PDFファイルを使用していますか。現代の情報化社会において、紙を使用した資料の作成は、あまり有効でない手法と言われています。
それ故に現代では、作成した資料を印刷するのではなく、電子のままタブレットやPCに保存し、その資料を共有する事で、より効率の良い資料の提供をしています。特に仕事上、データをエクセルでまとめたり、勤務表をPDF化して、上司に送付することもあるかと思います。
4~5年前くらいからPDFによる資料送付がメインになってきていて、さまざまな資料をPDF化して送付する方も多いのではないでしょうか。今回はそんなPDFファイルをより便利にする、Chat PDFと呼ばれるAIを使用したPDFソフトについて徹底解説します。
某電子専門学校卒業後、サーバー/ネットワーク運用業務を通し、ネットワーク設計/構築事業をメインにインフラ業務全般を担当。その後、某情報セキュリティ会社にて、情報セキュリティ教育事業の教育係も担当。
Chat PDFとは

Chat PDFとは、簡単に言うと、PDFファイルをアップロードするだけで、AIが自動的にPDFファイルの内容を要約したり質問に対して回答できるWebソフトです。
それ故に、PDFを受け取った人が、PDFの内容についてさらに理解したい場合、このChat PDFを使用するだけで、送付した相手に確認する事無く、PDFの内容の理解を可能とします。
Chat PDFの使い方

Chat PDFの概要について解説しました。ここではChat PDFの使い方について解説します。
Chat PDFは日本語だけでなく、海外のPDFファイルを翻訳したり、要約する事ができます。さらに、先ほども述べた通り、Chat PDFに送付されたPDFについて質問することで、Chat PDFが回答をしてくれます。それぞれ詳しく説明していきます。
Chat PDFへのアクセス方法
Chat PDFを利用するには、まずChat PDFの公式サイトへアクセスする必要があります。公式サイトはこちらになりますので、是非ご参照ください。
Chat PDFの公式サイトにいきますと、Chat with any PDFと記載されたサイトに飛びます。そこがChat PDFの公式ページであり、ソフトウェアのページでもあります。Webページの下部に、Chat PDFを利用した上でどのような点が便利だったかについて、各国のChat PDFを体験したユーザーの体験談が記載されています。
PDFファイルのアップロードと要約プロセス
ここでは実際にChat PDFを利用する上で、どのように使用すればよいのかについて解説していきます。
PDFファイルのアップロード
まずChat PDFを利用するには、PDFファイルをアップロードする必要があります。
以下の画面でPDFファイルをドラッグアンドドロップするか、Browse my Computerをクリックし、アップロードしたいPDFファイルを選択することで、PDFファイルをアップロードします。

PDFファイルに対して質問する
PDFファイルをChat PDFにアップロードすると、自動的に翻訳と要約が始まり、画面右にChatと記載のある画面が出力されます。
ここでChat PDFのAIが、PDFファイルに対して質問したい事や翻訳したい事に対してアクションを行います。
生成AIとチャットボットについて詳しく知りたい方は、以下記事を参照ください。
Chat PDFのメリット

