GPTsは、OpenAIによって開発された高度な自然言語処理モデルのことを指します。
この記事では、GPTsのプロンプト作成のコツやテクニックを紹介しています。
この記事を読んで、GPTsをどのように活用するかの参考にしてください。
PHPを独学で勉強した後にWeb業界に参入。大手企業でプログラマーとして活躍後、自社サービスの立ち上げ、大手検索エンジンサービスの保守運用作業、ソーシャルゲーム開発などに携わりながら、SE・管理職の道を歩んで現在に至る。現在は、管理職に携わる傍ら、これまでの経験を活かした執筆活動を続けている。
GPTs(GPT Builder)とは

GPTs(Generative Pre-trained Transformers)とは、OpenAIによって開発された高度な自然言語処理モデルのことをさします。
これらのモデルは、大量のテキストデータを用いて事前にトレーニングされ、その後、特定のタスクに微調整されることで、さまざまな言語関連のタスクを高精度に実行することができます。
ここでは、GPTsのことを深く知るために、以下の項目に分けてGPTsの基礎知識を解説します。
- ChatGPTとGPTsの違い
- GPTsの料金
- GPTsの公開日
GPTsの基本を理解しながら、どのように活用するかの参考にしてください。
ChatGPTとGPTsの違い
以下は、ChatGPTとGPTsの違いをまとめた一覧表です。
| 項目 | ChatGPT | GPTs |
| 定義 | 会話形式での応答を行うAIモデル | カスタム言語モデルを構築・実装するためのツール |
| 主な用途 | チャットボット、質問応答、対話型AI | 特定タスクに合わせたカスタムモデルの作成 |
| ユーザー | 一般ユーザー、開発者、ビジネス | おもに開発者、ビジネス |
| カスタマイズ性 | 限定的なカスタマイズ (パラメータ調整) | 高度なカスタマイズが可能 |
| 例 | カスタマーサポートチャットボット | 業界特化の言語モデル、特定の業務用AI |
| 提供形態 | 一般的に利用可能なサービス | 開発者向けのツール、API提供 |
| 適用範囲 | 広範な対話型アプリケーション | 特定の言語タスク、カスタムアプリケーション |
ChatGPTは、対話型の応答を行うAIモデルで、おもにチャットボットや質問応答に使用されます。
一方、GPTsは、特定のタスクに合わせたカスタム言語モデルを構築・実装するためのツールで、開発者やビジネス向けに高度なカスタマイズが可能です。
GPTsの料金
以下に、プランごとの料金をまとめてみました。
なお、価格は為替レートにより変動する可能性があるため、ご了承ください。
| プラン | 米ドル(USD) | 日本円(JPY) |
| GPT-4 Turbo | $0.01/1,000 tokens | 約1.40円/1,000 tokens |
| GPT-4 (Standard) | $0.03/1,000 tokens | 約4.20円/1,000 tokens |
| GPT-3.5 Turbo | $0.002/1,000 tokens | 約0.28円/1,000 tokens |
GPTsには、サブスクリプションプランもあります。以下は、その料金設定です。
| プラン | 米ドル(USD) | 日本円(JPY) |
| Teamプラン | $25/ユーザー/月(年間契約) $30/ユーザー/月(月間契約) |
約3,500円/ユーザー/月 約4,200円/ユーザー/月 |
| Enterpriseプラン | カスタム価格(使用量とニーズに応じて) | カスタム価格(使用量とニーズに応じて) |
詳細や最新情報については、OpenAIの公式サイトやサポートセンターを確認してください。
GPTsの公開日
GPTsは、2023年11月6日にOpenAIの開発者向けイベント「Dev Day」で公開されました。
このイベントを通じて、ユーザーがカスタムGPTを作成し、GPTストアで共有および収益化できる機能が発表されました。
GPTs(GPT Builder)のプロンプトのテクニック

ここまで、GPTsの基本知識をみてきました。GPTsは、OpenAIによって開発された高度な自然言語処理モデルであることがわかりました。
次に、GPTsのプロンプトのテクニックにはどのようなものがあるかみていきましょう。
GPTのプロンプトのテクニックは、モデルに対して与えるテキスト入力の形式や内容を工夫するためのものです。
以下は、その一般的なテクニックです。
- Zero-shot Prompting(ゼロショット)
- Few-shot Prompting(フューショット)
- Chain-of-Thought(CoT) Prompting(チェインオブソート)
- Zero-shot-CoT Prompting
- Generated Knowledge Prompting
それぞれのテクニックの特徴を見ながら、どのようなテクニックがあるか学んでいきましょう。
Zero-shot Prompting(ゼロショット)

