Pythonでできることとは?活用事例やおすすめの学習方法、開発のポイントまでわかりやすく解説

Kota Ishihara

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後は、独学でプログラミングスキルを取得し、2022年10月にフリーランスになり現在も日々勉強中。 また視野を広げる為、ヨーロッパや東南アジアなどへ冒険をしながら、さまざまな人と交流を重ねる。 将来の夢は、ヨーロッパへの移住。尊敬する人は岡本太郎。

IT企業で働く皆さんの中には、Pythonのプログラミング言語で具体的に何ができるのかわからないまま、開発業務に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、Pythonの基本的な機能から実際の活用事例まで、できることを一通りご紹介します。

具体的には以下の3つの視点から、Pythonの可能性を解説します。

・Pythonで実現できる機能やアプリケーション

・Pythonを使ったシステム開発のポイント

・Pythonの学習方法とおすすめの入門書

この記事を読めば、Python初心者の方でも「Pythonでこんなことができるのか!」と直感的に理解できる内容となっています。

ぜひ最後までご一読いただき、Pythonの可能性を最大限に引き出したシステム開発ができるようになってください。

Pythonで基本的にできること

Pythonで基本的にできること

Pythonはシンプルで学習しやすい汎用スクリプト言語です。1991年にオランダ人のグイド・ヴァンロッサムによって開発され、今では世界中で利用される人気の高いプログラミング言語となっています。

Pythonの基本的な特徴として、インデントによるブロック指定、動的タイピング、高い可読性などがあげられます。こうした特徴から、Pythonはデータ分析や機械学習、Webアプリケーション作成といった多岐にわたる分野で活用されています。

初心者にも学習しやすい上に、豊富なライブラリやフレームワークを背景に、科学技術計算からビッグデータ、機械学習、Web開発と、非常に幅広いことができるのが魅力です。

データ分析・機械学習

Pythonには、pandasNumPySciPymatplotlibといった、データ分析や機械学習に特化したライブラリが豊富にあります。

例えば、pandasはExcelのようなデータフレーム操作をPythonで高速に処理できるライブラリです。大規模なログデータや業務データを読み込んで、クレンジングや集計することができます。

NumPyは、行列や多次元配列を扱うための基本ライブラリで、機械学習でよく使われるテンソル操作をサポートしています。SciPyは、これを利用した科学技術計算や最適化の機能を提供します。

matplotlibは、データの可視化に強いグラフ描画ライブラリです。棒グラフや散布図といった統計グラフを、簡単に作成できるのが魅力です。

このように、Pythonエコシステムにはデータサイエンス分野で必要な処理をするライブラリが揃っています。おかげで、大量のデータを高速に処理して視覚化したり、機械学習のアルゴリズムを実装できるのが大きな特徴といえます。

例えば、あるECサイトの1年分の売上データを読み込んで、データクレンジングを行い、商品カテゴリごとの売上推移を可視化しています。こうした一連の分析タスクが、Pythonなら数十行のシンプルなコードで実現できるのです。

AI・人工知能開発

TensorFlowPyTorchなど、Pythonで書かれた人工知能フレームワークを利用することで、画像認識や自然言語処理、対話システムなどのAI開発が可能です。

例えば、TensorFlowはGoogleが開発・公開している人工知能向けのオープンソースライブラリです。Kerasという使いやすいインターフェイスを介することで、強力なディープラーニング機能を簡単に利用できます。

画像認識の分野では、TensorFlowやKerasを使って、物体検出AIや画像分類AIを短期間で開発できます。既存の学習済みモデルを流用する場合はさらに簡易です。

自然言語処理分野でも、頻出する単語のベクトル化や文書分類・要約の機能がライブラリとして揃っています。これらを組み合わせることで、質問応答システムや文章生成AIの開発が可能です。

このようにPythonは、豊富な機能をもつAI/人工知能向けライブラリやフレームワークが充実しています。必要な機能の部品が揃っているため、直感的な開発がしやすいのも大きなメリットの1つです。

Google翻訳の機械学習コアや、自動運転技術、画像認識技術などでもPythonが活用されている点からも、その実用性と有用性がわかるかと思います。

組み込みアプリケーション開発・IoT開発

Raspberry Piなどの小型コンピュータでは、Pythonをベースに最適化し軽量化したMicroPythonというプログラミング言語を利用できます。このMicroPythonを使うことで、Raspberry Piで簡単にIoTデバイスのプロトタイプ製作ができるのです。

