LP制作は、Webマーケティングで成果を出す上で重要なプロセスです。
しかし、Webマーケティングをこれから始める方や初めてLP制作をする方にとって、LPの概要や目的などがピンと来てないのでしょうか。
そこで本記事では、LP制作の基本的な情報をまとめた上で、制作の流れや絶対に押さえるべきポイントを詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読めば、LP制作のメリット・デメリットを理解し、自社に合ったLPを制作するための気づきを得られます。

大学卒業後、インフラ系エンジニアを3年経験。その後、営業会社に転職し通信系の商材をメインに取り扱う。副業でアフィリエイトやWebライターを始め、2021年11月に独立。光回線や格安SIM、BtoBマーケティング、取材案件の執筆が得意。
LP制作とはどういう意味?目的は?
LP制作とは「ランディングページ(Landing Page)」の略称で、インターネット上である目的を達成するためにつくられる作成プロセスのことです。
ユーザーが「着地するページ」という意味があり、初めてその企業のことを知ったページのことを指す場合もあります。
一般的にLPは1ページのみで構成され、そのページは縦長で情報が豊富に盛り込まれています。ユーザーはページをスクロールして、順序立てて情報を得ることが可能です。
また、LPは一般的に、オウンドメディアや広告、SNSなどから流入されることを前提としています。
LP制作の目的
LP制作の目的は、シンプルに成約率を上げることです。
具体的には、ユーザーに以下のような行動を期待しています。
- 商品やサービスの購入
- メールアドレスやLINEの登録
- イベントやセミナーに申し込み
- 無料相談に申し込み
- 資料ダウンロード
※本記事では上記の行動を実現する割合を「成約率」と表現
これらの行動は、商品やサービスの直接的な購入につながらなくても、ブランド認知度の向上やリードの獲得、満足度のアップなどにつながります。
LPはこれらの目的を達成するために、重要なツールです。
LPとホームページの違い
LPとホームページは同じWeb上のページですが、一体どのような違いがあるのでしょうか?
LPとホームページは、それぞれ以下のような役割と特徴があります。
項目 | LP | ホームページ |
役割 | 商品やサービスに申し込みしてもらうため | 会社や組織の存在やブランドを表すため |
ページ数 | 1ページ | 複数ページ |
特徴 | 必要な情報が1ページにまとめらていて、ターゲットに合わせて文章やデザインが最適化されている | 事業内容、企業理念、チーム情報などのコンテンツが理、興味を持つユーザーが探しやすいように設計されている |
端的に言うと、セールス用なので1ページであればLP、認知のためなので複数ページであればホームページと理解して問題ありません。
それぞれのページの役割と特徴を理解することで、適切なウェブ戦略を立てられます。
それぞれの違いを明確に把握できれば、LPとホームページを混同することなく、効果的に活用することが可能です。
LP制作をする4つのメリット
LP制作には、以下のようなメリットがあります。
- ユーザーへの訴求を強くできる
- ユーザーが離脱しにくい
- 流入元に合わせてページを複数つくれる
- セールス臭が強くならない
詳細を確認しましょう。
ユーザーへの訴求を強くできる
LPを制作すると、訴求力の高いページをつくることができます。
なぜなら、LPは構成やコンテンツを成約率アップを達成させるために制作しているからです。
通常のウェブページやSEO対策に重点を置いたコンテンツとは異なり、LPでは情報の網羅性よりも、ユーザーに対する強力なメッセージが重要視されます。
そのため、ターゲットとするユーザーに直接的かつ効果的にアプローチすることが可能です。
また、LPは成約から逆算して制作されるため、ユーザーが最終的に取るべき行動を念頭に置いてページが構築されます。
このアプローチにより、ユーザーの関心を引き、行動させるために必要な要素をページ上に明確に配置します。
結果として、ユーザーへの訴求力を最大限に高め、成約率が高まるわけです。
ユーザーが離脱しにくい
LPはほかの媒体から流入してくるため、ユーザーはすでに関心や興味を持ってページに訪問しています。
