自動化という言葉をよく耳にしないでしょうか。昨今ではIT技術の発展により、デジタル機器をさらに便利に使うことができます。デジタル機器だけでなく、洗濯機や掃除機など、家電製品も、現代ではより便利に利用できます。
そして特にIT技術により便利になったデジタル機器と言えば、スマートフォンやタブレット、PCが挙げられるかと思います。
今回はそんなスマートフォンのOSとなるAndroidの自動化について徹底解説していきます。Android自動化により、普段の使用からシステムの開発まで、得られるメリットがさまざまにあります。
もしAndroidOSのスマートフォンを使用していて、より効率的に使いたいと考えている方は、是非参考にしてみて下さい。

某電子専門学校卒業後、サーバー/ネットワーク運用業務を通し、ネットワーク設計/構築事業をメインにインフラ業務全般を担当。その後、某情報セキュリティ会社にて、情報セキュリティ教育事業の教育係も担当。
Android自動化とは?
Androidには基本的に、AndroidOSというGoogleが中心に開発したオペレーティングシステムが導入されています。このOSで出来る事は様々にありますが、出来る事が多すぎる事により、操作が複雑になるといったデメリットがあります。そのようなデメリットを解決する技術が、Android自動化というものです。
Android自動化でできること
ここではAndroid自動化で出来る事を解説します。
android自動化でできることとして
- アプリの起動・終了
- 設定変更
- Wi-Fi/Bluetoothのオンオフを自動化
- 音量やマナーモードの切り替え
- 画面の明るさ
- ファイル操作
- SNS投稿
が挙げられます。Android自動化の技術により、複雑な操作を短時間で行うことができ、手動で行う必要が無いため、ミスが減るなど、得られるメリットが多様にある為、AndroidOSがインストールされたスマートフォンを使用している方は、是非この技術を活用しましょう。
アプリの起動・終了
アプリの起動から終了は、基本的にスマートフォンを使用しているのであれば、誰でも行ったことがあるかと思います。しかしアプリはスマートフォンを使用している上でインストールするアプリがどんどん増えていくので、操作が煩雑になります。
Android自動化により、時間指定によるアプリの起動・終了を行ったり、一定の時間が経過後に、自動終了などの設定を行うことで、アプリの起動・終了を効率的に行えます。
設定変更
設定変更も、スマートフォンを使用している上で、よく操作する項目かと思われます。しかし設定変更においても、項目が複数あり、その中から設定変更したい項目を見つけて設定をしていくといった操作が、手動で行っているとどうしても効率が悪く、ミスも起こります。
Android自動化により、これらをすべて自動化することで、設定変更における効率と利便性を格段に向上できます。例えば、使用する場所で設定を変えたい場合、自動化によりワンタップで設定を適用することもできます。
Wi-Fi/Bluetoothのオンオフを自動化
スマートフォンを使用している上で最もよく使用するのが、Wi-Fiのオンオフであったり、Bluetoothのオンオフではないでしょうか。現代では自宅のWi-Fiから外出先のWi-Fiに接続を頻繁に変更する事が多いと思います。Bluetoothも、無線イヤホンなどを使用する場面が多い為、接続を切り替える為にオンオフをする方も多いのではないでしょうか。
そのような場合でも、Android自動化により、特定の場所でWi-Fiをオンオフしたり、Bluetoothの接続切り替えを行えます。
音量やマナーモードの切り替え
自宅でスマートフォンを使用する場合は、音量やマナーモードを切り替えたりするケースは少ないかと思いますが、会社や外出先等によっては、音量を下げたり、マナーモードに設定する必要があります。
逆に観光地など人が多い場所でスマートフォンを使用する場合、マナーモードを解除したり音量を上げたりする必要が出てくるのではないでしょうか。そのような場合、Android自動化により、ワンタップで音量とマナーモードの切り替えが可能です。これにより、移動中での音量やマナーモードの設定における煩雑さを軽減できます。
画面の明るさ
日光が当たりやすい環境にいると、どうしても画面が見づらくなってしまいます。逆に、暗い場所に行った場合、画面が暗すぎて見づらい等の事があります。
そのような場合、手動だといちいち画面の明るさを調整しなければなりませんが、Android自動化技術により、明るい場所での設定、暗い場所での設定を、瞬時に切り替えが可能です。さらに、明るい場所や暗い場所を検知し、全自動で画面の明るさを設定することもできます。
ファイル操作
スマートフォンを使用している場合、写真などのファイルを別のフォルダにまとめたり、動画データの管理をする必要があります。これらのファイル操作を手動で行う場合、とても効率が悪く、手動での操作はリスクも伴う為、自動化するのが一番です。
Android自動化であれば、取得したデータを、格納したいフォルダを瞬時に作成し、そのフォルダへ格納するといった設定が可能です。ミスを減らし、効率と利便性を向上します。
SNS投稿
スマートフォンでSNS投稿をする場合、アプリを立ち上げて、文字を入力し、場合によっては写真を添付して送信するといった手順を行いますが、会社経営などで忙しい場合、文字入力や写真の添付をする手順がとても面倒なケースもあります。
