AppSheetとは?ノーコード開発でできることや使い方、活用例まで徹底解説

目の前にある、ちょっとした業務課題をアプリ化でスピーディーに解決する」そんな時代がやってきました。アプリ開発をするのはITエンジニアではありません。プログラミングの知識はないけど、業務を一番理解している現場の作業者です。もし自分の仕事を自分でアプリ化して効率化できたら最高だと思いませんか?

それを可能にするのが、Google が提供するノーコード開発プラットフォーム AppSheet(アップシート)です。

本記事では、ノーコードツールである Google Cloud の AppSheet について、できることや使い方を詳しく解説していきます。

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監修者 エンジニア Sakai

制御系システムや自動化システムの新規開発を中心に、15年以上の開発経験を持つ現役エンジニアです。『デジタルは人と人をつなぐもの』という言葉が好きです。デジタルの世界をわかりやすく伝えていきます。

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    AppSheetとは

     

    従来のシステム開発は、主にITの専門家が行ってきましたが、AppSheetを利用すれば、現場の業務担当者が手軽に日常的な課題を素早く解決できるようになります。

    appsheet とは、Google が提供するノーコード開発ツールで、プログラミングやデータベース言語を使わずに、エディタ画面で設定するだけで業務システムを作成できます。プルダウンやボタンクリックで選んだり、ドラッグ&ドロップで要素を並べ替えるなど、直感的な操作で、簡単にアプリ化できるので、未経験者でも挑戦しやすいです。

    プログラミングの知識が不要で、直感的な操作でアプリケーションを作成できるため、今後はデジタル化を進める多くの企業にとって重要なツールとなってくることが予想されます。

    また、DX化を促進し、企業が迅速に変化に対応できる環境を提供します。このように、ノーコード開発は多くの企業や個人にとって効率的で柔軟なアプリ開発の手段として今注目されています。

    AppSheetの主な機能と特徴

     

    ノーコード開発

    DX化の需要が急速に高まる中、ノーコードツールへの需要も拡大しています。従来のプログラミングスキルに依存せず、現場の業務担当者が自らのアイデアを実現し、ビジネスプロセスを効率化するためのツールとして、ノーコードツールの重要性がますます強調されています。

    特に、GoogleのAppSheetはノーコード開発市場において大きな注目を集めています。AppSheetは、個人や業務担当者がデータを活用してカスタムアプリケーションを簡単に作成できるプラットフォームであり、DXの推進やビジネスのイノベーションに貢献しています。

    AppSheetをはじめとするノーコード開発ツールは、企業が迅速にアプリケーションを開発し、競争力を維持するための強力なツールとして位置付けられています。DXの需要の高まりとともに、AppSheetを含むノーコードツールがビジネスの成長と競争力強化に向けて重要な起爆剤となることが期待されています。

    ノーコードツールについてはこちらの記事もおススメです。

    豊富なテンプレート

    AppSheetとは、企業がデータを活用してカスタムアプリケーションを作成するためのノーコード開発プラットフォームであり、様々な業種や用途に合わせて豊富なテンプレートが提供されています。

    AppSheetのテンプレートは、在庫管理、タスク管理、作業報告書作成、アンケート、社員のスケジュール管理など、さまざまな用途に利用されており、これらのテンプレートはボタン一つでコピー構築ができ、カスタマイズして自社のニーズに合わせることができます。