Raspberry Piは、クレジットカードサイズの小型コンピュータで、IoTやハードウェア開発に広く利用されています。OSとして、RaspbianというLinuxベースの専用ディストリビューションが搭載されていて、C言語やPythonでのプログラミングが可能です。

一方MicroPythonは、Raspberry Piなどの組み込み機器向けに最適化されたPythonの実装です。プログラムの書き方は通常のPythonとほとんど変わりませんが、動作が格段に軽快になっています。

MicroPythonを使うことで、Raspberry Piに温度センサーや照度センサーを接続し、簡単なIoTデバイスを手軽にプロトタイピングできます。取得したセンサーデータをクラウドに送信したり、Webブラウザー上でグラフ化するといったこともPythonだけで実現可能です。

このように組み込み分野では、MicroPythonが組み込み機器とPythonの間を取り持ってくれるおかげで、ハードウェア制御のプログラムをいとも簡単に記述できるのが大きなメリットです。

Webスクレイピング

Webページからデータを抽出・収集するWebスクレイピングは、PythonのBeautiful SoupSeleniumといったライブラリを使うことで実現できます。

Beautiful Soupは、HTMLやXMLデータから特定のデータを抽出するのに適したパーサーライブラリです。Webページのソースコードを解析して、目的のデータをCSSセレクタや正規表現で指定すれば簡単に収集することができます。

一方Seleniumは、ブラウザの自動操作を行うライブラリです。実際にChromeなどのブラウザを起動して、特定のサイトにアクセスし、クリックやスクロール、データ入力といったマウス・キーボード操作をプログラム上から制御します。

これらのライブラリを組み合わせることで、複雑なWebアプリケーションからでも、必要なデータだけをスクレイピングできるようになります。

例えば、あるECサイトから商品データを抽出するスクレイパーを作成する場合、Beautiful Soupで静的な情報を解析し、Seleniumで動的に追加されるレビューデータなどを収集する、という使い分けができます。

こうしたWebスクレイピングのニーズはデータ分析やAI開発の現場でも増えており、Pythonが得意とする領域として広く活用されています。

※パーサーライブラリ・・・HTMLやXML、JSONといったマークアップ言語やデータフォーマットのテキストを解析するためのプログラムライブラリのことです。

Beautiful Soupは、HTMLとXML文書のパーサーとしてPythonでよく利用されています。文書データを解析して要素の木構造をオブジェクトとしてメモリ上にロードし、プログラムから自在に検索や編集ができるAPIを提供します。

ブロックチェーンアプリ開発

ブロックチェーン技術を利用したアプリケーション開発は、Pythonでの実装がとてもしやすいです。Web3.pyPyCryptodomeなどのライブラリを使うことで、スマートコントラクトの記述や暗号化処理が簡単にできます。

例えば、Chainlinkというオラクルプラットフォームと組み合わせることで、外部APIと連携したスマートコントラクトをPythonで構築できます。これにより、実世界のデータをブロックチェーン上で取り扱う複雑なアプリも直感的に実装できるのが強みです。

具体的には、Chainlink VRFを利用して、改ざん不可能な乱数をブロックチェーン上で生成したり、Chainlink Price Feedsを使って実世界の資産価格データをスマートコントラクト内で参照できます。

こうした機能を組み合わせることで、例えばNFTのレアリティ抽選やデジタルアセットの価格連動取引など、実用的で複雑な分散型アプリケーションをPythonで簡単に構築できるのです。

また、IPFSやStorjといった分散型ストレージとも連携可能で、メタデータやコンテンツデータをブロックチェーンのオンチェーン部分とオフチェーン部分に最適配置できます。

Webアプリケーション開発

DjangoやFlaskといったフレームワークを利用することで、PythonはWebアプリケーション開発においても非常に高い生産性を発揮します。モデルとテンプレートを設定するだけで、簡単にアプリのプロトタイプが構築できます。

また、豊富なライブラリによって高度な機能を実装できるほか、JavaScriptとの親和性が高いためフロントエンドとの連携もスムーズです。DropboxやInstagramといった大規模サービスでもPythonが採用されるなど、大量アクセスに耐えうる高性能なWebシステムを実現できます。

Djangoではデータベース連携やユーザ認証、セッション管理といった汎用的な基盤的機能が揃っているため、ビジネスロジックに集中できるのが魅力です。またNode.jsやReactといったJavaScriptフレームワークとの親和性が高いので、シングルページアプリ開発もスムーズです。

