情報セキュリティ対策にどんな方法を取ればいいのか、頭を悩ませている方も多いかと思います。
この記事では中小企業に特化した情報セキュリティポリシーの策定方法や、セキュリティ機能を組み合わせた対策方法、問題発生時の迅速な初動対応についても解説します。
中小企業において必要なセキュリティ対策方法を学べるので、ぜひ最後までお読みください。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
セキュリティ対策とは?
最近ではサイバー攻撃が日常的に行われており、中小企業でも対策を取る必要が出てきています。しかし、セキュリティ対策とは一体何なのでしょうか。ここでは基本的な内容を解説します。
情報セキュリティ対策とは
情報セキュリティ対策は、コンピュータやネットワークなどの情報システムを守るための活動です。具体的な方法としては、ウイルス対策ソフト、ファイアウォール、パスワード管理などが挙げられ、大切なデータの盗難や改ざんから守ります。
近年、さまざまなサイバー攻撃が日常化しており、中小企業でもセキュリティ対策は欠かせません。例えば、標的型メール攻撃では、職員の個人情報を踏み台に巧妙な手口でマルウェアに感染させ、機密文書の盗難やランサムウェアによるデータの人質化などの被害が起こります。
このような被害を防ぐには、各職員のセキュリティ意識向上と、ウイルス対策ソフト、ファイアウォールなどによる防御体制の整備が不可欠です。初期投資を惜しまず、日頃からの対策に注力することが重要です。
中小企業のセキュリティ対策は継続的な取り組みが求められますが、エスカレートするサイバー脅威から自社を守るための対策を始めましょう。
情報セキュリティ対策とサイバーセキュリティ対策の違い
項目 | 情報セキュリティ対策 | サイバーセキュリティ対策 |
目的 | 情報資産全般の機密性、完全性、可用性を守る | サイバー空間におけるリスク対策 |
対象範囲 | 紙文書、人的側面、ITシステムなど広範囲 | コンピューターシステム、ネットワーク、プログラムなどIT分野に特化 |
主な脅威 | 情報漏えい、紛失、改ざん、災害など | サイバー攻撃、マルウェア、不正アクセスなど |
対策の例 | 入退室管理、文書管理、教育訓練、BCP、ITセキュリティ対策 | ファイアウォール、ウイルス対策ソフト、脆弱性対策、認証強化、暗号化など |
情報セキュリティ対策は組織の情報資産全般を広く守ることを目的としています。一方で、サイバーセキュリティ対策はITシステムに関する脅威への対策に特化しています、
つまり、サイバーセキュリティ対策は情報セキュリティ対策の一部ということです。
ただ、現代社会ではITシステムが情報資産の重要な部分を占めています。そのため、包括的な情報セキュリティ対策にはサイバーセキュリティ対策が不可欠な要素とされることが多いです。
セキュリティ対策として個人でできること
情報セキュリティ対策には何が良いのでしょうか。ここでは、情報セキュリティ対策のために社員個人でできることや対策方法を紹介します。
- アンチウイルスソフトのインストールと更新
- 強力なパスワードの使用
- ソフトウェアのアップデート
- フィッシング対策
- 暗号化の使用
- セキュリティ意識の向上
アンチウイルスソフトのインストールと更新
アンチウイルスソフトは各端末に適切なものをインストールし、定期的に最新版にアップデートする必要があります。
社員の端末にマルウェアが感染すると、そこから社内ネットワークやデータにまで被害が及ぶ可能性があります。リスクを避けるために全端末のアンチウイルスを有効化しましょう。
多くの企業ではアンチウィルスソフトの導入と定期更新を義務付けています。自社のポリシーを確認してみましょう。
強力なパスワードの使用
強力なパスワードを使用することも、セキュリティ対策として非常に重要です。以下のポイントを抑えた強力なパスワードを設定しましょう。
IPA(情報処理推進機構)が発表しているパスワードのガイドラインも参考になります。
- 文字数は8文字以上の長さ
- 複雑な組み合わせ
- 各アプリケーション毎に違う
- 定期的なパスワード変更
ただ、強力すぎるパスワードは記憶が困難なため紙に書き残すなどのリスクにもつながります。覚えられる範囲のパスワードを定期的に更新しましょう。
ソフトウェアのアップデート
情報セキュリティ対策として、ソフトウェアのアップデートも適切に行いましょう。
ソフトウェアの脆弱性は攻撃の標的になります。ベンダーから提供される最新のアップデートには、これらの脆弱性に対する修正が含まれています。
