JavaScriptのClass(クラス)は、オブジェクト指向プログラミングの基本概念の一つで、コードの再利用性や管理性を高めるために非常に役立ちます。
クラスを活用することで、複雑なアプリケーションの設計が容易になり、開発効率が向上します。
この記事では、JavaScriptのClassの基本的な使い方や定義方法、さらには具体的な使用シーンについて詳しく解説します。

プログラマー兼ネットワークエンジニア。 24歳でエンジニアの世界に飛び込むも、いきなり大手企業機器の検証担当に。 その後も検証をこなしていく中で、自動的にできないものかと試行錯誤しているといつの間にかプログラマーへとステップアップ。 現在はプログラミングの方が好き。
JavaScriptのClass(クラス)とは?
JavaScriptのクラスとは、オブジェクト指向プログラミングの核心をなす概念で、データとそれを操作する手段を一つにまとめた設計図のようなものです。
こちらを活用することで、同じ性質を持つ異なるオブジェクトを効率的に生成できます。
たとえば、ゲーム内のキャラクターを作成する際、それぞれのキャラクターは異なる名前や能力値を持つかもしれませんが、攻撃する、防御するといった基本的な動作は共通しています。
クラスを使うことで、これらの共通動作を一度定義しておき、各キャラクターの特有の情報だけを個別に設定することができるのです。
このようにクラスを活用することで、プログラムを再利用しやすくなりますし、プログラムが読みやすくなります。開発の効率化はもちろん、チームでの作業がスムーズに行えるようになるわけです。
JavaScriptのClass(クラス)の使いどころ
JavaScriptのClass(クラス) は、特定の場面で非常に有用です。
ここでは、JavaScriptのClassの使いどころについて、以下の項目別に詳しく解説します。
- 大規模アプリケーションの開発をする時
- オブジェクトを再利用をする時
- オブジェクトの内部構造をカプセル化したい時
- コードの整理と管理が必要な時
- 機能の拡張がしたい時
これらの場面でClassを活用することで、開発効率とコードの品質を大幅に向上させる ことができます。
大規模アプリケーションの開発をする時
大規模アプリケーションを開発する際、JavaScriptのClassを使用することで、コードを整理しやすくなり、保守性を高めることができます。
Classを使うことで、オブジェクト指向の設計が可能になり、再利用性や拡張性が向上します。
これにより、コードが複雑になっても柔軟に対応でき、スケーラブルな開発が可能になります。
オブジェクトを再利用をする時
オブジェクトを再利用する際に、JavaScriptのClassは非常に便利です。
Classを使うことで、同じ構造を持つオブジェクトを簡単に複製でき、コードの重複を避けながら効率的に開発を進めることができます。
これにより、同じコードを何度も書く必要がなくなり、開発時間を短縮しつつ、保守性を高めることができます。
オブジェクトの内部構造をカプセル化したい時
オブジェクトの内部構造をカプセル化したい時に、JavaScriptのClassは有効な手段です。
Classを使うことで、オブジェクトの内部データやメソッドを外部から隠し、不要なアクセスを制限することができます。
これにより、重要なデータを安全に保持しながら、必要な機能だけを外部に公開する柔軟な設計が可能になります。
コードの整理と管理が必要な時
コードの整理と管理が必要な時、JavaScriptのClassを活用することで、構造化されたコードを書きやすくなります。
Classを使うことで、機能ごとにコードをまとめ、読みやすさや保守性を向上させることができます。
これにより、後から新しい機能を追加する際にも、既存のコードに影響を与えずに作業を進めることができ、プロジェクト全体の効率を高めることができます。
機能の拡張がしたい時
機能の拡張をしたい時に、JavaScriptのClassを使用することで、継承を使った柔軟な機能追加や上書きが可能になります。
Classの継承を利用すれば、既存のクラスの機能を再利用しつつ、新しい機能を追加したり、既存のメソッドを上書きすることができます。
これにより、重複するコードを避けつつ、必要な機能を効率的に拡張することができ、保守性の高い設計を実現できます。
JavaScriptのClass(クラス)をつける時とつけない時の違い
JavaScriptのClassを使うか使わないかによって、コードの設計や保守性に大きな違いが生じます。
Classを使用する ことで、オブジェクト指向の設計を採用し、再利用性や拡張性を高める ことができる一方、クラスを使わない 場合、シンプルな構造で軽量なコードを記述することが可能 です。
複雑な機能や多数のオブジェクトを扱う場合にはClassを使うことでコードを整理 できますが、単純なタスクや小規模なスクリプトの場合には関数ベースのアプローチが有効 です。
これにより、プロジェクトの規模や目的に応じて、Classを使うかどうかを判断し、効率的なコード設計を行うことができます。
Classをつける時 | Classを付けない時 |
・オブジェクト指向設計をしたい時 ・コードの再利用性を高めたい時 ・拡張性を持たせたい時 ・長期的なメンテナンスが必要な時 |
・シンプルで軽量なコードにしたい時 ・短期的なスクリプトに向いている時 |
JavaScript Classの基本構文
JavaScriptのClassは、オブジェクト指向の設計を行うための基本的な要素 です。
ここでは、JavaScript Classの基本構文について、以下の項目別に詳しく解説します。
- クラスの宣言
- コンストラクタ
- メソッド
