コンピューターやネットワークに関する仕事をしている人は、「ログ解析」という単語を耳にしたことがあるはずです。
ただ、ログ解析の意味や目的を正しく理解していない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんなログ解析の概要や重要性、ログ解析を行う方法やAIとの関連性について解説します。
ネットワーク機器やOS、その上で動作するアプリケーションはすべて、ログと呼ばれるファイルに記録されています。ネットワークの障害やアプリケーションの動作不良などのトラブルが発生したときは、ログを参照して原因を解明します。
ログ解析についてより良く知りたい方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
現役のシステムエンジニアとして10年程度のキャリアがあります。 Webシステム開発を中心に、バックエンドからフロントエンドまで幅広く対応してきました。 最近はAIやノーコードツールも触っています。
アクセスログ解析とは

ネットワーク機器やOSなど、インターネットを介して動作するシステムはすべて、その履歴が「ログ」と呼ばれるファイルに記録されています。そのログを解析していくことが「ログ解析」にあたりますが、その定義や実施目的については知らない方も多いのではないでしょうか。
こちらでは、アクセスログ解析の概要について詳しく解説いたします。ログ解析に関する基本的な情報について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
アクセスログ解析の定義
アクセスログ解析は、ログ管理ツールなどを用いて取得・集計したログのデータを基にネットワーク機器やアプリケーション、OSの利用状況や社員毎の業務状況を分析することを指します。ログにはインターネットを介した動作のすべてが記録されており、それらを参照することで、動作不良やバグの発生などのトラブル時にも適切に対処することができます。
具体的には、Webサイト運営者がアクセス履歴などをもとに訪問者の傾向などを解析することや、トラフィック分析やセキュリティ対策を目的として、ファイアウォールやUTM、プロキシなどの通信ログを確認することをログ解析と言います。企業におけるログ解析の実施は、安定的なインターネット環境の維持とサービスクオリティの担保を実現するために欠かせません。
アクセスログ解析の目的
アクセスログ解析は、主に以下の二点を目的に実施されます。
- インシデント発生時の調査
 - サイバー攻撃や内部不正の検知
 
アクセスログ解析を実施することで、ネットワーク機器やアプリケーションの動作不良やシステムエラーなどのインシデント発生時に適切な調査と対策を実施できます。
ログ解析によって、インシデント発生時に「誰が・どこで・何を・どのように」操作していたのかを明確にすることができるため、根本原因となる通信の特定を容易に実行することができます。実際に、レスポンス遅延の原因として特定IPから大量の不正リクエストが送信されていることが分かるといった事例があります。
インシデントは予期せぬタイミングで発生することがほとんどですが、発生後には迅速な対処が求められるため、いつでもログ解析を実行できる状況を整えておくことが重要です。適切な原因解明は、再発防止にもつながるため、インシデント発生時にはログ解析を必ず行いましょう。
また、アクセスログ解析はサイバー攻撃や内部不正を検知した際にも実施されます。定期的にログ解析を行うことで、外部からの攻撃の兆候にいち早く気付くことができるでしょう。
具体的には、異常なトラフィック量が発生していることをシステムが発信した際、すぐにログ解析を行うことで、サイバー攻撃による被害を未然に防ぐことも可能です。
昨今はVPNを踏み台とした攻撃も多いので、ログ解析でVPNのログイン認証で繰り返し失敗している人物を検知できれば、サイバー攻撃をブロックすることもできるでしょう。大手ECサイトでは、トラフィック増加時のサーバー負荷を特定し、システム障害を未然に防ぐために活用されています。
また、内部からの不正アクセスも、ログ解析を実施することで、業務時間外で通信が行われていないかなどをチェックすることができます。ログ解析を行うことで、企業におけるリスク管理にもつながります。
なお、企業規模によって、アクセスログ解析にかけられるリソースや目的は異なります。中小規模企業では無料ツールを活用し、大規模企業ではAIやビッグデータ解析ツールを導入するケースが一般的です。
アクセスログ解析の重要性

アクセスログには企業の重要なデータが詰まっています。アクセスログ解析は企業の安定的なインターネット環境を保持するために実行すべきタスクの一つです。
こちらでは、アクセスログ解析の重要性を解説いたします。企業におけるアクセスログ解析の主な目的は、以下の2点です。
- システム監視の最適化
 - セキュリティリスクの低減
 