アップデートを実施しないリスクは高いです。サイバー攻撃の可能性だけではなく、機能面や互換性でも問題が発生する可能性があります。
フィッシング対策
フィッシングとは、メールやウェブサイト、メッセージングアプリなどを介して個人情報や認証情報を不正に入手しようとする手口のことです。
よく起こるセキュリティリスクのひとつでもあります。不審なURLや添付ファイルは開かないようにしましょう。
暗号化の使用
重要なデータは暗号化するように徹底しましょう。
暗号化されたデータは、第三者が不正にアクセスしても内容を読み取ることができません。そのため、暗号化通信をすることで盗聴や改ざんから守ることができるのです。
セキュリティ意識の向上
日頃から情報セキュリティに対して問題意識を持つことが大切です。
パスワード管理の徹底、標的型攻撃への対処、情報漏えいの防止など、セキュリティインシデントの多くは人的ミスが原因です。
セキュリティに関する問題意識を持つことでリスクを減らせます。被害の拡大を最小限にするためにも、一人ひとりが意識することが重要です。
・サイバー攻撃から企業を守る具体的な防御策を知りたい。
・効果的な情報セキュリティ対策で企業が取るべき対策をより理解したい。
・最新のリスクに対応するための情報を得たい。
Jiteraではこのようなご相談にも対応しています。お気軽にご相談ください。
お気軽にご相談ください!
セキュリティ対策として中小企業でできること
中小企業は予算や人員が限られがちですが、ウイルスやマルウェアの脅威に備えるためにも、できる対策からこつこつと実行していくことが重要です。
- アンチウイルスソフトとエンドポイントセキュリティ
- 強力なパスワードポリシー
- 二要素認証の導入
- 定期的なデータバックアップ
- ファイアウォールとネットワークセキュリティ
- 従業員のセキュリティ教育
- アクセス制御と権限管理
- セキュリティ監査と評価
- セキュリティインシデント対応計画
アンチウイルスソフトとエンドポイントセキュリティ
中小企業こそアンチウイルスソフトとエンドポイントセキュリティ対策が不可欠です。
コストに見合った製品を選択し、全ての端末へのインストールと定期的な更新を実施することが大切です。
また、エンドポイントセキュリティ対策はPCやモバイルデバイスなど末端の端末を守ることが目的です。
アンチウイルスだけでなく、デバイス制御、アプリケーション制御、脆弱性対策などの機能を備えたエンドポイントセキュリティソフトを導入することをおすすめします。
強力なパスワードポリシー
情報漏えいリスクを最小限に抑えるため、強力なパスワードポリシーを策定し、全従業員に対して運用を徹底しましょう。
パスワードポリシーでは、以下のような内容を定める必要があります。
- パスワードの最低文字数や使用文字種(英数記号の混在など)
- 定期的な変更を義務付ける期限の設定
- 過去に使用したパスワードの再利用を禁止
- 同じパスワードの複数サービス利用を禁止
ポリシーを明文化し全従業員に周知徹底することが大切です。また、パスワード管理ツールの活用で従業員の利便性と安全性を両立させることもできます。
二要素認証の導入
重要なシステムやサービスへのアクセスには二要素認証を導入し、不正アクセスリスクを最小限に抑えましょう。
二要素認証とは、IDとパスワードによる「知っていること」に加え、セキュリティトークンやスマートフォンアプリなどの「持っているもの」を組み合わせる認証方式です。
パスワードの漏洩などによる不正アクセスのリスクを大幅に下げることができ、特に重要な経理システムやクラウドサービスなどへのアクセス時には必須と言えます。
導入コストや運用負荷が比較的軽いスマートフォンアプリ認証が手軽な方法となります。一方で、高セキュリティが求められる場合はハードウェアトークンの利用も検討する必要があります。
定期的なデータバックアップ
中小企業はリソースが限られているため、万一の災害や攻撃でデータを喪失した場合の損害が大きくなりがちです。そのため、定期的なデータバックアップと、バックアップデータの外部保管は必須です。
重要なファイルやデータベースなどを日次や週次で確実にバックアップを取得し、そのバックアップデータをオフサイトの施設やクラウドストレージに保管しておきましょう。
最新のバックアップソフトウェアを利用すれば、自動でスケジュール通りのバックアップが行えるため、運用負荷も大きくはありません。
ファイアウォールとネットワークセキュリティ
ネットワークへの不正アクセスに備えた対策をしないと、重大な被害につながる可能性があります。
