AIモバイルアプリの開発方法や手順、アイデア例もわかりやすく紹介

めだか

独学で勉強を行い、IT関連の会社でWebサイトの編集、修正をするコーダーとして働いていました。退職し、現在はライターを中心にフリーで幅広く活動中。

昨今、AI開発が注目され、幅広い分野でAIが利用されるようになりました。

モバイルアプリ開発においても、AIを用いた開発の効率化や、AIを使った機能の搭載が一般的になってきています。

とはいえ、「AIアプリにはどんな種類があるのか?」「AIアプリ開発はどうやったらいいの?」「そもそもAIアプリとはどんなものなのか?」などの疑問を抱く方もいるでしょう。

本記事では、AIモバイルアプリの開発方法の手順を解説し、種類やアイデア例もわかりやすく紹介していきます。

AIアプリを使った開発やAIを使ったアプリに関心があるが、活用方法がわからないという方は必見です。

AIを使ったモバイルアプリ開発とは?

モバイルアプリ開発

AIモバイルアプリとは、AIを活用できる機能などが実装されたモバイルアプリを指します。現代社会でAIは至る所に搭載されており、スマホを利用したモバイルアプリへのAI搭載は特に人気です。

人の手では難しい作業や分析も、AIをモバイルアプリの開発に活用することで、開発の効率化を図れます。また、AIは機械学習を行うため、AIによるアプリ自体のパフォーマンス向上を見込めます。学習されたデータはリアルタイムで分析、解析を行い、環境やユーザー個々に合わせてアプリの最適化が可能です。しかし、AIは膨大なデータを学習します。新しく学習した内容を「適切に運用ができているか」の定期的なテストも忘れてはいけません。

AIモバイルアプリは使用するほど学習し、ユーザーに合わせて変化します。そのため、通常のアプリよりも利便性に優れ、ユーザーファーストなコンテンツを提供できます。

AIアプリとは

AIアプリとは、AIと呼ばれる人工知能技術を搭載したアプリの通称です。AIは機械学習を行い、コンテンツや解析結果を提供する特徴を持ちます。AIアプリは業務効率化への活用も可能です。データ分析、管理、異常検知など、幅広い分野で活躍しています。

下記はAIアプリに使用されている主な技術です。

  • 画像認識
  • 音声認識
  • 自然言語処理

上記の技術は、業務、日常で使用する多くのAIアプリに搭載されています。特にAIモバイルアプリはスマホから簡単に利用できるため、身近な存在と言えるでしょう。

AIアプリ開発とは

AIが実装されたアプリを開発することを、AIアプリ開発と呼びます。通常のアプリ開発は、アイデアのブレストや設計、開発、プログラミング、動作のテストが主な内容です。AIアプリ開発の場合、AIモデルを統合する工程が組み込まれます。

アプリへ統合を行う前に、搭載したい機能によってAIモデルの選定が必要です。既存のAIを利用するか、ゼロから開発するかで、AIアプリ開発の開発工程は異なります。

次に、AIが利用するデータも開発の重要な要素です。画像認識のための画像データや、音声認識に必要な音声データなど、AIが学習し、活用するデータは多岐にわたります。

開発行う前に、「何に活用するAIアプリを作るか」を明確にし、AIの方向性を決めておきましょう。

 

AIモバイルアプリを開発する2つの方法

AIモバイルアプリの開発には、モバイルアプリと、AIモデルの2つが必要です。データの学習を行ったAIを、モバイルアプリへ統合を行い、AIモバイルアプリが完成します。AIは万能なわけではなく、活用方法によって学習内容が異なります。そのため、搭載する機能に応じて、AIの学習モデルの選定は必要不可欠です。

AIには、APIで既存のデータを覚えたAIを使用する方法と、人工知能開発からはじめる方法の2種類の方法があります。

どちらにもメリット、デメリットはあるので、開発行う前に、どちらが良いか、ポイントをしっかり押さえておきましょう。

APIを利用する方法

APIとは、他社が開発して公開している既存のAIモデルや機能を共有する方法です。自ら開発したモバイルアプリにAIを連携して活用できます。

AIが他のAIモバイルアプリ開発にも利用されているため、最初から学ばせる必要がなく、多くのデータを学習しています。そのため、開発にかかる負担を減らす事ができ、効率化とコスト削減が見込めます。公開されているAIが多い点も魅力のひとつです。

