに自信がない人でも、b→dashならデータ分析をスムーズに行えるのが強みです。データマーケティングのハードルを下げてくれる優れものといえます。
LaKeel BI
LaKeel BIの魅力は、まず豊富なテンプレートです。
経営分析や売上分析など、業務に合わせたテンプレートが用意されているので、すぐに分析できます。集計やグラフ化も簡単な操作でできるので、データの可視化がスムーズです。
LaKeel BIの操作はExcelに近いので、ツールに慣れていない人でも扱いやすいです。ドラッグ&ドロップでレポート作成できるので、ITスキルは必要ありません。大規模な利用にも対応でき、コスト面でもメリットがあります。
導入前のサポートも手厚く、個別のデモ提供やセミナー開催などがあるので、効果を事前に確認できます。LaKeel BIなら、誰でも気軽にBIを活用できるでしょう。
Qlik Sense
Qlik Senseの魅力は、プログラミングができなくても、誰でも簡単に操作できることです。
マウスだけのドラッグ&ドロップで、データの取り込みから分析まで一貫して行えます。個人でもチームでも柔軟に利用できるため、組織の規模を選びません。
Qlik Senseには「連想技術」が搭載されているので、通常関係ないと思われるデータ同士からも新たな気づきが得られます。他のBIツールでは見落としていた情報も発見できるうえ、分析できるデータ量が大幅に増えます。
Qlik Senseなら、誰でも新しい発見ができて、ビジネスを前進させられるはずです。
Domo
Domoの魅力は、データの集約とリアルタイム分析が簡単にできることです。
様々なソースからデータを自動収集し、必要な時に素早くグラフ化できます。操作はドラッグ&ドロップが基本なので、プログラミング知識がない人でも扱えます。
データの共有やAIによる解析支援など、チームでの活用に優れています。業界ごとのアプリも豊富なので、自社のニーズに合わせて使えます。
Domoなら、誰でも手軽にリアルタイムBIを実現できるはずです。データドリブンな意思決定を支えてくれる強力なツールといえます。
Yellowfin
Yellowfinの強みは、データの変化を自動解析して原因を提示してくれる点です。ユーザーに分析スキルがなくても、背景を理解できます。
操作はシンプルで、ドラッグ&ドロップと数クリックでレポート作成できます。Webベースなので場所を選ばず活用できます。また、権限設定を細かくできるので、社内の情報共有をセキュアに行えます。
Yellowfinは誰でも手軽にBIを利用でき、データから洞察を得られるツールです。大量のデータ解析を簡単にしてくれます。
Srush
Srushの魅力は、データの集計と分析がとても簡単な点です。国内のサポートが手厚く、操作方法に関する質問にも丁寧に対応してくれます。
SrushはExcelライクなインターフェースで、クリックするだけでデータの統合ができるので、プログラミングスキルが不要です。グラフ化もドラッグ&ドロップ操作のみで実現できます。
Srushは直感的に操作ができるので、誰でも短期間で習得できるでしょう。データ分析のハードルを大幅に下げてくれるデータ分析ツールだと言えます。
Sisense
Sisenseのメリットは、データの取り込みと分析が豊富な機能でカバーされている点です。データソースの種類が多彩なので、様々な形式のデータを扱えます。マルチディメンショナルな分析も可能です。
Sisenseのレポートやダッシュボードの作成も直感的な操作で行えます。BI初心者でもスムーズに習得できるでしょう。
また、プロによる高品質なテンプレートも用意されているので、迷うことなく活用できます。手軽にBIを始めたいなら、Sisenseがおすすめです。
Altair Monarch
Monarchの最大のメリットは、データ処理が直感的な操作で簡単にできる点です。
80以上の機能が搭載されているので、データのクレンジングや変換がGUIベースでスムーズに行えます。プログラミング不要で、誰でも短期間で習得できます。
非構造化データの処理にも優れているので、活用されていないデータからも洞察を引き出せます。手間とコストを大幅カットして、データ分析に注力できるのが魅力です。BI初心者におすすめのデータ分析ツールといえるでしょう。
Alteryx Designer
Alteryxのメリットは、データ処理がプログラミング不要で直感的にできることです。ドラッグ&ドロップ操作で、フィルタリングや結合などが簡単に行えます。Excelの経験があれば、すぐに習得できるでしょう。
また、様々なデータソースやBIツールと連携できるのも強みです。作成したワークフローは再利用可能なので、効率よく分析できます。
Alteryxは処理スピードが速く、大容量データもスムーズに扱えます。レポートの作成・共有も簡単なので、BI初心者におすすめのツールです。
Looker
Lookerの強みは、誰が使っても同じデータ分析結果が得られる点です。
LookMLという独自のコードにより、データ定義が標準化されているため、分析の一貫性が保たれます。データベースを持たず、ソースに直接アクセスするので、セキュリティが高く、アップロード不要です。
外部ツールとの連携もスムーズなので、分析結果を活用しやすいです。BI初心者でも安心して利用できるデータ分析ツールだと言えます。
Actionista!