ここまでChat PDFの概要、Chat PDFの使用方法について解説していきました。ここではChat PDFを導入することで得られるメリットを解説します。
時間節約と効率性の向上
今までのPDFファイルの取り扱いは、主に資料をまとめて、まとめた資料をPDF化し、その内容をそれぞれの人間に、聞かれた質問に一つ一つ説明しなければなりませんでした。
このChat PDFは、PDFを送付し、送付された人間はPDFファイルをChat PDFにドラッグアンドドロップするだけで、PDFをいちいち開くことなく概要を知る事ができます。
さらにChat PDFにはAIが搭載されているので、PDFの内容の質問に、AIが送付した人間の代わりに答えてくれます。これにより、時間の節約と効率性の向上につながっています。
多言語対応とグローバルな利用
以前までのPDFファイルでは、海外の言語の翻訳機能が備わっていないため、外国語でのPDFファイルが送付された際、外国語に詳しくないと、内容が理解できませんでした。Chat PDFでは、多言語の対応とグローバルの利用にも適しています。
例えば日本と海外で仕事についてPDFを利用してコミュニケーションをする場合、一つずつ翻訳サイトへ行く必要がありました。Chat PDFは、海外のPDFファイルをそのままChat PDFにアップロードするだけで、自動的に翻訳してくれます。
これにより、海外との仕事のやり取りをスムーズにし、会社をグローバルな環境にする事も可能になったのです。
記録の永続性
Chat PDFは、記録の永続性にも優れています。仕事のやり取りにおいて、疑問点や不明点がある場合、担当者に問い合わせて、問い合わせた内容をメモするなどして記録を取る必要があります。
そういった場合、書いたメモをきちんと保管したり、内容を覚えることでメモが不要になり、破棄するといった事をするかと思います。しかしその仕事のやり方は、効率的ではないですし、メモの内容によっては個人情報が含まれる為、危険性が生じます。
Chat PDFは、AIに質問した内容が記録として残る為、メモを取ったりする事に比べて、各段に効率的であることと、安全に個人情報を取り扱える事が利点になります。
Chat PDFのデメリット

ここまでChat PDFの概要から、Chat PDFの使用方法、Chat PDFを利用する事で得られるメリットについて解説していきました。ここではChat PDFを使用する上でのデメリットについて、それぞれ解説していきます。
情報の検索性が低い
Chat PDFのデメリットの一つが、情報の検索性が低い点です。Chat PDFを使用する際は、PDFをアップロードするだけで、要約したり質問ができますが、Chat PDFはまだ開発されてから間もないため、情報として広い領域のものを持っていません。
それ故に、質問する事がなんとなく曖昧であったりすると、質問に対する答えが不自然であったりすることがあります。
また、Chat PDFを使用して情報を綿密に知りたいという場合でも、情報の検索性が低いため、Chat PDFを使用する場合は、より情報を知りたい方には向いていないと言えます。
情報の更新が困難
Chat PDFを使用する上で生じるデメリットの二つ目が、情報の更新が困難という点です。Chat PDFは先ほど述べた通り、開発されて間もないです。それ故に今まで学習してきたAIの頭脳が、現在の情報の展開に追い付いていない点があります。
これはChat PDFだけでなく、Chat-GPTシリーズでも言える点であり、現代のAI技術の課題でもあります。それ故に、Chat PDFを使用して、どんどん情報を更新していきたいという方には、まだそのような手法で情報の更新を行っていくことは難しいと考えた方が良いでしょう。
ファイルサイズが大きくなりがち
Chat PDFを使用する事で生じるデメリットの4つ目が、ファイルサイズが大きくなりがち、という点です。Chat PDFは、Web上にPDFファイルをアップロードすることにより、AIが要約や翻訳、質問等を行います。それ故に、その質問や要約、翻訳などのプロセスにおいて、とても大きい情報をアウトプットすることになります。
アウトプットした情報をAIが処理し、PDFに書き出すので、ファイルサイズが大きくなりがちになります。例えば、PDFファイルをChat PDFにアップロードし、要約するように指示すると、数秒で要約しますが、これだけでファイルサイズが大きくなってしまいます。
ファイルサイズを大きくしたくない場合は、あまり頻繁に質問をしないことをお勧めします。
Chat PDFの無料版と有料版

