リレーショナルデータベース(RDB)とは、データを表形式で管理するデータベースの一種です。
本記事では、NoSQLとの違いや活用例などを交えて、リレーショナルデータベース(RDB)のことを詳しく解説しています。
本記事を読んで、リレーショナルデータベース(RDB)をどのように活用するかの参考にしてください。
PHPを独学で勉強した後にWeb業界に参入。大手企業でプログラマーとして活躍後、自社サービスの立ち上げ、大手検索エンジンサービスの保守運用作業、ソーシャルゲーム開発などに携わりながら、SE・管理職の道を歩んで現在に至る。現在は、管理職に携わる傍ら、これまでの経験を活かした執筆活動を続けている。
リレーショナルデータベース(RDB)とは?

リレーショナルデータベース(RDB)は、データを表形式で管理するデータベースの一種です。データは行(レコード)と列(フィールド)で構成され、複数の表(テーブル)に分けて保存されます。
ここでは、リレーショナルデータベース(RDB)のことをより深く理解するために、以下の項目に分けて詳細に解説します。
- データベース(DB)の種類
- なぜリレーショナルデータベース(RDB)が必要なのか
リレーショナルデータベース(RDB)は、複雑なデータの結びつきや検索が効率的に行えるのが特徴です。これらの項目をみながら、リレーショナルデータベース(RDB)のことをより深く理解していきましょう。
データベース(DB)の種類
リレーショナルデータベース(RDB)の種類は、おもに商用データベースとオープンソースデータベースに分類されます。
代表的な商用RDBには、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverなどです。商用RDBは高機能で信頼性が高く、大規模なエンタープライズ向けに使用されています。
一方、オープンソースのRDBにはMySQL、PostgreSQL、MariaDBなどです。無料RDBは無料で利用でき、コミュニティによって開発が進められており、コストを抑えながらも高性能なデータベースを構築できます。
また、クラウドベースのデータベースサービスとしては、Amazon RDSやGoogle Cloud SQLなどが利用可能です。
なぜリレーショナルデータベース(RDB)が必要なのか
リレーショナルデータベース(RDB)は、データを効率的かつ整然と管理するために必要です。特に、複数のデータが相互に関連している場合、RDBはその関係性を容易に定義し、データの一貫性と正確性を保ちます。
また、SQL(Structured Query Language)を利用すれば、検索や集計が容易です。
さらに、データの更新や削除時に整合性を保つための機能も備えており、大量のデータを効率的に管理するための基盤として、企業システムやアプリケーションで広く利用されています。
エクセルやNoSQLとの違い

データ管理ツールにはRDBのほかに、エクセルやNoSQLがあります。これらとRDBとの違いを以下にまとめました。
| 項目 | RDB | エクセル | NoSQL |
| データの構造 | 表形式で行・列に分け、関連性を定義 | 表形式(シンプルな行・列) | 柔軟な構造(ドキュメント、キー・バリュー、グラフなど) |
| スケーラビリティ | 水平・垂直スケール可能だが、制限あり | 大規模データには不向き | 水平スケールに優れ、大規模データに対応 |
| クエリ言語 | SQL(標準化された言語) | サポートなし | 専用のクエリ言語(MongoDBのクエリ、CQLなど) |
| 処理速度 | 中規模データに最適、索引で高速化可能 | 大量データでは遅い | 大量データでの高速処理が可能(データ構造に依存) |
| 拡張性(大規模データ対応) | 複雑なクエリ処理に強いが、スケールには限界あり | 限られた容量 | 高い拡張性を持ち、大規模データの分散処理に強い |
| 導入コスト | 専用ソフトウェアが必要な場合もあり、コストがかかる | 低コスト(誰でも利用可能) | オープンソースで低コスト(商用版はコストあり) |
| 向いている場面 | トランザクション処理、データの整合性が必要な場合 | 簡易なデータ管理、個人使用 | ビッグデータ分析、非構造化データ、リアルタイム処理 |
ここでは、以下の項目に分けて、エクセルとNoSQLとの違いを解説します。
- エクセルとの比較
- NoSQLとの比較
- 比較のまとめとユースケース
RDB・エクセル・NoSQLそれぞれ特徴のあるデータ操作です。それぞれの特徴を理解して、RDBとの違いをみていきましょう。
以下の項目では、NoSQLに関して詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
エクセルとの比較
リレーショナルデータベース(RDB)とエクセルは、データ管理のツールとして利用されますが、それぞれ異なる特性を持ち、用途に応じて使い分けが必要です。
まず、データの構造では、RDBは表形式で行と列を使い、テーブル間の関連性を定義できます。対してエクセルは、単純な表形式のみでデータ間の関係性を直接的には管理できません。
スケーラビリティにおいては、RDBは大規模データの管理や複雑なクエリ処理に適していますが、エクセルは少量のデータや簡易なデータ分析に向いています。
大量のデータや複雑な操作ではエクセルは遅く、RDBが有利です。
NoSQLとの比較
リレーショナルデータベース(RDB)とNoSQLは、データ管理において異なるアプローチを採用しており、それぞれの用途に応じて使い分けが必要です。
まず、データの構造は、RDBはテーブル形式でデータを厳密に管理し、主キーや外部キーを使って、テーブル間の関係性を明確に定義します。
これに対し、NoSQLは、非構造化データや半構造化データに対応しており様々なデータモデルの利用が可能です。
スケーラビリティにおいては、RDBは垂直スケールに強いものの、巨大なデータ量を処理する際には限界があります。一方、NoSQLは水平スケールが得意で、大量のデータを分散環境で処理することが可能です。
比較のまとめとユースケース
それぞれのデータ管理ツールのまとめとユースケースを一覧表にまとめました。
| データ管理ツール | 特徴 | ユースケース |
| RDB | データの整合性が重視され、複雑なクエリやトランザクション処理が必要な業務システムや、顧客管理などに向いています。 | 金融やERPシステム |
| エクセル | 少量のデータを扱う際や、簡単な分析や可視化に最適で、個人や小規模のデータ管理に適しています。 | 日々のデータ分析 NoSQL |
| NoSQL | 柔軟なデータ構造や大規模データを扱う際、特にリアルタイム処理やビッグデータ分析に向いています。 | SNSやIoTのデータ処理 |
自身の用途に応じて、データ管理ツールを使い分けるようにしましょう。
リレーショナルデータベース(RDB)の特徴