特定の商品やサービスについて詳しく知りたい、または購入を検討しているユーザーが多く、じっくりと情報を読む傾向があります。
そのため、LPをすぐに離脱することは考えにくいです。
また、LPはターゲットとするユーザーに向けて制作され、ニーズや関心事に直接的に応える内容が提供されます。
このページのメッセージは簡潔かつ明確であり、ユーザーが求める情報を素早く理解しやすい構造です。
その結果、ユーザーはLPに長く留まり、提案されている行動に至る確率が高まります。
流入元に合わせてページを複数つくれる
LPは基本的に1ページで構成されているため、流入元ごとに異なる複数のページを作成できます。
それぞれの流入元の特性やユーザーの動機に合わせて、内容やデザインを最適化できるため、成約数の最大化が可能です。
例えば、Instagramからの流入には、より視覚的に魅力的なデザインを採用し、検索エンジンからの流入に対しては、より情報密度の高い内容を提供できます。
また、LPは特定の目的に特化しているため、ホームページ全体を最適化するよりも、より短期間でかつ効果的に成約率を高めることが可能です。
セールス臭が強くならない
LPを利用すると、ホームページのブランドイメージを守りつつ、効果的なセールス可能です。
ホームページにおいて直接的な成約を追求すると、セールス色が強くなりがちですが、LPを使用すればこの問題を解決できます。
その理由は、ブランドとセールスを分けることで、各ページがその役割に集中できるからです。
ホームページは企業や組織の顔として、ブランドイメージや企業情報を中心に展開する場所です。
ここに直接的なセールスメッセージを多く取り入れると、訪問者に対してネガティブな印象を与える恐れがあります。
しかし、LPは特定の製品やサービスの販売促進に特化しており、セールス要素を強く打ち出すことが適切です。
そのため、LPを1枚作るだけで、ホームページはブランドイメージや企業情報の提供に集中でき、セールスはLPに任せられます。
LP制作をする4つのデメリット
LP制作をする際に、以下のデメリットがある点もチェックしましょう。
- 制作するコストがかかる
- LPの運用が必要にある
- 検索経由ではヒットしない
- サイト全体への広がりがほぼない
特にコスト面には注意してください。
制作するコストがかかる
LP制作を制作会社に依頼する際には、一般的に1本につき10万円から60万円かかります。
フリーランスのデザイナーやライターに依頼する場合、1本あたり5万円で済むケースもあります。
コストのほとんどが人件費であり、かかる工数によって金額が前後する仕組みです。
具体的にかかる工数は、コンテンツ作成には2週間から1ヶ月、デザイン制作にはさらに2週間程度です。
結果として、LPの完成までには約1ヶ月から1ヶ月半の時間を要します。
また、高価格帯の商品やサービスを扱う場合、その品質に合ったLPが求められるため、制作コストが上がることが一般的です。
そのため、何社か見積もりを取って比較検討するといいでしょう。
LPの運用が必要にある
LPが完成した後は、ただ単にアクセスを流すだけではなく、適切な運用が求められます。
なぜかと言うと、LPの効果を最大限に引き出すためには、継続的な分析と改善が不可欠だからです。
まず、アクセスをLPに流し、その結果を基に仮説検証を実施します。
訪問者の行動を分析し、どの部分で離脱が多いのか、どのような要素が成約につながっているかを明らかにします。
このデータを基に、LPのコンテンツやデザインを繰り返し改善しなければなりません。
特にLPの離脱率の高いポイントを特定し、対処することで成約率が高まります。
しかし、これらの改善作業やデータ分析には継続的な時間と労力が必要となり、その分の人件費(アウトソースするなら外注費用)も考慮する必要があります。
検索経由ではヒットしない
LPは通常、広告やSNS、ブログなどからの流入を前提としているため、検索エンジン経由で見られることはほとんどありません。
このような状況が生まれる理由は、LPが特定のキャンペーンや製品に特化しており、一般的な検索クエリには最適化されていないからです。
そのため、LPにユーザーが流入する動線をつくる必要があります。
サイト全体への広がりがほぼない
LPは成約が目的なため、訪問者によるサイト内の回遊はほとんど期待できません。