ファイアウォールは内部ネットワークと外部ネットワークの境界に設置し、通信の監視と制御を行う装置です。適切な設定により不要な通信をブロックし、不正アクセスを防ぐことができます。
また、ウイルス対策ソフトやIDS/IPSなどの導入により、マルウェアの侵入や攻撃検知も可能になります。ネットワークを社内/社外に分けるセグメント分離や、VPNによるリモートアクセス制限なども有効な対策です。
従業員のセキュリティ教育
従業員のセキュリティ教育は定期的に行い、最新の脅威と対策を周知徹底しましょう。
標的型攻撃やランサムウェアなど最新の脅威と対策方法について、研修やe-learningなどを活用して教育する必要があります。
また、組織の就業規定にセキュリティルールを明記し、違反者には罰則を設けることで、ルール遵守を徹底させることも有効です。
人的なミスが原因のセキュリティ被害を防ぐためにも、セキュリティ教育を徹底しましょう。
アクセス制御と権限管理
システムやデータへのアクセス権限を必要最小限に制限し、厳格な権限管理を行いましょう。
アクセス制御とは、システムやデータへのアクセスを業務上必要な最小限の範囲に制限することです。権限管理とは、付与した権限が適切か常に確認し異動や退職時には速やかに権限を削除・変更することです。
中小企業は人員が限られるため兼務業務も多くなります。しかし、誰でもシステムやデータにアクセスできる状態では、セキュリティリスクが高まります。
アクセス制御と権限管理のポリシーを明確に定め、従業員一人ひとりの権限を適切に設定・管理することが重要です。また、定期的な権限の見直しも忘れずに行いましょう。
セキュリティ監査と評価
定期的なセキュリティ監査と専門家による評価を実施し、システムの脆弱性を確認して対策を考えましょう。
中小企業は人的リソースが限られているため、外部の専門家によるチェックが重要です。
監査結果を踏まえ、発見された脆弱性への対策を適切に実施することでセキュリティリスクを解消できます。コストに見合った対策から着手していきましょう。
セキュリティインシデント対応計画
万が一のセキュリティインシデントに備え、対応計画の策定と従業員への周知も徹底しましょう。
被害拡大を防ぐ初動対応から、原因調査、復旧手順、社外への対応などを明確に定めておく必要があります。
監査・評価とインシデント対応計画の両面から万全を期すことが求められます。
セキュリティ対策ツールの種類
ここからは、日頃から使用することをおすすめするセキュリティ対策ツールと、その機能や特徴について見ていきましょう。効果的に活用するためのポイントも、具体例を交えて説明します。
- アンチウイルスソフト
- アンチスパイウェアソフト
- ファイアウォールソフトウェア
- 侵入検知システム (IDS)
- 侵入防止システム (IPS)
- Webフィルタリングソフト
- データ暗号化ソフト
アンチウイルスソフト
ウイルスを検出・駆除するソフトウェアです。パソコンやスマホには必須のセキュリティ対策ツールです。
自動スキャン、パターンファイル自動更新、外部メディアの自動チェックなどが備わっています。導入後は定期的なアップデートが重要です。
何を選べばいいか分からない場合は、有名ベンダーの製品を対応端末分ライセンス購入して導入しましょう。まとめ契約で単価割引がある場合もあります。
アンチスパイウェアソフト
スパイウェアからPCを守るためのソフトです。個人情報やパスワードを盗み取られる被害を防ぐことができます。導入後は全PCに対し定期的なスキャンが必要です。
アンチウイルスソフトの機能強化やOS側のセキュリティ機能向上により単体製品の需要は年々低下しています。
しかし、追加のスパイウェア対策ソフトを導入することで、より高度な防御を実現できるでしょう。管理の手間とコストを考え、自社にとっての最適な環境を判断することが大切です。
ファイアウォールソフトウェア
ファイアウォールは、外部と内部の通信を制限し不正アクセスやサイバー攻撃を防ぐソフトです。
パソコンやネットワークには欠かせないセキュリティ対策の一つで、適切なルール設定が重要です。
ハードウェアファイアウォールとソフトウェアファイアウォールがあり、用途や必要なセキュリティレベルに応じて使い分けます。個人PCではソフトウェアで十分ですが、企業のネットワーク環境ではハードウェアが望ましいでしょう。
パケットフィルタリングやステートフルインスペクションといった、ファイアウォール技術を使いこなす能力が不可欠です。
侵入検知システム (IDS)
