Next.jsとViteは、フロントエンドの開発で、幅広い層に利用されているツールです。
この記事では、Next.jsとViteのどちらを選ぶべきかを検討するために、2つのツールのメリット・デメリットなどを解説しています。
この記事を読んで、自社で開発するプロジェクトに、どちらのツールが適しているかの参考にしてください。
PHPを独学で勉強した後にWeb業界に参入。大手企業でプログラマーとして活躍後、自社サービスの立ち上げ、大手検索エンジンサービスの保守運用作業、ソーシャルゲーム開発などに携わりながら、SE・管理職の道を歩んで現在に至る。現在は、管理職に携わる傍ら、これまでの経験を活かした執筆活動を続けている。
Next.jsとViteの紹介

Next.jsは、ReactベースのJavaScriptのフレームワークで、サーバサイドレンダリング・静的サイト作成・APIルーティングなどの機能を提供しています。
Viteは、Vue.jsやReactおよびそのほかのフロントエンドフレームワーク用の高速でモダンなビルドツールです。
ここでは、Next.jsやViteの基本的な機能と特徴を解説します。
- Next.jsとは?
- Viteとは?
以上、2つの項目に分けて解説します。
Next.jsとは?

Next.jsは、ReactベースのJavaScriptフレームワークであり、Reactアプリケーションの開発を簡素化することが可能です。
ReactにおけるWebアプリケーションの構築において、ページのパフォーマンス・SEO・開発者体験の向上などの面で役立ちます。
以下は、Next.jsのおもな機能です。
- サーバサイドレンダリング(SSR)
- 静的サイト作成(SSG)
- AFIルーティング
- ファイルベースのルーティング
- ホットリロード
- TypeScriptへのサポート
Next.jsは、ページをサーバサイドでレンダリングしてクライアントで返すことで、初回読み込み時のパフォーマンスを向上させることができます。ほかにも、ビルド時にページを静的なHTMLに事前生成しCDNに配信することで、高速なページローディングとSEOを実現できます。
Next.jsは、APIルートを直接プロジェクト内に作成し、サーバレス関数を作成することが可能です。ページとルーティングのマッピングをシンプルにするために、Next.jsはファイルシステムベースのレーティングを採用しています。
ホットリロードは、Next.jsの特徴の一つです。この機能は、ファイルの変更を検知して自動的にリロードできるもので、手動でリロードをしなくても最新の情報に更新できるため、便利です。
Next.jsは、TypeScriptとの統合が簡単であり、安全性を向上させることができます。
このように、Next.jsはReact開発の効率性を高め、パフォーマンスの向上やSEOの最適化の実現を簡素化することに焦点を当てています。
Viteとは?

Viteとは、フロントエンドフレームワーク用の高速でモダンなビルドツールで、開発者が効率的にモダンなWebアプリケーションの構築を支援するために設計されています。
Viteのおもな特徴は以下のとおりです。
- 高速な開発サーバ
- ESモジュールを利用した開発
- プラグインシステム
- フレームワークのサポート
- プロダクションビルド
Viteは、非常に高速でリアルタイム性の高いホットモジュールリプレースメント(HMR)を提供し、開発者がアプリケーションを瞬時にプレビューすることが可能です。
ほかにも、ESモジュールをサポートしており、モジュールのインポートが効率的に行えます。ESモジュールとは、関数や変数などのコード断片を、他のファイルで再利用できるようにする仕組みのことです。
Viteは、プラグインに基づいて拡張が可能であり、開発者がビルドプロセスをカスタマイズしたり、好みのツールや機能を統合したりすることができます。Vue.jsやReactといった主要なフレームワークとの統合をサポートしているため、異なるプロジェクトでの利用が容易です。
プロダクションビルドの高速さは、Viteの特徴の一つであり、開発段階での高速な開発サーバへのデプロイと同等レベルの高速なビルドを本番環境でも行うことができます。
Viteは、モダンなフロントエンド開発のニーズに対応するために設計され、高速な開発を行うことができるツールです。
