CRMとは?意味や定義、目的からシステム・ツール導入のメリットまでわかりやすく解説

顧客のニーズが多様化していく現代では、顧客情報を適切に管理・分析を行ない、顧客がいま欲しいと思う商品やサービスを届けることが企業にとって必要となっています。

CRMツールは顧客情報の一元管理・分析を実現し、顧客ニーズの把握や営業活動の効率化に役立つでしょう。しかし、CRMツールを導入することで得られる効果に具体的なイメージを持てない方もいらっしゃると思います。

この記事では、CRMツールをビジネスに導入することの重要性を解説します。また、おすすめのCRMツール15選を紹介するとともに、CRMツールを選ぶ上での考慮すべきポイントについてもお伝えします。

監修者 野田ゆうじ

プログラマー(PG)経験 3年 システムエンジニア(SE)経験 8年 プロジェクトマネージャー(PM)経験 7年 過去の開発システム ・ロケット飛行安全システム ・魚雷発射評価シミュレーションシステム ・船舶電話システム ・NHK番組管理システム ・IBM生産管理システム(データベース設計) ・学習塾管理システムパッケージソフト開発 ・6軸アームロボット開発 ・露光装置監視システム その他多数システム開発にかかわってきました。 39歳で独立して、アフィリエイトシステム開発と運営を3年ほど行い、 ライター業務を始めて現在に至ります。

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    CRMとは?意味や定義

    CRMとは?

    CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」という意味です。

    基本的なCRMの定義は、「企業と顧客との良好な関係性を維持させる施策」を指しており、具体的には以下のような施策を実行することで企業と顧客との関係強化を目指します。

    • 顧客のあらゆる情報を一元管理する
    • 顧客情報を分析し、ニーズを正確に把握、最適なサービスを提供する
    • 顧客満足度を高めて、既存顧客を自社の「ファン・リピーター」に変える

    近年では時代の流れとともにビジネスに対する顧客のニーズも変化しています。

    企業としては常に変化する顧客のニーズを正確に把握し、適したサービスを提供することで、顧客満足度を向上しなければなりません。

    CRMを実践していくことで企業と顧客の間で良好な関係を構築することは、結果として企業の成長につながるため、CRMはこれからの変化するビジネスにおける重要な役割を担っています。

    CRMのより正確な定義としては、「顧客関係の管理を行うツールやシステム」を指しています。

    CRMの基本的な定義である「企業と顧客との良好な関係性を維持させる施策」を実践するためには、顧客情報の適切な管理・分析が必要になります。しかし、企業が成長し顧客数も増えてくると、顧客情報の管理自体が困難になってくるでしょう。

    そこで、顧客管理業務を支援・効率化させるCRMツールを活用することで、膨大な顧客情報を一元管理できるだけではなく、顧客情報の分析や社内への情報共有などもスムーズに行えます。

    CRMツールをビジネスに活用することで、顧客情報の管理だけではなく社内の業務も効率化されるため、結果として売上アップや顧客満足度の向上につながります。

    CRM・MA・SFAの違い

    CRMツールと似たツールとして、SFA(営業支援ツール)や、MA(マーケティング自動化ツール)があります。

    これらはCRMを実現していく上で密接な関係にあるため、混同して考える方もいらっしゃいますが、それぞれ利用目的が異なります。具体的には以下です。

    • CRM:自社の顧客との良好な関係を構築・継続し、顧客を自社の「ファン・リピーター」に変える
    • SFA :営業担当の業務を自動化・効率化し、より戦略的な営業活動をサポートする
    • MA :見込み客に効果的なアプローチを行ない、自社製品への興味を持ってもらう

    ここからは、CRMとSFA・MAとの違いを詳しく解説します。

    CRMとMAの違い

    CRMツールとMA違い

    CRM MA
    目的 顧客との関係強化、ビジネスの成果を最適化 リード生成や顧客獲得、顧客エンゲージメントを向上
    機能 顧客のタッチポイントを追跡し、セールスパイプラインを管理し、カスタマーサービスを強化 メールマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、キャンペーン管理、リードナーチャリング
    対象期間 長期的な顧客関係の構築と管理 比較的短期間

    MAは「Marketing Automation」の略で、マーケティング活動の自動化に特化したツール類を指しています。

    MAツールを使用することで、顧客ごとの興味関心に合わせたマーケティングや、顧客に合ったアプローチの自動化を行ってくれます。

    例えば、ECサイトの場合、複数回サイトを訪れるユーザーの興味関心を分析し、適切なタイミングでメールマガジンを自動送信することで商品の購入を促すといった施策が可能です。

    CRMが顧客と良好な関係を構築するためには、見込み客を自社の顧客にすることが必要なので、CRMとMAを上手く活用することで相乗効果が期待できます。

    CRMとSFAの違い

    CRM SFA
    目的 顧客との関係強化、ビジネスの成果を最適化 売上や顧客獲得の最適化
    機能 顧客のタッチポイントを追跡し、セールスパイプラインを管理し、カスタマーサービスを強化 見積もりの作成、商談の追跡、売上データの分析、顧客とのコミュニケーションの自動化
    対象期間 長期的な顧客関係の構築と管理 比較的短期間