便利な方法ではありますが、公開されている=他社でも使用している可能性が高く、独自性は下がります。また、API通じて外部への情報流出の可能性があるため、セキュリティ対策は必ず行いましょう。

人工知能開発からはじめる方法

人工知能開発とは、既存のデータは使用せず、ゼロからAIを開発する方法です。

ゼロから開発する場合、AIに使用するデータ収集からはじまります。明確な活用方法が決まっていれば、必要なデータを中心に集めることが可能です。また、AIが学習を行うために、AIモデル=機械学習の開発も必須です。活用方法によって開発する機械学習の方法も違います。

開発には技術やコストがかかりますが、その分ユーザー1人1人のニーズに合った独自的なAIを開発でき、競合他社との差別化を図れます。

開発に不明点がある場合は、AI開発が得意な会社に依頼をすると良いでしょう。

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個人でAIを使ってモバイルアプリを開発する方法

 

個人でAIを使用してモバイルアプリを開発する場合、多くの知識を覚える必要があります。

1)AIを動かすプログラミング言語

AIに機械学習を搭載するために「C++」、「Python」や、AIがデータを操作するために「SQL」と呼ばれるプログラミング言語が必須です。基礎知識が全くない初心者の方がAIを開発する方法を勉強する場合、習得に約300時間以上かかると言われています。

2)モバイルアプリを開発するプログラミング言語

AIモバイルアプリを作成するためには、AIを搭載するモバイルアプリが不可欠です。iOS、Androidでは使用言語が異なるので、アプリを別々に開発する必要があります。iOSでは「Objective-C」、「Swift」、Androidでは「Java」、「Kotlin」、「C#」など多くのプログラミング言語を使用します。

上記のように知識がない状態から開発を行うのは、覚える内容が多く非常に困難です。

しかし、Web上にあるツールの使用で、スマホで使用できるAIアプリの制作は可能です。作り方を簡単に説明していきます。

方法1:ツールを利用する

専門的な知識がない場合でも、ツールの利用でAIアプリを作れます。ツールを上手く利用することで、難しいプログラミングコードや、AIの機械学習の簡略化が可能です。そのため、専門知識がない状態でもAIを作れます。

AI開発ツールは有料の場合が多いため、ツールを選ぶ前に、「AIの活用方法」、「予算」、「操作方法」を確認しておきましょう。

以下にAI開発を行うおすすめのツールを紹介、解説します。

【Neural Network Console】

引用:Neural Network Console

SONY社が提供するAI開発ツールです。簡単なマウス操作のみでAIを作れます。画像認識、音声認識の分野に優れ、機械学習もノーコードで可能。また、自ら開発したすでに学習済みのAIを組み込んで、アプリ開発を行えます。初心者の方から上級者の方までおすすめのツールです。

AIの開発に必要な機械学習などの環境が全て提供されている「AIプラットフォーム」も合わせてご紹介します。

【Google AutoML】

引用:Google AutoML

Google社が提供するAIプラットフォームです。機械学習の自動化は勿論、画像認識や音声認識、その他機能面も充実しています。専門知識はほとんど必要なく、画面操作だけでAIモデルを構築できます。構築したモデルはアプリやWebサイトに統合可能です。料金は基本無料、使用した分料金が発生します。まずはAIに触れてみたい、という方におすすめです。

方法2:ライブラリやフレームワークを利用する

ライブラリとは必要な時に使用できるプログラムの「部品」です。必要に応じてライブラリの「部品」を使用することで、制作したプログラムを補完します。

フレームワークとはアプリ全体の「枠組み」を提供しているツールを指します。ライブラリの「部品」と組み合わせた使用により、開発を効率的に行うことが可能です。

多少プログラミングの知識が必要ですが、多くの開発者が部品と枠組みを公開しているため、比較的簡単に個人でもAIを開発できます。作りたいAIのフレームワーク(枠組み)にライブラリのプログラム(部品)を当てはめるイメージをすると、覚えやすいでしょう。

ライブラリとフレームワークは種類が多く、特徴もさまざまです。下記に人気のライブラリとフレームワークを紹介していきます。

 