    以下に全てのテンプレートを一覧にしました。最適なアプリを効率的に開発するためには、まずは「できることを知る」ことが大切です。ぜひ参考にしてください。

    テンプレート 説明
    Simple Survey 調査やフォームを作成するための基本的なアプリ構造
    Simple Inventory 在庫の更新とレベルの監視
    Kanban Board かんばんダッシュボードでプロジェクトと関連するタスクを追跡
    Project Tracker かんばんダッシュボードでプロジェクトのタスクや課題を追跡
    Onboarding and Training 従業員のトレーニング計画を管理するためのパーソナライズされたオンボーディングツール
    Shift Management シフト管理ツール
    Workstation Booking 組織内のフレキシブルスペースの割り当てと予約のためのワークステーション予約テンプレート
    Travel Approval Workflow 出張リクエストの承認ツールとしてのワークフロー承認ツール
    Field Delivery 保留中、進行中、完了した配信を追跡
    Order Deliveries 注文の配送状況を追跡し、顧客にアップデートを送信
    Task Manager モバイルやデスクトップで一度限りのタスクや定期的なタスクを追跡
    Marketing Projects マーケティングキャンペーンのステージと予算を追跡
    Occupancy Tracker 異なる部屋やエリアの顧客の占有率を追跡
    Facility Assets 施設内の企業資産を追跡
    Client Expenses ビジネス経費を追跡し、クライアント別に整理
    Class Attendance この出席トラッカーアプリは、クラスでの学生の出席を記録するのに役立ちます。
    5s Audit Checklist 効率的な組織を確保するための5S監査システムを実装したアプリ
    Curbside Pickup このアプリは、小売企業が顧客の問い合わせやカーブサイドピックアップを管理するのに役立ちます。
    Team Directory チームメイトの連絡先情報と共有リソース
    PTO Tracker チームの有給休暇と病気の日のプランナー
    Tiered Approvals 従業員のリクエストを提出してレビューする
    Retail Task Management 小売タスク管理のためのソリューションテンプレート
    To Do List カテゴリごとに整理されたシンプルなTo Doリスト
    Space Booking ハイブリッド従業員向けのシンプルなスペース予約システム
    List Builder シンプルな在庫管理とリスト作成者
    Shift and Task Management シフトとタスク管理ツール
    Resource Hub チーム共有のリソースとお知らせ
    Team Alerts モバイルチームと共有するお知らせとリソース
    Resource Portal マーケティングリソースを共有し、使用状況を追跡
    Template Launcher チームメイトとアプリテンプレートを共有
    Shift Scheduling 従業員のシフトをスケジュールし、タイムシートを管理
    Retail Pickup 小売注文のピックアップと顧客との対応をスケジュール
    Visitor Check-ins オフィス訪問のためにゲストをスケジュールし、到着時にチェックイン
    Route Optimization Google Maps APIを使用したドライバーやディスパッチャー向けのルーティングツール
    Approvals Gmailから直接従業員のリクエストをレビュー
    Incident Report 現場のインシデントを報告し、レポートでチームメンバーに通知
    Simple Scheduler ユーザーが予約を取得するための空き状況を提供
    Quote Generator ジョブの見積もりと提案を作成。ワークフローで見積もりと提案を顧客に送信
    Tenant Logistics テナントの引越しチェックリストを整理
    Events Calendar 共有カレンダーとマップでイベントを整理
    Surface Sanitization 定期的な清掃が必要なエリアを整理して追跡
    Employee Onboarding 特定の役割に適した新入社員のトレーニングリソース
    Vehicle Inspection 複数ポイントの車両点検ログ
    Contact Manager 個人またはビジネスの連絡先を管理し、相互作用を記録
    Inventory Management 在庫レベル、在庫価値、ベンダーの詳細を管理
    Rental Manager ホテルやB&Bの部屋のメンテナンスと清掃を管理
    Assignments このアプリでクラススケジュールと課題を管理
    Equipment Inspections 様々な施設内の点検ポイントを点検
    Health Log 装備のメンテナンス状況を調べて記録
    Workout Log 従業員のCOVIDおよびその他の健康書類を記録
    Account Health このシンプルなアプリでワークアウトを記録して追跡
    Journal ジャーナルエントリを簡単に記録して表示するジャーナリングアプリ
    Facility Inspections さまざまな物件全体で点検ポイントを調査する
    Incident Reporting インシデント登録、原因分析、およびインシデントの閉鎖承認を管理するためのインシデント報告アプリ
    Workplace Safety 職場の安全問題を特定して解決する
    Campaign Tracker キャンペーンリンクを生成して管理する
    Telehealth Coordination 医師と患者をつなぎとめる仮想訪問とデジタルフォローアップを可能にする
    Timesheet Tracker 従業員のタイムシートログと過去のカレンダー
    App Portal アプリを共有して使用状況を追跡するためのカスタムアプリ起動プログラム
    FAQ Directory 一般的な質問をまとめ、アップボートを集めて回答を提供する
    Group Forum グループフォーラムを作成し、同僚をタグ付けする
    Lead Tracking 新しいリードの詳細を収集し、ソースのトレンドを分析する
    Workstation Tracker 施設のワークステーションのチェックイン/チェックアウト
    Agriculture Inspections 農地/作物の点検とレポート
    CRM 連絡先、取引、相互作用を管理するシンプルなCRM
    IT Ticketing ITチケットと問題追跡システムをサポートするモバイルアプリ
    National Parks 米国国立公園のディレクトリ