    SFAは「Sales Force Automation」の略で、主に営業活動を効率化させるためのツールです。

    SFAを活用することで、社内の営業活動の進捗や結果の共有の迅速化や、顧客や案件データの分析を行い、より戦略的な営業活動をサポートしてくれます。

    例えば、営業に関する見積書や契約書の作成自動化や、To-Do管理、営業案件の進捗の見える化などがSFAによって実現できます。

    CRMは顧客管理を主な機能として、既存顧客との関係構築に利用されるのに対し、SFAは営業担当の業務を効率化することで、見込み客を自社顧客として獲得する営業活動をサポートすることに重点を置いています。

    CRMシステム・ツール導入のメリット

    crmメリット

    CRMツールは、顧客管理や業務効率化を支援する機能が多数搭載されているため、導入時のメリットは多岐にわたります。

    ここでは、その中でも特に大きなメリットとして、「顧客管理の効率化」「営業成績の向上」について解説していきます。

    顧客情報の管理・分析の効率化

    CRMを利用する最大のメリットとしては、顧客情報の一元化により、顧客管理の効率化につながる点です。

    今まで顧客情報の管理はエクセルや紙で行われており、管理が煩雑になっていただけではなく、案件の進捗状況などは担当の営業の中で閉じられるケースもあり、情報が属人化するという問題もありました。

    そこで、散らばっていた顧客データをCRMツールに集約することで、社内や部内への共有もスムーズになり、特定の担当者しか進捗が分からないといったような問題が起こりにくくなります。

    また、CRMツールでは、これまで手動で行っていた業務を自動で行う機能もあります。
    蓄積した顧客データを元に、分析レポート作成の自動化やメールの自動送信も行ってくれるため、その分の時間を他の業務に割り当てられ、業務全体の効率化が可能です。

    顧客満足度の向上

    まず、顧客満足度の向上が大きな目的の一つです。

    CRMツールでは、顧客の連絡先情報、購買履歴、サービス履歴などの情報を一元的に管理できます。

    これにより顧客に関する正確な情報を把握が可能です。過去の対応内容を参照しながら、ニーズに合ったアプローチをすることで、顧客満足度を高めることにつながります。

    また、将来の需要予測やマーケティング戦略の改善にも役立ちます。顧客の購買行動を分析し、ニーズを予測することで、より適切な製品開発やサービス改善、マーケティング施策を立案することが可能になります。

    顧客の定着率の向上

    顧客の定着率の向上も重要な目的です。CRMツールに蓄積された情報を分析することで、顧客の好みや行動パターンを把握できます。

    先ほども説明したように、データに基づいたきめ細かい施策を展開することで顧客の満足度を維持し、リピーター顧客の獲得につなげられます。

    また、定期的なコミュニケーションを効率よく行うことで、顧客との良好な関係を築き続けることができます

    営業成績の向上

    CRMが持つもう一つの強みとしては、顧客データを元にした様々な分析・マーケティングが可能な点です。

    CRMツールに蓄積されるデータは、会社名や業種といった一般的な情報だけではなく、以下のような情報も収集します。

    • 商談の履歴
    • 顧客とのメールのやり取り
    • Web上での行動、購買履歴

    このような顧客に関する詳細なデータを元に分析やマーケティング活動に生かすことで、顧客のニーズに沿った営業を行なうことが可能です。

    例えば、CRMツールでWeb上での顧客の行動を分析し、自社製品に関するアクセスや購入履歴が多い顧客がいる場合、この顧客は既に自社のサービスや製品に強い関心を持っている「見込み客」ということになります。そこで、この見込み客に絞って関連した商品・サービスの紹介を行うといったような営業戦略を立案できます。

    CRMツールによる分析により、ターゲットを自社に強い興味を持つ顧客に絞れるため、より効率的に営業をかけることができ、営業成績の向上にも貢献するでしょう。

    業務の効率化

    CRMツールでは、業務の効率化が実現可能です。営業活動の進捗管理が可視化されるため、漏れや遅延を防ぐことができます。

    また、メール自動送信やAIによる分析など、様々な機能により業務の自動化と効率化ができます。これにより、営業やマーケティング活動に注力することができるのです。

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    CRM導入の落とし穴と注意点

    CRMの導入は、企業にとって大きなメリットをもたらす一方で、いくつかの落とし穴があります。コスト面での予期せぬ出費、運用における人的リソースの確保、セキュリティ面でのリスクなど、導入前に十分に検討しておく必要があります。ここでは、CRM導入の際に特に注意すべき3つの点について詳しく解説します。

    コスト面の課題

    CRMの導入には、初期費用とランニングコストがかかります。クラウド型のCRMサービスであれば、初期費用は比較的抑えられますが、ユーザー数に応じた月額費用が発生します。また、CRMを自社で構築する場合は、開発費用やインフラ費用も必要です。