人気のライブラリには、以下があります。

【scikit-learn】

引用:scikit-learn

機械学習で非常に有名なライブラリ。Pythonで記述されており、機械学習に必要なプログラムが無料で一通りそろっています。

【Pytorch】

引用:Pytorch

Facebook社が開発しているライブラリ。世界中で使用されているため利用者が多く、参考資料も豊富です。

【Caffe】

引用:Caffe

画像認識に優れているライブラリです。記述コードがC++なので、処理速度が速い点も魅力のひとつ。

人気のフレームワークは、以下が挙げられます。

【TensorFlow】

引用:TensorFlow

音声認識、言語翻訳、画像認識、幅広い用途に使用できるフレームワークです。世界中で使用されており、直観的な操作で使えます。

【Microsoft Cognitive Toolkit】

引用:Microsoft Cognitive Toolkit

マイクロソフトリサーチが制作したフレームワークです。翻訳、自然言語処理に優れています。

【Keras】

引用:Keras

AIの機会学習や、ディープラーニングに適したフレームワークです。Pythonでコードが書かれており、初心者にも扱いやすいです。

AIを使って開発できるアプリの例

IT化が進む現代社会では、業務効率化や生活のサポート、さまざまなシーンでAIアプリが活用されています。AIアプリでは、画像認識、音声認識、自然言語処理の3つの技術が主流です。翻訳や画像の自動検出、会話など、用途によって使用技術は変化します。

3つの技術の簡単な内容を説明します。

【画像認識】

AIによる画像の自動分析や加工に関した技術です。加工アプリ、画像を使用した検索アプリで活用されています。

【音声認識】

入力された音声をもとにAIが分析し、テキストや文章に変換する技術です。文字起こしや音声読み上げアプリに使用されています。

【自然言語処理】

AIが言語を理解、思考し、データやテキストを表示します。チャットボットや自動翻訳に用いられる技術です。

次に、上記のAI技術を用いて開発可能なアプリの例を紹介します。

AIチャットボット

AIチャットボットは、AIが人間と同じようにテキストや文章の意味を理解し、内容に応じて自動で回答を行います。音声対応しているチャットボットには、自然言語処理、音声認識の技術を用いた開発が多いです。

最初は予め用意されたデータをもとに、AIが回答を行います。長期的な運用で回答の幅も増え、効率的で適切な回答が可能です。AIの機械学習に時間はかかりますが、問い合わせ用のチャットボットを使用している企業も多く、業務の負担を軽減してくれます。

AIチャットボットの主な例は「SELF」が挙げられます。音声認識を利用したAIチャットボットでは、iPhoneでも人気の「Siri」が良い例です。

画像認識アプリ

画像認識アプリは、学習した画像をもとに、AIが画像を分析、回答をしてくれるアプリです。顔認証や異常検知、物体検出、種類は多岐にわたります。大量の画像データを覚えさせるとAIが誤った回答をしてしまう場合があるため、基本的にはひとつのジャンルに絞って画像を学習させましょう。

例えを挙げると、花の画像認識アプリを開発する場合は、花の画像データのみをAIに学習させます。学習データを絞ることで、ユーザーが送った画像に対し、正確で効率的な回答が可能です。

「Googleレンズ」など多機能な画像認識アプリも存在しますが、認識範囲が広い程、AIに覚えさせる画像も多く、開発も難しくなります。

画像認識アプリでは、スマホで撮った写真の植物や花をAIが調べる「Picture This」、顔認証を用いて写真を加工する「SNOW」が人気です。

音声認識・合成アプリ

音声認識・合成アプリは、人の話す言葉や音声、テキストを認識し、AIが出力を行います。喋った内容をそのまま文字にする、入力したテキストをAIが音声合成し、読み上げる活用法が主流です。AIは音声データをもとに学習、出力を行います。日本語以外の音声を覚えさせる場合、学習内容は膨大です。

音声認識の技術は、会議の議事録や、翻訳へ利用されており、業務効率化に役立ちます。音声合成の技術は、AIが人の聞き取りやすい波長を分析してテキストを読み上げるため、動画制作で使用されることが多いです。