そのような場合、Android自動化を行う事で、それらの手順を全て自動化する事ができます。例えば時間帯に分けて送信したい文章や写真を指定しておくことで、自動的にそれらをSNS上に送信できるのです。
Android自動化のメリット
ここではAndroid自動化により得られるメリットについて、詳しく解説します。主に得られるメリットとして
- 時間節約
- 効率化
- 利便性向上
- ミス削減
が挙げられます。
スマートフォンを操作する場合、小さい画面で細かいボタンを一つずつタップしなければなりません。
Android自動化であれば、全て自動で行うので、上述のさまざまなメリットを得られます。
時間節約
まずAndroid自動化で得られるメリットの一つが、時間の節約です。先ほども述べましたが、スマートフォンを操作する場合、手動だととても時間がかかります。Wi-Fiのオンオフだけでも、少なくとも2ステップ必要となります。
Android自動化であれば、ほぼ全ての手順を1~2ステップで行える為、時間の節約に繋がるでしょう。
効率化
Android自動化で得られるメリットの二つ目は、効率化です。これは時間の節約にも繋がりますが、手動で行っていた入力や設定などを、全て自動で行いますので、一つ一つ手順を踏む手間を省けるのです。
これにより、面倒な手順を踏むことなく、手間がかかる操作を行えることで、作業の効率化が見込まれます。
利便性向上
Android自動化で得られるメリットの三つ目が、利便性向上です。スマートフォンを操作する場合、Wi-Fiに接続したり、Bluetoothをオンオフしたりします。
また、場所によって画面の明るさや、音量の上下、マナーモードの有無が必要になってきます。
Android自動化であれば、これらを全て目的に合わせて設定できますので、利便性の向上に繋がるでしょう。
ミス削減
Android自動化で得られるメリットの最後が、ミス削減です。Androidはとても設定できる項目が多い為、手動だと知らずのうちに間違えた設定をしてしまうことがあります。
Android自動化であれば、設定したい事を全て1タップでできるので、そのようなミスを削減できます。
Android自動化の方法
ここではAndroid自動化の方法について解説します。Android自動化と言っても、様々な手法があります。例えばコマンドを使用して設定するのか、PCから開発し、その後スマートフォンに導入するのか、専門のアプリを使用するのかなどがあります。
それぞれ詳しく説明しますが、自身の環境にあった手法でAndroid自動化を行うとよいです。
専用のアプリを使用する
Android自動化で、一番手っ取り早い手法は専用のアプリを使用する事です。Android自動化の専用アプリはさまざまにあります。
もし、Android自動化を考えていて、自身でAndroid自動化の開発が困難な場合は、専用のアプリを使用しましょう。おすすめのアプリは記事の後半で紹介します。
ADBコマンドを使用する
Android自動化を行うにあたって、開発する手法の一つがADBコマンドです。ADBは、Android Debug Bridgeの略称であり、このコマンドツールを使用することで、Androidと開発PC間でのやり取りを可能とします。
このADBコマンドで、Android自動化が可能ですが、ある程度のアプリケーションについての専門知識が必要になります。
PC上で開発する
Android自動化のやり方で、最後に紹介するのが、PC上から直接開発する方法です。要はアプリケーションを開発するような手順で、Android自動化を可能とします。アプリケーションエンジニアが一番使用する手法でもあります。
この手法では、プログラミング言語の知識と経験が問われますが、社内にアプリケーションエンジニアが配置されている場合は、エンジニアに任せるのも一つの手段です。
よく使用される言語はPythonなどとなります。
プログラミング言語についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
おすすめのAndroid自動化アプリ
アプリ名 | 特徴 | 料金 |
Tasker | 低コストでAndroid自動化を可能とする。 | 380円買い切り |
MacroDroid | 条件・トリガー・アクションでマクロを組み、Androidにおける操作を自動化する。 | 1,200円買い切り |
IFTTT | 特定の条件下でアプリを自動実行する。 | 月額700円 |
Automate | フローのなかにブロックを作り、フローを実行することでAndroidの操作を自動化する。 | 月額399円 |
AutomateIt | トリガーとアクションを設定するだけで、簡単に自動化を可能とする。 | 390円買い切り |
E-Robot | コマンドを作成し、イベントとアクションを組み合わせて操作を自動化する。 | 基本無料 |
Atooma | 自動化技術とAIを組み合わせることで、Android、PC、iOSのさまざまなアプリや設定を自動化する。 | 別途要見積もり |
Drupe | 悪質な電話やスパムからスマートフォンを守る。 | 月額680円~ |
Zapier | ノーコードで直感的に自動化が出来る。 | 月額4,506円~ |
ここではAndroid自動化をするにあたって、おすすめのアプリを紹介します。さまざまなAndroid自動化におけるアプリから9つ厳選し、それぞれの特徴から料金体系まで詳しく解説します。
