COBOL言語とは?古すぎると言われる理由や欠点、脱COBOLの手段を解説

この記事では、COBOLとは何か、なぜ「古すぎる」と言われるのか、またその欠点やプログラマーの将来性について詳しく解説します。

COBOLは、長い歴史を持つ業務用プログラミング言語であり、金融や政府機関などで今も広く使われていますが、技術の進化とともに「脱COBOL」の動きも進んでいます。

COBOLに関する理解を深め、今後のキャリア形成や技術の移行についてのヒントを提供します。

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監修者 TAKETO

プログラマー兼ネットワークエンジニア。 24歳でエンジニアの世界に飛び込むも、いきなり大手企業機器の検証担当に。 その後も検証をこなしていく中で、自動的にできないものかと試行錯誤しているといつの間にかプログラマーへとステップアップ。 現在はプログラミングの方が好き。

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    COBOLとは?

    COBOL(Common Business-Oriented Language)は、1959年に業務用アプリケーションの開発を目的に開発されたプログラミング言語です。

    主に金融機関、政府機関、保険業界などの大量データを処理するシステムで使われ、長年にわたってビジネスシステムの中核を担ってきました。

    銀行の口座管理システムや年金システムなど、日常的な業務の基盤を支えるシステムは、今もなおCOBOLで動作しているケースが多くあります。

    COBOLは、プログラミング言語として長い歴史を持ち、依然として多くのシステムで使用されているため、今後も一定の役割を果たし続けると考えられています。

    COBOLの欠点

    COBOLは、ビジネスシステムの開発において今でも多くの分野で利用されていますが、いくつかの欠点も指摘されています。

    ここでは、COBOLの主な欠点について詳しく解説していきます。

    • 冗長な文法で読みにくい
    • 構造化プログラミングの制限がある
    • オブジェクト指向プログラミングのサポートが不足している
    • 現代のプログラミングパラダイムへ適応していない
    • プログラマーが不足している

    これらの欠点により、COBOLの利用には限界があるとされており、他のプログラミング言語への移行が進む要因となっています。

    冗長な文法で読みにくい

    COBOLの欠点の一つは、冗長な文法で読みにくい点です。

    COBOLは自然言語に近い形で書けるという特徴がありますが、その分、記述が非常に長くなることが多く、コードの可読性が低くなる場合があります。

    具体的には、変数宣言や条件分岐、ループ処理などが非常に冗長な形式で書かれるため、プログラム全体が複雑化しやすいのです。

    この冗長さが、COBOLプログラムの保守や理解を難しくしており、現代のプログラマーにとって扱いにくい言語の一つとして指摘される理由の一つとなっています。

    構造化プログラミングの制限がある

    COBOLには、構造化プログラミングに対する制限がある点も欠点とされています。

    構造化プログラミングとは、プログラムをわかりやすく整理し、エラーを減らしやすくするための技術で、条件分岐やループ、モジュール化などを用いる手法です。

    しかし、COBOLは初期の設計から、この構造化プログラミングを十分にサポートしていません。

    この制限により、COBOLで書かれたプログラムはメンテナンスや拡張が難しく、他の現代的な言語に比べて、プログラムの保守性が低いとされています。

    オブジェクト指向プログラミングのサポートが不足している

    COBOLの欠点の一つは、オブジェクト指向プログラミング(OOP)のサポートが不足している点です。

    OOPはデータとその処理をまとめ、プログラムの再利用性や保守性を高める技術で、JavaやPythonなど現代の言語では一般的に採用されていますが、COBOLにはその機能がほとんどありません。