音声認識・合成アプリでは、音声を録音して文字起こしが可能な「CLOVA Note」や、豊富な音声からテキストを読み上げてくれる「ゆっくり棒読みトーク」が有名です。

 

モバイルアプリ開発は基本的に下記の流れで行われます。

  • アイデアのブレスト
  • 設計とプロトタイピング
  • 開発とプログラミング
  • テストと品質保証
  • リリースとマーケティング

それぞれの工程で何を行うか、具体的に見ていきましょう。

アイデアのブレス

まずは、どのようなモバイルアプリを作成するかアイデアを出し合います。より多くのアイデアから戦略を選べるよう、ブレストは複数人で行うと良いでしょう。

ここで出すアイデアは具体的なものではなく、大まかなアイデアで構いません。多くの意見を出し、作成するモバイルアプリの方向性の決定が重要です。どんなアプリをどのターゲットに向けていつまでにリリースするのか、徐々に具体的にしていきましょう。

設計とプロトタイピング

モバイルアプリの方向性が決まったら、設計とプロトタイプ(試作品)の作成を進めます。

設計では、モバイルアプリが持つ具体的な機能やその実装方法についてまとめます。設計は要件定義から始まり、基本設計、詳細設計と行われる場合が多いです。要件定義では、モバイルアプリの目的や機能、実装方式などを検討します。ここでモバイルアプリ開発の全体像を明確にします。

次に基本設計です。基本設計では要件定義から、アプリに必要な機能を洗い出し、その実現方法を記載します。詳細設計では基本設計よりさらに細かく、各機能の実装方法を設計します。詳細設計をもとに製造を進めるため、製造を意識した設計が必要です。

プロトタイプの作成は、画面の見た目や動きの認識合わせのために行います。実際のアプリに近いものを作り動作チェックを行うことで、ユーザビリティの確認に役立ちます。

 開発とプログラミング

設計が完了したら、設計に基づき開発を行います。この工程は、プログラミングやコーディングと呼ばれる作業です

どのプログラミング言語、開発環境を利用するかは設計時に選定します。モバイルアプリ開発では、Androidなら「Java」、「Kotlin」、iOSなら「Swift」というプログラミング言語の使用が主です。

開発はフロントエンドとサーバーサイドに分けて行われます。フロントエンドは画面側の動き、サーバーサイドはデータのやりとりを行う裏側の動きのことです。

テストと品質保証

開発が終わったら、モバイルアプリの動作確認をテストします。品質を高めるために、テストは重要な過程です。

テストには単体テスト、結合テスト、システムテスト等があります。単体テストで細かい機能ごとのテストを行い、結合テストで各機能を連携したテストを実施します。システムテストは最終テストです。すべての機能を合わせて、予想される動きをすべてテストします。入念なテストを行うことで、不具合が発生しないアプリの開発を保証します。

リリースとマーケティング

モバイルアプリが完成したら、完成品をリリースします。モバイルアプリのリリースは、App StoreやGoogle Playで行うのが一般的です。

アプリを誰でもダウンロードできるようになった後は、マーケティングを行います。マーケティングにより、多くの人に開発したアプリを認知してもらいます。マーケティング手法としては、SNS広告やアフィリエイト、SEOが主に用いられます。アプリのジャンルによって、適切な手法を採用しましょう。

AIを組み込むステップ

モバイル開発

モバイルアプリ開発にAIを組み込むことで、モバイルアプリの性能や開発効率を向上させられます。

AIをモバイルアプリに組み込むまでのステップは下記の通りです。

  • AIの選定と統合
  • 学習データの収集とトレーニング
  • モデルの統合とテスト

AIの選定と統合

モバイルアプリ開発でどのAIを組み込めるかを選定します。モバイルアプリ自体にAIを取り入れるのか、開発工程でAIを取り入れるのかで、取り込むべきAIは異なります。

まずは、どの工程のどの部分にAIを導入したいのかを決定しましょう。コーディングでAIを利用するのであれば、コード補完機能のあるAI、テスト工程でAIを導入するなら、自動でテストできるAIを選びます。

