IoT開発とは?技術や構成要素などの基礎知識から活用事例まで詳しく解説

IoT開発に興味があるけれど、何から手を付けていいのかわからない」「技術的な知識も不十分だし、開発コストのことも心配

そんなふうに思っている方は意外と多いのではないでしょうか。IoT開発は近年注目されている重要な技術ですが、専門的な用語も多く、流れや概要を掴むのに苦労します。

この記事では、IoT開発の基本的な流れを紹介し、開発に必要な技術や手順、コストの目安について実際の事例を交えて解説します。

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監修者 米谷

国立の情報系大学院で情報工学、主にUI/UXを学んだあと、NTT子会社に勤務。 退社後はフリーランスとして、中小規模事業者様のIT化、業務自動化を支援しています。 DX推進の提案やPythonなどを用いた専用RPAツール開発のほか、市営動物園の周年企画などにもITエンジニアとして参画させていただきました。

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    IoT開発とは

    IoTとは

    IoT(Internet of Things)とは、モノのインターネットのことです。

    具体的には、家電製品や自動車、建物などの「モノ」にセンサーや通信機能を搭載してインターネットに接続することで、リモートからの操作や、様々なデータの収集・解析を可能にする技術の総称を指します。

    IoT技術を利用することでマートスピーカーをつかって、音声で部屋の照明を調節したり、冷蔵庫にセンサーを付けて外出先からでも足りない食材を確認したりできるようになります。

    IoT開発はあらゆるモノをインターネットに接続することで、自動化や遠隔操作、データ収集・解析を実現し、生活をより便利で快適なものに進化させる可能性を秘めた技術といえます。

    IoTの構成要素

    IoTの代表的なテクノロジーとしては、センサー、通信モジュール、マイコン、クラウドなどが挙げられます。

    各要素が絡み合い、様々な構成要素が複雑に紐づいてIoTが実現しているのですが、基本は以下の5つで構成されています。

    • デバイス(センサーとアクチュエーター)
    • ネットワーク
    • アプリケーションによるデータ処理
    • ストレージ
    • セキュリティとプライバシー

    また、構成要素とは少し異なりますが「顧客との関わり」という無形の概念もIoTの重要な要素です。IoTデータは顧客から提供してもらい、顧客に新たなサービスを展開するために使います。

    そのため、「どのようなユーザーにどんな価値やサービスを提供するのか」「ユーザーからどのような情報(プライバシーなものを含む)を提供してもらえるのか」など顧客との関わり方についても、意識する必要があります。

    IoTでできること

    IoTを活用することで、私たちの生活はよりスマートで便利なものに変化していきます。

    • IoTによって様々なモノ同士が繋がり、最適なサービスを提供できるようになる
    • つながったモノの動きや状態をリアルタイムに活用できる
    • モノの遠隔操作

    ビジネスや日常生活において、IoTによる様々な可能性が期待されています

    IoT開発をするメリット

    IoTを活用することで、ビジネスや生活をよりスマートで便利にすることができます。主なメリットを見ていきましょう。

    メリット 説明
    生産性の向上 センサーで作業の効率化が図れる
    新たなビジネスチャンス データから新サービスが生み出せる
    人手不足の解消 自動化で人の作業が減る
    予知保全の強化 機器の異常を早期発見できる

    生産性の向上

    IoTで作業の状況をリアルタイムに把握できるので、作業効率を最大化できます。

    例えば工場の製造ラインにセンサーを実装し、設備の稼働状況を可視化して管理することで、作業の遅れが生じやすい工程を特定できます。データ分析に基づき、人員配置の最適化や作業手順の改善を行うことで、全体の生産性を向上させることができます。

    また従業員にウェアラブル端末を配布し、作業内容を記録することで、作業手順のムダを発見し改善することも可能です。IoTで作業の実態を可視化し、データに基づく業務改善を行うことが生産性向上につながります。