それぞれについて詳しく説明していきます。
システム監視の最適化
目的:システムの安定稼働と効率的な運用
アクセスログ解析は企業におけるシステム監視の役割を果たします。ログ解析を実施することで、社員がシステムを「いつ・誰が・どこで・どのように」使用したのかを明確にすることが可能で、それは効率的な運用に繋がります。
システム監視の具体的な手順は以下のとおりです。
- 定期的なログの収集:監視対象となるシステム(Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーなど)からアクセスログを収集します。
 - 各ログエントリーのリアルタイム解析:ログ監視ツールを活用し、リアルタイムにログを監視します。
 - モニタリング指標とアラートの設定:異常を検知した場合に、管理者へ自動的に通知するアラートを設定します。
 - 自動アラートやスクリプトによる対応手順の整備:ログ分析の結果を定期的にレポートとして出力し、システム状況のトレンドを把握します。
 
モニタリング指標とアラートの例としては、HTTPエラー率5%以上、レスポンスタイム2秒以上、CPU利用率80%以上などが挙げられます。
これらの手段により、システムエラーが発生した際も迅速な対応を実現することができます。予期せぬエラーが発生した時も、ログ解析によってすぐに原因を解明することで、企業が被るダメージを最小限に留めることが可能です。また、原因をしっかりと突き止めることが、再発防止にも繋がるため、リスク管理の一環としてシステム監視を目的としたログ解析を実施することが重要です。
セキュリティリスクの低減
目的:企業のネットワークとシステムの包括的な保護
アクセスログ解析は企業におけるセキュリティ対策の一手段としても有効です。定期的なログ解析は、企業のネットワークに対する不審な動きを素早く補足することに繋がります。
アクセスログ解析により、企業システムやネットワークへのアクセスを複数回ブロックされているアカウントや人物を見つけた場合、何かしらの攻撃を受けていることを疑うこともできるでしょう。また、ログ解析ではシステムやネットワークにアクセスした場所や時間まで分かるので、内部からの不正なアクセスについても調べることができます。
ログ解析を実施することで、企業システムやネットワークに対する脅威を全方面から防御することが可能となります。情報セキュリティを高めるためにも、企業では定期的にログ解析を実施することが重要です。
また、近年ではセキュリティ脅威は高度化・巧妙化しており、従来のセキュリティ対策だけでは対応が困難になっています。アクセスログ解析により不審な通信パターンを検知することで、ランサムウェア攻撃やフィッシング詐欺といった最新のセキュリティ脅威も検知できます。
さらに、GDPR等の個人情報保護や情報セキュリティに関するコンプライアンス要件に対応するため、以下の手段を実施します。
・一定期間のログ保管
・監査ログの整合性チェック
・アクセス権限の厳密な管理
これらの具体的な手段により、企業システムやネットワークに対する脅威を全方面から防御し、情報セキュリティを高めることができます。
アクセスログ解析の方法