モバイルアプリの機能でAIを取り込む場合は、チャットボット、画像認識AI、音声認識AIが主な候補です。

学習データの収集とトレーニング

AIに学習させるためのデータの収集を行います。画像認識のAIを作りたい場合であれば多くの画像、音声認識のAIを作成する場合は音声データが必要です。

学習データを収集した後は、データを基にトレーニングを行います。画像データの判別を行うAIの場合は、犬の画像を犬の画像として認識し、猫の画像は猫の画像と認識するようになれば成功です。多くのデータでトレーニングを行うことで、AIモデルによる判別結果も正確になっていきます。

モデルの統合とテスト

AIの学習が完了次第、AIを機能と統合させます。統合の後、実際の機能でAIがうまく活用できているか、動作に問題はないかを確認するためのテストを行います。テストでAIの回答や動作に不具合がなければついにリリースです。しかし、リリース後もAIのトレーニングやテストは必要です。

モバイルアプリはリリース後も、新たなデータがインプットされ続けます。AIにインプットされたデータが古いものだけでは、正しいアウトプットができない場合もあります。新しく増えたデータに対してもAIが正しい回答をできているかを定期的にテストし、AIモデルの性能を維持・向上させることが重要です。

AIを活用したモバイルアプリ開発の手順

開発工程

AIを活用したモバイルアプリを開発する場合、通常の開発とは別のプロセスが必要になります。以下は、モバイルアプリにAIを導入する際の手順です。

  • AIプロトタイプの作成
  • データ収集と前処理
  • AIモデルの選定とトレーニング
  • アプリにAIモデルの統合

AIプロトタイプの作成

AIアプリのプロトタイプを作成します。プロトタイプは試作品の通称です。AIを活用したモバイルアプリを開発する際には、AIの機能以外に見た目や動作も作成する必要があります。プロトタイプで確認するのは、モバイルアプリの見た目や動作部分です。

モバイルアプリの具体的な見た目や動作をあらかじめ作成してみることで、作りたいアプリのイメージをチーム内で共有します。モバイルアプリの動きが把握できれば、どのようなAIを使用すればいいかの目安にもなります。

データ収集と前処理

AIに学習させたい分野のデータを大量に集めます。画像認識AIであれば多くの画像、音声認識AIであれば、多くの音声データが必要です。データ収集はスクレイピングで行う方法や、公開されているデータを利用する方法があります。スクレイピングは、やり方次第で違法となる場合もあるので、注意して行うようにしましょう。

データを集めた後は各データを加工し、AIのトレーニングに使用できる状態にします。具体的には、データに情報を付加する「アノテーション」を行います。

アノテーションで行っている作業は「データのタグ付け」です。例えば、犬の画像であれば「犬」とタグ付けし、猫の画像であれば「猫」とタグ付けをするイメージです。アノテーションを正確に行うと、AIが正しい学習を行い、正しく結果を出力できるようになります。

AIモデルの選定とトレーニング

AIモデルの選定を行います。AIモデルとは入力されたデータを解析・学習し、結果をアウトプットするための仕組みです。これが機械学習の基盤になります。AIモデルには主に「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3種類があります。

教師あり学習は、正解のデータが用意されている状態で作成されるAIモデルです。例えば、1つの正解に対して、データが間違っているか合っているかをトレーニングしていくのが、教師あり学習になります。

教師なし学習は、対象のデータが正解か分からない状態で作成されるAIモデルです。例として、各データ間で存在する共通点を分析していくことができます。

強化学習は、対象のデータが存在しない状態で作成されるAIモデルです。この場合、AIが試行錯誤し、最適な行動を予測していきます。

どのAIモデルにするか選定が完了したら、AIモデルの作成を行います。AIモデルは「AIモデル作成ツール」で作成が可能です。主なAIモデル作成ツールには以下のものがあります。

  • Neural Network Console
  • DataRobot
  • MatrixFlow
  • Google AutoML
  • Microsoft Azure Machine Learning

AIモデルを作成した後は、AIの学習用に加工したデータを基にトレーニングを行います。画像データの判別を行うAIモデルを作成した場合は、犬の画像を犬の画像として認識し、猫の画像は猫の画像と認識するようになれば成功です。

アプリにAIモデルの統合

AIモデルの学習が完了次第、モバイルアプリの見た目や動きにAIモデルを統合し、AIを活用したモバイルアプリは完成します。AIモデルを統合した後は、完成したモバイルアプリが想定通りの動作をするか検証が必要です。AIの動作チェックとアプリに不具合をテストします。

