無線LANとは?Wi-Fiや有線LANとの違いや仕組み、メリット、注意点などをわかりやすく解説,

仕事やプライベート等で、無線LANやWi-Fiを利用している方が多いかと思います。日々の生活の中で、無線LANやWi-Fiは無くてはならない存在となっています。

今回はそんな無線LANやWi-Fiについて、有線LANとの違いの比較も含めて、徹底解説していきます。もし無線LANを構築したいと考えているのであれば、本記事を最後までご覧ください。

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監修者 エンジニア 石島

某電子専門学校卒業後、サーバー/ネットワーク運用業務を通し、ネットワーク設計/構築事業をメインにインフラ業務全般を担当。その後、某情報セキュリティ会社にて、情報セキュリティ教育事業の教育係も担当。

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    無線LANとは

    無線LANとは、ローカルエリアネットワーク上に無線LANルーターやアクセスポイントを設置する事により、無線でそれぞれのデバイスと接続し、ローカルエリアの通信を可能としたり、インターネットとの通信を可能とするものです。

    無線LANを導入することで、以前の有線LANのようなケーブルを配置することなくインターネット接続が出来る為、導入後の見た目が配線だらけにならず、とてもスマートにLANの構築ができます。無線LANにはさまざまな通信規格が存在し、通信規格によって速度やセキュリティレベルが違ってきます。

    無線LANを導入する際は、自社の規模や自社にある端末の特徴に沿った無線LANルーターを配置し、設定をする必要があります。さらに、無線LANには無線として飛ばす電波が干渉してしまうと、上手く接続できなかったり、通信が途切れてしまうこともあるので、注意が必要です。

    無線LANの仕組み

    無線LANの基本的な概念を紹介しました。ここからは無線LANにおけるそれぞれの仕組みについて解説していきます。主に無線LANの構成における要素や、その通信方式、接続方法の三つの観点から詳しく説明していきます。

    無線LANの構成要素

    無線LANの構成要素は、無線LANで接続する為の機器、無線接続する為の周波数、それぞれのディストリビューションシステムにて、構成されています。

    無線LANには無線で電波を飛ばす親機、それを受ける子機が存在します。親機はPCなどさまざまなデバイスへ電波を飛ばし、PCなどのデバイスに内蔵されている子機が電波を受けて接続を可能とします。

    さらに無線LANの電波には、無線の周波数というものが存在していて、これにより会社にあるさまざまな磁気と干渉しないことにより、安定した通信を可能としています。

    そして、無線LANが接続する範囲が狭い場合、無線LANの親機同士を接続することで、ディストリビューションシステムを構築し、無線LANの接続範囲や速度を向上させます。無線LANはこれら3つの構成要素で、上手く無線LANとして機能しているのです。

    無線LANの通信方式

    無線LANには二つの通信方式が存在します。一つはアドホックモードと呼ばれる通信方式です。主に無線LANネットワークを拡張したいときに使用する通信方式です。無線LAN機器同士をSSIDと呼ばれる無線接続するためのアクセスポイントを使用せず、そのまま接続します。

    一般的な接続方式ではないので、初めて知ったという方も多いかと思います。

    もう一つは、インフラストラクチャモードと呼ばれる通信方式です。無線LANの親機が常時発信しているSSIDと呼ばれるアクセスポイントへ、PCなどのデバイスに内蔵されている無線LANアダプタがSSIDの通信条件とパスワードが一致した場合、相互にネゴシエーションされ接続されます。この無線LANのSSIDに接続したデバイスは、無線LANに接続されているデバイスにアクセスしたり、インターネット通信を可能にします。こちらは一般的な無線LAN接続として有名な通信方式と言えます。

    無線LANの接続方法

    無線LANの接続方法は、先ほども紹介しましたが、無線LANがSSIDをブロードキャストする範囲内にPCなどさまざまなデバイスが存在した際に、それぞれの情報が一致した場合無線LANとそのデバイスを接続します。ただし、一致する情報がSSIDやセキュリティキーだけでなく、周波数帯域やセキュリティレベル(WPA2やWPA3など)も一致する必要があります。

