近年、AI技術の進化は目覚ましく、私たちの生活やビジネスに大きな変化をもたらしています。その中でも、特に注目を集めているのが、高度な言語理解能力を持つ生成AIです。
本記事では、生成AIの代表例である「Claude 3」の具体的な使い方、料金プラン、複数のモデルの違い、利用する際の注意点について解説します。
Claude 3を活用することで、作業効率の向上や新たな創造性の実現が可能になります。AI技術の最前線を知りたい方、効率的な問題解決ツールを探している方はぜひ参考にしてみてください。
現役のシステムエンジニアとして10年程度のキャリアがあります。 Webシステム開発を中心に、バックエンドからフロントエンドまで幅広く対応してきました。 最近はAIやノーコードツールも触っています。
Claude(クロード)3とは

「Claude(クロード)3」は2023年7月11日にAnthropic社が発表したAIモデルです。最新版の「Claude(クロード)3」では処理速度や精度が上がり、OpenAI社のChatGPTを超えると言われています。
「Claude(クロード3)」の主な機能は「ChatGPT」や「Bard」といった他のAIチャットと同様に、質疑応答や文章の生成、長文の要約、翻訳、プログラミングコードの生成です。
文章生成については、まるで人間が書いたかのような自然な文章を生成できるという評価が多く挙げられています。また、約15万文字の読み取りに対応しており、文章量の多いレポートや論文などでも読み取りが可能です。PDFも扱えます。
さらに、プログラミングコードの生成にも活用でき、Python・JavaScript・Javaなど様々なプログラミング言語に対応しています。また、コード生成だけではなくデバッグも行える点が特徴です。
また、Claude 3の革新的な機能は、様々なプラットフォームやサービスを通じて利用できます。
例えば、Anthropic Workbenchは、Claude 3の能力を最大限に引き出すための開発環境を提供しています。Workbenchを使用することで、開発者はClaude 3のAPIを効率的に利用し、カスタマイズされたAIソリューションを構築できます。
Claude(クロード)3の使い方

Claude 3は多機能な生成AIツールで、様々なシーンで活用できます。
Claude 3の使い方は以下のとおりです。
- 文章作成・編集
- 画像分析
- プログラミング支援
- 学習支援
- データ分析
- 創造的な作業
以下では具体的な使用例を紹介します。
文章作成・編集

Claude 3は自然な日本語で文章を生成できる優れた能力を持っています。ブログ記事、マーケティングコピー、メール作成など、様々な用途で活用できます。
例えば、作成したい商品の基礎情報をClaude3に与えると、商品説明文を生成できます。また、「AIをテーマにした。コラムを400文字で書いてください。」というプロンプトを入力するだけでコラム記事を書くことも可能です。
文章のテーマ以外にもペルソナや見出しの有無など細かく指定することで、より目的に沿った文章を生成できます。
画像分析

Claude3は画像の認識能力に優れており、画像を処理しデータとして活用できます。
また、グラフなどの画像を読み込ませ、プロンプトで「グラフデータを読み取って、わかることを文章で説明してください。」と入力するだけで、正確に数値を読み取り、回答を得ることができます。
紙ベースの資料や画像からデータを抽出したいといった場合にも活用できます。
プログラミング支援

Claude3は、コーディング能力が優れていることも特徴の一つとして挙げられます。
コーディング中に「行いたい処理の記述の仕方が分からない」、「ヒントが欲しい」という場合にプロンプトにやりたい処理を入力するだけで、サンプルコードが表示されます。
自分の環境に合わせて変数やパラメータを変えるだけでおおよそのプログラムが作れます。
また、記述したコードをプロンプトに入力し、バグを検出するといった使い方も可能です。従来のように一からデバッグをしてバグ抽出し、原因を探るという工程必要がないため、大幅に工数を削減できます。
学習支援

Claude 3は教育分野でも活用できます。
例えば、学習内容に関する質問を入力すると、Claude 3が分かりやすく正確な回答を提供します。24時間いつでも利用できるため、疑問をすぐに解決できます。
また、専門用語や難しい概念を、分かりやすい言葉で解説するといった使い方も可能です。
データ分析