Next.jsとViteの違いを解説

Next.jsはReactベースのJavaScriptのフレームワークであり、Viteはフロントエンドフレームワーク用の高速でモダンなビルドツールであることがわかりました。
では、似たような特徴をもつこれら2つのツールには、どのような違いがあるのでしょうか。
以下は、Next.jsとViteの特徴を比較した一覧表になります。
| Next.js | Vite | |
| パフォーマンス | サーバサイドレンダリング(SSR)をサポートしており、初回のレンダリング速度とSEOの向上が期待できる | リアルタイムなホットモジュールリプレースメント(HMR)をサポートしており、開発中の変更が素早く反映できる |
| ビルド時間 | 大規模なプロジェクトではビルド時間が長くなる傾向がある | 開発中の変更が素早く反映され、ビルド時間がほぼ不要である |
| 開発環境 | APIルーティングやファイルベースのルーティングなどの機能がある | ESモジュールを使用しており、モジュールのロードや解析を高速に行うことが可能である |
どちらも優秀なフレームワークとツールではありますが、Next.jsは、大規模なプロジェクトではビルド時間が長くなるというデメリットがあります。
以下の3つは、2つのツールをそれぞれの項目で比較したものです。
- パフォーマンス比較
- ビルド時間と開発環境
- コミュニティとエコシステム
それぞれの項目を比較して、その違いを見比べてみましょう。
パフォーマンス比較
Next.jsとViteのパフォーマンスの違いを理解するためには、両者の基本的なアーキテクチャとその特性を比較することが重要です。
以下は、Next.jsとViteのパフォーマンスに関する特徴をまとめた一覧表になります。
| Next.js | Vite |
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Next.jsでは、サーバサイドレンダリングや静的サイト生成などの機能を提供し、パフォーマンスの向上やSEOの最適化を重視しています。
Viteでは、開発時の高速な反応性やビルドの高速化に焦点を当てており、開発者の効率性を向上が可能です。
どちらもパフォーマンスの向上に貢献するものですが、使用するケースやプロジェクトの要件に応じて適切な選択を行う必要があるでしょう。
ビルド時間と開発環境
Next,jsとViteのビルド時間における違いは、以下の表のとおりです。
| Next.js | Vite |
|
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Next.jsのビルド時間は、プロジェクトの規模や機能によって変動しますが、Viteは開発時のビルド時間を極力短縮することに重点を置いています。
このため、特に大規模なプロジェクトや開発者が迅速な反応性を求める場合には、Viteの方がビルド時間が短くなります。
コミュニティとエコシステム
Next.jsとViteのコミュニティとエコシステムの違いは、以下の表のとおりです。
| Next.js | Vite |
|
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Next.jsは、Reactコミュニティの一部として成熟しており、豊富なリソースとサポートが提供されています。Viteは、急速に成長しており、Vue.jsコミュニティとの密接な関係を持っているのが特徴です。
どちらのツールも活発なコミュニティと成熟したエコシステムを持っており、開発者の好みでツールを選べるでしょう。
Next.jsとViteのメリット・デメリット

ここまで、Next.jsとViteを比較してそれぞれの特徴をみてきました。
では、この2つのツールは、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、以下の項目に分けて、それぞれのツールのメリット・デメリットを解説します。
- Next.jsのメリット
- Next.jsのデメリット
- Viteのメリット
- Viteのデメリット
メリット・デメリットを比較して、どちらを利用するかの参考にしてください。
Next.jsのメリット