    周波数帯域は主に、2.4GHzと5GHzが存在し、それぞれ接続する為の規格が違います。2.4GHzの接続速度は5GHzと比べて遅いですが、あまり電波の干渉をしません。対して5GHzは、2.4GHzと比べて高速ですが、電波の干渉を受けやすいです。

    どちらを利用するかは、会社のPCなどのデバイスにおける使用状況によって判断する必要があります。

    無線LAN、有線LAN、Wi-Fiの違い

    無線LAN、有線LAN、Wi-Fiについてそれぞれの違いを解説します。

    有線LANは、LANケーブルと呼ばれるものを物理的に用意して、ルーターからPCなどのデバイスのLANポートへ接続していきます。予めルーターの設定が完了していれば、LANケーブルを接続するだけでインターネット通信を可能とします。

    対して無線LANは、無線LANルーターというものを購入し、無線LANがブロードキャストするSSIDとセキュリティキーの設定を行い、それぞれのPCなどのデバイスから無線LANへ一致する情報をネゴシエーションする事でインターネット通信を可能とします。

    Wi-Fiは、無線LANと同じものと勘違いされがちですが、IEEE802.11という規格を認定したものを指します。また、ポケットWi-Fiは無線LANではありません。ポケットWi-Fiは無線を飛ばして接続した端末をインターネット通信ができますが、無線LANと同じ技術ではありません。

    無線LANは主に無線ルーターと呼ばれるものから電波を飛ばし、無線LANルーターは会社内にあるONUと接続してインターネット通信を可能としています。一方でWi-Fiは、SIMカードを利用してインターネット接続を可能としています。

    無線LANはWi-Fiよりとても高速ですが、LAN内でしか使用できません。Wi-Fiは無線LANより速度は落ちますが、SIMによりどこでもインターネット通信を可能とします。これらが無線LANとWi-Fiの大きな違いと言えるでしょう。

    項目 有線LAN 無線LAN Wi-Fi
    接続方法 有線 無線 無線
    必要なもの ルーター、LANケーブル ルーターのみ ルーター、SIMカード
    速度 とても速い やや速い 少し遅い

    無線LANのメリット

    ここまで無線LANの基本概念と、無線LANにおける通信や接続方式について、無線LANと有線LAN、そしてWi-Fiの違いについて解説していきました。ここでは無線LANを導入する事で得られるメリットを解説します。

    ケーブルレス

    無線LANの導入において得られるメリットの一つ目は、ケーブルレスであるという点です。無線LANがまだ存在していない時代では、有線LANによる接続方式しかなく、ケーブルの種類もさまざまにあり、プロバイダが提供している速度と規格や、有線ルーターが対応している規格に対応したケーブルを用意する必要がありました。さまざまな種類のケーブルを用意し、そのケーブルを社内の端末へ一本ずつ接続する必要があり、見た目的にあまりスマートとは言えませんでした。

    無線LANの登場により、ケーブルをONUと無線LANルーターのみ接続するだけで、社内のさまざまなデバイスに接続でき、見た目がとてもスマートにできるようになったのです。現代の無線LAN接続は、ITインフラ技術の進歩により、とても高速なので導入する企業が年々増えています。

    スマートデバイスやその他機器との拡張性

    無線LAN技術の登場により、企業内に配置しているさまざまなデバイスと連動し、動作させることができます。例えば、スマホやタブレットなど、物理的に有線LAN接続が不可能なデバイスでも、無線LAN一つあれば、すぐにインターネット通信ができます。

    また、会社内にあるノートPCや無線機能が内蔵されたプリンターにも、無線LANがあれば、ある程度距離が離れていたとしても、すぐにインターネット通信とローカルエリア接続が可能です。

    無線LANの登場により、これらスマートデバイスの接続や、会社内にある業務に必要なデバイスとの接続を可能としました。これにより、無線LANは企業のさまざまなデバイスの拡張性を高めました。