    データを活用した新たなビジネス機会

    IoTで収集したビッグデータを分析することで、新たなサービスやビジネスの創出が期待できます。例えば、自動車の走行データを集めることで、適切な時期の点検や修理をアドバイスするサービスを提供できます。データからニーズを見いだし、新ビジネスの種を生み出すのがIoTの強みです。

    また商業施設では、顧客の移動データから混雑状況や利用傾向を分析し、テナント配置の最適化や効果的なプロモーション施策の立案に活用することもできます。IoTデータを起点に新サービスを考える発想が重要です。

    人手不足の解消

    IoTとAIを活用することで、これまで人の手で行っていた業務を自動化できます。例えば、在庫管理業務はセンサーとロボットで自動的に行えるようになります。人は単純作業から開放され、より創造的な業務に注力できるようになります。業務の省人化が実現できるのがIoTのメリットの1つです。

    顧客の問い合わせ対応の際にも、AIチャットボットを活用することで、よくある定型的な問合せはAIが自動で処理できるようになります。人はその分、難しい問題に集中できるなど、業務効率化が図れます。

    予知保全の強化

    IoTのセンサーで機器の状態を常時監視することで、故障の兆候を事前に検知して、故障する前に部品交換やメンテナンスを行うことができるようになります。例えば工場の設備異常を早期に察知し、故障前に部品交換しておくことで、突発的な稼働停止を防ぐことができます。予知保全により生産現場の安定稼働を実現できます。

    インフラもセンサーで振動や温度、流量などを監視し、異常値を早期に検知することで、故障や事故が起きる前に対策を講じることができます。予測モデルを活用したメンテナンスが可能になるのです。

    IoT開発に必要な技術

    IoTを開発するためには、さまざまな技術が必要です。

    • ハードウェア技術
    • ソフトウェア技術
    • ネットワーク技術

    の3つの観点から詳しく解説していきます。

    ハードウェア技術

    IoT機器は、センサーや通信機能を制御するマイクロコントローラーがモノに組み込まれた、組み込み開発が基本となります。マイコン上でソフトウェアを開発することで、機器の仕様に合わせた制御が可能になります。組み込み向けOSや、プログラミング言語を使うのが一般的です。開発効率と性能を両立した、組み込み環境がIoT開発には重要です。

    代表的な組み込み向けOSとして、リアルタイムOSのFreeRTOSや、LinuxベースのZephyr OSなどがあります。開発言語はCまたはC++が主流で、プログラミングに慣れている必要があります。マイコン制御のノウハウがIoT開発のカギを握ると言えます。

    ソフトウェア技術

    IoT開発におけるソフトウェア技術は、基本的には「集めたデータ」を「どのように解釈するか」というデータ処理技術がメインとなります。

    IoTの大量データから有用な情報を引き出すには、AIや機械学習など、高度なデータ解析技術が必要不可欠です。
    IoTによって集めたビッグデータを整理し、統計手法やディープラーニングを駆使してデータから価値を生み出していきます。

    具体的には、過去の機器データを学習データとしてAIに入力し、正常/異常を判断するモデルを構築します。新たなリアルタイムデータに対してこのモデルを適用することで、機器の異常を高精度に検知できるようになります。大量のデータから有用なパターンをAIが学習することがIoTの活用法の一つです。

    ネットワーク技術

    現在のIoTの根幹となるは、いかに大量のデータを如何に集約するか、つまりネットワーク技術が重要となります。

    IoT機器をインターネットに接続するには、Wi-Fi、Bluetooth、LTEなどの通信技術を利用します。
    センサーデバイスの用途に適した通信方式を選択することが、IoT開発のポイントです。
    例えば、低速で近距離ならBluetooth、高速大容量ならWi-Fi、広域をカバーするならLTEと、通信方式の特徴を理解して選択しましょう。

    最近ではLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる省電力で、長距離通信を実現する技術も登場しています。

    データを集約する際には主にクラウド技術が使われます。

    IoTで生成される大量のデータを処理・保存するには、クラウドの拡張性の高いリソースを活用するのが適しています。クラウド上にIoTプラットフォームを構築することで、データのスムーズな収集・分析を実現できます。