Next.jsには、以下のようなメリットがあります。
- サーバサイドレンダリング (SSR) と静的サイト生成 (SSG) のサポート
- ホットリロードと自動ルーティング
- 拡張性とプラグインの豊富なエコシステム
それぞれ解説します。
サーバサイドレンダリング (SSR) と静的サイト生成 (SSG) のサポート
Next.jsのメリットの一つは、サーバサイドレンダリング(SSR)と静的サイト生成(SSG)のサポートがあることです。
SSRを使用することで、初回のページ読み込み時にサーバ側でページをレンダリングしてクライアントに返すことができます。この結果、初回の表示速度が向上して、ユーザーエクスペリエンスを改善することができるでしょう。
Next.jsは、SSGのサポートも行っています。ビルド時に、ページを静的なHTMLに事前生成してCDNを配信することで、高速なページローディングとスケーラビリティの実現が可能です。
Next.jsのSSRとSSGのサポートにより、パフォーマンスの向上やSEOの向上などが期待できます。
ほかにも、動的なコンテンツの処理や静的サイトの構築などの、さまざまな利点が得られます。
ホットリロードと自動ルーティング
Next.jsには、ホットリロードと自動ルーティングの機能があります。
ホットリロードとは、ファイルの変更が保存されると、自動的にブラウザがリロードされる仕組みです。この仕組みを利用すれば、開発者はコードの変更を即座に確認することができ、開発プロセスがスムーズ化されて迅速なフィードバックが得られるでしょう。
Next.jsは、ファイルシステムベースのルーティングをサポートしており、ディレクトリ構造が自動的にルーティングにマッピングされます。この機能のおかげで、開発者はルーティング設定を手動で行う必要がなくなり、より簡潔で保守しやすいコードを書くことができるでしょう。
これら機能を利用することで、開発者は、迅速にアプリケーションを開発できる環境の利用が可能です。
拡張性とプラグインの豊富なエコシステム
Next.jsの拡張性と豊富なプラグインは、メリットの一つです。
Next.jsは非常に拡張性が高く、カスタム機能や機能の拡張を容易に行うことができます。開発者がプロジェクトの要件や目標に合わせて、Next.jsを自由に拡張することが可能です。
たとえば、サードパーティのライブラリやツールを統合することで、アプリケーションの機能を拡張することができます。
Next.jsには、豊富なプラグインエコシステムがあり、さまざまな機能や機能拡張の利用が可能です。開発者は、プロジェクトに必要な機能を容易に統合し、開発プロセスを加速させることができます。
たとえば、CSSフレームワークの統合・SEOツールの追加・画像最適化などの機能が提供されています。
このように、Next.jsの拡張性と豊富なプラグインエコシステムにより、開発者はプロジェクトの要件や目標に合わせて柔軟なアプリケーション構築が可能です。
Next.jsのデメリット
Next.jsのデメリットは以下のとおりです。
- 複雑な学習曲線
- 設定とカスタマイズの複雑さ
- バンドルサイズの管理
それぞれみていきましょう。
複雑な学習曲線
Next.jsは、いくつかの機能の概念や内容を理解するのが、初心者には難しい傾向があります。
Next.js自体は、JavaScriptとReactをベースにしているため、初心者に理解しやすいフレームワークです。しかしながら、SSRやSSGなどの、いくつか複数な機能の概念などを理解するためには、その独特な概念や機能を理解する必要があります。
これら独特な概念や機能を理解するためには、それなりの時間と労力が必要となるため、新規サービスなどで即座に利用する場合などには不向きとなる場合があるでしょう。
ほかにも、Next.jsプロジェクトのセットアップや設定は比較的複雑であり、初心者にとっては混乱を招く可能性があります。特にSSRやルーティングの設定は、正しく行わないと予期せぬ問題が発生する可能性があるでしょう。
このように、Next.jsは初心者にとって学習曲線が比較的高いフレームワークであるとされています。しかしながら、一度しっかりと概念を理解して基本的な使い方をマスターすれば、Next.jsの豊富な機能を利用することができるでしょう。
設定とカスタマイズの複雑さ