データ管理ツールには、RDBのほかに、エクセルやNoSQLがあり、用途に応じて使い分ける必要があることがわかりました。
次に、RDBの特徴をみていきましょう。
ここでは、以下の項目に分けて、RDBの特徴を解説します。
- データの正確性が高い
- データ操作にSQLを用いる
- 常に効率的にデータ管理ができる
RDBは、データの正確性が高く、また、データ操作にSQLを用いるという特徴があります。さらに、常に効率的にデータ管理ができるのも特徴の一つです。
これらの特徴をみながら、RDBをより深く理解していきましょう。
データの正確性が高い
RDBはデータの一貫性を保つために、ACID特性(トランザクション)を利用しています。ここでは、以下4つのACID特性について解説します。
- 原子性
- 一貫性
- 独立性
- 永続性
これらの項目をみながら、RDBのデータの正確性が高い理由をみていきましょう。
原子性
原子性は、トランザクションが「全て成功する」か「全て失敗する」かのいずれかを保証する特性です。
原子性の仕組みを活用することで、データの一貫性が保たれ、部分的なデータの更新が原因でデータの不整合が発生するリスクの回避が可能です。
一貫性
一貫性とは、トランザクションが終了した後、データベースが常に有効な状態を維持することを指します。これは、トランザクションが開始される前と終了後に、データがデータベースのルールに従うことを保証するものです。
トランザクション中にエラーが発生しても、データベースは不整合な状態にはならず、一貫した状態に戻されます。
一貫性の仕組みを活用することで、RDBはデータの信頼性を維持し、ビジネスロジックやルールに基づいた正確なデータ管理が可能です。
独立性
独立性は、同時に実行される複数のトランザクションが、互いに干渉しないようにする仕組みです。
トランザクションが他のトランザクションの影響を受けることなく、データの一貫性が保たれます。
独立性の仕組みを活用することで、RDBは同時実行性の高い環境でもデータの正確性を維持し、複数のユーザーが安全に操作できる環境を提供します。
永続性
永続性とは、トランザクションが完了した後、その結果が確実に保存され、システム障害や電源障害が発生してもデータが失われないことを保証する特性です。
ユーザーやシステムはトランザクション完了後も安心してデータを扱うことができ、障害が発生した場合でもデータの一貫性と正確性が確保されます。
永続性は、信頼性の高いデータベース運用を支える基盤といえるものです。
データ操作にSQLを用いる
SQLは、データベース内のデータを効率的に管理、検索、更新、削除するための標準的な言語であり、RDBの操作を柔軟に行えます。SQLを使うことで、ユーザーは簡単に複雑なクエリを実行し、必要なデータを迅速に取得可能です。
また、SQLは宣言的な言語であるため、ユーザーは「何をしたいか」を指定し、RDBがその処理方法を自動的に決定して実行します。
標準化されたインターフェースを利用できるRDBは、さまざまなシステムやアプリケーションとの互換性が高い、データ管理ツールです。
常に効率的にデータ管理ができる
RDBの特徴の一つは、効率的にデータ管理ができる点であり、その理由の一つにデータの重複を避ける仕組みが特徴的です。
RDBでは、データはテーブル形式で管理され、正規化というプロセスを通じて、同じデータが複数の場所に保存されることを防ぎます。
データの冗長性を最小限に抑え、一つのデータが重複なく一か所にのみ保存することを実現可能です。
正規化を活用することで、データの更新や削除が効率的に行われ、管理が簡単になります。また、データの重複がないことで、ストレージの無駄遣いや不整合なデータの発生を抑えることも可能です。
基本的なリレーショナルデータベース(RDB)の構造