システムやネットワーク、アプリケーションの安全性を保つためにもアクセスログ解析を実施することは大切です。しかし、実際にはどのような形でログ解析を行うべきなのでしょうか。
こちらではログ解析の具体的な実施方法について解説します。ログ解析の実施を検討している方は、こちらの内容を参考にしてみてください。
マニュアルによる解析
ログ解析は基本的に、専門的な知識と技術を有した人物が実施することになります。マニュアルでのアクセスログ解析には、LinuxをはじめとするUNIX系OSや、Windows OSなど、企業で利用するレベルの高機能なネットワーク機器を使用します。
これらOSやネットワーク機器には、Syslogという機能が搭載されており、Syslogを利用することで、システム上に記録されたログを自動的にIPネットワークを介してSyslogサーバーに転送することが可能となるのです。Syslogは、ログをSyslogサーバー上で一元管理するために活用されています。
Windowsシステムでは、イベントログという機能を活用することで、ログの内容を確認することが可能となります。ログの一元管理を行うには、WMI(Windows Management Instrumentation)というインターフェースの利用が必要です。
WMIを利用することで、ネットワーク上の別の機器からWindowsのログにアクセスしてログメッセージを取得することができます。Linuxシステムでは、同様の目的のためにrsyslogやsystemd-journaldなどのツールを使用します。ログの一元管理は、各システムがダウンした際にもログを調査することが可能となるため、セキュリティ保護の観点からも実施すべきタスクとされています。
ログは保管しておくだけでは意味がありません。集約したログは、有事の際に期間で範囲を絞るフィルタリング機能や検索機能を使用して、問題の原因究明に活用する必要があります。
例えば、エラーログから “error” というキーワードを含む行を抽出するには、以下のコマンドを実行します。
また、アクセスログからアクセス頻度の高いURLを抽出するには、以下のコマンドを実行します。
アクセスログの形式は、Webサーバーやアプリケーションによって異なりますが、代表的なものとして 共通ログ形式 (CLF: Common Log Format) と 結合ログ形式 (Combined Log Format) があります。共通ログ形式は、IPアドレス、リクエスト日時、リクエスト方法、ステータスコード、転送量などを含み、以下のようなログが出力されます。
マニュアルでログ解析を実施するには、ログを集約するスキルと、集約したログを正しく解析するスキルが求められます。
ツールを利用した解析
マニュアルでのログ解析では、専門性の高い知識やスキルが求められましたが、アクセスログ解析ツールを使用することで、高度な技術を有さなくともログ解析を実施できるようになりました。ログ解析ツールの中には、ログの保管を目的とする機能と、保管したログの解析を行う機能が含まれます。
アクセスログ解析ツールでは、ログの収集・保管機能の他にも、ログに関する情報を提供するレポート機能やコンプライアンス監査に適合させるための機能、システムやネットワークに対する不審な動作を検知する機能が含まれます。
アクセスログ解析ツールを選定する際には、以下の基準を考慮することが重要です。
- ログ収集・管理機能:対応ログ形式、ログ収集方法、ログ保管形式
 - 解析機能:リアルタイム監視に対応しているか、異常検知機能の仕組み、可視化の仕組み
 - セキュリティ機能:ツールへのアクセス権限を制御できるか、ログデータを暗号化して保管できるか。
 - スケーラビリティ: ログ量の増加やアクセス数の増加に対応できるスケーラビリティを備えているか。
 - コスト:導入費用、運用費用 (ライセンス費用、クラウド利用料金など) が予算に見合っているか。
 - 使いやすさ:GUI (Graphical User Interface) の操作性、学習コスト、ドキュメントの充実度などを考慮する。
 
アクセスログ解析を導入・開始したいと考えている人は、アクセスログ解析ツールの使用を開始しても良いでしょう。
アクセス解析ツールのタイプ

アクセス解析ツールにはさまざまなタイプがあります。代表的なものをいくつか挙げると、Webビーコン、サーバーログ型、パケットキャプチャリング型の3つのタイプがあります。ここでは、この3つのタイプについて解説します。
各タイプの比較表は以下のとおりです。
| タイプ | 長所 | 短所 | 導入コスト | 運用コスト | 
| Webビーコン型 | 導入が容易で、コストをかけずに始められる。 | ブラウザの設定や広告ブロック機能により計測されない場合がある | 無料ツールから高機能な有料ツールまで幅広い | ツールの利用料(有料ツールの場合) | 
| サーバーログ型 | Webビーコンでは取得できないサーバー側の情報(HTTPステータスコード、リクエスト処理時間など)も取得可能 | ログ解析ツールが必要となり、データ量が膨大になることがある。 | サーバー設定の変更や、ログ解析ツールの導入費用がかかる場合がある | ログ解析ツールの利用料(有料ツールの場合) | 
| パケットキャプチャ型 | ネットワーク全体の通信を詳細に記録するため、Webサーバーだけでなくネットワーク全体の状況を把握できる。 | 導入・運用に高度な専門知識と、高価な専用機器が必要となる | 高価な専用機器(パケットキャプチャリングツール、ネットワークタップなど)が必要 | 専用機器の運用・保守コスト | 
Webビーコン

