研究や業務で論文を探す必要が出たとき、過去から現在までの膨大な論文を一人で検索するのが大変だと感じたことはないでしょうか。
最新の情報がうまく見つからなかったり、論文全体の傾向が知りたいのに知れなくて困ったりすることもあるでしょう。
今回は、論文検索でよくある困りごとを解決してくれるConsensusというAIツールについてご紹介したいと思います。
このConsensusを利用することで普段の検索がどれだけ効率化できるのか、利用料金はいくらかかるのか、検索以外にどんなことができるのかをご説明していきます。
大手通信会社でSEとして9年働き、現在は独立してフリーランスとして開業。 生成AIを活かした業務の効率化に取り組んでいる。
GPTs Consensusとは
 GPTs Consensusは、2億件以上の学術論文データベースにアクセスできる強力な論文検索ツールです。ChatGPTと連携することで、より効率的な論文作成と研究活動をサポートします。
ChatGPTで使える論文検索GPTs
Consensus aiは、ChatGPTのGPTsストアで提供される特別な論文検索機能です。
以下の特徴があります。
・引用元の明確な表示
・英語/日本語での検索対応
・研究分野別のフィルタリング
機能については後ほど詳しく説明します。
特に重要なのは、GPTsを通じて使用することで、以下のような作業が効率化できることです。
・研究テーマの絞り込み
・文献レビューの作成
・引用文献リストの生成
ChatGPTsでの連携方法
Consensus aiとChatGPTを連携
させる手順は以下の通りです
1. ChatGPT Plusにログイン

2. 左上の「GPTを探す」をクリック

3. 検索窓に「Consensus」と入力

4. 公式の「consensus.app」を選択

5. 「チャットを開始」をクリック

英語で検索を行うと、より正確な情報を得られることが多いです。
特に具体的な質問形式で入力することで、検索の精度が向上します。また、論文を作成する際には、引用元をしっかり確認することが重要です。
これにより、情報の信頼性を確保し、質の高い論文を書くことができます。検索の際にはこれらのポイントを意識してみてください。
実際の研究では、まず広く論文検索を行い、その後フィルター機能を使って絞り込むことをおすすめします。
無料版では、利用できる機能に一部制限があります。
これにより、特定の高度な機能やサービスが利用できない場合がありますので、必要に応じて有料版の検討もおすすめします。
Consensusの機能
Consensus aiは、研究者や学生の論文検索を革新的に変えるAIツールです。
5つの主要機能を通じて、効率的な論文作成と研究活動をサポートします。
検索
 Consensus aiの検索機能は、2億件以上の査読済み論文から最適な情報を見つけ出します。
通常の論文検索と異なり、自然言語での質問に対して直接回答を提供します。
【検索機能の特徴】
・日本語/英語両対応
・質問形式での入力が可能
・関連性の高い論文を優先表示
・GPTと連携した対話的な検索
フィルター

効率的な論文検索のために、複数の絞り込みオプションを提供します。
【主なフィルター項目】
・発行年
・研究分野
・研究タイプ
・引用数
・オープンアクセス
この検索機能では、ユーザーが求める情報を効率的に絞り込むためのフィルター項目が充実しています。発行年や研究分野、研究タイプといった基本的なフィルターに加え、引用数やオープンアクセスの有無も選択可能です。これにより、特定の条件に合致した論文を簡単に見つけられ、研究活動をサポートします。
要約
 AIが論文の重要なポイントを自動で抽出し、分かりやすく要約します。
この機能により、論文作成時の文献レビューが大幅に効率化されます。
【要約機能の特徴】
・主要な研究結果の抽出
・方法論のハイライト
・結論のポイント整理
・引用情報の自動生成
この要約機能は、論文の主要な研究結果を抽出し、方法論をハイライトすることで、研究内容を簡潔に理解できるようサポートします。また、結論のポイントを整理し、重要な情報を明確に示します。さらに、引用情報を自動生成することで、効率的に正確な引用が可能となり、研究や執筆作業を円滑に進められます。
シェア
 研究チームでの情報共有を促進するシェア機能を搭載しています。
【シェア方法】
・リンク共有
・PDF出力
・チーム内での注釈付け
・共同編集機能
このシェア機能は、情報の共有とコラボレーションを円滑に行うための多様な方法を提供します。リンク共有により簡単に情報を他者と共有でき、PDF出力で資料として保存することが可能です。
また、チーム内で注釈を付けられる機能や共同編集機能を活用することで、複数人での効率的な作業や意見交換が実現します。これにより、チーム全体での理解と協力が深まります。
リスト保存