    (引用: AppSheetのテンプレート

    データ連携

    AppSheetは、データ連携において非常に強力なプラットフォームです。AppSheetを使用することで、さまざまなデータソースとシームレスに連携し、データを取得、更新、表示するアプリケーションを簡単に作成することができます。

    特に、スプレッドシートとのデータ連携に強力であり、Google Sheets や Microsoft Excel などのスプレッドシートをデータソースとして使用することで、リアルタイムでデータを表示、更新、編集することができます。

    [AppSheetで使用できるデータソース]

    (引用:AppSheet)

    AppSheetのデータ連携機能には以下の特徴があります。

    特徴
    多様なデータソースへの対応 AppSheetはスプレッドシートだけでなく、SQLデータベース、Salesforce、Dropbox、Box、Office 365、Google Driveなどさまざまなデータソースと連携できます。
    リアルタイムなデータ同期 データソースとAppSheetアプリの間でリアルタイムなデータ同期が可能であり、データの変更が即座に反映されます。
    データの自動更新と自動保存 データソースの更新や保存が自動的に行われるため、データの整合性が保たれ、ユーザーは常に最新の情報を確認できます。
    データの可視化と操作 AppSheetを使用すると、データを視覚的に表現し、ユーザーがデータを簡単に操作できるようになります。

    AppSheetはクラウドサービスとのデータ連携にも対応しています。クラウドデータソースのサポートやセキュリティとアクセス制御、クラウド上でのデータ処理など、クラウドを活用することでデータの保存、処理、分析を効率化し、ビジネス上の価値を最大化することが可能です。

    これらの特徴により、AppSheetとはデータ連携を活用して、効率的なアプリケーションを開発するための強力なツールとなっています。

    ワークフロー構築

    AppSheetのワークフロー構築において、以下の手順を通じてアプリケーションの設計から展開と運用までを行います。

    ヒアリング

    ユーザーがどのようにアプリケーションを使用するかを理解するために、ヒアリングを行います。ユーザーのニーズや要件を収集し、それに基づいてアプリケーションの設計を進めます。AppSheetの場合は、実際に作業をする現場の人も開発できるためこの工程が不要になることがありますが、自分以外が利用することも考慮して、関係者へのヒアリングをすることがシステム開発の基本となります。

    アプリケーションの設計

    ヒアリングで得た情報をもとに、必要なデータやプロセスを考慮してアプリケーションの設計を行います。ユーザーがどのようにアプリケーションを使用するかを理解し、それに合わせて設計を進めます。

    データの準備

    アプリケーションで使用するデータを準備します。Google SheetsやExcelファイル、データベースなどからデータを取り込みます。必要に応じて、データの整形やフィルタリングを行い、アプリケーションで使用するデータを整えます。

