長時間PCを使ったり、負荷のかかる作業を行ったりすると、PCが熱くなります。
PCが熱くなり、「故障かも?」と思った経験がある方もいるでしょう。
PCの熱管理はとても大切なメンテナンスで、対策を怠ると故障の原因にも繋がります。
本記事では、PCが熱くなる原因や故障のリスク、熱を逃す方法を解説します。本記事を読むとPCの冷却対策が分かるので、ぜひ最後までご覧ください。
PCやノートパソコンが熱くなる主な原因

熱くなりがちなのは、ゲーミングPCや高性能なPCだけだと思われがちですが、近年では一般のPCやノートパソコンも高性能化が進んでおり、CPUに負荷がかかると熱くなります。
そもそもなぜPCやノートパソコンは熱くなるのでしょうか。
結論、以下の2つが大きな原因です。
- 内部のハードウェア問題とその影響
- ソフトウェアによる負荷とその管理方法
2つの原因について、詳しく解説します。
内部のハードウェア問題とその影響
PCやノートパソコンが熱くなる原因の一つは内部のハードウェア問題です。例えば、故障した冷却ファンやヒートシンクの不良、熱伝導材料の劣化などが原因としてあります。
これらの問題によって、熱が適切に散るのが妨げられ、PCやノートパソコン内部の温度が上昇します。そして結果として、パフォーマンスの低下やシステムの安定性が損なわれ、故障してしまいます。
また、過度なオーバークロックも熱の発生をさせます。これらの問題は、適切なメンテナンスや冷却対策で解決できますが、放置するとハードウェアの故障やシステムのクラッシュなど、対処できない問題を引き起こす可能性があります。そのため、定期的な冷却対策が重要です。
ソフトウェアによる負荷とその管理方法
もう一つの原因が、ソフトウェアによる負荷です。CPUやGPUが高い負荷を受けるため、PCやノートパソコンがすぐ熱くなります。
例えば、複数のプログラムやアプリを同時に起動させる、大量のデータを処理する、グラフィックスや動画編集などの高負荷な作業を行うと負荷がかかり熱が発生しやすいです。
ソフトウェアによる負荷を適切に管理し、必要な場合には冷却対策を行うのが大切です。例えば、ソフトウェアのアップデートは一つの管理方法です。
アップデートによって、パフォーマンスの最適化が図られ、過度な負荷が発生する可能性が減ります。そして、必要に応じて冷却ファンやヒートシンクなどの冷却システムを改善し、熱を効率的に逃すのも効果的です。
PCやノートパソコンの熱対策と冷却方法