RDBには、さまざまな特徴があることがわかりました。次に、基本的なRDBの構造をみていきましょう。
ここでは、以下の項目に分けて、RDBの構造を解説します。
- テーブル
- レコード
- フィールド
- 正規化
RDBのそれぞれの構造をみながら、RDBのことをより深く理解していきましょう。
テーブル
RDBのテーブルは、データを格納する基本的な構造です。
テーブルは、行(レコード)と列(フィールドまたは属性)で構成され、スプレッドシートのように表形式でデータを整理します。リレーション(関係)を作るための単位であり、異なるテーブル間で主キーや外部キーを使ってデータを関連付けるものです。
データの関連付けを利用することでデータの重複を避け、効率的なデータ管理が可能となります。
レコード
RDBのレコードは、テーブル内のデータの一行を指し、特定のデータ項目の集まりを表しています。
各レコードは、テーブルの列に対応する複数の属性を含み、1つのエンティティに関する情報を完全に表現するものです。
レコードは、主キーによって一意に識別され、同じテーブル内で他のレコードと区別されます。レコードの構造は、RDBにおけるデータの管理や検索を効率的に行うための基盤となるものです。
必要に応じて新しいレコードを追加したり、既存のレコードを更新・削除することができます。
フィールド
RDBにおけるフィールドは、テーブル内の各列を指し、特定のデータ属性を表します。フィールドは、データの種類や性質を定義し、レコードの中で格納される具体的な情報を示すものです。
各フィールドは、特定のデータ型を持ち、これにより格納できるデータの種類が制限されます。このデータ型の定義は、データの整合性や正確性を保つために重要です。
フィールドは、RDBにおけるデータ管理の基本単位であり、フィールドを適切に設定することで、情報の検索や分析が効率的に行えます。
正規化
正規化は、RDBの設計プロセスであり、データの冗長性を排除し、一貫性を保つことを目的としています。データを複数のテーブルに分割し、それぞれのテーブルに関連する情報を整理することが可能です。
正規化には、おもに3つの段階(第1正規形、第2正規形、第3正規形)があります。
正規化を行うことで、データの整合性が向上し、データの更新・削除・挿入時の異常を防ぐことが可能です。
ただし、正規化しすぎると、クエリの複雑さや処理速度に影響を与える可能性があるため、実用性と効率のバランスを考慮する必要があります。
リレーショナルデータベースを導入に適しているケース

ここからは、RDBを導入するのに適しているケースをみていきましょう。以下の3つのケースに分けて、RDBを導入するのが適しているケースを解説します。
- 高度な検索処理が求められるシステム
- データの一貫性が重視されるシステム
- リアルタイム性が求められるシステム
RDBは、高度な検索処理が求められるシステムや、データの一貫性が重視されるシステムに適しています。また、リアルタイム性が求めれれるシステムにもRDBが適しているでしょう。
高度な検索処理が求められるシステム
RDBは、高度な検索処理が求められるシステムに非常に適しています。RDBは、SQLを使用して、複雑なクエリを簡潔に記述できるため、さまざまな条件でデータを検索・取得が可能です。
検索処理を活用すれば、データの相関関係を簡単に分析でき、ビジネスインサイトの提供が可能となるでしょう。
データの一貫性が重視されるシステム
RDBは、データの一貫性が重視されるシステム、特に在庫管理システムに非常に適しています。
在庫管理では、商品の入出庫情報や在庫数の更新が頻繁に行われますが、これにおいてデータの正確性と一貫性が不可欠です。
さらに、RDBの正規化によって冗長性が排除され、データの整合性を強化。重複データによる不整合を防ぎ、在庫の正確な把握が可能になります。
リアルタイム性が求められるシステム
RDBは、リアルタイム性が求められるシステム、特に予約システムに非常に適しています。
予約システムでは、複数のユーザーが同時にデータを入力・更新するため、データの整合性とリアルタイムでの情報反映されることが重要です。
RDBはACID特性により、トランザクションの一貫性を保ちながら、データの同時更新を処理できます。
おすすめのリレーショナルデータベース製品3選!