    加えて、データ移行や社員教育にも費用がかかります。これらのコストを適切に見積もり、予算を確保することが重要です。

    また、CRMの導入効果を最大限に発揮するためには、継続的な利用が不可欠です。そのため、長期的な視点でコストを検討する必要があります。

    運用における課題

    CRMを導入しても、それを適切に運用していかなければ、期待した効果を得ることはできません。運用における最大の課題は、社員のCRM利用率を高く維持することです。CRMの入力作業が煩雑だと感じられれば、社員は使用を敬遠してしまいます。

    また、営業やマーケティングの現場では、CRMの活用方法がわからないという問題もあります。これらの課題を解決するためには、CRMの運用ルールを明確に定め、社員教育を徹底する必要があります。

    加えて、現場の意見を取り入れながら、継続的にCRMを改善していくことも重要です。

    セキュリティ面の課題

    CRMには顧客の個人情報や機密情報が蓄積されるため、セキュリティ対策は非常に重要です。

    特にクラウド型のCRMサービスを利用する場合は、データがクラウド上に保存されるため、不正アクセスや情報漏洩のリスクが高まります。このようなリスクを最小限に抑えるためには、CRMサービス提供者のセキュリティ対策を十分に確認する必要があります。

    また、社内でのアクセス管理も重要です。権限を適切に設定し、不要なアクセスを制限することが求められます。加えて、定期的なセキュリティ監査や脆弱性診断を実施し、セキュリティホールを早期に発見・対処することも欠かせません。

    CRMの活用事例

    最後にCRMツールの活用事例についてみていきましょう。

    小売業でのCRM活用

    小売業では、商材を効率的に販売するための営業部門の改革にCRMツールが活用されることが多いです。こちらでは、小売業におけるCRM活用事例を紹介していきます。

    コニカミノルタジャパン|Sales Cloud

    コニカミノルタジャパンでは、営業支援システムをSales Cloudへと移行しました。

    その結果、情報の即時性や売上予測の精度が向上しており、以前は±5%の誤差が±3~4%に収めることに成功し、一部の部署では±1~2%という高い精度での売上予測を達成しています。

    Salesforceによる情報共有で円滑な分業体制の実現もしており、リード顧客の情報を入力することで常に営業状況を把握でき、全体の案件化までの時間が短縮されました。

    コニカミノルタジャパン

    株式会社トキハ|Liny

    株式会社トキハは、「ふるさと大分」の豊かな暮らしを支え、地元のお客様に愛される百貨店です。

    CRMツールとしてLinyを効果的に活用し予約販売やイベント展開を行い、LINE公式アカウントの友達登録者数の増加と売上高向上に成功しました。

    主に、Linyを用いて、クーポンやイベント情報、予約販売などをLINE公式アカウントから配信しております。

    結果的に、約8,000人のアカウント登録者を増加させ、商品の在庫ロスの削減を実現しました。

    株式会社トキハ

    製造業でのCRM活用

    製造業では、顧客との関係構築や生産性向上を目的にCRMツールが活用されます。こちらでは。製造業におけるCRM活用事例をみていきましょう。

    エレコム株式会社|sansan

    エレコム株式会社では、名刺交換を起点とした営業ワークフローの構築を進めるためにCRMツールのsansanが活用されています。

    従来、属人的になっていた人脈情報の整理や名刺のデータ化からアプローチまで時間がかかることが課題としてありました。

    sansanを導入したことで、月1,000時間分の顧客情報検索に関する業務の効率化や確度の高いターゲティングで受注率が20から35%に向上しました。

    エレコム株式会社

    ポリプラスチックス株式会社|sansan

    ポリプラスチックス株式会社は、日本初のエンジニアリングプラスチック専業メーカーです。

    sansanを活用してアジア6か国9拠点で利用できるグローバルな顧客データベースを構築しました。

    名刺や顧客情報の管理方法が属人的なことや海外赴任先でsansanが利用できないこと、顧客情報をSalesforceに手入力することで工数が圧迫されることが課題でした。

    sansanが海外に対応したことで、これまで海外拠点に有していた名刺などの顧客情報を一元化できグローバル市場での企業の成長の助けとなりました。

    ポリプラスチックス株式会社

    まとめ:CRMとは顧客ロイヤリティを高める経営戦略

    CRM まとめ

     

    この記事では、CRMツールの重要性と、おすすめのCRMツールとその選び方について解説してきました。

    CRMツールを導入することで、様々な顧客に関する情報を管理・分析することで顧客のニーズを正確に把握し、一人ひとりに最適な提案をおこなえるため、顧客満足度の向上に繋がるでしょう。

    しかし、CRMツールにも様々な特徴を持った製品があるため、まずは「自社の利用目的に合った」ものから比較検討することをおすすめします。

    もし、自社に合ったツール開発をAIを活用してCRMツールの開発を検討しているという方は、ぜひ株式会社Jiteraにご相談ください。

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