Actionista!のメリットは、誰でも手軽にBI分析ができる点です。
ライセンス費用がクライアント数に依存しないのでコスト面で有利です。操作性が良く、マニュアル不要で使用できます。
Actionista!はwebブラウザだけで分析作業が完結するので、導入も簡単です。国内サポートが手厚いのも安心材料です。
また、分析テンプレートが用意されているので、経験のないユーザーでも活用できます。BIを始めたい方におすすめのツールです。
MotionBoard Cloud
MotionBoardのメリットは、社内の様々なデータを簡単に連携できる点です。データベースはもちろん、ファイルやクラウドサービス等も接続できます。
操作はプログラミング不要で、多彩なグラフ表現が可能です。データの収集から分析、共有までを一括で支援してくれるので、誰でも短期間でBIを活用できるでしょう。
MotionBoardは、レポート作成やデータ変化の検知、アラート通知などの機能も充実しています。IoTデータのリアルタイム活用もできるなど、機能面で魅力的なツールといえます。
MicroStrategy 2024
MicroStrategyは、操作が簡単なBIツールです。
このツールの特徴は、Windowsと同じようなインターフェース。ドラッグ&ドロップでデータを動かしたり、マウス操作でグラフを変更できます。さらに、カスタマイズできるグラフやチャートです。好みのデザインをつくれるので、表現力が高いです。
また、BIの機能がとても豊富であることにも注目です。ダッシュボード、データ分析、予測などできて、Officeとも連携します。
MicroStrategyはスマホでも快適に使用でき、高速で反応が良く、入力も簡単です。無料版も用意されており、R言語とも連携できて便利です。
ノバセルアナリティクス
ノバセルアナリティクスは、テレビCMの効果をしっかり分析して改善するのをサポートしてくれます。
専任のスタッフが改善案まで提案してくれるため、CMの目標設定から、結果分析、ブラッシュアップまでを支援します。
ノバセルアナリティクスは簡単な操作で誰でも分析できる点も特徴です。画面も分かりやすく設定も3分で行えます。また、リアルタイム分析なので、正確な効果が分かります。
ノバセルアナリティクスは、CMのコストと売上げを比較したり、CMの効果をしっかり調べたりできます。分析に時間がかからないのが魅力です。CMの効果測定と改善を徹底的にサポートしてくれるツールといえるでしょう。
Whatagraph
ワッタグラフは、広告代理店やマーケター向けのBIツールです。専門知識がなくても、すべての広告やSNSの結果を簡単に1つの画面で確認できます。
たった数クリックで、全てのマーケティングデータを自動的に集約してくれるので、手間がかからず便利です。
独自のレポート共有機能があるので、新しい付加価値を提供できます。
マーケティングデータの管理にかかる手間を軽減してくれるので、本来重要な戦略や実行に注力できます。
無料で使えるBIツール5選比較
ここからは無料で利用できる、無料トライアルのあるBIツールを紹介します。
| BIツール | 特徴 |
| Tableau | ダッシュボード機能が充実 グラフからデータの特徴をつかみ取りやすい |
| FineReport | レポートやダッシュボードを簡単に作成できる 多様なデータソースに対応 |
| Zoho Analytics | データの統合が簡単 導入やカスタマイズの自由度が高い |
| Power BI | Microsoftが安全な仕組みを提供 データの作成と分析が簡単 |
| Google Data Portal | 全機能が無料 レポート作成やデータ分析にかかる時間を大幅に削減 |
Tableau
Tableauの魅力は、誰でも簡単に使える点です。
プログラミングができなくても、ドラッグ&ドロップでデータを移動させるだけで、グラフや表を作れます。また、チャートの種類も豊富で、グラフからデータの特徴をつかみ取りやすくなっています。
