マーケティング手法のひとつ、「LPO」はランディングページを改善するための要素です。
「ランディングページのクリック数はあるのにCV(コンバージョン)の発生が少ない」「LP(ランディングページ)をもっと改善したい」と考えている企業の方も多いでしょう。
そんな悩みを解決するための手法が、LPOツールです。
本記事では、LPOの基本情報やおすすめLPOツール10選を中心に詳しく解説します。
自社のWebサイトを改善したい方はぜひ、最後までお読みください。
LPOとは何か?
LPO(Landing Page Optimization)とは、直訳すると「ランディングページ最適化」を意味し、ユーザーのニーズに合わせてLP(ランディングページ)を改善するマーケティング手法です。
LPOの主な目的は、LPに訪れたユーザーによるCVR(コンバージョン率=成約率)の向上です。
具体的には、ページデザイン、コンテンツ、CTA(Call to Action)などの要素を最適化し、ユーザーが意図した行動を起こしやすくします。
制作したが最初から最適なケースは多くありません。実際にはユーザーのニーズとは異なり全くクリックされない場合もあります。
したがって、単にLPに集客するだけでなく、ユーザーを成約に導く方法や、CVRを向上させる手段、つまりはLPOが重要です。
LPOがビジネスに与える影響は大きく、より効果的なLPを通じて、ユーザーの行動を促進し、売上やリード獲得などの目標達成に直接貢献します。
LPの詳細については初心者の方にも分かりやすいように、下記でまとめました。
LPO、SEO、EFOの違い
LPOについて理解したところで、よく混同されやすいSEO・EFOとの違いも解説します。
LPOとSEO・EFOの違いは以下の表を参考にしてください。
LPO(Landing Page Optimization) | SEO(Search Engine Optimization) | EFO(Entry Form Optimization) | |
意味 | ランディングページ最適化 | 検索エンジン最適化 | 入力フォーム最適化 |
定義 | LPの効果を最適化する手法 | Wenサイトの検索エンジンでの表示や検索順位を最適化する手法 | 申し込みフォームや問い合わせフォームを最適化させる手法 |
目的 | ユーザーのCVR(コンバージョン率)を上げる | Webサイトの検索エンジンでの表示を改善し、サイトへの流入数を増やす | 申し込みの段階での離脱を防ぎ、入力フォームの完了率を上げる |
対象 | LP(ランディングページ) | Webサイトのページ | WebサイトやLP(ランディングページ)に設置されている入力フォーム |
具体的な施策 | コンテンツの最適化、CTA(Call To Action)の改善、A/Bテストの実施 | キーワードの最適化、コンテンツの改善、被リンクの構築 | 入力項目の削減、デバイスごとの最適なフォーム表示、安全なフォームの照明 |
それぞれの違いをくわしく解説します。
目的
LPOの目的は、LPに訪れたユーザーのCVRの向上です。
ユーザーが望む行動を取りやすくするために、ページデザインやコンテンツ、などの要素を最適化します。
一方で、SEOの目的は、Webサイトの検索エンジンでの表示や検索順位の向上です。
上位表示のページを増やすことで、検索エンジンからの流入数を増加し、WebサイトからLPへの流入を狙います。
どちらもCVRの向上を目的としていますが、SEOは新規で集客するためのチャネルです。
また、EFOの目的は、商品やサービスの購入ページの入力フォームを改善し、離脱を防ぐことです。
購入しようとしても、入力フォームがスムーズにいかず離脱するユーザーは多いため、入力フォームを最適化し、スムーズに完了できるようにします。
ユーザーが申し込みする最後の砦のため、取りこぼしがないように最適化することが求められます。
対象
LPO・SEO・EFOはWebページを最適化させる施策ですが、対象が異なります。
LPOの対象はLP(ランディングページ)です。LPOではこのLPを最適化することで、ユーザーの目的達成率(コンバージョン率)を高めることを目指します。
また、SEOの対象はWebサイト全体のページです。
Webサイトは多数のページで構成されており、それぞれのページが検索エンジンに評価されるよう最適化を行います。
トップページだけでなく、商品ページ、カテゴリページ、ブログ記事など、Webサイトを構成するすべてが対象です。
さらに、EFOの対象はWebサイトやLPに設置されている入力フォームです。
商品の購入や資料請求、会員登録などを行う際には、ユーザーは必ず入力フォームに情報を入力する必要があります。
具体的な施策
LPOは、特定のLPの効果を最適化するために、デザイン、コンテンツなどの要素を改善します。
具体的な施策は、「ファーストビューの改善」、「CTAの最適化」、「A/Bテストの実施」などです。