    特にAWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどの主要クラウドプラットフォームは、IoT向けの専用サービスを提供しています。

    ネットワークの種類とクラウドサービスを適切に選ぶことで、目的のIoTを適切に連携されることができるようになります。

    【IoTの例】機器について

    IoTは身の回りのあらゆるものをインターネットにつなげて、スマート化していく技術です。

    代表的なIoT機器を使った家電の改良提案例を見てみましょう。

    エアコン

    エアコンにIoTを搭載することで、スマートフォンからの遠隔操作が可能になります。外出先から設定温度を変更したり、帰宅前にエアコンをつけることができます。

    具体的には、エアコン本体にWi-Fi機能を搭載し、スマートフォンの専用アプリと連携させます。アプリからエアコンの電源ON/OFF、温度設定、運転モード(冷房、暖房、除湿)の切り替えが行えます。外出先にいながら、快適な温度に空調を調整できるのです。

    またジオフェンシング機能を使い、ユーザーの位置情報に応じて、自動的にエアコンのスイッチを入れることも可能です。帰宅時刻の30分前になると、自動でエアコンが作動し、帰宅時には適温に空調されているなどの使い方ができます。

    ※ジオフェンシング・・・GPSなどを使ってユーザーの位置情報を特定し、登録した地点に接近したときに自動的に特定のアクションを起こす技術です。例えば、自宅周辺に来た時にエアコンをONにするなどの使い方ができます。

    ゲーム機

    ゲーム機に通信機能を付加することで、ネットワーク対戦が楽しめたり、ゲームのダウンロード販売が実現しています。

    最近のゲーム機はIoT化が進み、インターネットに常時接続されています。そのためオンラインマルチプレイを気軽に楽しむことができます。遠くにいる友人とオンラインで対戦したり、世界中のプレイヤーと競い合うことができるのです。また新しいゲームソフトを、実店舗に行って買う必要がなく、家にいながらダウンロードして購入できるのでとても便利です。

    さらに、ゲーム実績やプレイデータをクラウドに蓄積することで、複数の機器でゲームデータを共有できるようにもなりました。外出先のスマホでプレイしたゲームのデータを、帰宅後そのままゲーム機で継続利用できるなど、境界のないゲーム体験を実現しています。

    このように、ゲーム機のIoT化はエンターテインメント体験そのものを進化させました。ユーザーのゲームライフをより豊かに充実したものへと変化させる革新的な技術といえます。

    冷蔵庫

    冷蔵庫に内蔵カメラと通信機能を加えることで、外出先から中身を確認できるほか、消費期限切れを検知して通知してくれます。

    IoT冷蔵庫には内蔵カメラがついているので、スマートフォンのアプリから冷蔵庫の中身が見えます。外出先からでも冷蔵庫の中をのぞき込むようにして、家にある食材を確認できるので便利です。また、食品の梱包にRFIDタグを使い、食品の情報を冷蔵庫が読み取ることで、消費期限も管理できます。消費期限が近づくとアプリに通知が来るので、食品ロスの削減につながります。

    このように、IoT冷蔵庫は写真とセンシング機能で中身を可視化し、フードロスの削減と資源を有効活用できる生活インフラの一つと言えます。

    電子レンジ

    IoT電子レンジは、スマホから操作や時間設定が行えるほか、調理法を検索表示することも可能です。

    IoT電子レンジにはWi-Fi機能が搭載されており、スマートフォンのアプリと連携しています。アプリから電子レンジの操作ボタンを押すようにタップすることで、離れた場所からでも電子レンジの制御ができます。またアプリ上で調理時間を設定すると、そのデータが電子レンジに送信されて、指定した時間の加熱を実行してくれます。

    さらに、食品の梱包に付いたバーコードをアプリのカメラで読み取ると、適切な調理法が表示されるなど、使い方の補助情報も提供されます。IoTを活用したスマート電子レンジは、調理の効率化と成功率の向上に大いに役立ちそうです。

