フロントエンドとバックエンドの違いは?開発言語の違いや分ける理由などわかりやすく解説

今回の記事では、初心者が勘違いしやすいフロントエンドとバックエンドの違いについて詳しく探っていきます。

Web開発における重要な要素であるフロントエンドとバックエンドという2つの側面は、両者が明確に役割分担をすることでWebアプリケーションの魅力と機能を実現します。

この記事ではフロントエンドとバックエンドの役割の違い、そしてお互いがどのように影響しあっているのかに焦点を当て、Webサイトやアプリケーション全体がどのように連携しあっているのかを初心者にもわかりやすいように紹介します。

アバター画像
監修者 米谷

国立の情報系大学院で情報工学、主にUI/UXを学んだあと、NTT子会社に勤務。 退社後はフリーランスとして、中小規模事業者様のIT化、業務自動化を支援しています。 DX推進の提案やPythonなどを用いた専用RPAツール開発のほか、市営動物園の周年企画などにもITエンジニアとして参画させていただきました。

\エキスパートが回答!/
この記事に関する質問はこちら
記事に関するご質問以外にも、システム開発の依頼やAIの導入相談なども受け付けております。

    会社名必須
    必須
    必須
    Eメール必須
    電話番号必須
    ご依頼内容必須

    フロントエンドとバックエンドの役割の違いについて

    フロントエンドとバックエンドとは何か?

    まずはフロントエンドとバックエンドの役割の違いについて、ざっくりと理解していきましょう。

    フロントエンド バックエンド
    担当部分 ユーザーが直接目にする部分や操作する部分。Webページの外観と動作を担当。 サーバー上で行われる裏方の処理。Webサーバーの処理やデータベースの管理を担当。
    役割 ユーザーがWebページ上でクリックやスクロール、入力した際に、ページがどのように反応するかを制御する。 ユーザーの行動に対する応答やデータの処理を設計する。
    主な要素
    • HTML
    • CSS
    • JavaScript
    • データベース管理
    • セキュリティと認証
    • リクエストの処理

    フロントエンドは、ユーザーが直接目で見る部分で、Webページの外観と動作を担当します。より簡単に言えば「ユーザーがWebページ上でクリック・スクロール・入力などを行う際に、それに応じてページがどのように反応するかを制御する部分」であり、HTML、CSS、JavaScriptの他にReact、Vue.js、Angularなどのフレームワークも使用されます。

    一方、バックエンドはWebサーバー上で行われる裏方の処理を担当します。より簡単に言えば「ユーザーの行動に対する応答やデータの処理を担当する部分」であり、データベース管理、リクエストの処理、API設計と実装、セキュリティ管理、認証処理などの役割も持ちます。

    フロントエンドとバックエンドの具体例

    フロントエンドの具体例

    フロントエンドWebページの外観や操作を担当します。ユーザーがWebページに対して操作(クリック入力、スクロールなど)をしたときに、フロントエンドではそれに反応してWebページがどう動くかを決めています。

    フロントエンドではユーザーインタフェースが重要になるため、Webページがユーザーにとってどのように見えどのようにしたら使いやすくできるかを考えることになります。

    例えば、ショッピングサイトの製品一覧ページについて考えた場合、フロントエンドは以下のような作業を担当します。

    • 画像、名前、価格、説明など、各製品の情報を一覧表示。
      • 製品ごとに、右下に「カートに追加」ボタンなどを設置してもよいでしょう。
    • 製品の説明や画像を見やすく整理し、色や枠、飾りつけ、レイアウトやスタイルを設定します。
      • デスクトップPCでもスマホ端末でも見やすいように、レスポンシブデザインを取り入れることが重要です。
    • 「カートに追加」ボタンをクリックしたときに、選択した製品をショッピングカートに追加する機能や追加したことをわかりやすくポップさせるマークの実装。
    • フィルターやソート機能を実装

    このように、フロントエンドでは主にユーザーがWebページを快適に操作できるように工夫します。

    フロントエンドについては、以下の記事でより詳しく解説していますので合わせて御覧ください。

    関連記事
    フロントエンド開発とは?基本の開発フローや使用言語を解説
    フロントエンド開発とは?基本の開発フローや使用言語を解説

    バックエンドの具体例

    バックエンドWebアプリケーションの裏方を担当し、Webサーバーとデータベースの管理をします。データの保管やセキュリティを守りつつ、ユーザーからの要求に応じて正しい情報を提供するのがバックエンドの役割です。

    バックエンドはWebアプリケーションの “頭脳” で、論理処理やユーザーアカウント、通信と連携など、様々な役割を果たしています。
    とくにデータベース管理とAPIの実装は、バックエンドの重要な役割となります。
    ※API(Application Programming Interface)とは、Webアプリケーションが他のアプリケーションと連携する手段です。簡単に言えば、APIはコンピューター同士のコミュニケーションの仲介人のようなものです。