PCやノートパソコンの熱くなる原因が分かったところで、熱くなったときに熱を逃す方法をお伝えします。
PCやノートパソコンが熱くなったときは、放置するのは故障の原因となるため良くありません。
また、特に気温の上がる夏は熱対策が重要なので、早めの対処をしましょう。
冷却パッドやスタンドの活用
冷却パッドやスタンドPCやノートパソコンの熱を逃すためのツールです。冷却パッドやスタンドは、PCやノートパソコンの底面に設置し、冷却効果を高めるための機能を備えています。
冷却パッドは、内蔵のファンや冷却システムによって、底面から熱を逃します。PCやノートパソコンの内部の温度を下げ、過熱を防ぐのにも効果的です。また、一部の冷却パッドには、高速ファンや冷却板などの機能が備わっているので、さらなる冷却効果を期待できます。
一方でスタンドの役割は、PCやノートパソコンを傾斜させ、通気性を向上させることです。通気性が良くなると熱が逃げやすくなります。
内部クリーニングをする
内部にたまったホコリやゴミが空気の循環を妨げ、内部の熱をこもらせる原因となるため、定期的なクリーニングも冷却対策です。
特に、ファンやヒートシンクなどの冷却部品はよく確認しましょう。ファンやヒートシンクがホコリで覆われると、熱が逃げるのを阻害されるので、重点的に掃除をします。
内部クリーニングを行う際には、専用の電子機器用のクリーナーや除菌スプレーを使用するのがおすすめです。
定期的なクリーニングを怠ってしまう場合は、高負荷の作業を行うときや長時間の使用後には、必ず行うようにするのが良いでしょう。
電源オプションを変更
WindowsやMacなどのOSの電源管理の設定を変えるのも熱対策です。通常、省エネモードやバランスモードなどの電源管理方法があり、パフォーマンスと省電力のバランスを調整できます。
高負荷の作業を行う場合や、熱が気になる場合にはパフォーマンスを優先する設定に変更すると、熱の抑制に効果的です。
しかし、電源オプションの設定変更によって、バッテリーの消耗やパフォーマンスの低下が生じる場合もあります。
そのため、使用状況に合わせて適切な設定を選択するのが良いでしょう。
タスクマネージャーで整理
PCやノートパソコンの熱対策として、タスクマネージャーを利用してアプリケーションなどを管理する方法があります。タスクマネージャーとは、WindowsやMacなどのOSに標準搭載されており、実行中のアプリケーションなどを管理するツールです。
具体的な方法としては、タスクマネージャーを起動し、実行中のアプリケーションやプロセスを確認します。高負荷のアプリケーションを特定し、必要ないものは終了させると、CPUやメモリの使用率を下げられます。これにより、熱を発生させずに使用することが可能です。
直接冷却に役立つわけではありませんが、現在の状況を可視化でき、熱の発生を未然に抑えるのに役立ちます。
ファンコントロールソフトを利用
騒音の問題はありますが、ファンコントロールソフトの使用も、PCやノートパソコンの冷却効果を最適化し、熱問題に対処できます。
ファンコントロールソフトは、内蔵されているファンの回転数や動作を調整できます。通常、PCやノートパソコンのファンは、自動的に制御されていますが、ファンコントロールソフトを使用すると、手動でファンの動作を調整可能です。
高負荷がかかる作業をする際には、ファンの回転数を上げると冷却効果に効果的です。逆に、通常の使用時や低負荷の場合には、ファンの回転数を下げれば静かに作業できます。
ファンコントロールソフトには、メーカーによってさまざまなオプションや機能がありますが、基本的な操作は直感的なので、操作方法は簡単です。
使用方法を見直す
PCやノートパソコンの使用方法を見直すのも今後の熱の対策になります。
まず、PCやノートパソコンを長時間連続して使用する場合は、定期的にPCやノートパソコンを休ませ、機器の冷却を促すのが大切です。毎日、PCやノートパソコンを休ませずに長時間使用し続けると、熱を発生させるさまざまな原因が生じやすくなります。
また、ノートパソコンの場合、底面が十分な空気の循環を妨げないようにしましょう。机の上など、平らで硬い表面の上に置き、通気孔が塞がれないようにします。
PCやノートパソコンだけではなく、熱源となる周辺機器や電源アダプターなどとの距離を確保し、十分な空間を確保するのも有効です。熱が逃げるのや冷却効果に役立ちます。
熱によるPCやノートパソコンの故障リスク

PCやノートパソコンの熱対策は不可欠です。その理由は何度もお伝えしますが、熱を放置するとPCやノートパソコンの故障やパフォーマンスの低下に繋がるからです。
また、最悪の場合火災のリスクもあります。
ここでは、PCやノートパソコンの故障のリスクについて詳しく解説します。
部品の劣化
PCやノートパソコンが過熱すると、内部の部品が劣化しやすいです。特にCPUやグラフィックスカードなどの主要な部品は熱に敏感で、長時間の過熱によって性能が低下し、最悪の場合は故障する可能性があります。また、過度の熱にさらされるとハードディスクやSSDの寿命も縮む場合があります。
部品の劣化を防ぐためには、定期的な冷却ファンやヒートシンクの清掃、冷却装置が必要です。また、適切な温度管理や定期的なメンテナンスを行うと、過度の熱を逃して、部品の劣化を抑えられます。
動作の不安定
高負荷の作業や長時間の使用によって、PCやノートパソコンの内部の部品が過熱し、システム自体が不安定になります。これにより、PCやノートパソコンが突然フリーズしたり、システムがクラッシュしたりなど、パフォーマンスの低下がはっきりと目に見えてくるでしょう。
特にCPUやGPUなどの核心部品が過熱すると、周辺のハードウェアやソフトウェアに影響を与えるので、パフォーマンスの低下が顕著に現れます。
動作の不安定を未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスが重要です。また、十分な空気の循環や適切な温度管理を行うのも大切です。
データの損失
過熱したハードウェアは、データを格納するドライブやメモリにも影響を与えるリスクもあります。メモリへの悪影響は、データの損失の要因です。
例えば、ハードディスクドライブ(HDD)は熱に弱く、過熱すると読み取りや書き込みエラーが発生し、データが損失する可能性があります。また、メモリやCPUなどのハードウェアが過熱すると、正常なデータの処理が妨げられ、システムの安定性が損なわれ
定期的なメンテナンスはもちろん、重要なデータは定期的にバックアップを取ると、もしものときもデータの損失を防げます。
火災
温になったコンポーネントやバッテリーが引き起こす過熱は、周囲の材料に熱を伝え、火災の原因となります。
ノートパソコンのバッテリーが過熱して発火する事例は実際にあります。また、オーバーヒートした電源ユニットやマザーボードなどの部品の問題も火災となる要因です。
火災に発展すれば、PCやノートパソコンだけでなく、その他のものや人にまで被害が及ぶ可能性があります。
対策としては他の故障のリスクと同じですが、定期的なメンテナンスと適切な電源管理が必要です。さらに、故障した部品の交換や修理を怠らずにすぐに交換しましょう。そして、電源を切る際は完全にオフにするなどの対策を行うのが重要です。
オフィスで配慮できるPCやノートパソコンの冷却対策

