昨今のデジタル化でAI(人工知能)がさまざまな分野で活用されており、AIエンジニアになりたいという人が増えてきました。
ただ、なりたいと考えていてもどうしたらなれるのか、自分は向いているのか、将来性はあるのかと悩む人も少なくないでしょう。
本記事ではAIエンジニアの基本から、必要な資格、向いている人の特徴、将来性まで詳しく解説しています。この記事を読めば、AIエンジニアになるためにすべき行動が見えてくるため、ぜひ参考にしてみてください。

コンサルティング業界に20年以上在籍。IT戦略・構想策定など上流系が得意。
AIエンジニアとは?基本情報
結論から言うと、AIエンジニアになるには資格が必要ありません。後述しますが、資格を取得することでAIに関する知識やスキルを証明することはできます。
まずは、AIエンジニアの役割や責任範囲、システムエンジニアとの違いについて詳しく紹介します。
AIエンジニアとは
AIエンジニアとは、人工知能技術(機械学習、ディープラーニングなど)を用いてソフトウェアやシステムを開発する職業です。
AIエンジニアは、機械学習やディープラーニング(深層学習)などの手法を用いて大量のデータを分析し、データから得られる情報を活用したシステムを構築します。
DX化やIoTの普及によってAIがさまざまな分野で活用されているため、多くの企業に需要のある職業の1つです。
AIを学べる大学も増加しており、データサイエンス学部・学科が多く新設されています。また、東京大学の松尾豊教授の研究室は、AI分野では知らない人がいないくらい有名です。一般的には数学的センスが必要であるため、理系出身者が多いです。
他のエンジニアとの違い
AIエンジニアとシステムエンジニアの職務内容は以下の表の通りです。
AIエンジニア | システムエンジニア | |
主な仕事内容 | 人工知能(AI)や機械学習、深層学習分野に特化した仕事内容。 データ解析やAI開発など。 |
顧客の要件をまとめて最適なシステム開発を行う仕事内容。 広い分野で求められる。 |
主要なプログラミング言語 | Python、C++、Java、Julia、R言語など | Java・Ruby・PHP・Pythonなどプロジェクトによって幅広い |
AIエンジニアとシステムエンジニアでは、扱う仕事の内容やプログラミング言語が異なります。
AIエンジニアは、主に機械学習や深層学習などの手法を用いてAIにデータを取り込み、AIの精度を高めて活用することが主な職務内容です。
AIエンジニアが扱うプログラミング言語は、PythonやR言語など機械学習や深層学習で用いられる言語を扱います。
一方で、システムエンジニアはシステム全般の設計や構築、管理を担います。システムエンジニアはさらに細分化され、アプリケーション、Web、データベース、サーバーインフラ等様々な領域を担当しています。
また、システムエンジニアが扱うプログラミング言語は、PythonやR言語だけでなくJavaやPHPなど、プロジェクトに合わせて様々なプログラミング言語を扱います。
AIエンジニアの年収
AIエンジニアの年収は高めとなっていて、経験やスキルによりますが、日本でのAIエンジニアの年収は平均的に700万円から800万円程度とされています。上位層では1,000万円を超えることもあります。
優秀層であれば1,000万円どころか、2,000万円オーバーもいる世界です。ただし、高給のAIエンジニアはエンジニアリング能力だけでなく、コンサルティング思考やプレゼン能力など、総合的なビジネススキルの高さが求められます。
AIエンジニアの仕事内容
AIエンジニアとシステムエンジニアは、AIを実装したシステムの開発に共同で携わることもあります。AIエンジニアは、AIによるデータ分析と、分析から得られる判断の部分を実装します。
ここでは、以下の3つに分けてそれぞれの仕事内容を説明します。
AI開発
AIによる判断を実装します。通常、AIはデータ解析をモデル化しています。このモデルを何のために活用するかを決定します。
たとえば、過去の売上から未来の売上を予測するAIを実装する場合、過去データの受け取り方や、未来予測データの出力方法を決めます。他にも、受け取るデータの種類、粒度や期間等も決めていきます。
また、データの授受においては加工が必要な場合も多いです。前処理・後処理等と呼ばれ、データの変換や加工、ノイズ情報の除去などを行い、AIの分析や戻し先システムの処理に支障となる情報を修正していきます。