    例えば、フロントエンドと同じくショッピングサイトについて考えた場合、バックエンドでは以下のような作業を担当します。

    • 商品データベースの管理
      • ユーザーの注文情報(商品、数量、価格、配送先情報など)をデータベースに保存し、在庫管理のために商品の在庫数を更新します。
    • 注文リクエストの処理
      • ユーザーが「購入」した場合、サーバーはそのリクエストを受け取り、注文処理を行います。
      • 例えば、クレジットカードの支払い処理や商品データベースの処理、注文確認メールの送信などです。
    • セキュリティと認証
      • 支払い情報を安全に管理するためには、セキュリティや認証も欠かせません。
      • 例えばSSL/TLS暗号化を使用したり、不正注文や詐欺からシステムを守るための対策も講じます。

    バックエンドについては、以下の記事でより詳しく解説していますので合わせて御覧ください。

    関連記事
    バックエンド開発とは?プログラミング言語やエンジニアの業務をわかりやすく解説
    バックエンド開発とは?プログラミング言語やエンジニアの業務をわかりやすく解説

    フロントエンドとバックエンドの求められるスキルの違い

    必要なスキル
    フロントエンドエンジニア
    • プログラミング・コーディング
    • 開発者ツールを扱うスキル
    • デザイン・フレームワークを扱う知識とスキル
    バックエンドエンジニア
    • サーバーサイドの管理・構築・運用
    • データベース管理スキル
    • APIの知識
    • 情報工学に基づく問題解決能力と論理的思考

    フロントエンドエンジニアは、主にユーザーが触れる部分を担当し、Webページやアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)を作成することでユーザー体験を向上させます。一方、バックエンドエンジニアは、Webアプリケーションの裏側でデータ処理やサーバー管理を担当し、アプリケーションの機能性を保ちます。

    フロントエンドエンジニアは、WebページやアプリケーションのUIを作成し、ユーザー体験を向上させることが主な役割です。

    そのため以下のようなスキルが必要となります。

    • Webページ構築スキル
    • UIデザインスキル
    • フレームワークの活用スキル
    • レスポンシブデザインやクロスブラウザ対応のスキル
    • 開発者ツールの操作スキル

    一方、バックエンドエンジニアは、Webアプリケーションの裏側でデータ処理やサーバー管理を担当し、アプリケーションの機能性を保つことが主な役割です。

    そのため、以下のようなスキルが求められます。

    • サーバーサイドのプログラミングスキル
    • データベース設計・構築スキル
    • SQL設計・構築
    • API設計・開発スキル
    • セキュリティや認証・認可の実装スキル
    • 問題解決力と論理的思考力

    フロントエンドとバックエンドの使用言語の違い

    使用言語
    フロントエンドエンジニア
    • HTML
    • CSS
    • JavaScript
    • PHP
     バックエンドエンジニア
    • JavaScript
    • PHP
    • Python
    • Java
    • SQL

    フロントエンド側では主にWebサイトやアプリのユーザーインターフェースを構築するための言語が使用されます。

    • HTML(HyperText Markup Language)
      • Webページの基本的な構造を担当する言語です。テキスト、画像、リンクなどページを構成する要素を配置します。
    • CSS(Cascading Style Sheets)
      • HTMLで定義された要素のスタイル(色、レイアウト、フォントなど)を設定するための言語です。利用者が使いやすいようにページのデザインやレイアウトを美しく整えます。
    • JavaScript
      • UIなどに動的な機能(フォームの検証、アニメーション、データの動的な更新など)を追加するためのスクリプト言語です。インタラクティブな要素を担います。

    また、最近ではより使いやすいデザインや魅力的なサイト構築を目指し以下のような専用のライブラリやフレームワークを使用することも多いです。

    • React
      • Facebookが開発したJavaScript用ライブラリ。インタラクティブで魅力的なUIを効率的に作成・管理します。
    • Vue.js
      • 軽量で柔軟なJavaScriptフレームワーク。Web用UIの構築を強力に支援します。
    • Angular
      • Googleが開発したフル機能のフレームワークで、大規模なWebアプリケーションの構築に適しています。

    また、PHPなどの言語もフロントエンド側で一部使われる場合があります。

    一方のバックエンド側では、サーバー側の処理やデータベース操作を行うための言語が主に使用されます。

    • JavaScript(Node.js)
      • フロントエンドと同じJavaScriptを使用してサーバーサイドの処理を記述することも多いです。またその際は、Node.jsのようなサーバーアプリケーション用実行環境を利用します。
    • PHP
      • Web開発に広く使用されているサーバーサイド用のスクリプト言語。主に動的なWebページの生成に適しています。WordPress等、多くのCMSで使用されています。
    • Python
      • 読みやすく、初心者にも扱いやすく、豊富なライブラリが揃っている汎用プログラミング言語です。データ解析や機械学習にも広く使用されているため、近年の生成AI需要の高まりとともに利用者はますます拡大しています。
    • Java
      • 高い実績と豊富なライブラリ、安全性とスケーラビリティの高さが人気の汎用プログラミング言語です。エンタープライズ向けの大規模システムでよく使用されています。中でもSpringフレームワークなどは様々な実績を持ち、特に人気があるフレームワークです。
    • SQL
      • データベースに対してデータの操作を行うための言語です。バックエンドエンジニアにとっては切っても切り離せない重要な言語です。