Tableauは、ダッシュボード機能が充実しているので、グラフを含めた結果をまとめて表示できます。さまざまな角度からデータを見られるため、新しい発見につながります。
Tableauは、データ分析が初めての人でもデータ分析をスムーズに行えるデータ分析ツールといえるでしょう。
FineReport
FineReportの魅力は、レポートやダッシュボードを簡単に作成できる点です。
GUIベースなので、プログラミング不要でカスタマイズできます。業務部門は手間のかかるレポート作業から開放され、効率アップできます。経営層もリアルタイムのデータを活用できるので、的確な意思決定をサポートします。
また、多様なデータソースに対応しているうえ、システム連携もスムーズです。BI活用を始めたい方におすすめのツールです。
Zoho Analytics
Zoho Analyticsのメリットは、まずデータの統合が簡単なことです。
部門を超えたデータ分析がドラッグ&ドロップ操作でスムーズに行えます。AI機能も搭載されているので、誰でも簡単に洞察を得られます。
Zoho Analyticsは導入やカスタマイズの自由度が高く、コストも低く抑えられます。セキュリティ面でも優れているので、安心して利用できます。
Zoho Analyticsは、手軽にBI活用を始めたいユーザーに最適なデータ分析ツールといえるでしょう。誰でも短時間で上手く扱えることが大きな魅力です。
Power BI
BIツールをはじめて使う人でも、Power BIなら簡単にデータを分析できます。
このツールのポイントは、様々なデータに接続できることです。クラウドにあるデータでも、会社のコンピューターにあるデータでも分析可能です。
また、データの作成と分析が簡単なことにも注目です。何回もクリックすることなく、データを組み合わせたり、グラフを作ったりできます。
更に、Power BIは高いセキュリティを兼ね備えています。Microsoftが安全な仕組みを提供しているので、大切なデータが漏れる心配はありません。
Google Data Portal
Googleデータポータル（旧Googleデータスタジオ）は、Googleが提供している便利なBIツールです。
このツールの特徴は、その全機能が無料で使えることです。簡単な編集でリアルタイムの計測データを1ページにまとめ、レポート作成やデータ分析にかかる時間を大幅に削減できます。
更に、Googleアプリとの連携も可能で、Google広告、YouTubeアナリティクス、Google Search Consoleなどと統合できます。
BIツールの活用例
ここからは、BIツールの活用例についての説明をしていきます。
BIツールは、様々な業種・規模の企業で導入されており、売上アップ、業務効率化、コスト削減など、様々なメリットをもたらしています。
具体的には、以下のような活用例があります。
営業/売上/粗利分析
BIツールを使うことで、製品・サービスの売上実績や粗利率の推移を、地域別、顧客属性別など、さまざまな切り口で分析できます。
これらの分析結果を踏まえて、より効果的な営業戦略の立案や、収益性の高い商品・顧客の特定などが可能になります。
管理会計分析
管理会計分析では、財務データを基に企業の財務状況や業績を評価します。
BIツールを活用すれば、原価管理や資金繰りなど、管理会計の各種指標を可視化し、経営陣の意思決定をサポートできます。
さらに、シミュレーション機能を使えば、さまざまな仮定のもとでの経営状況を予測することも可能です。
生産分析
生産分析では、生産プロセスや製品品質に関するデータを分析します。
生産ラインの稼働状況や、歩留まり率、設備の稼働率など、製造に関する様々なデータをBIツールで可視化・分析することで、生産性の向上につなげられます。
BIツールを活用することで、生産効率の向上、コスト削減、品質向上につなげられるでしょう。
顧客分析