通常、SEOではサイト回遊率が上がると評価されますが、LPの場合、その設計上、訪問者がサイト内を移動することはありません。
LPの目的は、特定のアクションをユーザーに促すことです。
そのため、訪問者は目的のアクションを完了した後、すぐにサイトを離脱するため、直帰率は上昇します。
しかし、成約につながっていれば、この直帰率の高さは気にする必要はありません。
LPを制作する流れについて
LPを制作するには、以下の流れに沿って進めるのがおすすめです。
1.目的を定める
2.リサーチを実施する
3.ターゲットを決める
4.構成を用意する
5.ライティングする
6.デザインを作成する
7.コーディングを作成する
8.公開する
それぞれのステップで重要なポイントを伝えています。
1.目的を定める
LP制作の第一歩は、目的を明確に定めることです。
目的がはっきりしていないと、LPの内容がブレてしまい、効果的な成果を出すことが困難になります。
特にBtoB(企業向け)のLPでは、一般的に以下のような目的を設定します。
- 無料相談
- メールマガジン登録
- ホワイトペーパーダウンロード
- セミナー申し込み
これらの目的は、LPの設計やコンテンツに直接影響を与えます。
目的が明確であれば、文章やデザイン、CTA(コールトゥアクション)を効果的に配置できるため、成果につながりやすいです。
そのため、LP制作の初期段階で目的を定め、全工程が目的に沿って進めることが大切です。
2.リサーチを実施する
目的を定めた後は、リサーチが次のステップです。
この段階では、自社が競合と比較してどれくらい顧客のニーズを満たしているか、すなわち顧客に選ばれる理由を徹底的に調査します。
このプロセスには、3C分析やSWOT分析を活用すると効果的です。
<3C分析>
- 自社(Company):自社の強み
- 顧客(Customer):顧客ニーズ
- 競合(Competitor):競合の強み・シェア
<SWOT分析>
- 強み(Strength)
- 弱み(Weakness)
- 機会(Opportunity)
- 脅威(Threat)
3C分析では、自社、顧客、競合を包括的に分析し、市場における自社の立ち位置を明確にします。
一方SWOT分析では、自社の強み、弱み、機会、脅威を明確にし、戦略を立てる際の参考にします。
これらの分析を通じて、LPで強調すべきポイントや改善点を特定し、より効果的なLPを制作するための基盤をつくります。
3.ターゲットを決める
リサーチの結果を基に、次はターゲット選定に移ります。
集客したい具体的なターゲットを決定することが重要です。
ターゲットを選定する際に最も重要なのは、ジャンルに対するターゲットの知識や経験の深さです。
例えば、ターゲットがその分野に詳しい専門家や経験豊富な方であれば、ライティングで専門用語を積極的に使用しても適切です。
その結果、専門性を示し信頼を構築できます。
一方で、ターゲットが未経験者やその分野の経験が浅い方の場合、分かりやすさを重視したライティングが不可欠です。
専門用語を避け、情報を噛み砕いて伝えることで、ターゲットにとって理解しやすい内容となります。
このように、ターゲットの知識や経験に合わせてコンテンツをカスタマイズすることが、LPの効果を向上させるには大切です。
4.構成を用意する
ターゲット選定が完了したら、LPの構成案の準備に移ります。構成とは、LPの骨組みのことで、書籍の目次のようなものです。
LPを一から作成するのではなく、スワイプファイルを活用することをおすすめします。
スワイプファイルとは、他社で効果を上げたLPの例のことです。
自社のジャンルに近いものを選ぶことで、より効果的にLP制作を進められます。
スワイプファイルが重要な理由は、既に市場で成功している要素を理解し、自社のLPに応用できるからです。
5.ライティングする
LP制作におけるライティングはとても大切です。
ターゲットの興味を引き、行動に移すよう促す文章を作成する必要があります。
ライティングのプロセスは以下の通りです。
1.効果的な見出しを作成する
2.見出しに必要な情報を組み込む
3.それぞれの見出しに沿った内容の文章を作成する
何冊かコピーライティングに関する書籍を読んでから、作業に入りましょう。2番目の工程が完了したら、クライアントやチームメンバーからフィードバックを受けることが重要です。