ネットワークやシステムの挙動を監視し、不正アクセスや攻撃を検知するセキュリティシステムです。Syslogと連携して活用することが多いでしょう。
IDSにはネットワーク型とホスト型があります。複数カ所に導入した上でセキュリティ情報管理(SIM) システムと連携させることで、より高度な集中監視体制を実現できます。
運用面では通知の設定にも注意が必要で、幾度となく同じイベントが届かないよう、適切な頻度と深刻度の判断が課題です。
侵入防止システム (IPS)
侵入防止システム(IPS)は、IDSに防御・遮断機能が加わったシステムで、不正トラフィックを自動でブロックできるため、即効性の高いセキュリティ対策が実現できます。
IPSにはネットワーク型とホスト型があり、侵入防止の対象となる脅威は、既知の攻撃手法に基づくシグネチャーベースで検知する方法と、トラフィックの変化や異常を統計的に判断する方法が一般的です。前者は事後対応的ですが、後者は新種攻撃への対応力が高いメリットがあります。
運用面では、誤検知(偽陽性)に注意が必要でホワイトリスト設定での調整が欠かせません。
Webフィルタリングソフト
職員のWebアクセスを制限・遮断することで、マルウェア感染や情報漏洩を防ぐソフトです。URLフィルタリングやアプリケーション制御機能を持っています。
SaaS型のクラウドサービスが主流で、運用の手間を大幅に削減できるメリットがあります。柔軟なポリシー設定が可能で、疑わしいサイトへのアクセス規制や、職種・職責ごとの利用許可アプリケーションの指定なども比較的容易に実現できます。
職種間で必要な制御ポリシーに差異がある場合に、優れた対応力を発揮します。操作ログ取得による、利用状況の見える化も特徴です。
データ暗号化ソフト
データ暗号化ソフトは、データを暗号化することで情報漏えいを防ぐソフトウェアです。テレワーク用PCやUSBメモリ等の端末レベルでの運用が主流で、鍵管理が必要になります。
暗号化対象は、個人情報を含むファイル・フォルダに加え、秘密鍵や証明書といった暗号資材の保護も重要です。
機密性レベルに応じてアルゴリズムや暗号鍵の長さを設定する必要があります。VPNと連携した遠隔操作による鍵管理により、利便性とセキュリティを両立できるソリューションが求められています。
端末の紛失や盗難時の対策としても有効なツールで、情報漏えいリスクを低減できます。
情報セキュリティ対策ツールは何が良い?選び方を解説
今のサイバー攻撃の巧妙化・複雑化に伴い、中小企業においても適切なセキュリティ対策が欠かせなくなっています。しかし、必要な予算や運用体制を十分に確保できないのが現実で、効果的かつ効率的なツール選定が重要課題となっています。
ここでは、自社にとって最適なセキュリティ対策ツールを選び出すための観点やポイントを整理しました。
行き過ぎた投資を避けるとともに、リスク許容なレベルを下回ることなく、必要十分なセキュリティを確保するように心がけましょう。
- 情報セキュリティ対策の状態を確認する
- セキュリティポリシーに合っているか確認する
- 第三者機関による検証結果が良好か
- 費用に問題はないか
情報セキュリティ対策の状態を確認する
まず現在の対策状況を調査し、どのような課題やリスクがあるか洗い出します。
現在運用しているセキュリティ対策の品目と、その有効性を洗い出す作業が欠かせません。設定が甘かったり実際に機能していないものが見過ごされている可能性があり、現状の正確な把握は大切なステップといえます。
脆弱性診断ツールや、サイバー攻撃シミュレーションを使って自社の対策レベルを計測し、抜け穴となりうる領域の特定を試みましょう。リスク分析手法を用いて網羅的に洗い出しを行うことをおすすめします。
セキュリティポリシーに合っているか確認する
自社のセキュリティポリシーや運用方針に照らし合わせて、要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。
特に、情報漏洩や外部不正アクセスに対して、どの程度の防御水準を担保しているかがポイントです。
自社の情報セキュリティポリシーでは、扱う情報資産の機密性レベルなどのリスクに対するシナリオが定義されていることが多いでしょう。
それらに対して、セキュリティ対策ツールがどの程度カバーしているかを確認することが重要です。例えば、標的型メールや不正通信の検知機能をどこまで持っているか、重要データへのアクセス監視ができるか、など機能面での確認ポイントを列挙して精査を行います。カタログスペック上だけでなく、過去の実績や今後の対応計画も確認するべきポイントの一つです。
第三者機関による検証結果が良好か