Webビーコンは、ウェブサイトやアプリ内で使用される小さな画像やコードの断片になります。これらは、ユーザーの行動やアクションをトラッキングし、データを収集するために利用されます。例えば、ページの読み込みやクリックなどのイベントを追跡し、その情報を分析してマーケティング戦略の改善やユーザー体験の向上に役立てます。ユーザーからは視認できず、透明な画像や非表示のスクリプトとしてウェブページに組み込まれます。タグの埋め込み型ツールの代表的なものには、Googleアナリティクスがあります。使われたことがある方も多いのではないでしょうか。
サーバーログ型

アクセスログの中で、特定のウェブサーバーが生成するログ形式をサーバーログ型といいます。これは、ウェブサーバーに対するHTTPリクエストに関する情報を記録するための形式です。ログ情報としては、リクエストの日時、リクエストされたURL、クライアントのIPアドレス、リクエストのレスポンスコードなどが含まれます。
サーバーログ型のアクセスログは、ウェブサーバーが受け取ったリクエストやクライアントとの通信に関する詳細な情報が含まれています。これにより、ウェブサイトのトラフィックやアクセスパターン、セキュリティ上の問題などを分析できます。また、サーバーのパフォーマンスや応答時間をモニタリング用としても活用されます。
一般的に、サーバーログ型のアクセスログはテキスト形式で保存されます。さまざまなツールやソフトウェアを使って、ログファイルを解析し、必要な情報を抽出したり可視化したりすることができます。これにより、ウェブサイトの運営やセキュリティ対策、最適化などに役立てられます。
パケットキャプチャリング型

パケットキャプチャリング型はネットワーク上の通信データをリアルタイムでキャプチャし、その内容をログとして保存する方法になります。よく使われるのが、ネットワーク機器やサーバーに設置されたキャプチャリングツールです。この方法は、送受信されるパケットの詳細な情報が記録されます。
アクセスログには、通信の発信元と宛先のIPアドレス、使用されたポート番号、通信プロトコル、データの内容などが含まれます。これにより、ネットワーク上で行われている通信トラフィック、パフォーマンス、そしてセキュリティに関する情報を把握できます。
パケットキャプチャリング型のアクセスログは、Wiresharkやtcpdumpなどのキャプチャツールを使用して収集され、ログファイルとして保存されます。これらのツールは通常、詳細なフィルタリングや解析機能を提供しており、ネットワーク管理やセキュリティ管理に重要な役割を果たします。
アクセスログ解析ツール

次に、企業への導入におすすめのアクセスログ解析ツールを5選紹介します。
アクセスログ解析ツールの使用開始を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
アクセスログ解析ツールには無料のものと有料のものがあります。それぞれの違いは以下のとおりです。
| 項目 | 無料ツール | 有料ツール | 
| 導入コスト | 無料 | 月額・年額ライセンスが発生 | 
| 機能 | 基本的なアクセス解析機能(ページビュー、ユーザー数、セッション数、流入元など) | 高度なアクセス解析機能(競合分析、ユーザー行動分析、AIによる分析など) | 
| スケール | 小規模〜中規模のWebサイト向け。 | 中規模〜大規模のWebサイト向け。 | 
| 拡張性 | 標準機能に制限があることもある | API連携や柔軟なカスタマイズが可能 | 
Dockpit

Dockpitは、デジタルマーケティングを促進するためのリサーチエンジンです。国内最大規模250万人のWeb行動ログデータをもとに、競合・市場調査、ユーザー理解を実現します。Dockpitは、ビジネスの意思決定や目標達成のサポートにも役立てられます。
Dockpitでは、URLを入力するだけで、自社サイトだけでなく、競合サイトのアクセス状況や集客構造を直観的に把握することができます。ログ解析に関する専門的な知識を有さなくとも、一目でサイトに関する情報を把握することができるので、従業員全体での意識共有にも活用することが可能です。
また、指定した業界全体のサイト規模や数の推移や業界シェアやサイトランキングをタイムリーに把握することもできます。集約した情報は、マーケット全体の動向を理解・先読みしたプランニングに活用することができるでしょう。
キーワードを軸に消費者ニーズをつかむこともできるので、最適なビジネスの展開を実現することも可能です。ログ解析をビジネスの後押しに活用したい方は、Dockpitを活用してみてください。
なお、Dockpitの料金はカスタマイズ可能で、企業規模や利用目的に応じたプランが提供されます。また、公式サイトではデジタルマーケティングにおける競合分析や、市場予測、潜在ニーズ発見といったさまざまな企業での活用事例が掲載されています。
Elastic Stack