    移動が簡単で設置が容易

    無線LAN導入におけるメリットの三つ目が、移動が簡単で設置が比較的容易な点です。無線LANはケーブルをほぼ必要としないため、無線LAN機器を移動することが手間ではありません。有線LANはケーブルが必要であるため、少し場所を移動した場合でも、ケーブルが引っ掛かったりして、ルーターの移動が困難でした。

    無線LANはONUと繋がっていますが、その先には基本的にケーブルが無いため、ある程度の距離は自由に動かせます。無線LANに接続しているデバイスも、ケーブルが無いため移動して再度設置することが容易です。新たにデバイスを増設したとしても、ある程度は距離の制約が無いため、追加での設置も簡単です。

    コスト

    無線LANは、ケーブルとHUBなどを用意する必要が無いので、コストを抑える事ができます。特に規模が大きい企業となると、有線LANの場合はとても長いLANケーブルを配線する必要があり、LANケーブルを用意する本数もとても多いです。

    これらを行うには、社内の人間だけではほぼ無理ですので、業者を呼んで配線を行ってもらう必要がありました。これにより、LANケーブルを用意すること、LANケーブルを配線すること、業者を呼ぶことの三点により、初期のコストが大幅にかかってしまうというデメリットが、有線LANにはありました。

    無線LANの普及に伴い、企業の規模が大きいほど無線LANを導入しています。これにより、社内の人間が多く、扱うデバイスが多くても、コストを抑えた社内のITインフラの整備を可能とします。

    無線LAN使用時の注意点

    ここまで無線LANの基本概念、仕組み、有線LANやWi-Fiとの違い、無線LANを導入する事で得られるメリットを解説していきました。ここでは無線LANを導入する際の注意点について、セキュリティと通信速度、メンテナンスについて説明します。

    セキュリティ対策

    無線LANを導入する際は、セキュリティ対策を必ず行うようにしましょう。無線LANは基本的に、SSIDをブロードキャストして、ブロードキャストした範囲にあるPCであれば、SSIDの情報とセキュリティキーが解ればどのデバイスでも接続が可能です。

    一見とても便利なように見えますが、それゆえに危険性も高まっています。特に個人情報を扱う企業であれば、サイバー犯罪を目的とする人間から、何らかの手段でSSIDとセキュリティキーを解析し、不正アクセスをされてしまいます。これにより企業が保管している個人情報を、容易く抜き取ることができるのです。

    そのような事に対策するために、無線LANルーターのセキュリティキーを他人に解らないような組み合わせにすることと、セキュリティレベルをWPA3AESに、最低限する必要があります。

    通信速度

    無線LANは高速通信ができると紹介していますが、場合によっては通信速度が低い状況も考えられます。特に高層階に会社がある場合、様々な電波の種類により、無線LANルーターが飛ばしている電波が干渉してしまう恐れがあります。これにより、無線LANルーターが発信している電波が弱くなり、無線LANルーターの力を発揮できなくなります。

    さらに、無線LANルーターとの接続の安定性も悪くなり、通信が出来たり出来なくなったりするケースがあります。その場合は、無線LANルーターをメッシュ化する事で、問題を解決できます。メッシュ化とは、無線LANルーター同士をお互いにネゴシエーションすることで、無線LANルーターが発する電波の範囲を広くできます。

    これにより、各階の無線LANルーターを同じ情報で配置できて、その無線LANルーターの電波の範囲を格段に広くすることができるのです。規模が大きい企業はこの無線LANルーターのメッシュ化をするとよいでしょう。

    定期的な掃除

    無線LANルーターは、とても便利な機器ですが、精密にできています。少し衝撃を与えたり、落としてしまう事で、無線LANルーターに多大なダメージを与えてしまいます。さらに埃にも弱いので、埃まみれになった無線LANルーターは電波を飛ばす力が弱くなってしまいます。

    そのような事が無いように、定期的に無線LANルーターの埃や汚れを清掃しましょう。いちいち掃除するのも手間かもしれませんが、無線LANルーターの電波の力が弱くなってしまうと、接続安定性や通信速度が低下してしまい、業務に支障が出てしまいます。それゆえ手間を惜しまず、定期的に汚れを落としましょう。