Claude 3は、さまざまなデータから特定の項目のみ抽出し、集計することも可能です。
例えばアンケートから性別ごとにデータを抽出し集計したい場合は、アンケート結果を画像やテキストで読み込ませ「性別が男のデータを抽出し、カウントしてください。」とプロンプトを入力するだけです。
Excelの関数を使って抽出するよりもはるかに短い時間で集計できます。
また、画像データからCSV形式での情報抽出も可能であり、表にまとめられたアンケート結果からデータをCSV形式で抽出する作業も行えます。
創造的な作業

Claude 3は、人間の創造性を刺激し、新たなアイデアの発見をサポートします。
Claude 3は、与えられたテーマや条件に基づいて、斬新かつ実現可能なアイデアを次々と提案できます。例えば、新製品の開発やマーケティングキャンペーンの立案などに活用できます。
また、アイデアの発展や組み合わせを提案することで、ユーザーの思考をさらに広げる役割も果たします。
さらに、小説、脚本、ゲームシナリオなど、様々な形式の物語創作にも使えます。プロットの構築から登場人物の設定、キャラクター設定、セリフの生成など、様々な場面で活用できます。
Claude(クロード)3の料金

Claude 3には、ユーザーのニーズに合わせて、以下4つの料金プランが用意されています。
- Free
- Pro
- Team
- Enterprise
以下では、各プランの特徴や制限、できることについて解説します。
Free
Freeプランは、Claude 3を無料で利用できるプランです。
Claude 3.5 Sonnetモデルのみ利用可能で、画像やドキュメントについての質問が可能です
ただ、約4~5時間ごとに10回程度の利用制限があるため、頻繁な利用には向いていません。また、高度な機能や最新モデルへのアクセスは制限されています。
Pro
Proプランは、個人向けの有料プランで、月額20ドル(約2,990円)で利用できます。
Claude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haikuの全モデルが利用可能です。また無料プランより利用回数が増えている点も特徴です。
また、最新の機能をいち早く試すことができるため、Claude 3を本格的に活用したい人におすすめプランです。
Team
Teamプランは、法人向けの料金プランで、月額25ドル(約3,738円)/ユーザーから利用できます。最小5名からの契約が必要です。
Claude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haikuの全モデルが利用可能な点はProプランと変わりませんが、Proプランよりさらに利用回数が多いと言われています。
また、コラボレーション機能や一括請求管理といった法人で使用する上での便利な機能も利用できます。
Enterprise
Enterpriseプランは、大規模な法人向けのカスタマイズ可能なプランです。料金は個別見積もりとなります。
Claude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haikuの全モデルが利用可能な上、Teamプランよりさらに多くの使用が可能とされています。
ログイン時のシングルサインオン(SSO)やドメインキャプチャにも対応しており、ロールベースのきめ細かな権限設定も可能です。
セキュリティと管理機能が強化されているため、企業規模で大規模にClaude 3を利用可能なプランとなっています。
Claude(クロード)3がChatGPTよりすごいと言われる理由