一方で、Flaskはマイクロフレームワークなので、より自由度の高いカスタマイズが可能です。APIサーバ開発に向いているほか、サーバレスアーキテクチャとの相性も良く、AWS LambdaやGoogle Cloud FunctionsといったFaaS(Function as a Service)上で動作するアプリ開発に最適です。

画像処理アプリケーション

画像認識や画像分類、オブジェクト検出といった、コンピュータビジョンの分野でも、PythonはOpenCVやPillowといった画像処理・機械学習ライブラリとの相性が良いです。これらを利用することで、画像データから有用な情報を抽出するアプリケーション開発を効率的に進めることができます。

例えば、OpenCVを使って、商品の色やサイズ、形状といったビジュアル的特徴量を抽出し、類似商品の自動検索アプリを作成できます。また、顔認証システムでは、顔のランドマーク検出にOpenCVと機械学習を利用しています。

医療画像分野でも、X線やMRIの画像診断支援システム構築に、Pythonで書かれた強化学習のライブラリが活用されています。画像から病変部位を高精度に検出できるよう、医師が正解ラベルを与えながら学習を繰り返すことで精度が向上していきます。

このように、PythonはOpenCVやPillow、機械学習ライブラリとの連携が密で、画像認識や画像分類といったコンピュータビジョン領域でのアプリケーション開発にとても有用です。画像処理とディープラーニングの組合せが、強力で実用的なシステムが構築できることが大きなメリットです。

※ランドマーク検出・・・顔画像から目、鼻、口などの特徴的なポイント(ランドマーク)を検出する画像解析のことです。

OpenCVなどの画像処理ライブラリを使って、入力された顔画像からまずは顔全体を検出し、次に目や鼻、口の位置を特定していきます。このランドマーク情報をもとに、表情解析や個人認証など、さまざまな顔画像解析を行うことができます。

業務自動化ツール作成

Pythonで、ExcelやGoogleスプレッドシートといった業務ツールと連携したアプリケーションを作成することで、様々な業務を自動化できます。繰り返し作業が多いデータ入力や抽出、ファイル変換、文書生成といった業務において大きなコスト削減効果が期待できるでしょう。

例えば、Excelの売上データをPythonで読み込んで集計・解析した結果を、自動生成したプレゼンテーションファイルやPDFにマージするといった一連のワークフローを実現できます。

Googleスプレッドシートと連携して、そこに入力されたデータを自動的に外部システムへ連携したり、重複除去や形式変換、レイアウト調整を自動で行うといったこともできます。

さらに、Gmailと連携して指定フォルダのメール本文や添付ファイルを解析するアプリケーションを作成すれば、セールスの営業データを効率的に取り込むといった用途にも応用が利きます。

このように、既存の業務アプリとPythonを連携することで、人の手を介さずにデータ収集や加工、分析、レポーティングといったプロセスを自動化することができ、大きなコスト削減につながります。

Pythonを使ったアプリケーション開発のポイント

Pythonでアプリケーションを開発する上で、特に重要なポイントがいくつかあります。豊富なライブラリやフレームワークを使いこなすこと、テスト駆動開発を取り入れること、運用と保守のしやすさを考慮することなどが挙げられます。以下、詳しく解説していきます。

ライブラリ・フレームワークの活用

Pythonには、機械学習や画像処理、Webアプリケーション構築用に、非常に便利なライブラリやフレームワークが数多く公開されています。これらの存在が、Pythonによるアプリケーション開発の大きな促進要因となっています。

例えば、機械学習分野では、TensorFlow、Keras、PyTorchといった汎用的なディープラーニング/人工知能ライブラリやフレームワークが充実しています。これらを活用することで、画像認識や自然言語処理といった機能を手軽に実装できます。

また、Webアプリケーション開発でよく使われるDjangoやFlaskは、効率的な工数削減を実現するフルスタックフレームワークです。これらは、データベース連携やユーザー認証、テンプレートエンジンといった基本的な機能をあらかじめ提供してくれるため、Webアプリ開発のハードルが下がります。

新しいアプリケーション開発のたびに全て自作するのではなく、こうした既存のライブラリやフレームワークを使い回すことがPythonでは一般的です。開発生産性と品質の向上に、大きく貢献していると言えるでしょう。

テスト駆動開発の重要性

Pythonでは、unittestやpytestなどのフレームワークを使い、テストからコードを記述する開発手法が一般的です。これにより品質の高いアプリケーションを実現できます。