AIへの学習
AIに流し込んだデータから、AIが何を学ぶかを決定し実装します。多くの場合、自動的に情報収集が行えるよう、連携元のシステムとの自動連携を実装します。収集した情報をどのように蓄積し、どのような特徴を収集していくかを決定します。
データの解析を高速に行っていくためには、学習させるデータをどのようにデータウェアハウス(DWH)に格納していくかが重要です。DWH設計を失敗すると、解析速度が下がってしまいます。
画像・映像処理系AIの場合、得た情報そのままを学習させるのではなく、どのような特徴をデータ化して保持するかが重要になります。たとえば形だけでなく色も保持するのかなどです。
AIの解析
学習したデータを解析し、示唆となるアウトプットを出力します。解析方法はモデル化され、汎用的に使えるようになっているものもあります。
解析モデルはチューニングを重ねて実用可能なモデルに改善していきます。たとえば、ある特徴を持つ場合に特定の判断に流されやすくする「重みづけ」等が代表的なものです。
解析には数学的センスが求められることが多く、いわゆる”地頭がいい”人が向いています。このため、高度な分析を得意とするデータサイエンティストには、高学歴の人が多いです。
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AIエンジニアになるために取得したほうがいい資格
資格は、目に見える実績としてアピールの材料になります。また案件によっては資格の有無で申し込みができない場合があるため、AIエンジニアになるうえで取得した方がいい資格を理解し取得することが重要です。
こちらでは、AIエンジニアになるために取得した方がいい資格を紹介していきます。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はIT全般の基礎を問う試験であり、AIエンジニアに直接必要ではありませんが、ITの基本知識として役立ちます。AIに特化した資格としてはG検定やE資格がより適切です。
ITエンジニアにとって基本的な資格ではありますが、ITエンジニア職への就職転職時に有利になるため取っておくことがおすすめです。
難易度としては、IT技術者に関する基本的な知識やプログラミングスキルを幅広く問われるため範囲が広く、問題数も220問前後と多いため、難易度は高いといえるでしょう。
- 難易度:低い(合格率:20〜30%前後)※受験者に学生が多いため合格率は低い
- 試験実施時期:毎年2回(春と秋実施)
- オンライン受験:なし
参考書籍:【令和6年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集
G検定(ジェネラリスト)
G検定は、AIやディープラーニング(深層学習)の活⽤リテラシー習得のための検定試験です。
体系的にAIや深層学習について勉強することでAIにできることや活用方法、活用に必要なものが理解できます。
AI開発のできるDX人材として評価してもらえるため、AIエンジニアを目指す人はとっておくことがおすすめです。
- 難易度:普通(合格率:60%前後)
- 試験実施時期:年に複数回
- オンライン受験:あり(オンラインのみ)
参考書籍:深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版
E資格(エンジニア)
E資格は、G検定の次のレベルとして位置づけられており、AIや深層学習の理論や実装に関する知識が問われる資格です。
機械学習や深層学習に加えて応用数学や開発・運用環境に関する問題が出題されます。より実践的な能力が問われるため、G検定の次に受けることがおすすめです。
合格率は約70%と比較的高いですが、そもそも受験料が一般の場合33,000円と高額なことや実践レベルの知識やスキルが求められることもありG検定よりも難しいとされています。
- 難易度:普通(合格率:70%前後)
- 試験実施時期:毎年2回程度
- オンライン受験:あり(オンラインのみ)
参考書籍:徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集
Python3エンジニア認定試験