    AppSheetアプリケーションの作成

    AppSheetのウェブサイトにアクセスし、新しいアプリケーションを作成します。データソースを選択し、必要なデータを取り込みます。ビューを追加してデータを表示する方法を定義します。

    ワークフローの設定

    Automation機能により、データの追加・更新・削除などがされた場合に、メール送信やプッシュ通知や外部サービスとのAPI連携などを設定することが可能です。

    テストとデバッグ

    アプリケーションをテストし、ワークフローが正しく動作することを確認します。バグ修正やワークフローの調整を行い、アプリケーションの品質を向上させます。

    展開と運用

    ワークフローが正常に動作することを確認したら、実際のユーザーにアプリケーションを展開します。定期的なメンテナンスやアップデートを行いながら、ワークフローを運用し、ユーザーのニーズに合わせて改善を継続します。

     

    AppSheetのメリット

    AppSheetは、様々な用途に合わせて豊富に準備されたテンプレートを活用し、データベース連携やQRコード読み取り、マップ表示、電子署名など多彩な機能がマウス操作で利用できます。
    豊富な機能と使いやすさがAppSheetの特長です。また、クラウドサービスの利用やパソコンやスマートフォン用アプリなどマルチに開発できる柔軟性がAppSheetが人気の理由でもあります。

    開発コストと期間を大幅に削減

    従来、企業がアプリやシステム開発を外注すると数百万円から数千万円の予算が必要で、内製化する場合も高額なエンジニアの人件費が課題でした。しかし、ノーコードの AppSheet を利用するとプログラミング知識がなくてもアプリ開発が可能であり、開発コストを大幅に削減できます。

    さらに、既存のデータソースとの連携が容易であり、短期間でアプリを開発ができます。これにより、企業や個人は効率的にアプリを開発し、ビジネスニーズに迅速に対応できるようになります。

    AppSheetの利用は、革新的なアプリ開発手法として注目され、開発コストや期間の削減だけでなく、柔軟性やスケーラビリティの向上ももたらします。企業は競争力を高めるためにAppSheetを活用し、迅速なアプリケーション開発を実現できます。

    • スケーラビリティとは、システムが成長や変化に柔軟に対応できる能力を指します。システムが大きくなっても問題なく動作することができるかどうかを示す重要な要素です。

    マルチプラットフォーム対応

    AppSheet で作成したアプリは、iOS、Android、PCのいずれの端末でも利用が可能です。これにより、ユーザーは異なるデバイスや環境でアプリを利用することが可能となります。つまり、スマホ、タブレット、PC用の画面を自動的に作成してくれるため、デバイスごとに画面を設計する必要がありません。これは従来のプログラミングを必要とするアプリ開発でも苦労する作業でもありました。

    マルチプラットフォーム対応によって、企業や個人は幅広いユーザーにサービスを提供し、市場のニーズに柔軟に対応することができます。さらに、複数のプラットフォームで一貫したユーザーエクスペリエンス(アプリの操作画面)を提供することで、ユーザーの利便性や満足度を向上させることができます。

    AppSheetのマルチプラットフォーム対応は、ビジネスの成長や競争力強化に貢献する機能であり、多様な環境でのアプリケーション展開を実現します。

    高度なカスタマイズ

    APPSheetは、スプレッドシートをはじめとしたデータベースとの連携やアプリの画面など、簡単にカスタマイズをすることが可能となっています。主なカスタマイズについて以下にまとめました。

    データソースの柔軟な統合 AppSheetはさまざまなデータソースとの連携が容易であり、既存のデータベースやスプレッドシートなどを簡単に統合できます。
    アプリ画面のカスタマイズ ユーザーはアプリ画面を自由に設定し、データの表示形式やレイアウトをカスタマイズすることができます。
    ワークフローの設計 AppSheetではワークフローを設計して自動化することができ、特定の条件に応じてアクションを実行するように設定することが可能です。
    フォームの作成 フォームを簡単に作成し、データの入力や更新を行うことができます。さまざまな入力フィールドやバリデーションルールを設定することが可能です。
    レポートの生成 ユーザーはカスタムレポートを作成し、データの分析や可視化を行うことができます。さまざまなグラフやチャートを活用してデータを理解しやすくします。