| 項目 | Chat PDF無料版 | Chat PDF有料版 |
| 何ページまでのPDFが使用できるか | 120ぺージ/月 | 2000ページ/月 |
| ファイルサイズ上限 | 10MB/月 | 43MB/月 |
| 何件まで質問できるか | 50件/日 | 1000件/日 |
ここまでChat PDFの概要、Chat PDFの使用方法、Chat PDFを使用する事で得られるメリットからデメリットまで解説してきました。ここではChat PDFで使用する、無料版と有料版の違いについて、それぞれ解説します。
無料版の機能
まずChat PDFの無料版の機能について解説します。無料版ですので基本料金は0円です。使用できる機能は、Chat PDF上にPDFをアップロードする事で、PDFの内容を要約する機能がまず一つの機能です。
例えば部下から送られてきたプレゼンの資料を、上司が目にする場合、上司の状況によっては忙しくて要約してほしいシーンがあるかと思います。そのような場合、多少曖昧でも、Chat PDFに「要約」と記載するだけで、PDF内のページを要約してくれます。
ただし、無料版では制限があり、PDFのページ数が120ページまで無料で要約が出来ますが、それ以上のページ数は要約できません。さらにPDFのファイルサイズ上限が10MBまで、となっています。
プレゼンの資料やパワーポイント等、ページ数とファイルサイズが大きくなるような資料の場合には、無料版でなく有料版を利用する事をお勧めします。
有料版の追加機能
次に、Chat PDFの有料版の追加機能について解説します。Chat PDFの有料版の基本機能は、無料版と基本は変わりませんが、先ほども述べた通り、無料版では読み込ませられるページ数と、ファイルサイズが大きく制限されています。
有料版であれば、ページ数は2000ページまで読み込ませることが出来ますので、2000ページであれば会社内の文章などは基本的にどのような場合でも、読み込ませる事が可能なのではないでしょうか。
さらに、ファイルサイズも32MBまでとなっています。そして、一日にChat PDFに質問できる数が、無料版では50回までとなっていましたが、有料版では1000回まで質問ができます。
例えば大学などで、生徒からレポートを受け取り、教員が添削を行う場合に、Chat PDFを使用して質問する場合などでは、添削する資料に対して質問できる回数が50回では、少なすぎると考えられます。有料版であれば、1000回まで質問できるので、生徒数が多くても、十分に活用できるかと思います。
また、無料版では使用可能なPDFファイル数が3つと、とても少なく、会社内でのやり取りにおいては場合によっては足りないケースが多々生じる可能性があります。
有料版であれば50個まで一日に使用できますので、頻繁にPDFを要約したいのであれば、有料版を使用しましょう。しかも有料版といってもそれほど高額ではなく、ひと月に5ドル支払うだけで、有料版を使用できます。
Chat PDFの使い方のコツとヒント

ここまでChat PDFの概要から基本的な操作、Chat PDFを使用する事で得られるメリットから、Chat PDFを使用する上で生じるデメリット、Chat PDFの有料版と無料版の違いについて解説してきました。ここではChat PDFを使用する際の、コツとヒントについて解説します。
最適なPDFファイルの選び方
Chat PDFを使用する上で、最適なPDFファイルの選び方ですが、使用する用途や、無料プランを利用するのか、有料プランを利用するのかで使い方が変わってきます。
無料プランをビジネスで使用する場合は、主にミーティング等で取った議事録や、仕事をしている上で取ったメモなどで、十分活用できるかと思います。
大学や教員など、生徒からレポートを提出されて添削を行う場合や、会社の役員で頻繁に部下から資料を受け取る方であれば、必然的にPDFファイルを読む数が多くなる場合がありますので、その場合は有料プランを利用する事をおすすめします。
要約結果の活用方法
次にChat PDFの要約結果の活用方法についてですが、例えば会社で部下から受け取った資料を、時間をかけて読む場合はあまり要約をしなくて良いですが、時間がなく、部下から提出された資料の量が多い場合は、要約結果を活用する事で、資料を読む時短になります。
学校現場などでは、生徒から資料を受け取り、読むことが多いと思いますので、受け取った資料をChat PDFで要約して、要約結果を見てから、気になる部分を詳細に資料を読むと、時短かつ生産的に仕事をする事に繋がるのではないかと考えられます。
Chat PDFの応用事例