どんな開発でもテストはありますが、AIを使ったアプリの場合は、定期的なテストが必要になります。開発時のテストデータは時間が経つにつれて、相対的に古いものとなるため、最新の環境とズレる可能性があるためです。

AIアプリにとっては、定期的なトレーニングとテストが不可欠です。AIモバイルアプリの性能の維持・向上のために、手間をかけましょう。

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AIを導入するメリット

AIの活用

モバイルアプリ開発にAIを導入すれば、多くのメリットが得られます。具体的なメリットとしては、下記の3つが挙げられます。

  • パーソナライズされたユーザーエクスペリエンス
  • 自動化されたタスク処理
  • ビッグデータ分析と予測能力

パーソナライズされたユーザーエクスペリエンス

AIの導入で、ユーザーの利用環境にマッチしたユーザーエクスペリエンスを提供できるようになります。

テキスト入力欄でAIを活用すれば、ユーザーがよく使う単語を予測し、提案できます。各利用者の利用動向から導き出すので、多くの人が使いやすいものになるでしょう。

また、おすすめ機能にAIを活用すれば、利用者の好みにあったものが自動で表示できるようになります。YouTubeやTikTokといった有名なアプリでは、AIを活用したおすすめ機能がフル活用されています。

AIを活用すれば、各利用者の満足度は大きく高まるはずです。

自動化されたタスク処理

AIはモバイルアプリの開発にも利用できます。例えば、単純なコーディングであれば、コード生成AIの利用が考えられます。

コード生成AIとして有名なものは以下の通りです。

  • Code Llama
  • TabNine
  • GitHub Copilot
  • Amazon CodeWhisperer
  • Hugging Face

コード生成AIを用いれば、書き始めたコードに基づいてその続きを予測し補完してくれるため、開発速度を向上させられます。また、テキスト情報の説明に基づいてコードの生成も行ってくれるため、大枠をAIで作成し、細かなところを修正していくやり方も可能です。

ビッグデータ分析と予測能力

モバイルアプリにAIを取り入れれば、ビッグデータの分析とそのデータに基づく予測が可能になります。ビッグデータの収集からAIによる予測までのフローは以下のとおりです。

  • 利用者がどのようにアプリを利用しているかをデータとして収集
  • データから利用者のアプリの利用傾向を学習
  • 利用傾向に基づいてもっとも可能性の高い選択肢を利用者に提案

AIによる提案が行われるようになると、ユーザーの使いやすさは大きく向上します。例えば、YouTubeのおすすめ機能も、AIによるビッグデータ分析の賜物です。ビッグデータの活用で、多くの人が使いやすいアプリになります。

モバイルアプリをAIで開発するアイデアの発想方法

 

発想方法

モバイルアプリをAIで開発する際の発想方法の例を5つ紹介します。以下が発想方法の例です。

  • 市場ニーズと課題の特定
  • AIの利用方法の検討
  • データの収集と学習
  • ユーザーエクスペリエンスの設計
  • 成長戦略の計画

市場ニーズと課題の特定

市場ニーズと課題の特定から、AIの活用方法を考えます。市場の調査を行い、市場に存在するニーズと市場が抱える課題を特定します。その課題やニーズがAIで解決できるものであれば、AIの活用を考えてみましょう。

ここで必要なのは、ただAIを活用したアプリを作るのではなく、AIの活用でニーズや課題を解決することです。あくまでも「問題解決のためのAI」を意識して、AIの活用方法を考えましょう。

 AIの利用方法の検討

すでに作りたいアプリが決まっている場合、どの機能にAIを活用するのかを考えます。

例えば、料理のレシピを閲覧できるアプリであれば、おすすめのレシピを紹介する機能でAIを活用できます。「このレシピを選んだ人はこのレシピも見ている」のようなAI学習の結果からおすすめを導き出すことが可能です。