Python3エンジニア認定試験は、Pythonの専門知識を評価する試験です。AI開発で主に使用されるプログラミング言語のため、AIエンジニアになりたい場合に、有利に働きやすい資格となります。
Python3エンジニア認定試験は「Python 3 エンジニア認定基礎試験」「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」「Python 3 エンジニア認定実践試験」の3つに分類されており、基礎、データ分析、実践の順番で難易度が難しくなります。
基礎試験だけでも就職時に有利に働きますが、より実践的なスキルをアピールしたい場合は実践試験に挑戦することがおすすめです。
- 難易度:普通
- 試験実施時期:通年実施
- オンライン受験:なし
参考書籍:徹底攻略Python 3 エンジニア認定[基礎試験]問題集
データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、データサイエンティストに必要なデータサイエンスやデータエンジニアリング、ビジネス力などの知識や技能が見習いレベルであることを示す検定です。
AIエンジニアは、AIを用いて抽出したデータを元に分析業務も実施するため、データサイエンス領域の知識が求められます。
AI開発だけでなく運用ができることを示すうえでこの資格は効果的なため、AIエンジニアを目指すうえでみにつけたい資格といえるでしょう。
- 難易度:普通(合格率50~70%)
- 試験実施時期:年に2回程度
- オンライン受験:なし
参考書籍:合格対策 データサイエンティスト検定[リテラシーレベル]教科書
AWS Certified Machine Learning-Specialty
AWS Certified Machine Learning – Specialtyは、AWSクラウドで機械学習モデルの構築、トレーニング、チューニング、およびデプロイに関する専門知識を持つ人材を認定する資格です。
AWSクラウドでの機械学習/深層学習ワークロードの開発、アーキテクチャ設計、実行において1年以上の実践経験を持つ方を対象としています。
AWSでAI開発を予定している方におすすめの資格と言えるでしょう。
- 難易度:普通(合格率約50%)
- 試験実施時期:通年実施
- オンライン受験:あり
参考書籍:1週間で攻略!AWS認定機械学習 – 専門知識 本番用問題集 130問(65問 × 2セット) 詳解付き AWS認定本番用問題集
Professional Data Engineer
Professional Data Engineerは、Google Cloudが認定している資格です。
Google Cloud上で機械学習モデルの構築、運用をするための知識を問われます。
Google Cloudの認定資格の中では難易度が高い資格に分類されますが、受験の必須条件はないため、学習次第で取得できる資格です。
- 難易度:高い
- 試験実施時期:通年実施
- オンライン受験:あり
参考書籍:GCP Google Cloud認定試験 Professional Data Engineer 模擬問題集 クラウド認定試験模擬問題集シリーズ
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonを用いたデータ分析に必要なスキルを証明する試験です。
Pythonの基礎から、データ分析に必要なライブラリを使ったデータ前処理、データ分析、データ可視化などを含めた幅広い内容が出題されます。
Pythonの初学者にとっては難易度は高く感じるかもしれませんが、出題範囲が主教材である翔泳社「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」より出題されるため、学習はしやすいと言えるでしょう。
- 難易度:普通
- 試験実施時期:通年実施
- オンライン受験:なし
参考書籍:Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書第二版
統計検定
統計検定は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。
AIには、数学や統計学的な知見が元となる手法が多く使われており、統計学はAIを構成する重要な要素です。
統計学は、AIや機械学習を扱う上で避けては通れない学問であり、統計検定は統計学の知見を持つことを証明する最適な資格と言えるでしょう。