ここまでChat PDFの概要から、基本的な使い方、Chat PDFを使用する事で得られるメリットからデメリット、無料版と有料版の違い、Chat PDFの使い方のヒントまで解説していきました。ここではChat PDFの応用事例について、詳しく解説していきます。
教育分野での利用
Chat PDFの教育分野の応用事例について解説します。Chat PDFだけでなく、教育現場でのAIを用いた活用例は沢山あります。
Chat PDFの場合では、生徒に出した課題に対して、提出された回答を、Chat PDFによりまとめて要約することで、生徒がどのような考えで回答したのかを、瞬時に知る事ができます。さらに、論点の洗い出し等も、Chat PDFで可能になります。
例えば、Chat PDFにPDFをアップロードする事で、要約をし、生徒が何を思っているのかを、生徒の代わりにChat PDFに質問する事で、生徒の時間を奪う事なく、効率よく様々な論点の洗い出し等が可能になるのです。
ビジネス文書の要約
Chat PDFのビジネス文書の要約における活用事例について解説します。Chat PDFは、何度か述べていますがビジネスの要約において、上手く活用することで、仕事の生産性を上げる事ができます。
例えば、打ち合わせの議事録やメモなどを取り、その内容を文章に起こしてPDF化し、PDF化したものをChat PDFの機能で要約するといったステップを踏むだけで、上司や部下が何を思っているのかをすぐ理解できます。
また、新人が社内に入ってきた場合、Chat PDFを使用することで、新人に伝えなければならない事を、効率的に伝えることができます。
伝えたい文章が長文であればあるほど、Chat PDFの要約の機能を活用できるのが利点と言えます。
Chat PDFに関するよくある質問

ここまでChat PDFの概要、基本的な使い方、Chat PDFを使用する事で得られるメリットとデメリット、Chat PDFの無料版と有料版の違い、コツとヒント、Chat PDFの活用事例について解説してきました。ここではChat PDFに関するよくある質問について解説します。
言語対応範囲
Chat PDFは、Chat-GPT3.5をベースに開発されたソフトウェアですので、日本語をはじめ、英語やフランス語、スペイン語やドイツ語など、様々な言語に対応しています。
しかし、現在Chat PDFの使用出来る言語の対応範囲を明示していないため、一部の言語が使用できない可能性があります。
Google ChatでのPDF保存機能との連携
Chat PDFにおいて、Google Chatで会話した内容をPDF化し、Chat PDFで連携させることが出来るかどうかですが、結論から言えば出来ます。
Chat PDFは、無料版の場合、基本的に制限される範囲内であれば、どのようなPDFファイルでも要約ができます。それ故に、会社等でGoogle Chatで打ち合わせを行い、打ち合わせた会話の内容を要約した状態で知りたい場合、そのGoogle Chatで会話した内容をPDF化しChat PDFにアップロードするだけで、簡単に要約できます。
さらにGoogle Chatで会話をしていた際に、もう一度会話の内容を知りたかったことを、Google Chatの会話内容をPDF化し、PDFファイルをChat PDFにアップロードして、Chat PDFで質問するだけで、知る事ができます。
Chat PDFのまとめ

ここまでChat PDFの概要から基本的な使い方、Chat PDFを使用する事で得られるメリットとデメリット、Chat PDFの有料版と無料版の違い、使い方のヒントから活用事例、よくある質問まで解説していきました。Chat PDFは次世代のAI技術のChat-GPT3.5を活用した、ビジネスにおける最新のPDF技術と言えます。
現在はChat PDFだけでなく、画像生成AIなど様々な分野で、ビジネスにおけるAIを活用したソフトウェアが誕生しています。このようなAI技術を搭載したソフトウェアは、時間を短縮したり生産性を上げるだけでなく、人間が仕事に割くリソースを減らすことにもつながるでしょう。
もしAI技術を駆使したソフトウェアの導入を考えているのであれば、株式会社Jiteraに相談するとよいです。こちらのフォームから導入を考えているAI技術について詳しく記載し、送信すれば、折り返し担当者から、詳しい説明をしてもらえます。