Zero-shot Prompting(ゼロショット)は、モデルに事前のトレーニングなしに新しいタスクやドメインに対して直接的な指示を与えることで、そのタスクやドメインに関する情報を生成するテクニックです。
以下は、GPTsのゼロショットプロンプティングのおもな特徴です。
- 事前のトレーニング不要
- 柔軟性と汎用性がある
- リソース効率性が高い
- タスクの多様性への対応
ゼロショットプロンプティングには、モデルが新しいタスクやドメインに対して柔軟に対応できるという柔軟性と汎用性があります。
また、トレーニングを必要としないため、リソースを効率的に使用することができます。
ほかにも、さまざまなタスクやドメインに対してモデルを適用することが可能です。
ゼロショットプロンプティングは、新しいタスクやドメインに対して迅速に適応が必要となる場合や、トレーニングデータが限られている場合に特に有用となるでしょう。
Few-shot Prompting(フューショット)

Few-shot Prompting(フューショットプロンプティング)は、モデルに対して少量のトレーニング例を与えて、新しいタスクやドメインに対する振る舞いを指示するテクニックです。
以下は、GPTsフューショットプロンプティングのおもな特徴です。
- 少量のトレーニングデータで効果的
- 柔軟性と汎用性がある
- 迅速な対応
- 適切な出力の生成
フューショットプロンプングは、モデルが少量のトレーニング例に基づいて新しいタスクやドメインに適応することができます。
また、少量のトレーニングデータで使用可能であるため、フューショットプロンプティングは、迅速な適応が可能です。
ほかにも、少量のトレーニング例を使用してモデルを訓練するにも関わらず、適切な出力を生成する能力を持っています。
フューショットプロンプティングは、少量のトレーニングデータしか使用できない場合や、新しいタスクやドメインに対して素早く適応する必要がある場合に特に有効です。
Chain-of-Thought(CoT) Prompting(チェインオブソート)

Chain-of-Thought (CoT) Prompting(チェインオブソートプロンプティング)は、論理的な思考プロセスを模倣するためのテクニックです。
このテクニックでは、モデルに連続した一連の文を提示し、それぞれの文が前の文に続くように関連付けられています。モデルは、与えられた前提や文脈に基づいて、次の文を生成することが期待されます。
以下は、チェインオブソートプロンプティングのおもな特徴です。
- 論理的な一貫性の確保
- 連続した文の生成
- 推論と推測の能力向上
- ストーリーテリングや対話の流れの制御
チェインオブソートプロンプティングは、一連の文が連続して提示されます。モデルは、それぞれの分が前の文に続くように関連付けられていると理解し、それに基づいて次の文を生成します。
また、推論や推測を必要とするタスクに適しており、モデルは与えられた文脈や前提から論理的な次のステップを推測し、それに基づいてテキストを生成することが可能です。
ほかにも、ストーリーテリングや対話の流れを制御するために使用されます。
チェインオブソートプロンプティングは論理的な思考や推論が必要なタスクに適しており、モデルがより自然で一貫性のあるテキストを生成するのに役立ちます。
Zero-shot-CoT Prompting

Zero-shot-CoT Prompting(ゼロショット・チェインオブソートプロンプティング)は、ゼロショットプロンプティングのアプローチとチェインオブアートプロンプティングのアプローチを組み合わせたテクニックです。
このテクニックでは、モデルが具体的な例や追加のトレーニングデータなしに、論理的な思考プロセスを用いてタスクを解決することができます。
以下は、ゼロショット・チェインオブソートプロンプティングのおもな特徴です。
- 事前トレーニングなしでの推論能力
- 自然言語での思考過程の明示
- 高い柔軟性と汎用性
- 一貫性のある論理的出力
- 人間のような思考プロセスの模倣
ゼロショット・チェインオブアートプロンプティングでは、特定のタスクに対する事前のトレーニングをおこなわずに、モデルは論理的な推論ができます。
また、プロンプト内でモデルに対して、問題解決の手順や思考過程を明示的に示すことで、モデルは与えられた文脈に従って推論をおこなうことができます。
ほかにも、さまざまなタスクやドメインに柔軟に適応できる能力が特徴の1つです。
ゼロショット・チェインオブアートプロンプティングでは、モデルが論理的なステップを踏まえて、問題を解決するための出力を生成することができます。
Generated Knowledge Prompting