Android自動化を考えていて、どのアプリケーションを使用すればよいかわからない方は、是非参考にしてください。
Tasker
まず始めに紹介するアプリは、Taskerです。このアプリは基本的に条件に一致した状態になるとトリガーが発生し、その条件に設定した動作を、Androidに行わせます。例えば自宅に帰宅した際、自動的にWi-Fiをオンにし、マナーモードを解除したり、明るい場所から暗い場所に移動した際、画面の明るさを自動調整する、等です。
一回380円支払えば永続的に使用できますので、低コストでAndroid自動化を行いたい場合はこのアプリを使用しましょう。
Taskerのダウンロードはこちら
MacroDroid
次に紹介するアプリは、MacroDroidです。MacroDroidは、条件・トリガー・アクションの三つのパターンからマクロを組み、Android自動化を可能とします。例えば特定のヘッドフォンをアプリに接続した際、自動でAndroidの音量設定を変更する、といった細かい挙動まで設定できます。
料金は1200円程度で、セール時などはもっと安く購入が可能です。
Macro Droidのダウンロードはこちら
IFTTT
続いて紹介するアプリは、IFTTTです。IFTTTは実行される条件におかれる状況と、アクションを組み合わせることで、実行するのに手間がかかる手法をAndroidで自動実行させるアプリです。例えば天気が雷となっている場合、屋内に移動したいとします。その場合、条件に天気予報を盛り込み、アクションをGoogleMapを参照するなどを設定することで、自動化できます。
この条件とアクションの組み合わせの事を、IFTTTはアプレットと呼んでいて、3つまでこのアプレットを無料で使用できます。3つ以上アプレットを使用する場合は、月額700円で使用可能です。
IFTTTのダウンロードはこちら
Automate
次に紹介するアプリは、Automateというアプリです。このアプリは、フローと呼ばれるものに、トリガーブロックとアクションブロックを組み合わせる事で、そのフロー内でAndroidの自動化処理を行わせます。
UIが違うTaskerのようなもので、特にプログラミングをしている方であれば、なじみやすいAndroid自動化アプリと言えるでしょう。
またこのフローは、繰り返し実行も設定でできますので、特定の時間に繰り返しフローを動作させる事もできます。
料金は月額399円で使用できます。
Automateのダウンロードはこちら
AutomateIt
次に紹介するアプリは、AutomateItです。AutomateItは、Androidに存在する様々な設定を、トリガーとアクションに設定するだけで、簡単にAndroid自動化を可能としています。バッテリー対策にも使用できるので、操作だけでなく、Android本体に対しての設定ができるのがこのアプリの強みです。例えばバッテリーが何%か、でどのアプリを常駐させるのか、といった事が可能です。
390円買い切りで使用可能です。無料プランもあります。
AutomateItのダウンロードはこちら
E-Robot
続いて紹介するアプリは、E-Robotです。このアプリはMacro Droidに近いアプリで、コマンドを作成し、その中にイベントとアクションを記載することで、Android自動化を可能にします。
Macro Droidと違う点は、より細かな設定と分かりやすいUIです。ただし、全て英語表記である点には注意が必要です。
このアプリは、130イベントまでは基本無料で使用可能となります。
E-Robotのダウンロードはこちら
Atooma
続けて紹介するアプリは、Atoomaです。Atoomaは独自のResonanceSDKとAI技術を活用する事で、製品をインストールするだけでAndroidの自動化を可能とします。
また、このアプリはAndroidだけでなく、PCやiOSでも使用できるのが魅力です。リアルタイム分析や行動分析を行う事で、効率よく自動化と最適化を行います。
料金については、別途見積りが必要とのことです。
Atoomaのダウンロードはこちら
Drupe
次に紹介するアプリは、Drupeです。Drupeはこれまで紹介してきたアプリとは違い、通話などに特化したAndroid自動化アプリです。
アプリ内にあるデータベースを使用することで、悪質な電話番号やスパムなどから、スマートフォンへの通話をブロックします。悪質な電話に不安がある場合はインストールしてみるのも良いでしょう。
月額680円から使用できます。
Drupeのダウンロードはこちら
Zapier
最後に紹介するアプリは、Zapierです。このアプリは、プログラミングの知識や経験が無くても、ノーコードで直感的にAndroid自動化が可能です。例えば、Gmailにお問合せのメールが来た場合、自動でお問合せフォームのメールを送信することも可能です。手作業で行うあらゆる操作を、全て自動化できる点がこのアプリの特徴と言えるでしょう。
月額4506円と料金が高めなのがデメリットと言えます。
Zapierのダウンロードはこちら
Android自動化のまとめ
Android自動化の概要から、できること、得られるメリット、Android自動化専用アプリについて解説してきました。現代ではAndroidだけでなく、PCやインフラ、アプリケーション開発においても、自動化技術が進んでいます。
もしAndroid自動化を考えていて、AI技術も使ったシステム開発をお考えであれば、株式会社Jiteraに相談するとよいでしょう。以下のボタンから簡単にお問い合わせができます。