    テレビ

    IoTテレビは、視聴データを分析し、ユーザーの好みに合わせてオススメ番組を案内してくれます。

    IoTテレビは視聴者の視聴履歴から好みを分析します。どのジャンルの番組をよく見るのか、好きなタレントは誰か、視聴ボリュームの多い時間帯はいつかなどのデータを蓄積していきます。そしてその視聴の特徴に基づいて、ユーザーが気に入りそうな新作や続編の番組を優先的におすすめしてくれるのです。

    また家族の視聴履歴も学習することで、個々に最適な番組案内が可能になります。父の嗜好に合わせてスポーツ中継を、母の嗜好に合わせて旅番組を、子どもにはアニメをおすすめするといった個人別の番組配信が実現できるのです。

    このようにIoTテレビは、ビッグデータ解析を活用して視聴者一人ひとりに最適化されたエンタメ体験を提供します。楽しみながら視聴データを入力していくことで、自分だけのオススメ番組が見つかる個人カスタマイズメディアへとテレビが進化していくのです。

    【IoTの例】インフラについて

    IoTは社会インフラをスマート化し、生活を豊かにしています。

    それぞれの分野での事例をいくつか解説します。

    医療

    IoTは健康状態を連続監視し、生活習慣病の改善に役立てられています。

    IoTでウェアラブル端末に装着された各種センサーで、健康データをクラウドに蓄積・管理し、医師はそれを遠隔監視することができます。歩数や活動量、心拍、体温、血圧などの情報を常時モニタリングし、日常の健康状態や生活パターンを把握できます。

    例えば、運動量不足や不規則な生活が原因で健康状態が良くない場合、アプリから注意喚起したり、適切な行動変容を促すことが可能です。健康な生活習慣を実践するための継続的なモチベーションを提供することに対して、IoTは大いに役立つでしょう。

    このようにIoTは、医療分野において個人の健康管理と予防医療の向上に大きく貢献する技術といえます。データを起点にした健康サービスが、一層発展していくことが期待されます。

    交通

    IoTは交通インフラの管理・最適化に活用されています。自動車や信号に取り付けたセンサーから、交通データを収集・分析することで、渋滞箇所を特定したり信号のタイミングを最適化できます。ドライバーには最適経路を配信するなど、交通フローの最適化が図れます。

    具体的には、車両のGPSと車速データを統合的に解析することで、リアルタイムの渋滞状況を把握できます。渋滞情報はドライバーのスマートフォンに配信され、回避するための迂回路が提案されます。また、信号機に取り付けた車両センサーからの交通量データに基づき、信号の赤時間と緑時間を最適に調整することも可能です。このようなIoT交通システムにより、都市の交通容量が拡大し、渋滞が大幅に改善されると期待されています。

    エネルギー

    IoTはスマートメーターを通じて、個々の家庭のエネルギー使用状況をモニタリングします。これにより電力需要の見通しが立てやすくなり、効率的な電力供給が可能になります。またUSERは、リアルタイムにエネルギー使用量を把握でき、節電意識の向上にもつながります。

    例えば、30分単位などの細かい時間に分けてスマートメーターで電気使用データを集める事で、夜間は消費が減るなど時間帯別の電力需要のパターンが明らかになります。これに基づいて、電力供給側はより需要に応じた運用ができるようになるため、効率的な電力供給が実現します。一方、ユーザー側もリアルタイムの視覚的な使用状況が分かるので、意識して節電に取り組むことができます。

    このようにIoTスマートメーターは、電力の効率的供給と節電の両面で大いに貢献できる技術です。

    工場

    IoTは工場内の設備や製造ラインにセンサーを設置し、稼働状況をモニタリングします。設備の異常をリアルタイムに検知できるので、故障を未然に防ぐ予防保全が実現できます。生産性と安全性を両立できます。

    具体的には、工作機械に振動センサーや温度センサーを取り付け、稼働状況を計測します。センサーデータから機械の異常の兆候を検知した場合、お知らせメールが保守担当者に送信されます。データ分析に基づく監視で、故障する前の早期に部品交換が行えるため、突発的な機械停止を防ぐことができます。これにより、工場の生産効率が向上し、安定稼働が実現できるのです。