- 難易度:レベルによって異なる
- 試験実施時期:年に1回
- オンライン受験:なし
参考書籍:日本統計学会公式認定 統計検定1級 公式問題集[2019~2022年]
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentalは、Microsoft Azureに関する認定試験の一つで、機械学習(ML)と人工知能(AI)に関する基礎知識についてのスキルが問われます。
AIの概念や仕組み、Microsoft AzureのAIサービスについて学ぶ必要があります。
AIや機械学習についての基礎的な知識が問われるため、AIやクラウドサービスの初心者やこれからAIエンジニアを目指す方におすすめの資格です。
- 難易度:低い
- 試験実施時期:通年実施
- オンライン受験:あり
参考書籍:徹底攻略 Microsoft Azure Fundamentals教科書[AZ-900]対応 徹底攻略シリーズ
AI-102: Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution
AI-102: Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solutionは、MicrosoftのAI関連の資格の中では中級の位置づけとなる資格です。
試験では、Azure製品の使い方が問われます。開発手法やデプロイの方法、問題が起きたときのトラブルシューティングの仕方など、より具体的な問題が多く出題されます。
参考書は、2024年現在で日本語のものは発売されていません。MS LearnやUdemyなどの学習プラットフォームで学習を進めるのがおすすめです。
- 難易度:普通
- 試験実施時期:通年実施
- オンライン受験:あり
参考サイト:
未経験からAIエンジニアになる方法
こちらでは、未経験からAIエンジニアになる方法を解説していきます。
目的を明確にする
まずは、AIエンジニアになるうえで目的を明確にしましょう。目的を明確にしたうえで自分のやりたいこととAIエンジニアの仕事が乖離していないか判断することが大切です。
特に未経験の場合は学習することが多く、目的が曖昧なまま進めて後からやっぱり違ったという事態になると、せっかく身につけた知識が無駄になってしまいます。
明確な目的設定は学習方針を決めるだけでなくモチベーションの維持にも重要です。そのため、未経験から目指す場合は、目的をはっきりさせることから始めましょう。
AIの基礎知識を身につける
未経験からAIエンジニアになるためには、AIの基礎知識は必要不可欠です。特にAIを設計するための機械学習と深層学習、数学、統計学、データ処理、ニューラルネットワークなどの基礎知識が必要になります。
AIの基礎知識がないと、最適な学習モデルやアルゴリズムの選択ができないため効果的なAI分析や予測ができなくなります。
基礎がしっかりと身についていればさまざまな要件のAI開発に着手できるようになるため、未経験の場合は特に基礎知識は重要です。
プログラミングスキルを身につける
AI開発や機械学習させる際に、プログラミングスキルは必須です。
プログラミングスキルがないと、案件の単価が低くなったり、そもそも案件が少なかったりします。また、ポートフォリオも作れないため、実績やスキルを示すこともできません。
企業側としても即戦力を求めているため、未経験なりに戦力になり得るプログラミングスキルを示すことが重要です。最低でもPython、C++、Java、Julia、R言語のいずれかのスキルをスクールや独学などで身につけましょう。
実践経験を積む
基礎知識やプログラミングスキルを身につけたら実践経験を積みましょう。
実践経験はAI案件に限りません。エンジニアの短期案件などは、クラウドソーシングサービスなどで受注可能です。
エンジニアとしての実績は、AIエンジニアになる際に役立つため、未経験の人は積極的に実践経験を積むようにしましょう。
単発のAI開発案件は少ないため、これまでのフェーズで学んだことの実践経験を積みたい場合は、スクールでの課題や自作してみることもおすすめです。
ポートフォリオを作成
最後にAI開発に関するポートフォリオを作成しましょう。ポートフォリオは、自分自身のスキルや業務能力を提示する上で有効な手段です。