テスト駆動開発は、まず機能の仕様をテストケースとして記述した後で、これに合格する実装コードを作成するという開発手法です。 unittestpytestといった、Pythonのテストフレームワークはこの手法をしっかりサポートしています。

例えば、Webアプリケーションを開発する場合、DjangoやFlaskでは最初にビューやAPIの入出力仕様をテストシナリオとして記述します。このテストははじめは失敗しますが、実際のアプリケーションコードを少しずつ追加して、最終的に全てのテストが成功するよう開発を進めていきます。

このプロセスを進めていくことで、仕様に沿った高品質なアプリケーションを効率的に実現できます。またコードの修正時の安全性も格段に向上します。

テスト駆動開発は、Pythonを使ったアプリケーション開発において最も広く利用されている手法の1つです。テストからコードを記述するこの手法は、品質と開発速度を同時に高められることから、Pythonを代表する最適実践として定着していると言えます。

※unittest・・・Python標準ライブラリに含まれるテストフレームワークです。テスト対象の関数やメソッドに対して、各種の入力パターンと期待される出力を記述したテストケースを定義できます。unittestはこのテストケースを自動的に実行し、結果を報告してくれるため、効率的なテスト駆動開発が可能です。

※pytest・・・サードパーティのテストフレームワークですが、Pythonコミュニティで最も使われている人気の高いツールの1つです。シンプルな記法と柔軟な使い方が魅力で、特に大規模テストを構築する場面に適しています。

運用・保守のしやすさ

Pythonは動的タイピングという特徴から、アプリケーションの修正が容易で運用・保守しやすいというメリットがあります。

Pythonでは、データ型を明示的に宣言する必要がないため、ある変数やデータ構造がどのタイミングでどういった型のデータを保持していてもエラーになりません。これが運用・保守フェーズに大きなメリットをもたらします。

例えば、新しい要件に応じてデータ構造を変更する場合、静的型付け言語であれば、多数の変更が伴い全体の影響範囲を把握・テストする作業が非常に大変ですが、Pythonであればその心配がほとんどありません。

またインタプリタ型言語であるため、コードの修正が即座に反映される点も、アプリケーションの運用・保守性と開発者体験の向上に寄与しているポイントです。

以上のように、Pythonではアジャイル開発現場において最も重視される「変更しやすさ」という観点でのメリットが最大限に得られていると言えます。

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Pythonを使ったアプリケーションの具体例

ここでは、Pythonを使って開発された世界的な大企業のサービスをいくつかピックアップしてご紹介します。YouTubeやインスタグラム、Dropboxといった身近なサービスも、背後ではPythonが大活躍していることを知っていただければと思います。

YouTube

YouTubeでは、Pythonを使って大量の動画データを処理するバックエンドシステムが構築されています。データ分析から機械学習、大規模分散処理まで、多岐にわたってPythonが利用されています。

例えば、YouTubeに1分間にアップロードされる動画数は膨大ですが、その映像や音声データをリアルタイムで処理して、コンテンツIDを割り振っているのがPythonです。画像認識と自然言語処理の機械学習も担っています。

そして、この時々刻々と生成されるユーザーの視聴データを集約し、個々の視聴者の嗜好を推定することでパーソナライズ動画フィードを生成しているわけですが、この一連の複雑な分析レコメンドフローもPythonベースで実現されています。

このようにYouTubeは、動画データから価値あるインサイトを見出し続けるために、データエンジニアリングと機械学習で、Pythonを活用しているわかりやすい例と言えるでしょう。

Instagram

インスタグラムでも、画像認識や自然言語処理など、Pythonを使った機械学習技術が深く組み込まれています。リアルタイムな画像フィードのパーソナライズも、Pythonが支えているそうです。

例えば、掲載された写真から服や家具、景色といった被写体を特定し、ユーザーの嗜好を学習する画像認識AIにPythonが利用されています。また、写真に付けられたキャプションやハッシュタグからテキスト情報を解析し、写真の内容を理解する自然言語処理もPythonで実現されています。

こうした、画像とテキストの双方から得られるデータを統合して分析することで、個々のユーザーがどのような写真に「いいね!」をするかという、個人の嗜好モデルが構築されます。それに基づいて、気に入りそうな新着画像を優先してフィードに表示しているわけです。