Next.jsのデメリットの一つに、設定とカスタマイズの複雑さがあります。
Next.jsは、柔軟性が高く多くの機能やオプションをカスタマイズすることができますが、これらの設定は初心者にとっては複雑で理解が難しい場合があります。特に、SSRやルーティングなどの機能を適切に設定するためには、深い理解が必要となるでしょう。
ほかにも、Next.jsはバージョンアップにともない、設定やカスタマイズ方法が変更されることがあります。このような場合、プロジェクトのバージョンアップ時には設定の変更や修正が必要となることがあり、こちらにも深い知識が必要となる場合があるでしょう。
このように、Next.jsは設定とカスタマイズの複雑さがデメリットとなる場合があります。しかしながら、適切な学習と経験を積んでいけば、この複雑さを克服して効果的にNext.jsを利用できるでしょう。
バンドルサイズの管理
バンドルサイズの管理は、Next.jsのデメリットの一つです。
Next.jsのプロジェクトでは、複数のページやコンポーネントが含まれる場合が多くなります。
これのすべてが1つのバンドルに含まれるため、プロジェクトが大きくなるとバンドルサイズも肥大してしまいます。特に、サードパーティのライブラリやモジュールを多く使用する場合は、バンドルサイズがさらに肥大する可能性があるため注意が必要です。
バンドルサイズが大きくなると、ローディング時間にも影響し、クライアントがページをロードする際の時間も増加します。特に、モバイルデバイスや低速なネットワーク接続を利用しているユーザにとっては、このローディング時間の増加は大きな影響を受けるでしょう。
Next.jsでのバンドルサイズの管理は、プロジェクトのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスに直接影響を与える重要な要素です。開発者は、必要なライブラリやモジュールのみをインポートしたり、コードの最適化をおこなったりして、バンドルサイズを最小限におさえる努力をしましょう。
Viteのメリット
Viteのおもなメリットは、以下のとおりです。
- 高速な開発環境
- プラグインエコシステム
- ESモジュールのネイティブサポート
それぞれ、詳細に解説します。
高速な開発環境
Viteは非常に高速な開発サーバを提供しており、この開発サーバは、ファイルの変更を検知して必要なモジュールを再ロードすることでリアルタイムなHMRを実現します。
HMRを活用すれば、開発者はコードの変更を即座に確認でき、開発プロセスが大幅に加速できるでしょう。さらに、Viteは高速なビルド時間を実現しており、これは、ESモジュールを利用してモジュールのロードや解析が行われるため高速です。
Viteは、開発時にのみ必要なコードをバンドルして、プロジェクトビルド時にはさらに最適化されたバンドルを生成するため、ビルド時間を大幅に短縮できます。このように、Viteは高速な開発環境を提供することで、開発者の生産性を向上させます。
リアルタイムなホットリロードや高速なビルド時間などの機能を活用して、開発者は素早く効果的にアプリケーションを開発することができるでしょう。
プラグインエコシステム
Viteのメリットの1つに、豊富なプラグインエコシステムがあります。
Viteは拡張性に優れており、プライグインエコシステムを通じて開発者が機能を追加したり、ビルドプロセスをカスタマイズしたりすることが可能です。プラグインエコシステムを利用すれば、プロジェクトの要件や好みに合わせて、Viteを柔軟に拡張することができるでしょう。
Viteのプラグインエコシステムには、さまざまな機能やツールを提供するプラグインが豊富に存在します。たとえば、CSSフレームワークの統合・画像最適化・環境変数の管理などで、さまざまな目的に特化したプラグインを利用することが可能です。
Viteのプラグインエコシステムは、開発者がプロジェクトを柔軟に拡張し、開発プロセスを効率化するための強力なツールです。
ESモジュールのネイティブサポート
ESモジュールのネイティブサポートがあることは、Viteのメリットの1つです。
ESモジュールは、ブラウザでネイティブにサポートされているため、Viteはモジュール解決をより効率的に行うことができます。モジュール解決を効率的に行うことで、開発者は複数のファイルやモジュールを素早く読み込み、効率的に開発作業を行うことが可能です。