SEOは検索順位を改善するために、検索キーワードの最適化、Webサイトや対象のページのコンテンツの改善、他のWebサイトからの被リンクの構築などの施策を行います。
EFOはユーザーがスムーズに申し込み完了するために、入力フォームを最適化します。
具体的な施策は、「入力フォームの項目を削減し、ユーザーの手間を減らす」「デバイスごとにフォームが最適に表示される」「エラーが起きても入力内容が維持される」などです。
LPOツールおすすめ10選
LPO対策はさまざまありますが、実際に何から始めればいいのかわからない方もいるでしょう。
そんな方は、LPOツールを使うのがおすすめです。
LPOツールを活用すると、自社サイトの分析や効果的な改善策の立案、実行、検証が簡単です。ユーザーの行動分析やABテストを簡単に実施できるため、LPOに初めて取り組む方でも手軽に利用できます。
ここでは、おすすめのLPOツールを紹介します。
Adobe Target
「Adobe Target」は、ターゲティングによる表示の最適化ができる、Adobe社提供のマーケティングツールです。
Adobe Targetを活用すると、より細部までこだわったABテストができます。
ECサイトを訪れたユーザーには、初めてのユーザーとリピーターがいます。Adobe Targetを活用すると、それぞれのユーザーに対して異なるLP(ランディングページ)を表示できるのです。初めてのユーザーには新商品のバナーを表示し、リピーターには人気商品のバナーの表示ができます。
Adobe Targetは、1ページあたり最大7箇所のテストポイントを設定できるので、より細部にまでこだわったテストパターンの作成が可能です。
Optimizely
「Optimizely」は、サイトの最適化に有効なABテストが簡単できるツールです。
従来のABテストでは、多くの人やスキルを必要としていましたが、Optimizelyを使用すると特別なコーディングスキルも人員も必要ありません。直感的な操作で誰でも簡単にテストを実施できるため、迅速な改善サイクルが可能です。
また、Optimizelyでは、プログラム管理が組織全体で行えます。テスト結果を組織全体で管理・共有し、効果の可視化が可能です。これにより、プログラムの生産性向上に役立ちます。
Optimizelyは世界8,000社以上で使われており、信頼性のあるツールです。
VWO
「VWO(Visual Website Optimizer)」は、JavaScriptタグをWebサイトに埋め込むと、同一URLでUIの改善施策が実行可能なABテストツールです。
テスト対象ページに訪問したユーザーを自動的にデザイン変更したページに振り分け、コンバージョン率が最も高いUIを測定できます。さらに、ヒートマップ機能が標準で装備されているのは多いなメリットで、追加料金なしでユーザーのサイト内での動きを確認できます。
アルタイムのデータ分析やヒートマップ機能を通じて、ユーザーの行動を理解し、ウェブサイトの改善点の特定が可能です。
VWOは、様々な業界で採用されており、不動産、コンサルティング、美容など、幅広い分野で利用されています。
Crazy Egg
「Crazy Egg」は、ウェブサイトのユーザー行動を分析するためのツールです。Crazy Eggを使うと、ウェブページ上のユーザーのクリックやスクロールパターンをヒートマップとして表示し、どの部分が注目されているかを確認できます。
さらに、リアルタイムのデータを利用してA/Bテストや分割テストが可能です。Crazy Eggでユーザーエクスペリエンスの向上やコンバージョン率の改善を図れます。
また、直感的なインターフェースと使いやすさもCrazy Eggの魅力の一つです。導入に手間がかからず、初期設定はおよそ10分で使えるようになります。
Ptengine
Ptengine(ピーティーエンジン)は、Webサイトの分析やユーザー行動のトラッキングに特化したツールです。
主な特徴として、ヒートマップ機能やセッション録画機能などがあります。
ヒートマップ機能では、ユーザーのクリックやスクロールの動向を可視化し、Webサイトのどの部分に注目が集まっているかを把握できます。
セッション録画機能では、それぞれのユーザーがWebサイト内でどのように行動しているかを記録し、分析することが可能です。
また、フォーム分析機能を使えば、入力フォームでのユーザーの離脱ポイントを特定し、改善につなげることも可能です。
Ptengineは直感的なインターフェースを採用し、データの分析や可視化が容易です。設定もタグを1つを設置するだけなので手間になりません。
MATTRZ CX
MATTRZ CX(マターズシーエックス)は、Webサイト上でユーザー体験を最適化するために、多くのデータを集約・分析できるLPOツールです。
この製品の魅力は、複数の機能を単一のツールで利用できる点です。