Elastic Stackは、Elasticsearch、Logstash、Kibana、Beatsなどから構成されるオープンソースのログ管理・分析プラットフォームです。大規模なアクセスログを高速に検索、分析し、柔軟な可視化が可能です。
Elasticsearchでログの検索や分析を行い、Kibanaでレポート化します。LogstashやBeatsはデータ取り込みの機能を持ちます。これらの機能を組み合わせることで、大量のアクセスログを高速に検索し可視化し、トラフィックパターンの異常検知やネットワーク障害の検知が可能です。
料金プランとしては基本機能が利用できる無料版と、サポート契約や追加機能を付与したエンタープライズ版があります。エンタープライズ版は月額1250ドルから利用可能です。
グレイログ (Graylog)

Graylogは、オープンソースのログ管理・解析ツールです。
多数のサーバーログ、システムログを一元管理でき、リアルタイムでのログストリーム解析やカスタマイズ可能なダッシュボードによる可視化が可能です。
Graylogを導入することで、各種ログの統合管理と異常ログの早期検知が可能となり、システム障害発生時の原因追及を効率よく行えます。
料金プランとしては基本機能が利用できる無料版と、サポート契約や追加機能を付与したエンタープライズ版があります。エンタープライズ版は月額1250ドルから利用可能です。
【無料】Nagios

Nagiosは、システムやネットワークの監視に特化したツールです。OSSのため無料で利用できます。
Nagiosは、アクセスログ自体の解析だけでなく、サーバーの状態監視も行える点が特徴です。ネットワークデバイスやサーバーの状態監視が可能で、異常検知時にはアラートを送信します。
システムとネットワーク全体を監視するツールとして多くの導入実績があり、不正アクセスや障害検知のために使われています。
【無料】Log Parser

Log Parserはデータソースに対し一般的なクエリアクセスを提供する強力で多目的に利用できるツールです。ログファイルやXML ファイル、CSV ファイルといったテキスト データだけではなく、イベント ログ、レジストリ、ファイル システム、Active Directory® といった Windows® オペレーティング システム上のデータ ソースに対し一般的なクエリ アクセスを提供します。
必要な情報やその処理方法をクエリとして記述するだけではなく、カスタマイズ可能な形式のテキスト出力、さらに SQL、SYSLOG、チャートのような特別な形で出力することが可能です。
Log Parserは言語を指定すれば無料でダウンロードすることができるため、導入コストをかけずにログ解析を行いたい方や、個人の方にもおすすめのツールとなっています。
AIを利用したアクセスログ解析

幅広い分野からのニーズを獲得しているログ解析は、今や安定的な企業の運営において不可欠なタスクとなっています。そんななかで、ログ解析は時代の変化に伴い、さらなる進化を遂げています。
AIログ解析の方法としては、 機械学習アルゴリズムを用いて通常時のログパターンを学習後に異常なアクセスパターン(例:通常時と比較して急激に発生する特定IPからのリクエスト)を自動検出する仕組みを構築するなどが挙げられます。
実際にAIログ分析ソリューションを提供している企業もあります。
ここでは、AIを利用したログ解析について解説します。近年、非常に注目されているAI技術が、ログ解析にも取り入れられました。AIを活用したログ解析を実施するメリットや課題について説明していきます。AIを利用したリグ解析について詳しく知りたい方は、こちらの内容を参考にしてみてください。
AIログ解析のメリット
ログ解析にAI技術を取り入れることで、以下のようなメリットを獲得することができます。
- 迅速なデータの並べ替え
 - 自動的な問題の検出
 - 重要な情報のピックアップ
 