    一部機能がオフラインでも利用できる

    AppSheetで作成したアプリはデータの登録など、オフラインでも使用することが可能です。

    例えば、ネットワークに接続できない状態のスマホでアプリを使用する場合、ユーザーは特に意識することなくアプリを起動し、データを入力して保存するとスマホ内(ローカル)にデータを保存します。その後、ネットワーク接続後にアプリを起動すると、スマホに保存されたデータは自動的にアップロード&更新されます。

    オフラインの流れ
    1. スマホやパソコンがネットワークへ接続できない状態となる。
    2. オフラインモードでアプリを起動し、データの入力や操作を行う
    3. ローカルにデータが保存され、オフライン状態で作業が継続される
    4. インターネット接続が再確立されると、データが自動的に同期される
    5. データがサーバーと同期された後、最新の情報が表示される
    6. ユーザーはオフラインで作業を続けながら、データの同期を確保する

     

    AppSheetの使い方:基本から応用まで

    ここまで、AppSheetについて説明をしてきましたが、なんとなく色々出来ることはわかったけど、まだぼんやりとしたイメージの方も多いと思います。AppSheetを理解するためには、まず実際にアプリを「作ってみる」「使ってみる」ことがいちばんの近道になります
    AppSheetは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で始められることが可能です。豊富なテンプレートも準備されています。ここからはAppSheetの基本的な使い方について詳しく解説していきます。

    AppSheetの基本の使い方

    AppSheetはGoogleアカウントがあれば無料ですぐに始めらることが出来ます。

    手順 説明
    1 Googlアカウントの作成 Googlのアカウントが無い場合には、Googleアカウントを作成してください。
    2 AppSheetのアカウントを作成 AppSheetにアクセスして、「Get started」をクリックし、Googlアカウントでログインしてください。
    3 Googleアカウントへのアクセスを許可 「AppSheetがGoogleアカウントへのアクセスをリクエストします」と表示されるので許可をしてください。
    4 AppSheetの設定が完了 AppSheetでアプリが作成可能になりました。

    この画面が表示されたらAppSheetでアプリ開発する準備が完了です。

    データ構造の設計

    AppSheetは、スプレッドシートをベースにしたアプリ開発がメインになります。アプリ化する場合には、スプレッドシートに特定の構造(意味)を持つことが重要です。

    一般的な AppSheet のデータ構造を以下に整理しましたので、各項目を理解してデータの設計をすることが重要になります。

    項目 説明
    テーブル データを格納する単位であり、スプレッドシートのシートに相当します。テーブルは複数の行と列から成り、それぞれの行が1つのレコードを表します。
    列 (カラム) テーブル内のデータを分類するための属性やフィールドを表します。列はデータの種類を指定するための型 (テキスト、数値、日付など) を持ちます。
    行 (レコード) テーブル内の1つのエントリを表します。行は列に対応するデータを持ち、1つのレコードが1つのエンティティやアイテムを表します。
    キー (Key) テーブル内の行を一意に識別するための列です。主キー (Primary Key) は行を一意に識別するために使用され、他のキーは関連するテーブル間で関係を構築するために使用されます。
    リレーションシップ 複数のテーブル間で関連を持たせることができます。これにより、異なるテーブル間でデータを結びつけることができます。

    AppSheet のデータ構造は、これらの要素を組み合わせてデータを効果的に管理し、アプリを構築することができます。データ構造を適切に設計することで、アプリのパフォーマンスや使いやすさを向上させることができます。