主要なセキュリティ対策ツールは、第三者評価機関による認証やテストを受けています。その結果を見て、機能面や検出精度等が高い水準にあるかどうかを確かめることが大切です。
代表的な検証評価機関の具体例は、AV-Comparatives、ICSA Labs、AV-TEST Instituteなどです。
サイバー攻撃やマルウェアの実サンプルを用いた実機検査が行われており、検出率や誤検知率といった指標で製品ごとの性能差が明らかになっています。
単に対応する機能があるかどうかだけでなく、実際にどの程度の検知精度があるかを確認する意味で参考になります。特に、検知率と防御率を兼ね備えた、バランスの取れた製品を選定することが望ましいと言えます。
費用に問題はないか
セキュリティ対策ツールのライセンス購入や、サブスクリプション利用には一定のコストがかかります。エージェント数や保守運用費用を含め、予算上の制約がないかも注意が必要です。コストパフォーマンスを総合的に判断しましょう。
TCO(Total Cost of Ownership)の概念が重要で、単に製品の単価やライセンス数だけでなく、インストールや保守運用に必要な時間も考慮する必要があります。
例えば、運用代行サービスを使う場合、自社人材にかかる労力は少なくて済みますが、定期支払いの費用は発生します。リスクへの対処力を総合的に評価した上で、予算制約の範囲内で最大限の効果を得る選択をすべきです。
セキュリティ問題が発生した際の対処方法
サイバー攻撃等のインシデントが発生した際、被害を最小限に食い止めるためにも迅速かつ適切な初動対応が欠かせません。ここではそのポイントを整理します。
2. 問題の特定・分析
3. 攻撃者の封じ込め・復旧
4. 原因究明・再発防止策を計画
5. 情報開示
1. 問題の検知・報告
異常事態の兆候を察知したら、直ちに上司やCSIRT(Computer Security Incident Response Team=インシデント発生時に対応するための組織)に報告します。
検知手段としてはIDS/IPS、セキュリティ監視ソフトのアラート、サービス低下などがあり、複数の手段を用意することが望ましいです。
発見者は上司とCSIRTに事実関係を明確に報告します。
2. 問題の特定・分析
CSIRTが中心となり、ログ解析等によりインシデントの状況を特定し、被害範囲を推定します。同時に、機密データの漏えいがないかも確認します。
テレワーク環境の場合は端末のログも活用するといいでしょう。
3. 攻撃者の封じ込め・復旧
CSIRTがセキュリティツールで攻撃源を遮断し、インシデント発生部署でマルウェア感染端末の隔離と再構築を行います。
不正プログラムの駆除、通信ブロックを実施し被害拡大を防ぎつつ、BCPに沿ってサービスを復旧させます。重要業務から順次稼働を再開させていくのが一般的です。
4. 原因究明・再発防止策を計画
インシデント調査結果を分析し、脆弱性やリスク要因を特定し対策を立てます。
攻撃経路の解明、内部調査(人的要因も)、ログ解析を総合的に実施し、事実関係を明確化します。
対症療法的対応に留まらず、インシデントを招いた背景要因や脆弱性を特定し、再発防止策を立案するようにしましょう。
例えば、セキュリティ教育の改善指針や、対策ツールの導入・更新計画といった抜本対策が求められることになります。
起こったインシデントで得た教訓を確実に次につなげる努力が大切です。
5. 情報開示
必要に応じ、関係者や対象者への事実説明を行い信頼回復に努めます。
再発防止策を自社対応部署だけで閉じるのではなく、影響を受けた部門や対象者に対しても適切に情報開示を実施することが大切です。
特に、大量の個人情報漏洩が発生した場合はその本人への報告義務が発生する場合も少なくありません。直接説明責任を果たすとともに、セキュリティ対策強化や見直しの取り組みついても理解を得るよう努めましょう。
企業に対する信頼回復に欠かせない施策といえます。
まとめ:情報セキュリティ対策の相談ならJitera
情報セキュリティ対策には何が良いのか、中小企業や個人レベルでもできることを解説してきました
限られたリソースの中小企業にとって、効果的なセキュリティ対策は大きな課題です。特に専門性の高いセキュリティ領域では、自社での対応方法では自信が持てない場合も少なくありません。
そんな時はプロフェッショナルを頼ることも一つの方法です。適切な情報セキュリティ対策が事業継続の支えとなります。
セキュリティに関して質問や相談がある場合、株式会社Jiteraへお気軽にお問い合わせください。ツールの導入やAIを活用した開発など最適なソリューションをご提案いたします。