早い段階でのフィードバックにより、後から大きな修正が必要なくなるため、効率的にLP制作を進められます。
6.デザインを作成する
ユーザーの動線を考えて、成約を狙える設計にする必要があります。
効果的なLPデザインにおいて、下記3つのポイントは特に重要です。
- ターゲットを惹きつけるファーストビューにする
- 申し込みボタンは分かりやすくする
- デザインを凝ってページを重くしすぎない
これらのポイントを適切に取り入れると、ユーザーが最終的な行動を取りやすくなります。
良いデザインは、成果に直結するため、細部にわたって丁寧に作業を進めましょう。
7.コーディングを作成する
LP制作プロセスの最終段階として、ライティングやデザインをWebサイト上に公開するためのコーディングを実施します。
コーディングとは、具体的にはHTMLやCSSなどの言語を用いてWebページを構築する作業のことです。
特に、LPがパソコンやスマホで正しく表示されるかを確認する必要があります。レスポンシブデザインを適用して、異なる画面サイズに対応しなければなりません。
また、HTMLの知識や経験がない場合もWordPressなどのツールを使うと簡単に作成できます。
コーディングの工程は、LPが実際にユーザーに公開される準備が整うステップです。
8.公開する
コーディングが終了したら、最後に公開します。
想定通りにページが表示できているか確認できたら、LP制作は完了です。
LP制作で絶対に押さえるべきポイント
最後に、LP制作で絶対に押さえるべきポイントをまとめます。
- 目的から外れないようにする
- LPを改善する際はツールを活用する
- 全体最適を実施する
上記3点の詳細を見ていきましょう。
目的から外れないようにする
LP制作の際、以下の工程において、目的から逸脱しないように注意することが重要です。
- リサーチ
- ライティング
- デザイン
あなたの会社でホームページ制作の受注を増やすために、LPを制作するとします。
リサーチ段階で「Webマーケティングに詳しくない中小企業の経営者」をターゲットに設定するのは適切です。
なぜなら、決裁権を持ち、直接的なビジネスニーズを有する層であるため、受注に繋がりやすいからです。
一方で、「未経験でWebマーケティングの部署に移動になった担当者」をターゲットにすると、決裁者までが遠くなり、受注につながりにくくなります。
リサーチでターゲットが決まったら、ライティングにおいてはターゲットに響く言葉遣いや文章構成に注意を払います。
例えば、LP制作の業者はどこで話しを聞いても違いが分からないなど、ターゲットに寄り添った表現を入れていきます。
今回のケースではターゲットが法人のため、間違っても個人のシチュエーションを入れてはいけません。
さらに、デザインは法人相手になるため、PCを前提にした方がいいでしょう。
もし、Webマーケティングのコンサル受注を目的にするなら、画面の見やすさや文字の大きさに気を配りましょう。
LPを改善する際はツールを活用する
LPの改善には、ヒートマップなどの分析ツールを活用しましょう。
感覚だけでなく、データに基づいて改善を行うことで、より効果的なLPに仕上げられます。
全体最適を実施する
LPの成約率が改善されても、ほかの要因で成果が出ない場合があります。
例えば、LPに誘導する前の広告で集客したユーザーが適切に拾えていなかったり、決済方法が限られていたりするなどが考えられます。
このような場合、LPの成果を最大化するためには、単にLP自体を見直すだけでは不十分です。
LPだけでなく、全体的なマーケティング戦略を見直し、最適化するようにしましょう。
まとめ:LP制作は有効なマーケティング手法
LP制作は興味・関心のあるユーザーを集め、成約を最大化させるために、おすすめのマーケティング手法です。
目的の設定から始まり、リサーチ、ターゲットの選定、構成の準備、ライティング、デザインの作成、コーディング、そして最終的な公開まで、多くの大切なステップが含まれています。
ポイントを押さえつつ、効率的なLP制作を進めていきましょう。
株式会社Jiteraでは、LP制作に関するご相談に無料で対応しています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。