    無線LAN関連機器の紹介

    ここまで無線LANの基本的な事から仕組み、無線LANを導入することで得られるメリットや、導入した上で注意する点を紹介しました。

    最後に無線LANに関連する機器の紹介をしていきます。

    無線LANカードとは

    無線LAN関連機器には、無線LANカードと呼ばれるものが存在します。これは、主に無線機能が無い機器に対して、無線の機能を追加する機器を指します。これにより、有線でしか接続出来なかったルーターに対して、無線LANカードを差し込むことで、無線LANルーターとして機能できます。

    また、PCなどに、この無線LANカードを追加することで、有線接続のみ対応のPCを、無線接続に対応したPCへと変化させます。このような、ルーターやPCを、有線接続のみのものから無線接続への対応を可能とします。

    ただし、無線LANカードにはさまざまな規格が存在しますので、社内の環境にあった無線LANカードを導入する必要があります。安価なものが多数存在しますが、まれに通信速度が極端に遅く、接続がよく途切れてしまう無線LANカードが存在します。

    無線LANカードを選ぶ際は、規格だけでなく、ルーター製品として聞き馴染みのあるメーカーであるかといった点を、よく確認しましょう。

    ルーターとは

    無線LANには、無線接続を可能とするための親機である、無線LANルーターがあります。これが無いとそもそも無線LANの構築ができません。無線LANルーターにも様々な機能と種類があります。

    2.4GHz、5GHzそれぞれに特化したものであったり、両方とも対応しているものも存在します。

    さらに無線LANのセキュリティレベルがWPA3エンタープライズに対応している、暗号化に特化したものも存在します。

    また、電波を飛ばす範囲も予め定められていて、最初からメッシュに対応している無線LANルーターもあるのです。こちらも、安価なものからとても高価なものまで、さまざまに存在します。

    高価なものですと、無線LANルーターの機能だけでなく、暗号化通信を行えるVPNの機能が入ったものや、アプリ上から簡単に無線LANルーターとして設定可能なモデルまであります。また、IPv6プラスといった、高速通信技術に対応した無線LANルーターも存在します。

    ただし、VPNやIPv6プラスといった技術も、プロバイダにより使用できるか、対応していないかが違ってきますので、無線LANルーターを選定する場合はプロバイダの情報をよく確認してから選ぶようにしましょう。

    そして、企業の規模に合わせて、無線LANルーターがどれくらい電波を飛ばす必要があるのか、メッシュ化が必要なのかといった検討をする必要があります。それぞれ、システム担当者と会社内でよく考えて、無線LANルーターの導入をしましょう。

    まとめ:無線LANの活用と将来性

    無線LANの基本的な概念から無線LANを導入する事で得られるメリット、注意点などを解説していきました。無線LANはまだまだ技術が発展している状況であり、今後さらに無線LAN技術は飛躍的に成長を遂げるものと考えられます。

    現代の無線LANルーターも、無線の技術の発展により、日々ファームウェアの更新が行われていて、明らかに使いやすく、安定して動作しています。これらにより、ビジネスにおいても無線LANの技術と、Wi-Fiの技術において、より効率的に業務が行えると言えます。

    特にWi-Fiは、ポケットWi-FiやPCに内蔵されているWi-Fi技術により、どこからでもインターネット通信を可能としています。それ故に業務において効率性と生産性の向上に繋がっています。

    ただし、無線LANはセキュリティ面に弱い特性がある為、企業においては常に最新の無線LAN技術を使用する必要性があります。現代の無線LAN技術は、以前と比べて格段に導入方法が容易になり、スマホアプリから簡単に無線LANを管理できる技術もあります。

    もし自社が有線による接続方式なのであれば、無線LAN方式の変更へ検討するとよいでしょう。後の企業の発展に合わせて、インフラの整備がしやすくなります。

    無線LANの導入を検討されていて、どういった無線ルーターを選び、どういった構築方法をすればいいのかわからないという場合は、株式会社Jiteraへ相談すると良いでしょう。こちらのフォームから、無線LANについて相談したい内容を具体的に記載して送付すれば、無線LANについてのお悩みを解消できます。

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