ログ解析を実施するために収集されたデータは、AIによって自動的に並べ替えが行われます。AIは類似したログをグループ化し、ログをより整理された状態に保つため、ログを参照する際に、必要な情報が見つけやすくなります。従来はマニュアル作業で実施していたデータの並べ替えも、AIが自動で行ってくれるため、業務負担の軽減に繋がります。
また、AIがログ内の問題を自動で検出することで、膨大なデータを取り扱っている場合でも、異常をすぐに察知することが可能となります。問題の検知は、リスクを最小限に抑えることにも繋がるため、扱うデータ数が多い場合には、AIを活用することをおすすめします。
さらに、AIはログ内のデータの中から重要な情報を自動でピックアップするため、トラブル発生時のスムーズな対応を実現することも可能です。従来のログによるアラート検知は、不要な通知が発生することも多く、本当に問題が発生した際に気付きづらいというマイナス面がありました。しかし、AIは情報を厳選し、対処が必要な事例のみを伝達します。
システムやネットワークの安全性を維持するために、ログ解析におけるAIは活用されています。
AIログ解析の課題
AIログ解析における課題の一つが、学習データの不足です。AIをログ解析に導入する目的は複数ありますが、基本的には先ほど紹介した通り、データの並べ替えや問題の検出、重要な情報の取捨選択などが挙げられます。
AIが情報の取捨選択を判断するには、情報ごとの違いを学習するためのデータが必要となります。AIを導入するためには、その機能を活用するためのデータを事前に用意しなければなりません。事前情報がないままでは、使用開始することができないという点は、AIログ解析の課題であると考えられます。
また、AIによる解析には限界があり、学習に依存するためゼロデイ攻撃や未知の攻撃パターンの検知は困難な場合もあります。よって、最終的な判断や監視は専門のセキュリティ担当者による人間の目でのチェックが必須です。
今後様々な企業のデータを学習したAIログ解析ツールがリリースされることも予想されます。ログ解析にAI技術を取り入れるときは、今回紹介したような課題も考慮する必要があります。
アクセスログ解析の将来性

アクセスログ解析は今後どのように活躍の幅を広げていくのでしょうか。ここでは、ログ解析の将来性について解説します。ログ解析の導入や、アクセスログ解析に関する情報をお求めの方は、こちらの内容を参考にしてみてください。
AI技術の発展
ログ解析は、AI技術を取り入れることで、より利便性を高めることが可能となります。従来はマニュアル作業で行っていたデータの確認や分別、並べ替えなどを、AIが代わりに担うことが予想されています。
今後はAIとビッグデータ技術によるリアルタイム分析がさらに発展すると予測されています。また、IoTデバイスからのログ統合解析や、クラウドサービス間での統合監視といったユースケースが想定されます。
データの管理・取捨選択をAIが担当することで、見逃しなどのヒューマンエラーを防ぐことができるだけでなく、主観や経験の混じらない客観的な判断のもと、システムやネットワークにおける異常や問題を検索することが可能となります。
また、従業員の業務負担軽減にも繋がるため、今後より多くの企業でAI技術を取り入れたログ解析が実施されることとなるでしょう。
解析範囲の拡大
アクセスログ解析はAI技術を取り入れることで、ログの構造を意識せずに多様なログパターンを自動で抽出することができるようになります。従来のログ解析ツールではプログラムによるログ分析のためのフォーマット定義や高度なログ分析経験が求められましたが、これからのログ解析ツールでは、属人性の排除と業務負担の軽減などを実現することが可能となります。
最新の市場調査レポートでは、ログ管理市場は2029年まで年平均成長率10%以上で拡大すると予測されています。
ツールによる解析範囲の拡大により、より有用性が高まるアクセスログ解析は、今後も幅広い分野での活躍が予想されています。
ログ解析のまとめ

今回は、ログ解析の概要や重要性、具体的なログ解析ツールの紹介を行いました。ログ解析はネットワークやシステム、アプリケーションの安全性や安定性を維持するために不可欠なタスクの一つです。企業はログ解析を実施することで、システム環境の保持やセキュリティ性の向上を目指すことができます。
ログ解析はネットワークに関わる業務を行う上で必ず実施すべき項目です。ログ解析の実施を希望する場合は、ぜひログ解析ツールについて調べてみてください。
また、ログ解析やログ解析ツールの利用でお悩みの方は、実績豊富な株式会社Jiteraに一度ご相談ください。
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