    高度な機能の活用

    AppSheetは、Google Workspaceとシームレスに連携しているので、Google Workspaceの機能を活用して、誰でも簡単に高度なアプリを作成することができます。以下にAppSheetのできることリストを作成しました。

    サービス できること
    Googleスプレッドシート アプリのデータソースとして使用できます。GAS(Google Apps Script)のSpreadsheetサービスを呼び出して、AppSheet単体ではできない複雑なデータ処理ができます。
    Googleドライブ 「Image」型で追加した画像データや、「File」型で追加したファイルデータは、Googleドライブ内に保存されます。GAS(Google Apps Script)のDriveサービスを呼び出して、フォルダの作成、ファイルの移動などもできます。
    Googleカレンダー Googleカレンダーをデータソースとして追加して、アプリ上で操作できます。予定の追加、変更、削除したり、MeetのURLを生成して、招待メールを送信することができます。
    Gmail Automationの「Send an email」タスクを使用して、Gmail上でアプリを操作できます。
    Googleフォーム Googleフォームとリンクしているスプレッドシートをアプリのデータソースとして使用できます。
    Googleチャット Automationの「Send a notification」タスクを使用して、 チャットスペース(Spaces)に通知できます。チャット上で操作できるチャットアプリを作成できます(Google Workspace契約者のみ)。
    GAS(Google Apps Script) Automationの「Call a script」タスクを使用して、GAS(Google Apps Script)を呼び出して実行できます。

    AppSheetでスプレッドシートをアプリ化する方法

    スプレッドシートをアプリ化する方法のひとつとして、スプレッドシートの機能を使ってアプリ化することが可能です。たった数秒でアプリが作成できると知って驚く人も多いと思います。まずは、実際にアプリを作って使ってみることはこれからAppSheetの理解する上でとても効果的な方法となりますのでここでその方法を紹介します。

    読書日記(タイトル、感想)を入力したスプレッドシート作成します。スプレッドシートのメニューバーにある拡張機能でのAppSheetで「アプリを作成」をクリックして下さい。

    自動的に読書日記アプリが完成します。

    ここで作成したアプリを自分のスマホで使うには、App Store または Google Play で AppSheetアプリをインストールしてログインするだけです。

    メニューの「App Gallery」から読書日記を選択して「+」ボタンでタイトルと感想を入力してSaveするとスプレッドシートにも追加されます。また、読書日記アプリを選択した状態のメニューで「Add Shortcut」を選択してスマホのホーム画面へ追加することも可能です。

     

    ノーコードでビジネスを変革するAppSheetの活用例

    AppSheetは、ビジネスプロセスを効率化し、生産性を向上させる革新的なツールです。スプレッドシートやデータベースをアプリ化することで、業務のデジタル化を促進し、リアルタイムでの情報共有を実現します。さまざまな業種や規模の企業がAppSheetを活用し、業務効率や顧客サービスの向上に成功しています。

    営業支援

    営業支援として、AppSheetで作成できるアプリは多岐にわたります。例えば、顧客管理アプリや在庫管理アプリ、スケジュール管理アプリやタスク管理アプリなどがあります。クラウドデータ(スプレッドシート)の活用で情報を共有、マップで位置情報を取得、レポートの提出、チャット機能など外回りの営業にとっても活用できる機能が充実しています。

    ここでは少しめずらしい機能として、電子名刺アプリをご紹介します。

    AppSheetではバーコードやQRコードをスキャンして読み取ることが可能です。この機能を利用して電子名刺アプリ内でVCard形式のQRコードを作成し、それをスキャンして読み取ることで連絡先を追加できます。つまり相手のスマホでこのバーコードを読み取りしてもらい、自分の電話番号や名前などの情報を相手の電話帳へ簡単に登録してもらうことが可能になります。

    (引用:AppSheet)