- インスタンスの作成
- メソッドの呼び出し
これらの基本構文を理解することで、JavaScriptのオブジェクト指向プログラミングがより効果的に活用できるようになります。
1. クラスの宣言
JavaScriptでクラスを宣言 するためには、classというキーワードを使います。
クラスは、似たようなオブジェクトを簡単に作るための設計図 のようなものです。
例えば、Personというクラスを次のように宣言できます。
constructor(name, age) {
this.name = name;
this.age = age;
}
}
このクラスでは、nameとageという情報を持つ人のオブジェクトを作ることができます。
クラスを使うと、同じ種類のオブジェクトを簡単に作成し、管理しやすくなります。
2. コンストラクタ
コンストラクタ は、クラスを使って新しいオブジェクトを作るときに最初に実行される特別な関数 です。
この関数を使って、作成したオブジェクトに最初の値を設定 します。
コンストラクタはクラス内でconstructorという名前で定義 します。
例えば、次のように書くことができます。
class Person {
constructor(name, age) {
this.name = name;
this.age = age;
}
}
この例では、Personクラスのオブジェクトを作るたびに、nameとageという値を設定することができます。
コンストラクタは、オブジェクトごとに異なるデータをセットするために使うもので、クラスを効率的に活用できるようにします。
3. メソッド
メソッド は、クラスの中で定義される関数 のことです。
オブジェクトに対して動作や処理を実行させるために使います。
クラスの中でメソッドを定義すると、そのクラスから作成されたすべてのオブジェクトでそのメソッドを使うことができます。
例えば、次のようにメソッドを定義します。
class Person {
constructor(name, age) {
this.name = name;
this.age = age;
}
greet() {
console.log(`こんにちは、私の名前は${this.name}で、年齢は${this.age}歳です。`);
}
}
この例では、greetというメソッドが定義されています。
このメソッドを使うと、Personクラスから作成されたオブジェクトが自分の名前や年齢を紹介することができます。
メソッドは、オブジェクトに対して特定の動作をさせるために便利な機能です。
4. インスタンスの作成
クラスからオブジェクトを作成する際には、クラスのインスタンスを作成します。
インスタンスとは、クラスをもとに実際に使えるオブジェクトのことです。
インスタンスを作るには、newキーワードを使います。
次のようにインスタンスを作成します。
class Person {
constructor(name, age) {
this.name = name;
this.age = age;
}
}
const person1 = new Person(‘太郎’, 25);
console.log(person1.name); // 太郎
console.log(person1.age); // 25
この例では、Personクラスからperson1というインスタンスを作成しています。
インスタンスを作ると、そのインスタンスにはクラスで定義したプロパティ(ここではnameとage)が設定され、オブジェクトとして扱えるようになります。
これにより、クラスを使って効率的に複数のオブジェクトを作成することができます。
5. メソッドの呼び出し
クラスで定義したメソッドは、そのクラスから作成されたインスタンスを使って呼び出すことができます。
メソッドの呼び出しは、オブジェクトのプロパティや関数を使うのと同じように行います。
次のようにメソッドを呼び出すことができます。
constructor(name, age) {
this.name = name;
this.age = age;
}greet() {
console.log(こんにちは、私の名前は${this.name}で、年齢は${this.age}歳です。);
}
}const person1 = new Person(‘太郎’, 25);
person1.greet(); // こんにちは、私の名前は太郎で、年齢は25歳です。
この例では、Personクラスから作成されたperson1インスタンスがgreetメソッドを呼び出しています。
メソッドは、クラス内で定義された動作をインスタンスに適用するために使用 されます。
メソッドの呼び出しによって、オブジェクトに特定の動作をさせることができます。
JavaScript Classの継承方法
JavaScriptのClassでは、継承を使うことで既存のクラスから新しいクラスを作成し、機能を拡張することができます。
ここでは、JavaScriptのClass継承方法について、詳しく解説します。
- 親クラスを定義する
- 子クラスを定義する
- 親クラスのコンストラクタを実行する
- 子クラスに新しいプロパティやメソッドを追加する
- 親クラスのメソッドをオーバーライドする
- クラスのインスタンスを作成する
これらの継承方法を理解することで、より複雑なクラス設計や機能の拡張が簡単にできるようになります。
1. 親クラスを定義する
親クラスを定義する際には、classキーワードを使って基本となるクラスを作成します。
この親クラスは、他のクラス(子クラス)に継承され、共通のプロパティやメソッドを持つことができます。
例えば、次のように記述します。
constructor(name) {
this.name = name;