    フロントエンドとバックエンドでは扱う処理が異なるため、使用する言語も目的に合わせて使い分けられています。
    PHPやJavaScriptなど、一部の言語は両方の領域で使用される場合もあります。

    フロントエンドとバックエンドのセキュリティリスクの違い

    セキュリティリスク
    フロントエンドエンジニア
    • クロスサイトスクリプティング (XSS)
    • クロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF)
    • サイトやアカウントの乗っ取り
    バックエンドエンジニア
    • SQLインジェクション
    • データの暗号化
    • パッチ適用
    • アクセス制御

    フロントエンド側は、ユーザーが直接触れるインターフェースです。

    そのため、不正なスクリプトの挿入や、偽のリクエストによる権限の不正利用など、ユーザー側から受けるリスクが存在します。

    具体的には、クロスサイトスクリプティング(XSS)やクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)、セッション乗っ取りなどです。

    これらに対しては、ユーザー入力のサニタイズや適切なバリデーションチェック、HTTPSによる安全な通信の確保などの対策が必要になります。

    一方、バックエンド側ではデータベースやサーバー内部の処理を扱います。そのため、不正なデータ操作や認証の不備による内部侵入などのリスクが想定されます。

    SQLインジェクションによるデータベースの改ざん、リモートコード実行の脆弱性、不適切な認証・認可設定による不正アクセス、機密データの漏えいなどです。

    これらに対してはデータのバリデーション、セキュアなAPIの実装、認証の厳格化、定期的なパッチの適用など、内部システムを守るための対策が求められます。

    このようにフロントエンドとバックエンドでは、扱うデータや処理が異なるためセキュリティリスクの観点も変わり、それぞれに合わせた対策が必要となります。

    フロントエンドとバックエンドの開発工程・開発目標の違い

    フロントエンドとバックエンドでは、その役割の違いに応じて開発工程や目標も異なります。
    フロントエンド
    ユーザーのインタラクションや体験を重視し、バックエンドは主にデータ処理やサーバー側のロジック、それらの安定性を重視します。

    例えば以下のような違いに注目すると、より双方の役割についてわかりやすくなります。

    フロントエンド バックエンド
    目的 ユーザー体験 システムの安定性
    必要な開発工程
    • ユーザー体験(UX)の追求と改善
    • 使いやすいユーザーインターフェース(UI)のデザイン
    • 利用者の環境に合わせた互換性の確保
    • 処理ロジックの定義
    • サーバーの構成や管理
    • データベース設計と管理
    • APIの実装
    • 認証やセキュリティ
    開発目標
    • ユーザーが使いやすいシステム
    • 視覚的に魅力的なデザイン
    • スマホなどのモバイルへの対応
    • データの確実な取り扱い
    • ユーザー認証と権限の管理
    • システムの柔軟性や信頼性の確保
    • 外部サービスとの連携
    代表的な評価指標
    • 顧客満足度
    • ページロード時間やFCP(First Contentful Paint)
    • CLS(Cumulative Layout Shift)
    • ブラウザやスマホなどの環境互換性
    RASIS
    • Reliability(信頼性)
    • Availability(可用性)
    • Serviceability(保守性)
    • Integrity(保全性)
    • Security(安全性・機密性)

    まとめ:開発にはフロントエンドとバックエンドのどちらも重要

    フロントエンドとバックエンドは、開発において両方とも欠かせない役割を担っています。

    フロントエンドは、Webサイトやアプリケーションの外見と使いやすさに焦点を当てています。HTML、CSS、JavaScriptといった言語や技術を使用して、ユーザーが快適に利用するための画面を構築します。
    一方、バックエンドは、Webサイトやアプリケーションの裏側で動いているプログラムの開発を担当しています。ユーザーが見えない部分でデータの処理、セキュリティ、データベースの管理などを行います。

    役割が異なれば、必要なスキルや使用する言語も違ってきます。フロントエンドとバックエンドは協力し合い、Webサイトやアプリケーションを完成させます。両方が協力することで、使いやすくて安全なコンテンツが提供可能です。もちろん、双方セキュリティの対策を怠ってはいけません。

    株式会社Jiteraでは、国内実績豊富なエンジニアによる並走支援と高速でパワフルなAIツールにより、様々なWebサービス開発を支援しています。
    Jiteraでは、フロントエンドとバックエンド、どちら側にも精通した優秀なエンジニアが多数在籍しており、AIを活用した開発を通して、高速で高品質な開発を提供します。
    「セキュリティについて疑問や関心がある」「安全で効率的に構築したい」などのお悩みをお持ちの企業様。
    是非一度Jiteraにお問い合わせください。

    株式会社Jitera

    例:開発手順、ツール、プロンプト

    メルマガ登録

    社内で話題になった「生成AIに関するニュース」をどこよりも早くお届けします。