    農業

    IoTは農業において、環境センサーで温度、湿度、日照をモニタリングし、データに基づき自動で水やりを制御します。適切な環境を維持することで、農作物の成長を最適化できます。

    具体的には、温湿度センサー、日射量センサーを設置し、クラウドにデータを送信します。センサーデータを分析し、温度、湿度、日照量が作物の適快範囲を外れた場合、自動で散水装置が作動するよう制御します。データに基づく科学的な環境管理で、作物の生育を最適化できるのです。

    また、トマトのような設置型の作物では、個々の植物に小型のセンサーを取り付け、葉の湿度や成長度合いをモニタリングするケースもあります。IoTセンシングは農業において、農薬や水の削減と品質向上を同時に実現する有望なテクノロジーといえます。

    IoT開発の方法・ロードマップ

    IoTシステムを構築するための基本的なステップを見ていきましょう。以下、詳しく解説していきます。

    目的・用途の定義

    IoTシステムを開発する前に、まずそれが何のためにあるのか、どのような目的・用途で使用するのかを明確に定義する必要があります。例えば、工場の設備監視や自動化、商品の在庫管理など、IoTシステムを使って解決したい課題や実現したいことを具体的に想定します。用途に合わせて必要な機能を検討するため、はじめに用途を明確化することが重要です。

    IoTシステムの可能性は無限に広がりますが、はじめに具体的なビジネス目的を定めることで、開発の範囲と方向性を定めることができます。用途とコスト対効果を総合的に検討し、実現可能な目標を設定するフェーズが重要です。

    要件定義

    次に、IoTシステムで実現する機能と、その質に関する要件を定義します。機能要件は、どのようなデータを収集し、分析し、制御するのかを具体的に定めます。一方、システムの性能やセキュリティに関する要件は、必要な処理速度やセキュリティレベルを設定します。これらの非機能要件を明確に定義することで、システム開発の方向性が定まっていきます。

    要件定義では、業務目的から導かれる機能と、システム構築/運用における制約条件を両立させることが重要です。ユーザー視点での機能要件と、技術者視点の非機能要件を組み合わせ、実現可能な要件を描くフェーズと言えます。

    システムの要件定義方法については別の記事でより深く解説しています。

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    アーキテクチャ設計

    要件に基づき、IoTシステムの全体的な構成とデータの流れを設計します。端末、ネットワーク、クラウドといったシステム要素と、収集、蓄積、分析、表示などの機能要素をどう配置し、結びつけるかを設計図として描きます。この設計図が開発の指針となります。

    アーキテクチャ設計では、機能と構成要素を最適にマッピングすることが重要です。要件を満たしつつ、コスト、性能面でバランスの取れた全体設計を行うことで、後の開発を円滑に進めることができます。

    詳細設計

    アーキテクチャの各要素について使用する技術や製品を選定し、より詳細な設計を行います。例えば端末の仕様、通信方式、クラウド上の分析ソフトウェア、管理ダッシュボードのUIなどの具体的な設計です。この詳細設計に基づき、開発を進めていきます。

    詳細設計では、開発・導入コストを考慮した上で、最適な技術要素を選定します。オープンソースソフトウェアの活用やクラウドサービスの利用を検討することで、コストパフォーマンスを高めることができます。

    システムの詳細設計については別の記事でより深く解説しています。

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    実装とテスト

    詳細設計に基づき、システムを実装します。システムを設置する際は運用環境を考慮に入れましょう。

    • 端末の設置方法
    • ネットワークの構築
    • クラウドサービスとの連携設定

    開発が終われば運用環境で実試験を行い、IoTが想定通りに動くかどうかを確認します。

    天候や障害物など、意外な要素で想定どおりにIoTが連携できない時もあるため、十分なテストを行いましょう。

    運用と改善

    テストが無事成功すれば、いよいよIoTの運用を開始します。

    システムが完成した後も、システムの運用記録を取り、稼働状況やIoTの導入効果を常に検証しましょう。
    データの収集、分析、可視化などの運用業務を継続的に行うことで、KPIの達成度などの効果確認やIoTの追加導入の検討を行うことができます。