    このアプリの作成方法についてはAppSheetの公式サイトで公開されています。

    顧客管理

    顧客情報(顧客番号、顧客名、住所、電話番号、メールアドレスなど)を入力したスプレッドシートを顧客マスタとする場合、スプレッドシートのメニューバーにある拡張機能でのAppSheet「アプリを作成」をクリックするだけで顧客管理アプリが完成します。住所でマップ表示なども可能となります。

    (引用:AppSheet)

    在庫管理

    商品に添付されているバーコードをスキャンして、入庫、出荷、棚卸を記録、商品の在庫量を自動計算することが出来ます。在庫量が事前に設定した在庫数を下回った場合には、AppSheetのAutomation機能を使用してアラートメールを自動で送信します。初級レベルから作成できるアプリになっています。

    (引用:AppSheet)

    このアプリの作成方法についてはAppSheetの公式サイトで公開されています。

    タスク管理

    カンバンボードでステータス管理をするアプリです。ドキュメント(PDFなど)をGooglドライブにアップロードする機能やカレンダー表示機能なども搭載しています。

    (引用:AppSheet)

    このアプリの作成方法についてはAppSheetの公式サイトで公開されています。

    AppSheet導入の注意点

    AppSheetでアプリを作成、パソコンやスマートフォンに導入(インストール)して各ユーザーが利用していく中で、業務効率化と同時に、様々な注意点があります。これは通常のシステム開発でも起こる問題であり、事前に対策をすることで安定して運用をしていくことができます。

    AppSheet導入による業務効率化

    AppSheetで業務をアプリ化して導入することにより、業務効率化が実現します。
    作業プロセスの自動化やリアルタイムデータの共有により、業務の効率化が図れます。ユーザーは簡単な操作でアプリを利用でき、迅速な意思決定や生産性の向上が期待できます。AppSheetを活用して、業務プロセスを効率化し、ビジネスの成果を最大化しましょう。

    導入時の課題と対策

    AppSheetの導入時に考えられる課題とその対策について以下にまとめました。

    [課題]

    説明
    データの整合性 スプレッドシートからアプリにデータを移行する際、データの整合性を確保する必要があります。データの形式や関連性が正確に反映されるように注意する必要があります。
    カスタマイズの難しさ AppSheetはカスタマイズが可能ですが、複雑なアプリケーションを作成する場合、設定やルールの理解が難しい場合があります。特に初めて利用する場合は、学習コストがかかる可能性があります。
    セキュリティの懸念 アプリに取り込まれたデータが機密情報を含む場合、セキュリティ上の懸念が生じる可能性があります。データの保護やアクセス権の管理について、十分な対策を講じる必要があります。
    ユーザーのトレーニング AppSheetを利用する全てのユーザーに対して、適切なトレーニングやサポートを提供する必要があります。新しいツールやシステムに慣れるまでの期間が必要な場合があります。

    [対策]

    • 導入前に計画をしっかり立てること
    • データに関しては公開範囲を精査すること
    • ユーザーとのコミュニケーションを密に行うこと
    • 導入後も定期的な評価や改善を行うこと

     

    まとめ:AppSheetでビジネスの可能性を広げよう

    ITの専門知識やスキルがなくても出来る!」それがノーコードツール開発です。今後、IT人材不足が加速する中で、企業はDX化をますます活発にしていきます。ノーコードツールは、従来のプログラミングスキルが必要なく、現場の作業者が簡単にアプリやシステムを開発できる革新的な手法です。ITエンジニア不足の課題を解決する一つのアプローチとして、ノーコードツールの需要が高まっています。

    Webアプリ開発会社の選定に迷った場合は、実績豊富な株式会社Jiteraに一度ご相談ください。貴社の要件に対する的確なアドバイスが提供されると期待できます。

    AppSheetは、スプレッドシートをベースにしたアプリ開発プラットフォームであり、業務効率化やDXを促進する強力なツールとして注目されています。AppSheetを活用することで、ビジネスの可能性を広げ、業務効率化を実現することができます。

     

    例:開発手順、ツール、プロンプト

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