A/Bテスト機能はないものの、訪問者とのインタラクションを自動化するチャットボット、適切なシーンでメッセージを表示するポップアップ、ユーザーの興味関心を可視化するヒートマップ解析など、Webサイトの改善に必要な機能が一通り揃っています。
これらの機能は、シンプルで使いやすいインターフェースにまとめられており、専門的な知識がなくても簡単に活用できます。
User Insight
User Insightは、Webサイトの訪問者動向を追跡するアクセス解析ツールですが、ヒートマップ機能も備えています。
デスクトップPCだけでなく、モバイルデバイスからのトラフィック分析にも対応。
さまざまな端末からのユーザー行動を把握できるほか、ページ上で熱心に読まれている領域、離脱が多い箇所、クリックが集中している部分も特定できます。
さらに、「全クリックエリア」機能を使用すれば、ページに流入したユーザーのクリック位置を余すところなく可視化することが可能です。
ミエルカヒートマップ
ミエルカヒートマップは、Webサイト上でのユーザーの行動や関心領域を可視化するための強力なツールです。
このツールは、ページ上のクリック、スクロール、マウスの動きなどを追跡し、熟読・離脱・クリックの見える化ができるようになります。
そのため、サイト運営者はコンテンツの配置や設計の改善点を特定し、ユーザーエンゲージメントを高めるための施策を打つことが可能です。
ほかにも、A/Bテスト機能やフォーム分析機能といったCVRを最大化するための機能を複数搭載しています。
同社は、Webマーケティング領域で17年以上の実績を持ち、豊富な経験とノウハウを蓄積しています。その手厚いサポート体制を整えているため、ツールの利用方法や分析結果の解釈について、専門家のアドバイスを受けることが可能です。
KAIZEN UX
KAIZEN UXは、A/Bテスト機能やフォーム分析などができるLPOツールです。
これまでに1,000社以上の企業に導入されており、50,000件以上の施策事例から得られたノウハウを活用できます。この豊富な実績とデータに基づく知見により、効果的なLPO施策の立案と実行が可能です。
KAIZEN UXの強みの一つは、ユーザーエクスペリエンス(UX)に精通した専門家チームを擁していることです。クライアント企業のプロジェクトに伴走し、適切な助言とサポートを提供しているため、安心してプロジェクトを推進できます。
AIアナリスト
AIアナリストは、AIを活用したLPOツールです。
Google Analyticsのデータから、自動でWebサイトを分析し、改善点を提案。例えば、特定のページでユーザーの離脱率が高い場合、AIアナリストはその原因を特定し、コンテンツの改善やナビゲーションの最適化、入力フォームなど、具体的なアクションを提言してくれます。
このツールは、38,000以上のサイトから収集した膨大な分析データを機械学習によって処理し、ページの各要素が与えるユーザー体験への影響を評価しています。
AIアナリストの特徴は、この学習結果を基に、サイトの重要なポイントをスコアリングし、優先順位の高い施策を明確に示す点です。
LPOツールの4つの選び方
おすすめのLPOツールを紹介しましたが、選ぶ際には以下のポイントを比較しましょう。
- ニーズと予算に適しているか
- 必要な機能が使えるか
- 使いやすさがあるか
- サポート体制はしっかりしているか
単に、「多くの企業で使われているから」「機能がたくさんあるから」といった理由で導入しても自社のサイトに適しておらず、最適なLPO対策が取れない可能性があります。
ニーズと予算に適しているか
まず自社の目標やマーケティング戦略に合致するLPOツールを選択しましょう。サイトの改善やCVR(コンバージョン率)率の向上など、どのような目標を達成したいかを明確にし、それに適した機能があるツールを選びます。
自社のニーズを満たしているツールで絞り込み、予算を考慮して適切なLPOツールを選びましょう。予算内でニーズを満たすツールを選択します。コストと効果のバランスを考慮するのが重要です。
また、将来の成長も考慮し、将来的な拡張やアップグレードが簡単にできるかどうかも重要です。柔軟性や拡張性の高いLPOツールを選択すると、長期的なビジネス目標にも対応できます。
必要な機能が使えるか
LPOツールを選ぶ際には、必要な機能があるかどうかも重要です。例えば、サイトの改善やCVRの向上に役立つ以下のような機能が含まれるかを確認しましょう。
- A/Bテスト機能:複数のLP(ランディングページ)を比較し、最適なデザインやコンテンツを特定するための機能
- ヒートマップ分析:ユーザーのクリックやスクロールパターンを可視化する機能
- ターゲットセグメンテーション:ユーザーをセグメント化し、異なるターゲットにパーソナライズされたコンテンツを提供するための機能
- リエアルタイムデータ分析:リアルタイムでのデータ分析やレポーティング機能
- モバイル対応:モバイル対応の機能
これらの機能を含むLPOツールを選択すれば、より効果的なLPO対策が可能です。
使いやすさがあるか