BIツールを使うことで、顧客の属性、購買履歴、クレーム情報などのデータを一元管理できます。これにより、顧客セグメントの特定や、商品・サービスの改善といった効果が期待できます。
また、顧客の嗜好や顧客満足度を分析することで、顧客ロイヤルティの向上に向けた施策を展開するという活用方法もあります。
在庫分析
在庫分析では、在庫の動向や品質管理に関するデータを分析します。
BIツールを活用すれば、商品の在庫水準、倉庫ごとの在庫状況、棚卸しデータなどを可視化し、適正在庫の維持や物流コストの削減に活用できます。
市場分析
市場分析では、市場の動向や競合情報、市場ニーズなどのデータを分析します。
BIツールを使えば、競合他社の動向やマーケットの需要動向などを把握し、新製品開発や事業戦略の策定に活かせます。
Webサイト分析
Webサイト分析では、Webサイトのアクセス解析やユーザー行動分析、コンバージョン率分析、などのデータを分析します。
これらの分析結果を踏まえて、Webサイトの改善、マーケティング施策の効果測定につなげられます。
無料版のBIツールのメリットとデメリット
ここでは、無料版BIツールのメリットとデメリットについて説明していきます。
メリット
無料版BIツールの最大のメリットは導入コストがかからないことです。
BIツールを初めて使う場合は、無料版で基本的な機能を試用できます。データ接続、集計、可視化などの基本機能を簡単に体験できるので、BIツールの有用性を確認できるでしょう。
また、無料版であっても、多様なグラフやダッシュボード作成など、実際のビジネスシーンでも十分活用できるレベルの機能が用意されているものが多いです。
コストを抑えつつBIツールを試すには、無料版は非常に有効な選択肢といえます。
デメリット
無料版のBIツールのデメリットは、機能面での制限があることです。
対応できるデータ容量に上限があるものがほとんどです。分析機能も高度なものは制限されています。さらに、テクニカルサポートも十分ではないので、トラブルシューティングが難しい場合があります。
無料版は簡単な利用には向いていても、社内基幹システムと連携したり、大規模・複雑な分析ニーズに対応するには限界があります。用途に応じたBIツールの選択が必要です。
BIツールの選び方・ポイント
BIツールの選び方と導入手順について解説いたします。特に、BIツール導入のポイントと、導入手順の流れを中心に説明します。BIツールをまだ使ったことがない方でも、本記事を参考に適切なツール選定とスムーズな導入ができるようになるでしょう。
BIツールを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 機能要件と予算のバランスを検討する
- サポートの充実やカスタマイズ性の有無を確認する
自社に合ったBIツールを選ぶためには、まず必要な機能と予算の関係を把握することが重要です。また、導入後のサポート体制やカスタマイズの可否も大切な要素となります。
機能要件と予算のバランス
BIツールを導入する際の最も重要なポイントの1つが、機能要件と予算のバランスをどのように取るかという点です。
自社に必要な分析機能を十分に備えたBIツールを選ぶことも大切ですが、予算超過となれば計画どおりに導入できないことになります。
まずは、自社がBIツールに期待する機能を洗い出し、必須の機能と「あればある程度は役立つが必須ではない」機能を整理しましょう。
次に、必須機能を備えたBIツールの価格帯を調べ、予算との相性を判断します。予算を見直すことが難しい場合は、必須機能を絞り込むことも検討しましょう。
機能面で妥協せざるを得ない部分がある場合、カスタマイズ開発の導入や、後から機能を追加していくことを視野に入れるのもおすすめです。最初から完璧なBIツールを構築することは難しく、機能要件と予算のバランスを取りながら、少しずつ理想のBI環境を整えていきましょう。
サポートの充実やカスタマイズ性の有無
BIツールを導入した後スムーズに運用していくためには、ベンダーのサポート体制やカスタマイズの可否が重要なポイントとなります。