Generated Knowledge Prompting(生成された知識プロンプティング)は、AIモデルに対して、既存の知識を利用して新しい情報や解答を生成するテクニックです。
このテクニックは、モデルが持っている知識を効果的に活用し、与えられたタスクに対して適切な出力を提供することを目指しています。
以下は、ジェネレート知識プロンプティングのおもな特徴です。
- 既存知識の活用
- 情報の統合
- クリエティブな出力
- 効率的な回答生成
- 多様な応用範囲
モデルが既に持っている知識を利用して、新しい情報や解答を作成します。
また、モデルは、異なるソースから得た情報を統合して、新しい洞察や解決策の提供が可能です。
ほかにも、ジェネレート知識プロンプティングは、創造的な問題解決や新しいアイデアの生成に役立ちます。
このように、モデルが持っている知識をもとにして、新しい質問に対して包括的かつ詳細な解答を生成できるのが特徴的です。
GPTs(GPT Builder)のプロンプトのコツ

ここまで、GPTsプロンプトのさまざまなテクニックをみてきました。次に、GPTsプロンプトを活用する際のコツをみていきましょう。
ここでは、以下の項目に分けて、GPTsプロンプトのコツを解説します。
- 最新のモデルを使う
- シンプルなプロンプトで少しずつ要素を足していく
- プロンプトのバージョン管理
また、以下の記事では、Consensusに関して詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
最新のモデルを使う
最新のGPTモデルバージョンを使用することで、多くのメリットが得られます。以下は、その一例です。
- 精度と品質の向上
- 多様なタスクへの対応能力
- より自然で流暢な言語作成
- 深いコンテキスト理解
- エラー率の低減
- カスタマイズの容易さ
- 効率的なプロンプトエンジニアリング
- リアルタイムのアップデートとフィードバック
- 多言語対応
最新のモデルであれば、より大規模なデータセットでトレーニングされているため、より精錬されたアルゴリズムを使用しています。
また、さまざまなタスクやドメインに対応できる汎用性が高いものが多いです。さらに、言語生成の自然さと流暢さが向上しており、人間により近い形で応答を生成することができます。
ほかにも、最新モデルは、文脈を深く理解する能力が向上しており、複雑な質問や多段階の推論が必要なタスクに対しても、適切な応答を生成することができます。
シンプルなプロンプトで少しずつ要素を足していく
シンプルなプロンプトから始めて、少しずつ要素を追加していく方法は、GPTモデルからより具体的で正確な応答を得るための効果的なテクニックです。
たとえば、以下のような質問をGPTsに投げかけると、
『第二次世界大戦とは何ですか?』
以下のような答えが返ってくるでしょう。
『第二次世界大戦は、1939年から1945年まで続いた世界規模の戦争です。』
この質問に、要素を追加して再度質問します。
『第二次世界大戦とは何ですか?その主な原因を説明してください。』
そうすると、以下のような答えが返ってきます。
『第二次世界大戦は、1939年から1945年まで続いた世界規模の戦争です。その主な原因には、第一次世界大戦後のヨーロッパの政治的不安定さ、ナチス・ドイツの台頭、領土拡大を目指す日本の軍国主義などがあります。』
このように、少しずつ要素を足していくことで、より具体的で正確な応答が得られます。
プロンプトのバージョン管理
プロンプトのバージョン管理は、GPTのパフォーマンスを最適化するのに重要な手法の1つです。以下は、プロンプトのバージョン管理を効率的に行うためのおもなポイントです。
- バージョン番号の付与
- 変更履歴の記録
- 一貫した評価方法
- テストケースの利用
- フィードバックの活用
- ドキュメンテーションと共有
各プロンプトにバージョン番号をつけることで、変更履歴を追跡しやすくします。
また、各バージョンでおこなった変更点を詳細に記録しておくとよいでしょう。
ほかにも、各バージョンのプロンプトに対する応答を一貫して評価するための基準を設定することも重要です。
このように、プロンプトのバージョン管理をおこなうことで、モデルの応答の質を継続的に向上させることができます。
GPTs(GPT Builder)のプロンプトの注意点