重要な論文や参考文献を整理・保存できる機能です。
論文作成時の引用管理に特に役立ちます。
【リスト機能の特徴】
・カスタムフォルダ作成
・タグ付け
・検索履歴の保存
・引用形式の自動変換
このリスト機能は、情報整理と効率的なデータ管理をサポートします。
ユーザーはカスタムフォルダを作成して資料を整理し、タグ付けによって簡単に情報を分類できます。さらに、検索履歴を保存することで過去の調査を素早く参照可能です。
引用形式の自動変換機能により、様々なスタイルでの引用が容易になり、研究や執筆活動をスムーズに進めることができます。
これらの機能を組み合わせることで、効率的な研究活動と論文作成が可能になります。
Consensus AI論文検索サービスの使い方

Consensus AIを使った論文検索は、従来の方法と比べてはるかに効率的です。このAIツールを使えば、研究や論文作成の時間を大幅に短縮できます。
基本的な検索方法

Consensus aiでの論文検索は、以下の手順で行います
1. 検索窓に調べたいテーマを入力

2. 英語での入力を推奨(より正確な結果が得られます)

3. 質問形式での入力が可能
4. AIが関連する論文を自動で分析
【検索のポイント】
この検索機能は、情報を効率的に見つけるためのポイントを提供します。具体的な質問形式で入力することで、より精度の高い検索結果を得ることができます。
また、キーワードの組み合わせを工夫することで、関連性のある情報を引き出しやすくなります。さらに、フィルター機能を活用することで、検索結果を必要な条件に絞り込むことが可能です。
これにより、ユーザーは目的に合った情報を迅速に取得できます。
ビジネスでの応用例

Consensus aiは、ビジネスシーンでも幅広く活用できる論文検索ツールです。各職種に合わせた具体的な活用方法をご紹介します。
データアナリスト
データアナリストの方々は、Consensus aiを使って以下のような活用が可能です
【主な活用方法】
・最新の分析手法の調査
・統計モデルの選定
・業界トレンドの把握
・データ可視化の手法研究
特に論文検索による最新のデータ分析手法の習得は、業務効率を大きく向上させます。
GPTと連携することで、より実践的な分析手法の開発にも役立ちます。
ブログ運営、コンテンツマーケティング
コンテンツ制作者向けの活用方法をご紹介します
【活用ポイント】
・科学的根拠のある記事作成
・トレンドキーワードの発掘
・競合他社の分析
・ユーザー行動の研究
論文作成の経験がなくても、AIが要約してくれるため、専門的な内容を分かりやすく記事化できます。
エンジニア
エンジニアの方々に特に有効な使い方です
【技術研究での活用】
・新技術のリサーチ
・アルゴリズムの調査
・性能評価手法の検討
・セキュリティ対策の研究
Consensus AIを使うことで、最新の技術動向を効率的に把握し、実装に活かすことができます。使い方次第で、開発時間の短縮にも繋がります。
使用時に注意すること