他にも、チャットボットを搭載するアプリであれば、質問内容から適切な回答を判断し、回答するようにAIを活用できるでしょう。

データの収集と学習

先にデータの収集と学習を行ってから、AIを活用できる方法を考えます。作りたいアプリが明確に決まっていない場合は、AIありきで機能を考えてみましょう。

例えば、画像認識AIでデータの収集と学習を行っている場合、それに合わせて画像認識AIを搭載したモバイルアプリを開発します。

まずは「こういうAIがあれば便利かも」などの感覚からAIを作ってみて、そこからビジネスに発展させてみましょう。ニーズや課題から作られたものではないため、斬新なアイデアが発想できるかもしれません。

ユーザーエクスペリエンスの設計

ユーザーの利用環境を想像して、モバイルアプリにAIを活用する方法を考えます。ユーザーエクスペリエンスとはユーザー体験のことです。ユーザーがアプリを使用した際に、どのようにアプリを体験できるようにするかを設計していきます。

ユーザーエクスペリエンスを想像するために大切なのは、モバイルアプリのユーザー層を細かく考えることです。例えば、「時間が少ない共働きの夫婦」をターゲットにしたレシピアプリであれば、料理時間が短いレシピを紹介できるようにAIを活用します。

ユーザー層を意識してAIを組み込むことで、より便利だと思ってもらえるモバイルアプリになるはずです。

成長戦略の計画

成長戦略を立てることからもAIの活用法が思いつくことがあります。

例えば、多くのユーザーに使ってもらえるアプリを開発したいと考えた場合、市場の分析やユーザーのニーズを捉える必要があります。しかし、大規模な分析や調査は人の手で行うと、膨大な時間が必要です。そこで、AIの活用を考えます。

AIは多くのデータを集めることも得意なので、調査に大いに役立ちます。この場合は、アプリの機能としてではなく、戦略を立てるためのAIの活用です。

さまざまな場面でAIを活用すれば、より効率的に便利なモバイルアプリを開発できます。

アプリ開発を依頼するおすすめ会社

 

オススメ会社

自社にIT人材がいない場合、アプリ開発の作成は開発会社に依頼することになります。アプリ開発の依頼は、実績豊富なJiteraがおすすめです。

Jitera

 

Jiteraでは独自で開発したシステムの「JITERA」を利用して開発を行います。JITERAにはAIが活用されており、他社比で3倍の速さでシステム開発が可能です。

また、JiteraではWebアプリ開発だけでなく、Androidアプリ開発、iOSアプリ開発にも幅広く対応しています。様々な開発に対応できる幅広いノウハウを持っているため、企業のビジネスに応じた提案が可能です。

モバイルアプリ開発で、品質の高さとスピード感の両方を求めるという方は、一度Jiteraへご相談ください。

AI モバイルアプリ開発のまとめ

 

モバイルアプリ開発のまとめ

AIモバイルアプリ開発には、AIモデルが必要です。AIモデルは投入されたデータを分析、学習して、結果をアウトプットする仕組みのことを指します。データを取り込み学習させることで、データに応じて結果を返すAIが作られます。

作成したAIをモバイルアプリ開発で活用する場合、「開発で活用する方法」と「機能に組み込む方法」の2パターンです。

モバイルアプリ開発で活用すれば、コーディングやテスト作業を手作業よりも効率的に進められるので、短い納期での開発が可能になります。機能にAIを組み込むメリットは、ユーザーエクスペリエンスを向上させられることです。AIがユーザーの利用状況を学習することで、それぞれのユーザーに適した機能を提供できます。

 

AIモデル「APIを利用する方法」、「人工知能開発からはじめる方法」2つの手法で開発できます。

個人でAIモバイルアプリ開発を行う場合、ツールやライブラリ、フレームワークを使用することで、効率的に開発を行うことが可能です。ゼロから開発を行う場合は、さまざまなプログラミング言語を覚える必要があります。

開発が難しいと感じた場合は、開発会社へ依頼をするのもひとつの方法です。AIモバイルアプリ開発の依頼でおすすめの会社はJiteraです。JiteraではAIモバイルアプリ開発や、AIを使ったシステムの開発、導入支援を行っています。

AIを使ったモバイルアプリ開発に関する質問、相談、案件や依頼があれば、開発実績が豊富なJiteraにお問い合わせください。

めだか

独学で勉強を行い、IT関連の会社でWebサイトの編集、修正をするコーダーとして働いていました。退職し、現在はライターを中心にフリーで幅広く活動中。

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