Anthropic (アンソロピック) 社の「Claude(クロード)3 」が「ChatGPT」を超えたと話題になっていますが、Claude-3がChatGPTよりすごいと言われる理由は何なのでしょうか。
Claude-3がChatGPTよりすごいと言われる理由は以下のとおりです。
- 理解力が高い
- 画像認識能力に優れている
- 自然な対話ができる
- 情報の正確性が高い
- 実用的な問題解決ができる
それでは、Claude-3がChatGPTよりすごいAIとされている理由を見ていきましょう。
理解力が高い
Claude-3は、複雑なタスクへの対応精度や多言語対応の精度が高いことが特徴です。一般的な質問から専門的な内容まで的確に対応できます。これは、ChatGPTと比較して、より高度な質問や指示に対応できることを意味します。
例えば、ある論文の内容を要約させたり、特定のテーマについて複数の文献を比較分析させたりするタスクにおいて、Claude-3はより高い精度と質のアウトプットを提供します。
また、Claude-3は、高精度な最上位モデル「Opus」、汎用性向けの「Sonnet」、応答速度の速い「Haiku」の3種類が展開されています。
精度を求める場合は「Opus」を選ぶとよいでしょう。「Opus」では、大学レベルの専門知識やコーディングなど多くの分野においてGPT-4を超えたとされています。
画像認識能力に優れている
Claude-3は画像認識能力が非常に高く、グラフやイラストの内容を読み取ったり、手書き文字を認識したりといったことができます。
例えば、製品の写真を見せてその特徴を説明させたり、風景写真から撮影場所を特定させたりといったことが可能です。
また、画像を処理してデータとして活用できるため、グラフなどの画像を読み込ませて内容を文章で説明することも可能です。
自然な対話ができる
Claude-3は、人間と自然な対話をするように設計されています。
ユーザーの質問や指示に対して、適切な回答を生成するだけでなく、文脈を理解し、前の会話内容を踏まえた上で応答できます。
ChatGPTも自然な対話が可能ですが、Claude 3はより高度な文脈理解能力を備えているため、より自然で違和感のない会話が可能です。
情報の正確性が高い
Claude3とChatGPT-4では倫理規定の違いがあります。特にClaude3は精度の高い回答をしつつも、倫理規定はかなり厳格に定められています。
Claudeは、Anthropicの理念にもあるとおり「安全性に重点を置いた設計」であることを意識して作られています。具体的には、実際に観測された危険に対する安全策をとる「Empirical Safety(経験的安全性)」アプローチを採用しています。
例えば、倫理的に回答が難しいプロンプトを入力した場合、Claude3では生成が中断されアラートがあがることがあります。しかし、同じプロンプトをChatGPT-4で実行した場合は回答を生成してくれます。
これは、特にビジネスや研究など、正確な情報が求められる場面で重要な要素となります。
実用的な問題解決ができる
Claude3は、マルチタスク学習による汎用性の高さが特徴です。ユーザーとの対話を通じた協調的なタスク解決に強いという特徴もあります。
例えば、コーディング能力が高く、プログラミングの問題解決やバグの検出に活用できます。また、長文の処理や複雑なタスクへの対応力も高く、ビジネスシーンでの活用が期待されています。
さらに、3Dシミュレーションの制作や、スライド資料の作成、アプリの開発など、時間や手間のかかる作業を効率的に行うことができます。
GitHubのCopilotやOpenAIのGeminiなど、他のAIツールとの競争が注目されていますが、Claude3は汎用性と使いやすさで差別化を図っています。
Claude(クロード)3のAIモデル

Claude 3は、異なる特性を持つ複数のAIモデルを提供することで、様々なニーズに対応します。
Claude3が提供しているモデルは以下のとおりです。
- Claude 3 Haiku
- Claude 3 Sonnet
- Claude 3.5 Sonnet
- Claude 3 Opus
それぞれのモデルの特徴と、どのような場合に適しているのかを詳しく見ていきましょう。
Claude 3 Haiku
Claude 3 Haiku(ハイク)は、Claude 3シリーズの中で最もシンプルで軽量なモデルです。シンプルな質問に応答する場合や、短文を生成する場合に適しています。
Claude 3 Haikuは、基本的なタスクを低コストで実行でき、処理速度が非常に速いため、リアルタイム性の求められるタスクに最適です。出力されるテキストは短く簡潔で、要点が分かりやすい点が特徴です。
コストを抑えつつClaude 3の基本機能を利用したい場合や、キーワードの生成、シンプルな質問応答といった場合に利用するのがおすすめです。
Claude 3 Sonnet
Claude 3 Sonnet(ソネット)は、性能とコストのバランスが取れた中間モデルです。一般的な会話や質問応答、文章要約などをこなせる汎用的なモデルになります。
Claude 3 Sonnetは、ある程度の文脈を理解できるため、Haikuよりも複雑なタスクに対応できます。また、比喩や隠喩などを用いた、より洗練されたテキストを生成できる点も特徴です。
ブログ記事やニュース記事の要約、短編小説や脚本などのクリエイティブな文章作成などにおすすめです。また、複数の要素を含む質問に対して、詳細な回答を生成したいときにも使えます。
Claude 3.5 Sonnet
Claude 3.5 Sonnet(ソネット)は、Sonnetをさらに進化させたモデルで、2024年6月にリリースされました。前モデルのClaude 3 Opusを超える性能を備えながら、より低コストで利用できる点が特徴です。
知能・推論能力に関するベンチマーク全体において、Opusを上回る性能を示しており、特に大学院レベルの推論やコーディング、数学問題解決で優れた結果を出しています。さらに、ソネットチャットのような形式で、ユーザーとClaude 3 Sonnetがインタラクティブにテキストを生成していくことで、よりクリエイティブな作業が可能になります。
高度な推論や複雑な問題解決、プログラミングやチャート生成、専門的な分野の質問応答といったさまざまな使い方ができます。
Claude 3 Opus
Claude 3 Opus(オーパス)は、Claude 3シリーズの中で最も高性能なモデルです。
Claude 3 Opusは、卓越した言語理解能力や高い推論能力を持っており、複雑で高度なタスクに適しています。
例えば、数千ページに及ぶ法律文書を分析し、重要なポイントを抽出することや、複数の学術論文を比較して新たな研究の方向性を提案することができます。
また、Opusは高度なマルチモーダル機能を持っており、画像や図表、グラフなどの視覚的情報を深く理解し、それに基づいた詳細な分析や説明を行うことができます。
例えば、複雑な科学実験の結果グラフを解析し、その意味を詳細に説明したり、建築設計図を理解して改善点を提案したりすることが可能です。
Claude(クロード)3を利用する際の注意点