ここでは、おすすめのRDB製品3選を紹介します。
以下は、Oracle Database・MySQL・PostgreSQLの特徴などを一覧表にまとめたものです。
| 特徴 | Oracle Database | MySQL | PostgreSQL |
| データモデル | リレーショナル | リレーショナル | リレーショナル、オブジェクト指向 |
| トランザクション管理 | リACID特性を完全にサポート | ACID特性をサポート | ACID特性を完全にサポート |
| スケーラビリティ | 高いスケーラビリティを持つ | 水平スケーラビリティを提供 | 高いスケーラビリティを持つ |
| 拡張性 | 優れた拡張性とカスタマイズ性 | 簡単に拡張可能 | 拡張機能が豊富(カスタムデータ型など) |
| クエリ言語 | SQL、PL/SQL | SQL | SQL、PL/pgSQL |
| データの整合性 | 強力なデータ整合性機能 | 一般的な整合性機能 | 高度な整合性と制約機能 |
| ユースケース | 大規模エンタープライズアプリケーション、金融システム | ウェブアプリケーション、CMS | データ分析、GIS、複雑なデータ処理 |
また、以下の項目に分けて、それぞれの製品を詳細に紹介します。
- Oracle Datebase
- MySQL
- PostgreSQL
それぞれの製品の特徴をみて、自社にあった製品を選んでください。
Oracle Datebase

Oracle Databaseは、エンタープライズ向けに設計された高性能なリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。
多くのトランザクションを同時に処理する能力に優れ、高いスケーラビリティと可用性を提供。
ACID特性に基づく堅牢なトランザクション管理により、データの整合性を保ちながら、高速なデータアクセスを実現します。
Oracleは、豊富な機能を備えており、データウェアハウスやデータマイニング、ビッグデータ分析に対応するためのツールも利用可能です。
Oracle Databaseは、金融機関や大規模企業で広く利用されています。
MySQL

MySQLは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。特にウェブアプリケーションや中小規模のシステムで広く使用されています。
高いパフォーマンスと簡便さを兼ね備えており、シンプルな構造で学習コストが低いため、開発者に人気です。
MySQLはACID特性をサポートし、トランザクション管理が可能ですが、特定のストレージエンジンを選択することで、データの整合性やパフォーマンスをカスタマイズできます。
また、SQLを用いたクエリが直感的であり、データの操作が容易です。MySQLは、eコマースサイトやCMSなど、さまざまなユースケースで活用されています。
MySQLに関しては、以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひご一読ください。
PostgreSQL

PostgreSQLは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)であり、強力な拡張性と豊富な機能を備えています。
SQL標準に準拠しており、複雑なクエリやデータ分析が得意です。オブジェクト指向の要素を取り入れており、カスタムデータ型や関数、トリガーを定義することで、柔軟なデータモデリングができます。
ACID特性に基づく堅牢なトランザクション管理により、データの整合性が確保され、同時実行性制御も可能です。
また、PostGISを使用することで、地理情報システム(GIS)としての機能も強化され、地理空間データの処理ができます。
PostgreSQLは、データ分析やビッグデータ処理、クラウド環境での利用に適しており、多様なユースケースで採用されている製品です。
リレーショナルデータベースの活用例