ESモジュールを使用する場合、Viteはモジュールのインポートパスに対して、トリーディレクトリリーバスルックアップを行います。
これは、モジュールの依存関係を解決する際に親ディレクトリから順に探索を行い、最も近いディレクトリにあるモジュールを優先的に使用します。この結果、開発者はモジュールのパスを短く保ちながらも、モジュールの場所を柔軟に管理することが可能です。
Viteのデメリット
Viteのおもなデメリットは、以下のとおりです。
- プロジェクトの複雑性への対応
- エコシステムの成熟度
- コミュニティとドキュメンテーション
各デメリットをみて、Viteを利用するかどうかの参考にしてください。
プロジェクトの複雑性への対応
プロジェクトの複雑性への対応が必要なことは、Viteのデメリットの1つです。
Viteは、軽量で高速な開発環境を提供しますが、大規模なプロジェクトや複数なアプリケーションにおいては管理が難しくなる可能性があります。プロジェクトが成長するにつれて、コードベースやファイル構造が複雑化すると、これらを効果的に管理することが難しくなってくるでしょう。
大規模なプロジェクトでは、複数のチームや開発者が関与することが一般的で、このような状況では統一された開発設定やベストプラクティスの確立が重要です。
Viteは、柔軟性が高く、プロジェクトごとにカスタマイズされた設定を容易に行えます。その反面、Viteの軽量で高速な特性は開発を促進するものの、エラーが発生した際の原因特定や修正が難しくなる場合があります。
Viteを活用したこのような課題に対処するためには、適切な設計や開発プロセスの確立が必要です。適切な設計パターンやコーディング規約を遵守して、チーム全体のコミュニケーションやコラボレーションを重視することが求められるでしょう。
エコシステムの成熟度
Viteのデメリットの一つは、エコシステムの成熟度の不足です。
Viteは比較的新しいビルドツールであるため、ほかのツールやフレームワークと比較すると、まだまだエコシステムは成熟していないといえます。これから成熟していくツールであり、プラグインやライブラリの提供が限られている可能性があるため、注意が必要です。
ほかにも、Viteに関する十分なドキュメントやチュートリアルが提供されていない場合もあるでしょう。開発者が問題を解決するためのリソースや情報が不足していると、学習曲線が急上昇する点に注意が必要です。
Viteは成熟していないシステムであり、コミュニティやメンテナーからのプロジェクトのサポートが不足する可能性があります。このため、問題が発生した際の解決が難しくなる場合があるでしょう。
このように、Viteを利用する際は、成熟の未熟さを理解した上で開発を進める必要があります。
Viteは比較的新しいビルドツールであり、Webpackなど他のビルドツールに比べて、エコシステムやプラグインの選択肢が限られている場合があります。一部の特定のライブラリやツールは、Viteに適切に統合されていないことがあるため注意が必要でしょう。
コミュニティとドキュメンテーション
コミュニティとドキュメンテーションの不足は、Viteのデメリットの1つです。
先述にて、エコシステムの未成熟さを解説しましたが、同じくコミュニティの不足もデメリットとしてあげられます。このような状況では、問題解決やサポートを求める際に、十分な支援を得ることが難しくなる可能性があるでしょう。
ほかにも、ドキュメンテーションも不十分な場合があり、開発者は使用方法や設定方法に関する情報を見つけるのが難しい場合があります。情報を見つけるのが難しいため、トラブルシューティングが困難となる可能性があることも、デメリットの1つです。
開発者が問題を解決するためには、コミュニティやドキュメンテーションから十分な情報を得ることが重要ですが、情報が不足しているため、問題解決が難しくなる可能性があるでしょう。
Viteを使用する際には、コミュニティやドキュメンテーションの状況を考慮することが重要です。コミュニティやドキュメンテーションが不足している場合は、開発者が問題解決や学習により多くの時間を費やす必要があることを考慮するようにしましょう。
Next.jsとViteの選択ポイント

ここまで、Next.jsとViteのメリット・デメリットをみてきました。