多くのBIツールでは、基本的な分析機能は備わっていますが、自社のビジネスニーズに合わせたカスタマイズが必要になることがあります。その際、ベンダー側がカスタマイズ要望に応じてくれる体制があるかどうかを確認する必要があります。
また、システム障害などのトラブル発生時のサポート内容も重要です。24時間365日のサポートに対応しているベンダーもありますが、そうでない場合は自社での対応力が求められます。
さらに、バージョンアップ後の操作変更などへの対応もサポート内容に含まれることが多く、新機能習得の面でもサポートは重要だと言えます。十分なサポート体制があるツールを選ぶことで、導入後の運用を円滑に進められます。
BIツールの導入手順
BIツールの導入手順と運用・メンテナンスについて解説します。
BIツールを円滑に導入し、継続的に運用していくためには、導入プロセスを確実に踏むことと、導入後の適切な運用が欠かせません。
導入前の準備から稼働、運用・メンテナンスまでの一連の流れを丁寧に解説します。
導入手順
BIツールを導入する際の基本的な手順は以下の通りです。
まず、BIツールの選定段階で、自社のニーズに合ったツールを選ぶことが重要です。分析したいデータの種類、必要な分析機能、予算などを考慮し、自社にふさわしいツールを選びましょう。
次に、ツールのインストールと設定をします。サーバへのインストール、ユーザアカウントの作成、セキュリティ設定など、初期設定を確実に行います。データ接続の設定も重要な工程です。
導入後は、実際に自社データを取り込み、分析モデルを作成していきます。ビジネスニーズに合わせてレポートやダッシュボードを設計し、徐々にBI環境を整えていきましょう。
適切なテストとユーザートレーニングをした上で、本番運用に移行します。BIツールを会社全体で最大限に活用するための準備が整った段階で、本稼働を開始します。
運用とメンテナンス
BIツールを導入した後は、継続的な運用とメンテナンスが重要になります。
まず、日常の運用では、データの定期的な更新と分析結果の配信を確実に行う必要があります。データソースを最新状態に保ち、レポートやダッシュボードを維持することで、BIの効用を持続できます。
次に、ユーザー管理です。担当者の異動などに合わせて、適時にアクセス権を調整する必要があります。セキュリティ面でのリスクを回避するためにも大切な作業です。
さらに、システムのメンテナンスです。BIツールのバージョンアップやセキュリティパッチの適用を定期的に実施し、安定稼働を確保する必要があります。ベンダーのメンテナンス情報に注視することも重要です。
運用体制を事前に整え、日常の運用業務を明確化しておくことで、BIの持続的な運用を実現できます。適切なメンテナンスにより、BIの安定稼働と効果的な活用が期待できます。
BIツールのおすすめまとめ
本記事では、企業のデータ活用を加速させるBIツールについて、その基本概念から主要な機能、さらには具体的な活用シナリオまで、詳しく解説してきました。
BIツールの活用により、企業は社内データの一元管理と可視化、迅速な意思決定、業務の効率化といったメリットを享受できます。さらに、新しい商機の発掘にも寄与するなど、企業の競争力強化に大きく貢献するツールといえるでしょう。
BIツールには、Tableau、Power BI、Qlik Senseなど、さまざまな製品が用意されています。それぞれ特長が異なるため、自社の課題やニーズに合わせて適切なツールを選ぶことが重要です。
株式会社Jiteraは、AIを活用したシステム開発やBIツールの導入支援などをしています。
BIツールの選定やカスタマイズ、運用支援など、お客様の課題解決に向けて最適なソリューションをご提案します。
AIに関する質問や、新規システム開発、既存システムの改善など、お困りのことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