ここまで、GPTsのプロンプトのコツをみてきました。さまざまな用途に活用できる便利なGPTsですが、いくつか注意点があります。
ここでは、GPTsのプロンプトの注意点を、以下の項目にまとめてみました。
- 具体的な指示や出力形式を指示する
- 記号で区切る
- 一気に複数のタスクを指示しない
それぞれの注意点を理解して、効率よくGPTsを活用しましょう。
具体的な指示や出力形式を指示する
GPTモデルに対して具体的な指示や出力形式を明確に示すことは、期待する応答を得るために重要ポイントです。
以下は、そのおもな注意点です。
- 明確な質問や指示をする
- 出力形式を指定する
- 必要な詳細情報を求める
漠然とした質問や曖昧な指示は避けて、具体的な情報を求めるようにしましょう。
また、解答を特定の形式で出力するよう指示することで、解答の一貫性と可読性を高めることができます。
ほかにも、必要な情報を具体的に要求することで、応答が包括的かつ詳細になります。
記号で区切る
GPTsのプロンプトを作成する際に、記号で区切ることは、プロンプトの構造を明確にしてモデルが期待する応答を理解しやすくするために有効です。
記号で区切る際は、以下のような記号を使用するとよいでしょう。
- ` ` ` (バッククオート)
- ” ” “ (ダブルクォーテーション)
- < > (小なり大なり)
- : (コロン)
以下は、記号で区切る際のおもな注意点です。
- 明確なセクションの区切り
- 一貫したフォーマット
- 視覚的な区別
セクションごとに明確に区切ることで、各部分に対応する情報を取得しやすくします。
また、一貫した記号を使用して、プロンプトの構造を統一することも重要です。
ほかにも、区切り記号を使うことで、プロンプト内の異なる部分を視覚的に区別しやすくなり、誤解を減らすことができます。
一気に複数のタスクを指示しない
GPTsにプロンプトを作成する際、一気に複数のタスクを指示しないことが重要です。一気に複数のタスクを指示しなければ、モデルは混乱せずに各タスクに対して明確で正確な応答ができます。
以下は、一気に複数のタスクを指示しないためのおもなポイントです。
- タスクをシンプルにする
- タスクを分割する
- 順序立てて指示する
一度に1つのタスクを指示することで、モデルがそのタスクに集中し、より質の高い応答が生成できます。
また、複雑な指示や質問は、複数のシンプルタスクに分割します。
もし、複数のタスクが必要な場合は、順序立てて1つずつ指示を与え、それぞれの応答を受け取ってから次のタスクに進むとよいでしょう。
GPTsプロンプトのまとめ

今回は、GPTsプロンプトに関して、以下のことがわかりました。
- GPTsはOpenAIによって開発された高度な自然言語処理モデルのこと
- GPTsは開発者やビジネス向けに高度なカスタマイズが可能
- ゼロショットやフューショットなどGPTsにはいくつかプロンプトのテクニックがある
- 最新のモデルを使うことがGPTsを活用する際のコツ
- GPTsを利用する際は具体的な指示や出力形式を指定することが重要
GPTsは、OpenAIによって開発された高度な自然言語処理モデルです。ChatGPTは、チャットボットや質問応答に用いられることが多いですが、GPTsは開発者やビジネス向けに高度なカスタマイズが可能です。
ゼロショットやフューショットなど、GPTsにはいくつかプロンプトのテクニックがあります。
また、最新のモデルを使うことが、GPTsを活用する際のコツです。ほかにも、GPTsを利用する際は、具体的な指示や出力形式を指定することが重要となります。
GPTsは、多くの場面で活用できるものですが、実際にどのように活用すればよいかわからないこともあるでしょう。
GPTsに関してわからないことや不明なことがあれば、AI開発を得意としている、株式会社Jiteraにお気軽にご相談ください。自社にてGPTsでどのようなことをしたいかをヒアリングさせていただき、最適なアドバイスをさせていただきます。
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