LPOツールを選ぶ際には、その使いやすさも重要な要素です。使いやすいツールを選択できれば、効率的な作業や迅速な結果の取得ができます。逆に、どれだけ高精度な機能が備わっていても、使いづらければ、効率良く効果を得られず、全体的なLPO対策にも時間がかかってしまいます。
使いやすさの面では、直感的なインターフェースがあるかどうかを確認しましょう。操作が分かりやすく、簡単に機能や設定を見つけられるツールなら、初心者でも素早く作業ができます。
また、ツールのレポーティング機能やデータ可視化がわかりやすいかどうかも重要です。結果をグラフやチャートで視覚化し、理解しやすい形式で表示してくれるツールであれば、効率良い分析や施策の実施ができます。
サポート体制はしっかりしているか
最後に紹介するの選び方は、カスタマーサポートです。ツールを使ってみて問題点や不明点があったときの解決において、カスタマーサポートは重要です。
まず、サポートの迅速性と可用性を確認しましょう。ツールの提供元が提供するサポートが迅速かどうかを確認します。24時間いつでも対応可能なら最も良いです。
サポートの対応の早さを確認したら、あわせて質も確認しましょう。問題点に対して、適切な回答や解決策を提供できる技術力や専門知識を持ったサポートチームがいるかどうかを確認します。
LPOツールのカスタマーサポートを総合的に評価し、自社のニーズに最適なツールを選択しましょう。良質なサポート体制が整っていれば、効率良くLPO対策が実施でき、ビジネスの成果を最大化できます。
コンバージョンを高める効果的なLPO施策
ここからはLPOを効果的に行うための具体的な対策や、CV(コンバージョン)の向上のための取り組みを解説します。
- 1.ユーザーニーズの理解
- 2.効果的なLPO対策
- 3.仮説設定とA/Bテスト
- 4.継続的な改善
上記4つの手順を見ていきましょう。
1.ユーザーニーズの理解
LPOの対策として、ユーザーニーズの理解も重要です。
なぜなら、ユーザーニーズを理解できないと、LPを訪れるユーザーが求めているものを提供できないからです。
ユーザーニーズを理解すると、ユーザーがページ上で求めている情報を簡単に見つけられるように、LPのレイアウトやナビゲーション最適化ができます。
ユーザーがストレスなくページを閲覧し、必要な情報やサービスに迅速にアクセスできるようにすると、ユーザーの満足度を高め、CVRを高められます。
2.効果的なLPO対策
LPOの対策は複数りますが、その一例を紹介します。
- ファーストビューの改善
- CTA(Call to Action)の最適化
- LPの構成改善
- LPの長さ変更
- ページ速度の改善
CTAの最適化は、目立つCTAボタンを配置し、ユーザーが行動しやすくなるように促します。
また、コンテンツの魅力的なレイアウトや簡潔な説明を入れて、ユーザーに商品やサービスの情報を分かりやすく伝えるのが重要です。さらに、フォームや購入プロセスを簡略化し、訪問者が容易に行動を完了できるようにします。
3.仮説設定とA/Bテスト
LPO対策には、A/Bテストも欠かせません。
まず、改善すべきポイントや仮説を設定し、それに基づいてテスト計画します。次に、複数の案(A・B)のLPを作成し、異なる要素を取り入れます。異なる要素とは、デザインやレイアウトなどです。
そして、それぞれのLPにどれだけのユーザーがCVまでたどり着くかを比較します。最終的に、データを分析してどちらのバージョンがより効果的かを判断し、最適な改善策を実装するのがA/Bテストです。
仮説設定とA/Bテストを繰り返すと、LPのCVRを持続的に向上できます。
4.継続的な改善
LPOは一回で完了するものではなく、継続的に行う手法です。
継続的な改善を行うと、より多くのユーザーの行動やニーズに応じた最適なLPができて、CVRが向上されます。
定期的にLPの成果を分析し、データに基づいて改善の余地を見つけます。
LPのコンテンツやデザインを定期的に更新し、最新のトレンドに合わせて最適化を行いましょう。
常にユーザーのニーズや市場のトレンドを調査し、LPO対策をするのが重要です。
まとめ:LPOツールはWebサイトに改善に不可欠
本記事では、LPOの概要やSEO・EFOとの違いや具体的なLPO対策について解説しました。
LPO(Landing Page Optimization)とは、ユーザーのニーズに合わせてLP(ランディングページ)を改善するマーケティング手法です。混同されやすいSEO・EFOとは目的や対象は異なりますが、LPOとは密接しています。
LPO・SEO・EFO対策を最大限とると、ビジネスの成果がより最大化します。
LPO対策はCTAの改善やFVの改善などさまざまありますが、「何から始めたらいいかわからない」「あまり時間をかけられない」なら、本記事で紹介したLPOツールを活用するのもおすすめです。
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