この一連の機械学習とパーソナライズドフィード生成のプロセスに、Pythonが大きな役割を担っていることがわかります。

Dropbox

Dropboxでも、重要な機能を支えているのがPythonです。例えば、ファイル保存や同期、最適化といった基本ストレージ機能に加え、機械学習を使ったファイル検索や自動分類の技術もPythonが担っています。

具体的には、ユーザーがアップロードするファイルの内容を画像認識や自然言語処理で解析し、ファイルタイプや主要キーワードを抽出する機能がPythonで実装されています。これにより、あいまいなフルテキスト検索ではなく、写真や文書といった種別での精度高い検索が可能になっています。

また、このファイルメタデータを学習して個々のユーザーの使用パターンを判断し、関連性の高いファイルを優先しておすすめする機能も搭載されています。こちらは、機械学習の個人化や推薦システムとして、Pythonが活用されています。

このように、Dropboxは基幹機能から応用機能まで、あらゆる場面でPythonの柔軟性と高速性を存分に活かして開発が進められました。大容量データを扱うクラウドストレージサービスにとって、最適な言語だからこそ、今後もDropboxの重要なテクノロジースタックのひとつであり続けると考えられます。

Spotify

音楽ストリーミングサービスのSpotifyでも、Pythonが広く利用されています。楽曲内容解析や個人の嗜好分析など、膨大な音楽データを機械学習技術で処理するのにPythonが適しているためです。

例えば、Spotifyでは3,000万曲以上の楽曲データがストレージされていますが、この音楽コンテンツのメタデータをPythonで解析し、音楽のテンポや音階、コード進行といった楽曲特性を抽出しています。この情報を元に、ユーザーごとの嗜好を推定し、個人マッチするおすすめ楽曲を導き出しているのです。

さらに、この膨大な音楽とリスナーデータを組み合わせることで、長期的な音楽シーンや文化のトレンドも把握できます。Pythonで実装された機械学習が、こうしたマクロなパターンも柔軟に判断しているため、時代を映すプレイリストの自動生成なども可能になっています。

このように、Spotifyはデータサイエンティスト向けに特化した機械学習プラットフォームをPythonで構築していることも大きな特徴です。音声コンテンツという、ユニークなデータから価値を創出するSpotifyにとって、Pythonは最適なパートナーといえます。

Pinterest

Pinterestの画像検索や、コンテンツ認識を支えているのもPythonベースの機械学習です。大量の画像データを高速処理しつつ、新しいトレンドもキャッチできる柔軟性が大きな武器になっています。

Pinterestのユーザーが「保存」を押した画像は、一日当たり1億枚以上にものぼりますが、この膨大な画像群をPythonで構築された機械学習モデルがリアルタイムに解析しています。画像内の物体やシーン、テクスチャ、色調など、精妙な画像特徴量を抽出し、ビジュアル的な類似画像検索を実現しているのです。

また、この数十億枚に及ぶピンデータから、人気上昇中の商品デザインやインテリアテイスト、ファッションアイテムといったトレンドもかぎ分けます。新しい流行の兆しをいち早く探知できるのも、Pythonで作られた柔軟な機械学習アルゴリズムが大きく貢献していると言えます。

このように、Pinterestにおいては、単に画像を解析するだけでなく、オンライン上の巨大なビジュアルコンテンツからメタレベルでのクリエイティブなインサイトを得ることが、Pythonの利用価値を高めている主なポイントだと考えられます。

Pythonの学習方法とおすすめの教材

Pythonは、シンプルな文法と実用性の高さから、最近プログラミング入門の第一言語として最も人気があります。しかし実際には、プログラミング初心者でも学習方法によっては効率が大きく左右されます。

Pythonを学ぶにあたって、書籍やオンラインレッスン、開発現場など、様々なアプローチがあります。単に基本文法をひととおり学ぶだけでなく、実践的な開発スキルを身につけることが重要です。効率的に実践力を養成するには、複数の学習教材を使いこなすことをおすすめします。

本節では、Python習得において特に効果が高い代表的な学習パターンをいくつかピックアップして紹介します。

書籍で基礎をしっかり学ぶ

Pythonの基本文法や標準ライブラリを体系的に学ぶためには、今でも書籍がおすすめです。はじめてPythonを勉強する人に向いた、入門書を最初に読むことから始めましょう。

書籍のメリットは、根気強く基本から順に学べる点です。復習する習慣も身につきます。特に、文法の意味や背景にある考え方を深く理解するには最適な学習法といえます。

例えば、関数やクラスといったプログラミングの基本的な概念の本質を学ぶためには、書籍による網羅的な学習が大切です。開発現場や、オンラインレッスンだけだと、なぜその構文が必要なのかという根源的理解が不十分になりがちです。