}speak() {
console.log(`${this.name}が鳴いています`);
}
}
この例では、Animalという親クラスを定義しています。
Animalクラスには、nameというプロパティと、speakというメソッドが含まれています。
このクラスを使えば、他のクラスが共通の動作(ここでは鳴く機能)を持つようにでき、コードの重複を避けることができます。
親クラスを定義することで、後から子クラスを作成してさらに機能を拡張できます。
2. 子クラスを定義する
子クラスを定義する際には、extendsキーワードを使って親クラスを継承します。
これにより、親クラスで定義されたプロパティやメソッドをそのまま引き継ぐことができます。
以下のように子クラスを定義できます。
constructor(name) {
this.name = name;
}
}class Dog extends Animal {
// コンストラクタを定義しない場合、親クラスのコンストラクタが自動的に呼び出される
}const myDog = new Dog(‘太郎’);
console.log(myDog.name); // ‘太郎’
この例では、Dogクラスが親クラスであるAnimalクラスからnameプロパティを継承しています。
子クラスを定義することで、親クラスの機能を引き継ぎつつ、さらに機能を拡張することができます。
3. 親クラスのコンストラクタを実行する
親クラスのコンストラクタを実行するためには、super()を使います。
super()は、子クラスのコンストラクタの中で、親クラスのコンストラクタを呼び出すために使われ、親クラスで定義されたプロパティや機能を引き継ぎます。
例えば、次のように書けます。
constructor(name) {
this.name = name;
}
}class Dog extends Animal {
constructor(name, breed) {
super(name); // 親クラスのコンストラクタを呼び出す
}bark() {
console.log(`${this.name}が吠えています`);
}
}
この例では、Dogクラスのコンストラクタでsuper(name)を使って、親クラスであるAnimalクラスのnameプロパティを設定しています。
super()を使うことで、親クラスの機能を継承することができます。
親クラスのコンストラクタを実行することで、親クラスの基本機能を正しく引き継ぎ、さらに機能を拡張できるようになります。
4. 子クラスに新しいプロパティやメソッドを追加する
子クラスでは、親クラスのプロパティやメソッドを引き継ぐだけでなく、独自の新しいプロパティやメソッドを追加することができます。
これにより、親クラスの基本機能に加えて、子クラスに特有の動作や情報を持たせることができます。
例えば、次のように書けます。
constructor(name) {
this.name = name;
}speak() {
console.log(`${this.name}が鳴いています`);
}
}class Dog extends Animal {
constructor(name, breed) {
super(name); // 親クラスのプロパティを引き継ぐ
this.breed = breed; // 新しいプロパティを追加する
}bark() {
console.log(`${this.name}が吠えています`);
}
}
この例では、Dogクラスが親クラスであるAnimalクラスからnameプロパティを継承していますが、子クラス独自のbreedというプロパティを追加しています。
また、barkという新しいメソッドも定義されています。
これにより、親クラスの基本機能に加えて、子クラスで独自の機能を持たせることができ、柔軟なクラス設計が可能になります。
5. 親クラスのメソッドをオーバーライドする
親クラスのメソッドをオーバーライドすることで、親クラスで定義されたメソッドの動作を子クラスで変更することができます。
オーバーライドとは、親クラスのメソッドを子クラスで上書きして、新しい動作を定義することを意味します。
次の例を見てみましょう。
constructor(name) {
this.name = name;
}speak() {
console.log(`${this.name}が鳴いています`);
}
}class Dog extends Animal {
speak() {
console.log(`${this.name}が吠えています`); // 親クラスのspeakメソッドをオーバーライド
}
}const myDog = new Dog(‘太郎’);
myDog.speak(); // ‘太郎が吠えています’
この例では、親クラスAnimalのspeakメソッドが子クラスDogでオーバーライドされています。
親クラスではspeakメソッドが「鳴いています」というメッセージを出力しますが、子クラスでは「吠えています」というメッセージに変更されています。
オーバーライドは、継承されたメソッドの動作をカスタマイズしたい場合に役立つ機能です。
6. クラスのインスタンスを作成する
クラスのインスタンスを作成するためには、newキーワードを使います。
newキーワードを使うことで、クラスから新しいインスタンスを生成し、クラスで定義されたプロパティやメソッドをそのインスタンスに適用できます。
constructor(name) {
this.name = name;
}speak() {
console.log(`${this.name}が鳴いています`);
}
}// インスタンスの作成