    もし検証中に問題が見つかれば、最適化のチャンスです。改善へのアプローチは課題により様々ですが、以下のポイントを抑えましょう。

    • 運用データやフィードバックを元に、システムの拡張を行う。
    • パフォーマンスの最適化やセキュリティの強化など、システムの品質向上に取り組む。
    • 新たな要件や技術の変化に対応するため、システムを持続的に改善し続ける。

     

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    • AIやビッグデータ解析を活用した高度なIoTシステム開発
    • セキュリティとプライバシー保護を重視した設計
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    IoT開発における課題点

    IoTを活用する上でのデメリットや課題について見ていきましょう。以下、詳しく解説していきます。

    デメリット・課題 内容
    セキュリティリスク 個人情報や機密データが漏洩する危険性がある
    開発コスト 導入に多額の初期コストがかかる
    既存デバイスとの互換性や連携不足 導入した新規デバイスによって、既存のシステムがエラーを起す危険性がある

    セキュリティリスク

    IoTでは機器がハッキングされる危険性があり、個人情報が盗まれる可能性があります。IoTデバイスはインターネットにつながっているため、サイバー攻撃のリスクが避けられません。IoT機器に脆弱性があると、マルウェア感染による不正操作や、個人情報や会話データの流出が起きてしまう可能性があります。医療機器や自動車など重要なシステムのセキュリティも重要課題です。IoTを導入する際には、セキュリティ対策を十分に行う必要があります。

    具体的には、強固な認証システムの導入、通信の暗号化、ソフトウェアの脆弱性テスト、監視システムの構築等を行う必要があります。IoTセキュリティへの投資は、事故や損害を未然に防ぐ上で非常に重要です。

    開発にかかわるコスト

    IoTシステムを構築するには、デバイス、センサー、通信機器などのハードウェアと、データ収集、解析、制御を行うソフトウェアの開発が必要です。これらに要する初期費用がIoT導入のハードルとなるケースがあります。

    ただし、クラウドサービスの活用やオープンソースソフトウェアの利用により、初期コストを削減する方法もあります。メンテナンスコストも、データ解析による運用最適化で抑えられる可能性があります。コスト対効果を総合的に判断することが重要です。

    既存デバイスとの互換性や連携不足

    既存の古いデバイスや機器がIoTシステムに対応していない場合、そのデバイスとの連携に問題が生じ、システム全体にバグが発生する可能性があります。

    例えば、古い製造ラインの機械に無理やりIoTセンサーを導入した際、その機械からのデータを十分に取得できず、製造ライン全体にトラブルが起こるなどです。

    大きなシステムの一部にIoTシステムを導入する場合、影響範囲を見極め、どうしても連携できない部分は切り離す方法を検討しなければシステム全体の機能が十分に発揮されません。
    既存デバイスのアップグレード交換も検討し、IoTやシステムとの互換性を確保しましょう。

    まとめ:IoT開発で繋がる未来を創造

    この記事では、IoTの概要から、開発方法、活用事例、メリット・課題などを解説していきました。

    IoT開発はモノとモノをインターネットでつなげることで、既存のモノの価値を新たに革新する、非常に注目度の高い次世代技術です。ぜひ自社のビジネスに取り入れ、DX推進と併せて新たなサービス展開を検討してみてください。

    一方でIoT開発には多くの技術要素を理解する必要があることも紹介しました。

    「IoTを活用して課題を解決したい」という目的はあるけれど、具体的にどう開発すればいいのかイメージがつかない、という方も多いのではないでしょうか。

    株式会社Jiteraでは経験豊富なトップエンジニアが、企業の抱える様々な悩みに対して最適なIT技術をご提案しております。IoTの導入・開発実績においても多くの国内実績があります。

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