書籍学習を通じた概念の定着は、その後の実践教材での理解度と能率の向上にも大きく役立ちます。基礎があるからこそ、開発できるという順序性が大切だと考えます。

オンラインコースで実践力を身につける

基礎がある程度身についたら、オンラインレッスンで実際の開発スキルを習得していきます。UdemyやCourseraの有料サービスがおすすめで、実際の開発者の知見を効率的に学べます。

例えば、Udemyでは実務Pythonエンジニアが開発した、Pythonに特化した専門コースがセール時に1300円前後で数多く提供されています。画像認識や機械学習、ディープラーニング、Djangoを使ったWeb開発などテーマ別に学べるのでとても便利です。 一方、Courseraは有名大学が提供する理論重視のPython講座が揃っているのが特徴です。

オンラインレッスンのメリットは、自分のペースで好きな時間に進められる点です。さらに、講師に質問をぶつけられたり先行受講者とディスカッションできたりするので効果的です。成功事例の実開発コーディングも参考になります。

実践力が必要ならオンラインコース、理論重視なら大学のコースと、目的に応じて使い分けることをおすすめします。

オンラインドキュメントを活用する

Pythonには公式ドキュメントをはじめ、豊富なオンラインの情報があります。新しい機能を使いこなしたり、エラー対策を調べる時に大活躍です。特に、Qiitaの投稿記事は日本語で詳しいのでおすすめです。

公式ドキュメントはリファレンスマニュアル的な位置付けで、各言語仕様や標準ライブラリ、Webフレームワークの仕様が詳細に記載されています。似たようなクラスがある場合の選び方の指針になったりもします。

一方、QiitaやStack OverflowといったQ&Aサイトでは、そうした基本情報にとどまらない実戦的な豆知識が数多く投稿されています。コツの小技集といった感じで、この辺りをうまく活用することがプログラマーにとって大切です。

つまづきやすいポイントを事前に把握できるのがオンライン情報の強みです。上達を早めたいなら毎日少しずつ時間を割いてアウトプットも含め、関連記事を読み漁る習慣が大切です。

実際の開発プロジェクトで学ぶ

最速の学習方法は、実践に他なりません。Webアプリ開発やデータ分析、機械学習など興味のあるプロジェクトを実際に開発しましょう。詰まった時こそ、ライブラリドキュメントを見返す習慣が身につきます。

例えば、Webスクレイピングとデータ分析を組み合わせたアプリを思いついたら、Beautiful Soupでスクレイピングコードを書いて、pandasで分析するというふうに、必要に応じてドキュメントを参照しながら開発を進めていくのです。

コーディングのノウハウも、GitHubやQiitaを覗きながら学びつつ、試行錯誤を繰り返していく中で理解が深まっていきます。不具合にぶつかる度に、デバッグ力が身についていきますし、解決策を考える習慣が生まれます。

実践プロジェクトを通じて、Pythonを学ぶメリットは大きいですが、ある程度入門書を読了した後がベストなタイミングです。基本文法の意味も確実に理解した上でそれを使いこなしていく、という順序が大切です。

Pythonでできることのまとめ

今回は、Pythonの基本的な機能から実践的なアプリケーション開発まで、できることの全体像をご紹介しました。

シンプルで柔軟性が高く、Webサービスからハードウェア制御まで、幅広い開発ニーズに対応可能な汎用スクリプト言語です。機械学習やデータ分析をはじめ、フィンテックやBioIT、自動運転などの最先端領域でも注目度が上がっています。

ただし理論だけを学ぶだけでなく、実践教材を使いこなすことが大事です。今後Pythonを業務で活用したい方は、書籍とオンラインレッスンとを組み合わせつつ、少しずつ実開発プロジェクトにもチャレンジすることをおすすめします。

Pythonでできることに関して、ご不明点やプロジェクト検討などがあれば、株式会社Jiteraにお問い合わせください。全力でサポートさせていただきます。

Kota Ishihara

近畿大学理工学部生命科学科卒業。卒業後は、独学でプログラミングスキルを取得し、2022年10月にフリーランスになり現在も日々勉強中。 また視野を広げる為、ヨーロッパや東南アジアなどへ冒険をしながら、さまざまな人と交流を重ねる。 将来の夢は、ヨーロッパへの移住。尊敬する人は岡本太郎。

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