const myAnimal = new Animal(‘太郎’);
myAnimal.speak(); // ‘太郎が鳴いています’
この例では、AnimalクラスからmyAnimalというインスタンスが作成され、クラスのプロパティであるnameとメソッドであるspeakが使えるようになっています。
newを使うことで、クラスをもとにして具体的なオブジェクトを生成し、そのオブジェクトに対してクラスで定義した動作を行わせることができます。
クラスのインスタンスを作成することで、同じ設計に基づいた複数のオブジェクトを効率的に扱うことができます。
JavaScript Class(クラス)の応用的な使い方
JavaScriptのClassは、基本的な使い方に加えて、より高度で柔軟な使い方も可能です。
ここでは、JavaScript Classの応用的な使い方について、詳しく解説します。
- シングルトンパターン
- ミックスイン
- ファクトリーパターン
- 抽象クラスと継承
- プライベートフィールドとメソッド
これらの応用的な使い方をマスターすることで、JavaScriptのClassをより効率的に活用し、柔軟で再利用性の高いコードを書くことができるようになります。
※コード例とどんな時に使うのか紹介、必要だと感じた見出しがあれば追加お願いいたします
シングルトンパターン
シングルトンパターンは、あるクラスのインスタンスが1つしか存在しないことを保証するデザインパターンです。
例えば、設定情報やログ管理、データベース接続などがその典型例です。
以下はシングルトンパターンの例です。
constructor() {
if (Singleton.instance) {
return Singleton.instance;
}
Singleton.instance = this;
this.data = ‘初期データ’;
}getData() {
return this.data;
}setData(newData) {
this.data = newData;
}
}const instance1 = new Singleton();
const instance2 = new Singleton();console.log(instance1 === instance2); // true, どちらも同じインスタンス
instance1.setData(‘新しいデータ’);
console.log(instance2.getData()); // ‘新しいデータ’, 同じインスタンスを参照
この例では、Singletonクラスのインスタンスが最初に作成された時、それがクラスの静的プロパティとして保存され、以降は同じインスタンスが返されるようになっています。
instance1とinstance2は同じオブジェクトを指しているため、データの変更が共有されます。
シングルトンパターンを使うことで、リソースの効率化や状態管理を簡素化でき、コードの一貫性を保つことができます。
ミックスイン
ミックスインは、複数のクラスから特定の機能やメソッドを取り入れるための手法です。
JavaScriptではクラスの継承は1つしかできませんが、ミックスインを使うことで、別のクラスやオブジェクトからメソッドをコピーして柔軟に機能を追加することができます。
ミックスインは、異なる機能を複数のクラスに共有したいときや、コードの再利用を効率化したい場合に役立ちます。
次の例は、別のオブジェクトのメソッドをクラスに追加する方法です。
fly() {
console.log(`${this.name}が飛んでいます`);
}
};class Animal {
constructor(name) {
this.name = name;
}
}class Bird extends Animal {
constructor(name) {
super(name);
}
}// Birdクラスにflyableオブジェクトのメソッドを追加
Object.assign(Bird.prototype, flyable);const myBird = new Bird(‘ツバメ’);
myBird.fly(); // ‘ツバメが飛んでいます’
この例では、flyableというオブジェクトがflyというメソッドを持っており、それをBirdクラスにミックスインしています。Object.assignを使って、flyableのメソッドをBirdクラスに追加することで、Birdクラスに飛ぶ機能を持たせています。
ミックスインを使うことで、複数の機能を柔軟に組み合わせてクラスに追加でき、再利用性の高いコードを効率的に作成できます。
ファクトリーパターン
ファクトリーパターンは、オブジェクトの生成をクラスの外部に委ね、必要に応じて異なる種類のオブジェクトを動的に作成するためのデザインパターンです。
このパターンを使うことで、オブジェクトを生成する処理を統一的に管理でき、特定の条件に応じて適切なオブジェクトを作成することができます。
ファクトリーパターンは、クラスのインスタンス化の手続きが複雑な場合や、生成されるオブジェクトの種類を柔軟に変えたい場合に役立ちます。
次の例では、createAnimalというファクトリーメソッドを使って、条件に応じて異なるオブジェクトを作成する方法を示しています。
constructor(name) {
this.name = name;
}speak() {
console.log(`${this.name}が吠えています`);
}
}class Cat {
constructor(name) {
this.name = name;
}speak() {
console.log(`${this.name}が鳴いています`);
}