ここまで、PCやノートパソコンの冷却対策や故障のリスクをお伝えしました。PCやノートパソコンは、内部クリーニングなどの定期的な冷却対策が必要で、対策を怠ると部品の劣化やパフォーマンスの低下に繋がります。
ここからは、会社のPCやノートパソコンを効果的に使うためにできる冷却対策を紹介します。
ここで紹介する対策をとると、オフィスでPCやノートパソコンの熱による機器の故障を防げ、長く機器を使えるので、ぜひ参考にしてください。
セキュリティポリシー策定
オフィスで配慮できるPCやノートパソコンの冷却対策の1つとして、セキュリティポリシーの策定が挙げられます。セキュリティポリシーは、従業員がPCやノートパソコンを使用する際のルールやガイドラインを定めた文書です。
特に高負荷な作業を長時間行わない、あるいは行う際には制限をつけるといったセキュリティポリシーを策定するのが有効です。
その他にも、PCやノートパソコンの際には以下のようなポリシーも効果的です。
- 通気性の確保
- 冷却パッドの利用
- 定期的な清掃
- 電源管理の推奨
まずは、従業員のPCやノートパソコンの使い方を徹底するのが冷却対策の第一歩です。
資産管理システムを利用
オフィスに資産管理システムを導入するのも冷却対策です。資産管理システムは、オフィス内のPCやノートパソコンの温度を監視できます。オフィス内の全てのPCやノートパソコンの情報を一元管理できるので、冷却対策を実施するべきかどうかの判断材料となります。
監視によって冷却が必要な機器や冷却効果の低い機器を特定でき、早めの冷却対策に有効です。
また、資産管理システムは、PCやノートパソコンの電源管理や省エネ設定の一括管理が簡単です。不要な時には全ての機器の電源を切るなどの電力管理を行うことで、熱の発生を抑えられます。
熱暴走に関する教育
PCやノートパソコンの長寿命化に向けた取り組みとして、従業員に対する熱暴走に関する教育もオフィス内でできる対策です。
従業員には、PCやノートパソコンの使用方法についてや、作業中に熱暴走した際の適切な冷却方法や教育を行います。
使用方法はについて具体的には、長時間の作業や複数のアプリを同時に使用する場合は、定期的にPCやノートパソコンを休ませたり、PCやノートパソコンの通気口を塞がないように使用したりするのを伝えるのが良いでしょう。
従業員に対して、これらのPCやノートパソコンの使用方法や冷却対策の重要性を養育すると、PCやノートパソコンの性能を維持し、故障やトラブルを防げます。
まとめ:ノートパソコンの効果的な熱管理でビジネスをサポート

本記事では、PCやノートパソコンが熱くなる原因や故障のリスク、冷却対策を解説しました。
PCやノートパソコンが熱くなる原因は主に、内部のハードウェアの問題と、ソフトウェアによる負荷です。PCやノートパソコンが熱くなったら放置せずに、冷却対策をとって熱を逃しましょう。
また、オフィスにおいてもPCやノートパソコンの熱を溜めないための対策は重要です。具体的な対策方法は、セキュリティポリシーの策定や資産管理システムの導入、熱暴走に対する教育を実施しましょう。
もしも、PCやノートパソコンの管理方法や冷却対策について疑問点や依頼などあれば実績豊富な株式会社Jiteraに一度ご相談ください。貴社の要件に対する的確なアドバイスが提供されると期待できます。