Anthropic(アンソロピック)のClaude 3はAIの安全性と透明性を追求する企業として多くの可能性を秘めていますが、それと同時にいくつかの注意点もあります。
Claude 3を利用する際の注意点として次の3つのことに気を付けましょう
- 最新の出来事については確認が必要
- URLやリンクは開けない
- 情報の取り扱いに注意する
最新の出来事については確認が必要
Claude 3は定期的に更新されていますが、常に最新の情報を持っているわけではありません。特に、最新の出来事や時事問題に関しては、情報が古い場合があります。
生成AIは、与えられたデータから学習して新しい情報を生成するため、その出力に誤情報が含まれる可能性があります。
この問題に対処するため、AIが生成した情報を全て信じるのではなく、人間が確かめて必要に応じて修正することが求められます。
URLやリンクは開けない
現在のClaude 3は、テキストベースのインターフェースで動作しており、URLやリンクを開く機能は備わっていません。
そのため、Claude 3がWebサイトのURLや特定のファイルへのリンクを提供した場合でも、それを直接クリックしてアクセスすることはできません。
URLやリンクへのアクセスが必要な場合は、ユーザー自身でブラウザなどにURLを入力してアクセスする必要があります。今後のアップデートでこの機能が追加される可能性もありますが、現時点では注意が必要です。
情報の取り扱いに注意する
生成AIは学習に使用されたデータから新しい情報を生成するため、元のデータに機密情報が含まれている場合、生成されたコンテンツにも反映される可能性があります。個人情報についても同様です。
そのため、ユーザーはデータの適切な管理及びデータの匿名化を行い利用しましょう。
また、Claude 3のような生成AIでは、インターネット上の膨大なデータを学習データとして使用しているため、アウトプットされた内容に関しては著作権や商標権に注意が必要です。
アウトプットのみならず、読み込ませる画像についても同様に著作権や商標権の侵害にならないよう注意して利用するようにしましょう。
まとめ:Claude(クロード) 3は革新的なAIモデル

Claude 3は、複雑な問題解決、高度なコンテンツ作成、専門的なアシスタント業務など、様々な分野でその力を発揮するAIモデルです。
複数のモデル(Haiku、Sonnet、3.5 Sonnet、Opus)が用意されているため、ユーザーは自身のニーズに合わせて最適なモデルを選択できます。
高速で簡潔なレスポンスを求める場合はHaiku、高度な推論や複雑なタスクにはOpusといったように、柔軟な使い分けが可能です。
今後、AIの技術はさらに進化し、Claude 3もアップデートを重ねていくことでしょう。この革新的なAIモデルの可能性を最大限に引き出し、社会や産業の発展に貢献していくためには、継続的な学習と適切な活用が不可欠です。
株式会社Jiteraでは、AIのノーコード開発やAI導入支援などのサービスを提供しています。AIを活用した開発に興味がある場合は、お気軽にご相談ください。