Consensus aiを効果的に活用するためには、いくつかの重要な注意点があります。これらを理解することで、より効率的な論文検索と論文作成が可能になります。
英語で利用する
Consensus aiでの論文検索は、英語での利用が基本となります。日本語で検索すると、AIが自動翻訳を行うため、意図した検索結果が得られない可能性があります。
【英語利用のポイント】
・検索キーワードは英語で入力
・専門用語は正確な英語表記を使用
・GPTと連携する場合も英語での入力を推奨
英語での検索は日本語での検索と比べて約3倍の精度で適切な論文がヒットするとされています。
利用制限がある
無料アカウントでは、以下のような利用制限があります。
【無料版の制限事項】
・1日あたりの検索回数制限
・論文要約機能の利用制限
・論文作成支援機能の制限
・高度なフィルター機能の制限
これらの制限は、有料プランにアップグレードすることで解除できます。
プラン内容を確認する
Consensus aiには以下の料金プランがあります
| プラン名 | 料金 | 特徴 | 
| Basic | 無料 | 基本的な論文検索ができる | 
| Professional | 月額29.99ドル | 高度な検索機能よGPTが連携できる | 
| Team | 月額99.99ドル(5ユーザーまで) | チーム共有機能と管理機能がある | 
| Enterprise | 要お問い合わせ | カスタマイズ可能なAPIと連携ができる | 
研究や業務で本格的に使用する場合は、制限のないProfessionalプラン以上がおすすめです。
Consensus以外のAI論文検索ツール

効率的な論文作成と研究活動のために、Consensus ai以外にも優れたAI論文検索ツールが存在します。それぞれのツールには独自の特徴があり、用途に応じて使い分けることで研究効率が大幅に向上します。
| ツール名 | 主な特徴 | 無料プラン | 日本語対応 | GPT連携 | 
| Consensus | 高精度な要約機能 | ◯ | ◯ | ◯ | 
| Perplexity AI | 対話形式検索 | ◯ | ◯ | ◯ | 
| SciSpace | PDF解析特化 | ◯ | ◯ | × | 
| Elicit | 詳細フィルター | ◯ | △ | × | 
| Connected Papers | 関係性可視化 | ◯ | × | × | 
Perplexity AI
 Perplexity AIは、論文検索とWeb検索を組み合わせた革新的なツールです。
ChatGPTのような対話形式で質問できる特徴があり、論文作成時の情報収集に最適です。
特筆すべきは、Academic modeという専用の検索モードを備えており、学術的な情報に特化した検索が可能です。
また、日本語での検索にも対応しているため、英語が苦手な研究者でも扱いやすいツールとなっています。
SciSpace
 SciSpaceは、PDF論文の解析に特化したAI論文検索ツールです。
アップロードした論文の内容をAIが理解し、図表の説明まで行える高度な機能を備えています。
70言語以上に対応しており、1,220万件以上の論文データベースを保有しています。
特に、研究者向けの機能として、論文の引用関係や研究手法の分析が可能で、論文作成時の文献レビューを効率化できます。
Elicit
 Elicitは、Semantic Scholarのデータベースを活用した専門的な論文検索ツールです。
検索結果の要約機能が充実しており、効率的な文献レビューが可能です。
特徴的なのは、研究手法別の検索や詳細なフィルタリング機能で、目的に応じた論文を正確に見つけ出すことができます。
また、引用管理機能も備えており、論文作成時の参考文献リストの作成も容易です。
Connected Papers
 Connected Papersは、論文間の関連性を視覚的に表示する独自の機能を持つツールです。
研究分野の全体像を把握したい場合に特に役立ちます。
時系列での論文配置や引用関係の可視化により、研究動向を直感的に理解することができます。
GPTとの連携はありませんが、論文の関係性を理解する上で非常に有用なツールとして、多くの研究者に支持されています。
Consensusのまとめ

Consensusは研究・ビジネスにつかえる論文のリサーチツールです。論文の検索・要約・フィルタリングなどの機能が無料で利用できます。
ChatGPTと連携させることで、より対話的に論文を検索できるだけでなく、レビューの作成なども行えます。こういったAIツールをどんどん利用して、普段の業務を効率化していきましょう。
なお、当記事で不明点があった場合やお困りごとがある場合、Consensusに関する質問、お仕事のご依頼などがございましたらJiteraにご相談ください。
最後に、Jiteraでは要件定義を書くだけでAIが生成するツールで、アプリ・システム開発を行っています。制作している途中で要件が変更になっても柔軟に修正しながら開発できるので、アプリ開発・システム開発のご相談があればお気軽に相談ください。