特に技術的な専門性を求めるAIエンジニアの求人では、ポートフォリオの添付を条件とする案件も少なくありません。
ないと働けないわけではないですが、ポートフォリオの有無で受注できる案件の幅も変わってくるため、未経験の場合はポートフォリオは複数作っておくことがおすすめです。
ただ、ポートフォリオはその内容次第で逆に評価を落とす可能性があるため注意しましょう。
AIエンジニアが活躍できる業界・ビジネス分野
AIは様々な業界で応用されています。
ここでは、以下の業界におけるAIの活用について紹介します。
- 製造業
- 流通業
- 金融業
- 医療・介護
- 小売業
- マーケティング・広告
- エンターテインメント
製造業
製造業界では、AIを活用した生産性の向上や品質管理の改善が図られています。
例えば、工場の生産ラインにAIを導入して製品の欠陥を早期に検出することで、不良率を低減し、生産効率を高めています。また、予知保全により、機械の故障を未然に防ぎ、ダウンタイムを減少させることが可能です。
また、AIによるロボットの自律制御は、人間の作業者を危険な作業から解放し、安全性を高めると同時に、作業の精度を向上させています。
これらの技術革新は、製造業界における競争力を強化し、新たなビジネスチャンスの創出に貢献しています。
流通業
流通業界では、在庫管理や物流の最適化にAIを活用することで、配送の効率化やコスト削減が実現されています。
例えば、AIで需要予測を行い、過剰在庫や品切れを防止しています。また、配送ルートの最適化により、配送時間の短縮と燃料費の削減が可能になります。さらに、AIを用いた自動倉庫システムは、人手を減らし、作業の正確性を向上させています。
AIの導入は、流通業界における競争力の強化につながっています。
金融業
金融業界では、AIがリスク管理や詐欺検出に大きく貢献しています。
AIによる精密なデータ分析は、信用評価や投資判断の精度を高め、金融市場の安定に貢献しています。また、顧客サービスの自動化により、迅速かつ正確な対応が可能になり、顧客満足度の向上につながっています。さらに、AIは金融商品のパーソナライズや新しい金融サービスの開発にも用いられ、顧客に合わせたサービス提供が実現されています。
これらの進歩は、金融業界におけるイノベーションの加速に寄与しており、今後もその影響は拡大していくことが予想されます。
医療・介護
医療と介護の分野では、AIにより診断支援や患者管理に変革がもたらされています。AIを活用することで、病気の早期発見や治療計画の精度が向上し、医療提供者はより効果的なケアを提供できるようになります。
例えば、画像診断においてAIは、放射線技師や医師を支援し、診断の迅速化と正確性の向上に貢献しています。また、介護においては、AIが日常生活のアシスタントとして機能し、高齢者や障害を持つ人々の自立を支援しています。
画像診断や日常生活のアシストとしての技術は、医療・介護サービスの質の向上と、効率化に大きく寄与しており、今後の発展が期待されています。
小売業
小売業界では、AIが顧客体験の向上と業務効率化に貢献しています。
AIを活用した購買データの分析を通じて顧客の行動パターンを把握し、在庫管理を最適化することで、適切な商品を適切なタイミングで提供できます。また、AIによる予測分析によって需要の変動に迅速に対応し、売上機会の最大化が可能になります。さらに、顧客サービスの自動化により、質問への即時回答や個人化された推薦が可能になり、顧客満足度の向上を実現できます。
AIエンジニアリングの活用は、小売業界においても重要な役割を果たしており、今後の発展が期待されています。
マーケティング・広告
マーケティングと広告の領域では、AIが消費者の嗜好を深く理解し、ターゲット広告の効果を最大化するために重要な役割を果たしています。
AIによって顧客の行動データを分析し、個々のニーズに合わせた広告を提供することで、マーケティング戦略の精度を高めます。これにより、広告の適切なタイミングと場所での配信が可能となり、ROI(投資収益率)の向上に寄与しています。また、AIによる自動化は、広告キャンペーンの効率化を実現し、コスト削減にも繋がっています。
このように、AIはマーケティングと広告の分野において、革新的な変化をもたらし続けています。
エンターテインメント