ここでは、以下の項目に分けて、RDBの活用例を紹介します。
- 金融業界の口座管理
- ECサイトの顧客データや注文データ
- 医療業界のカルテ管理や医薬品管理
それぞれの活用事例をみて、自社でどのようにRDBを活用するかの参考にしてください。
金融業界の口座管理
RDBは、金融業界における口座管理において重要な役割を果たしています。
銀行では、顧客の口座情報や取引履歴を正確に管理する必要があり、データの整合性を特に重視。RDBはACID特性をサポートしており、トランザクション処理において、一貫性や独立性を確保します。
ACID特性により、口座情報に関する処理が正確に管理され、データの不整合やエラーを防ぐことが可能です。さらに、RDBはトランザクションログを活用して、異常時のデータ復旧もできます。
ECサイトの顧客データや注文データ
RDBは、ECサイトにおける顧客データや注文データの管理において非常に効果的です。
ECサイトでは、顧客の個人情報・注文履歴・決済情報など、多様なデータを正確かつ信頼性高く処理する必要があります。
RDBはACID特性を備えており、トランザクションの整合性を保証することが可能です。また、RDBはSQLを使用して複雑なクエリを実行できるため、顧客の購入パターンを分析することが容易にできます。
RDBを活用することで、顧客のニーズに応じたサービス提供やマーケティング施策の最適化の実現が可能です。
医療業界のカルテ管理や医薬品管理
RDBは、医療業界におけるカルテ管理や医薬品管理において重要な役割を果たしています。
医療機関では、患者情報・処方箋・治療履歴・検査結果など、膨大かつ多様なデータを一貫性を持って管理が必要です。RDBはACID特性をサポートしており、データの整合性を保ちながら、信頼性の高い情報管理ができます。
また、医薬品管理においても、在庫情報や使用履歴をリアルタイムで更新し、必要な医薬品を迅速に確保することが可能です。
さらに、複雑なクエリを用いて、特定の疾患の治療効果や副作用の傾向を分析することもできます。
RDBを活用することで、医療機関は質の高い医療サービスを提供し、患者の安全を確保することが可能です。
リレーショナルデータベースの注意点

RDBは、さまざまな分野で活用されていることがわかりました。次に、RDBの注意点を見ていきましょう。
ここでは、以下の項目に分けて、RDBを利用する際の注意点を解説します。
- データ量やシステムが大規模になると、応答が遅くなる
- サーバーの分散やスケールの拡張が難しい
- トランザクション処理によりパフォーマンスが低下しやすい
RDBは、データ量やシステムが大規模になると、応答が遅くなる可能性があります。また、サーバーの分散やスケールの拡張難しいという特徴もあるため、注意が必要です。
データ量やシステムが大規模になると、応答が遅くなる
RDBを使用する際の注意点の一つは、データ量やシステムが大規模になると、応答が遅くなる可能性があることです。
データが増加するにつれてクエリ処理にかかる時間が延び、特に複雑な結合や集約処理が行われる場合、パフォーマンスの低下が顕著になります。
大規模なデータベースでは、インデックスを適切に設定することが重要ですが、インデックスの管理やメンテナンスにもリソースが必要です。
また、同時に多数のトランザクションが発生すると、ロックの競合が発生し、データの整合性を保ちながら応答速度を維持することが難しくなることがあります。
適切なハードウェアやクラウドサービスの選定・キャッシュ技術の導入・データのパーティショニングなど、パフォーマンスを向上させるための工夫が必要です。
サーバーの分散やスケールの拡張が難しい
サーバーの分散やスケールの拡張が難しいことは、RDBの注意点の一つです。
RDBは通常、単一のサーバーにデータが格納されてトランザクションを処理するため、データベースのパフォーマンスがボトルネックになりやすいです。
データ量やユーザー数が増加すると、サーバーのリソース(CPU、メモリ、ストレージ)が限界に達し、パフォーマンスの低下が見られます。
分散型データベースの設計が難しく、データの整合性や一貫性を保ちながら複数のサーバーにデータを分散させることは、高度な技術と経験を必要です。
大規模なトラフィックやデータの増加に対応するためには、事前の計画と適切なアーキテクチャ設計が不可欠となります。
トランザクション処理によりパフォーマンスが低下しやすい
RDBの注意点の一つは、トランザクション処理によってパフォーマンスが低下しやすいことです。
RDBはACID特性を満たすために、トランザクション処理において一貫性や整合性を保つための厳密な制約を設けています。
制約があることで複数の操作を安全に実行できますが、その一方で、特に大規模なデータベースではパフォーマンスが低下する可能性が高いです。
パフォーマンスの低下に対応するには、トランザクションの最適化やデータベースのチューニングが必要となります。また、インデックスの適切な利用やクエリの効率化も効果的です。
リレーショナルデータベースのまとめ

今回は、リレーショナルデータベース(RDB)に関して、以下のことがわかりました。
- RDBはデータを表形式で管理するデータベースの一種
- データの正確性が高く常に効率的にデータ管理できるのがRDBの特徴
- Oracle DatabaseやMySQLなどRDBを利用できる製品がある
- RDBは金融業界やECサイトなどで活用されている
RDBは、さまざまな分野で活用されているデータ管理ツールですが、自社でどのように活用すればよいかわからないこともあるでしょう。
RDBに関して不明なことがあれば、RDBに知見のある、株式会社Jiteraにご相談ください。RDBをどのように活用したいかをヒアリングさせていただき、最適なアドバイスをご提案させていただきます。