}function createAnimal(type, name) {
if (type === ‘dog’) {
return new Dog(name);
} else if (type === ‘cat’) {
return new Cat(name);
} else {
throw new Error(‘Unknown animal type’);
}
}
const myDog = createAnimal(‘dog’, ‘ポチ’);
const myCat = createAnimal(‘cat’, ‘ミケ’);
myDog.speak(); // ‘ポチが吠えています’
myCat.speak(); // ‘ミケが鳴いています’
この例では、createAnimalというファクトリーメソッドを使って、DogクラスやCatクラスのインスタンスを条件に応じて作成しています。
このように、ファクトリーパターンを使うことで、オブジェクト生成のロジックを分離し、柔軟に異なる種類のオブジェクトを作成できます。
ファクトリーパターンを使うことで、複数のオブジェクトの生成を統一的に管理し、柔軟で再利用性の高いコードを効率的に作成できます。
抽象クラスと継承
抽象クラスは、他のクラスが継承するための基盤として機能し、直接インスタンス化はできません。
JavaScriptでは抽象クラスという機能はありませんが、通常のクラスを使って抽象クラスのように動作させることが可能です。
constructor(name) {
if (new.target === Animal) {
throw new Error(‘このクラスは抽象クラスとして使われます’);
}
this.name = name;
}speak() {
throw new Error(‘speakメソッドはサブクラスで実装してください’);
}
}class Dog extends Animal {
speak() {
console.log(`${this.name}が吠えています`);
}
}class Cat extends Animal {
speak() {
console.log(`${this.name}が鳴いています`);
}
}const myDog = new Dog(‘ポチ’);
const myCat = new Cat(‘ミケ’);
myDog.speak(); // ‘ポチが吠えています’
myCat.speak(); // ‘ミケが鳴いています’
この例では、Animalクラスは抽象クラスのように定義され、speakメソッドは具体的なサブクラス(DogやCat)で実装されています。
また、Animalクラス自体をインスタンス化しようとするとエラーが発生するようになっており、抽象クラスとしての役割を果たしています。
継承を使うことで、共通の動作を基盤クラスにまとめつつ、サブクラスでその動作を具体的に定義できるようになり、コードの再利用性を高めることができます。
プライベートフィールドとメソッド
プライベートフィールドやメソッドは、クラスの外部から直接変更したり参照できないプロパティやメソッドです。
JavaScriptでは、「#」を使ってプライベートフィールドやメソッドを定義できます。
次の例では、プライベートフィールドとメソッドを使って、外部からアクセスできないプロパティとメソッドを定義しています。
#count = 0; // プライベートフィールドincrement() {
this.#increaseCount(); // プライベートメソッドを呼び出す
}#increaseCount() { // プライベートメソッド
this.#count++;
console.log(`現在のカウント: ${this.#count}`);
}
}const counter = new Counter();
counter.increment(); // ‘現在のカウント: 1’
counter.increment(); // ‘現在のカウント: 2’// 外部からはプライベートフィールドやメソッドにアクセスできない
console.log(counter.#count); // エラー: プライベートフィールドにはアクセスできません
counter.#increaseCount(); // エラー: プライベートメソッドにはアクセスできません
この例では、#countというプライベートフィールドと、#increaseCountというプライベートメソッドが定義されています。
プライベートフィールドとメソッドを使うことで、クラス内のデータの保護やカプセル化を強化し、より安全で管理しやすいコードを作成することができます。
まとめ:JavaScriptのClass(クラス)は大規模開発に便利
今回は、JavaScriptのClass(クラス)とは何か、その使いどころや基本構文、応用的な使い方について解説してきました。
最後に、JavaScriptのクラスのメリットをまとめます。
- クラスはオブジェクトの設計図として機能し、コードの再利用性やメンテナンス性を向上させる。
- 継承を活用することで、親クラスの機能を子クラスに効率的に引き継ぐことができる。
- プライベートフィールドやメソッドを使用することで、クラスの内部構造を外部から隠蔽し、安全に管理できる。
ただし、クラスやオブジェクト指向の概念を深く理解するには、時間がかかる場合もあります。
そこで、複雑なプログラムの実装を簡単にしたい場合には、AIを活用した開発ツールJiteraがおすすめです。
Jiteraを使うことで、コーディングの負担を大幅に軽減し、短期間でプロジェクトを効率的に進めることができます。
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