エンターテインメント業界において、AIはコンテンツの推薦や生成に変革をもたらしています。
AIによって、ユーザーの好みや行動パターンを分析し、パーソナライズされたエンターテインメント体験を提供します。例えば、映画や音楽の推薦システムは、AIによって大幅に精度が向上しています。また、AIによるコンテンツ生成は、新しい音楽や物語、ゲームの開発において、クリエイターの創造性を拡張するツールとして活用されています。
これらの技術は、ユーザーにとってより魅力的で、エンゲージメントの高い体験を創出し、エンターテインメント業界の成長と発展に寄与しています。
AIエンジニアの資格学習に役立つオンライン講座
AIエンジニアになるための学習方法として、オンライン講座の受講も効果的です。こちらでは、AIエンジニアの学習に役立つオンライン講座について解説していきます。
Udemy
Udemyは、オンライン学習プラットフォームでビジネスやIT、プログラミングスキルなど日本語以外のものも含めると20万種類以上のさまざまなオンライン講座が提供されている学習サイトです。
AIエンジニアに関連のある機械学習分野やPythonなどのプログラミングスキル、データサイエンス分野などの講座が充実しています。購入後はいつでも視聴ができるため、理解するまで講座を活用可能です。
Coursera
Courseraは、企業や大学が提供する学習コースを受けられる学習サイトです。基本利用料は無料で、多くの講座が受けられます。
一流企業や大学が提供している質のよい学習コースを受けられるだけでなく有料コースを選択するとコース修了時に修了証明書がもらえて、証明書を実績としてアピールに利用できます。学習と並行して実績作りもできるためおすすめです。
キカガク
キカガクは、AIを含めた最先端技術を学ぶことができる学習プラットフォームです。
学習コースが豊富に存在し、その中でも長期コースを選択することで、給付金の還付やAIエンジニア、データサイエンティストに特化した転職支援サポートが受けられます。
働きながら学び、転職支援までしてくれるため、今からAIエンジニアやデータサイエンティストになりたいと考えている人におすすめの学習サイトです。
AIエンジニアの将来性と今後の動向
AIエンジニアとして働く上で、職業の将来性や現状、これからを理解することは重要です。最後にAIエンジニアの将来性と今後の動向について解説していきます。
AI業界の現状と成長見通し
AI業界は2022年時点で市場規模が3,883億6,700万円となっており、2027年には1兆1,034億7,700万円に拡大する見通しです。
現状でもさまざまな業界でAIの導入が進んでおり、これからもAIを導入する業界や企業が増えていくことが予測されます。
「ChatGPT」のような生成AIの登場で、企業だけでなく個人でのAI活用も進んでおり、どんどんAIが身近な存在になっていくでしょう。
AI技術者としての将来性・需要
デジタル化の影響でAIの需要は多くの業界や企業で今後も増えていくことが予測されるため、AIエンジニアの需要も高まっていくでしょう。
実際に2019年に経済産業省が発表した「IT人材供給に関する調査」では、2018年に約4万人のAIエンジニア需要があったのに対して2030年には約24万と6倍に拡大すると言われています。
さまざまな案件をAIエンジニアが担うようになるため、仕事がないという事態は起きずらいでしょう。そのため今後も発展していくAI業界で働くAIエンジニアは将来性があるといえます。
まとめ:AIエンジニアのキャリアを目指す人へのアドバイス
AIエンジニアになるためには、まず目的を明確にしたうえで知識やスキル、実績を身につけることが重要です。
基礎知識として、AIに関する機械学習や深層学習や数学、統計学の知識が求められます。また、Pythonなどのプログラミングスキルも必須なため、未取得のスキルがある場合は独学やスクールなどで身につけましょう。
今後もAI人材の不足が問題になるため、売り手市場となりますが、AIエンジニアに必要な知識やスキルがなければ自分の求める仕事が得られず成功することは難しくなります。AIエンジニアを目指そうと考えた人は、まずは目標を設定して準備を進めてみてください。
また、自社にAIエンジニアを採用したいと検討される場合は、ぜひ株式会社Jiteraに一度ご相談ください。AI開発のパートナーとして全面的にサポートさせていただきます。