Next.jsとViteにはそれぞれ特徴があり、自社のニーズやプロジェクトの規模によって選ぶ必要があるでしょう。
では、どのようなポイントでこれらツールを選ぶとよいのでしょうか。
ここでは、Next.jsとViteの選択ポイントを以下3つ、解説します。
- プロジェクトのニーズに合わせる
- チームのスキルと経験
- ケーススタディ
それぞれみていきましょう。
プロジェクトのニーズに合わせる
プロジェクトのニーズに合わせることは、Next.jsとViteを選択するポイントの一つです。
それぞれのツールは、以下のポイントで選ぶとよいでしょう。
| Next.js | Vite |
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このように、Next.jsはSSRやSSGが重要な場合や、豊富な機能をもったエコシステムを求める場合に適しています。Viteは、高速な開発環境やビルド環境、ESモジュールのサポートを重視する場合に適しています。
このように、プロジェクトのニーズや要件に合わせて、適切なツールを選択することが重要です。
チームのスキルと経験
Next.jsかViteのどちらかを選ぶかを決めるポイントの1つに、チームのスキルと経験があります。
以下は、チームのスキルと経験からそれぞれを選ぶ際のポイントです。
| Next.js | Vite |
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チーム内にReactやJavaScriptの経験が豊富な場合は、Next.jsを選ぶとよいでしょう。一方で、まだまだこれから成熟していくViteには、最新のWeb技術への興味がある人が向いています。
このように、チームのスキルや経験は、プロジェクトに適したツールを選択する際の重要な要素です。
チームが既にある特定の技術やフレームワークに慣れている場合、それに対応したツールを選択することで、開発プロセスを効率的に進められるでしょう。
ケーススタディ
Next.jsとViteの選択ポイントの1つとして、コストが挙げられます。
たとえば、コストと機能の豊富さを天秤にかけて、Vite + ReactのSPAを選択した事例があります。
Next.jsは、SSRやSSGなどの機能を備えており、リアルタイムなデータ更新やダイナミックのコンテンツの表示に適しています。ただし、これら機能を利用するためには、この独特な概念や機能を理解しなければならず、初心者に理解するには難しい内容です。
一方、Viteは高速な開発環境を提供し、リアルタイムなホットリロードや高速なビルド時間を実現しており、Next.jsにひけを取らない魅力があります。さらに、Viteは軽量なツールであるために、学習コストが比較的低く習得しやすいのが特徴的です。
このため、この企業では、学習曲線が高くなることによるコストと機能の豊富さを天秤をかけ、軽量で学習コストが低いViteを選びました。
以上のように、Next.jsとViteはそれぞれ異なる特徴を持つため、特定のプロジェクトや要件に最適なツールを選択することが重要です。
Next.jsとViteの比較まとめ

Next.jsは、ReactベースのJavaScriptのフレームワークで、サーバサイドレンダリング・静的サイト作成・APIルーティングなどの機能を提供しています。一方、Viteは、Vue.jsやReactおよびそのほかのフロントエンドフレームワーク用の高速でモダンなビルドツールです。
これら2つのツールは、それぞれ特徴があり、多くのメリット・デメリットがあります。
Next.jsには、SSRやSSGなどのリアルタイムなデータ更新やダイナミックのコンテンツの表示に適しています。
Viteは、高速な開発環境を提供して、リアルタイムなホットリロードや高速なビルド時間を実現しているのが特徴的です。
このような、それぞれ魅力的なツールを自社で活用しようと考えたとき、どちらを選べばよいかわからないこともあるでしょう。
Next.jsやViteのことで相談や困ったことがあれば、これら2つのツールに知見のある、株式会社Jiteraへご相談ください。
どのようなシステム開発を行いたいかをヒアリングさせていただき、プロジェクトの規模や用途に応じた適切な提案をさせていただきます。