    OOPの機能がないことにより、プログラムの柔軟な設計や再利用が難しく、保守や機能拡張にも手間がかかることがあります。

    このように、OOPのサポート不足により、COBOLは現代のプログラミングパラダイムに適応しにくい言語とされています。

    現代のプログラミングパラダイムへ適応していない

    COBOLは、現代のプログラミングパラダイムに適応していないことが大きな課題です。

    オブジェクト指向や関数型プログラミングなど、柔軟性や効率性を重視する手法が主流となっている中、COBOLは依然として手続き型プログラミングに依存しています。

    例えば、関数型や並列処理といった最新のプログラミング手法をCOBOLでは使うことができず、複雑なシステムの開発や効率的なプログラムの設計が難しくなっています。

    その結果、COBOLは現代の開発環境やニーズに対応しづらく、技術革新に追いついていないと言われています。

    プログラマーが不足している

    COBOLプログラマーの不足も、COBOLの大きな課題の一つです。

    COBOLは1960年代に開発され、長い歴史を持つ言語であるため、熟練したプログラマーの多くはすでに退職しています。

    新しい世代のプログラマーがCOBOLを学ぶ機会が少なく、結果としてCOBOLを扱える技術者が減少しています。

    例えば、金融機関や政府機関など、COBOLで動作しているシステムが多く残っているにもかかわらず、これらのシステムの保守や改修を行える人材が少なく、対応が遅れるケースが増えています。

    このように、COBOLプログラマーの不足は、既存のシステム運用に影響を与えており、システムの保守や更新が困難になる要因となっています。

    「脱COBOL」の動きとは

    COBOLは多くの業務システムで使用されていますが、老朽化した言語であるため、保守や拡張が困難になっていることが背景にあります。

    ここでは、「脱COBOL」の動きについて詳しく解説していきます。

    • 脱COBOLと言われる理由
    • COBOLに代わるプログラミング言語

    脱COBOLと言われる理由

    「脱COBOL」と言われる理由は、COBOLが老朽化した言語であり、現代の技術要件に対応していないためです。

    COBOLは特定の業務システムで長く使用されていますが、柔軟性や効率性の面で最新のプログラミング言語に比べて大きく劣ります。

    最新の開発手法や開発要件に適応できず、プログラマーの減少によりシステムの保守や拡張も困難になっているのが現状です。

    このように、技術的な制約と人材不足が、COBOLを最新の言語に置き換える「脱COBOL」の動きを加速させる要因となっています。

    COBOLに代わるプログラミング言語

    COBOLに代わるプログラミング言語として、JavaやPythonがよく挙げられます。

    これらの言語は、COBOLのように業務システムで使われるだけでなく、現代の幅広い開発ニーズにも対応しており、効率的で柔軟なシステム構築が可能です。

    以下の表で、COBOLとJava、Pythonの違いを比較してみましたので、移行に適した言語を選ぶ際の参考にしてください。

    COBOL Java Python
    主な用途 業務システム、金融システム Webアプリケーション、業務システム Webアプリケーション、AI、データ解析
    文法 冗長で自然言語に近い 厳密な文法が求められる シンプルで可読性が高い
    オブジェクト指向 サポートが不足している 完全なオブジェクト指向言語 完全なオブジェクト指向言語
    学習難易度 高い 中程度 低い
    スピード・効率性 処理速度は遅いが信頼性は高い 高速で効率的な処理が可能 汎用的で柔軟性が高い
    プラットフォーム 専用システムに依存 プラットフォームに依存しない プラットフォームに依存しない
    人材供給 減少傾向 豊富な人材 豊富な人材

    このように、JavaやPythonは現代のプログラミングパラダイムに適しており、COBOLからの移行先として有力な選択肢となっています。

    Jiteraを活用した効率的なシステム移行と開発支援

    JavaやPythonなどの現代的なプログラミング言語での開発や移行を検討している企業にとって、効率的なシステム開発を進めるための支援が重要です。

    そこで注目されるのが、株式会社Jiteraの提供する開発プラットフォーム「JITERA」です。

    株式会社Jiteraは、ソフトウェアの開発支援やデジタルコンサルティングを行っており、特に自社開発の「JITERA」プラットフォームを強みにしています。

    このプラットフォームを利用することで、プログラミング作業の一部を自動化し、開発プロセスを効率化することが可能です。

    これにより、プログラミングの手間を削減し、バグの少ない高品質なシステムを他社よりも短時間で提供することができます。

    JITERAを活用することで、開発のスピードアップと品質向上が期待できるため、効率的な移行とシステム構築の実現が可能です。

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    COBOLプログラマーの将来性

    COBOLプログラマーの将来性については、COBOLの利用が減少する一方で、依然としてCOBOLで動作するシステムが多く存在しているため、需要は一定の水準で維持されています。

    ここでは、COBOLプログラマーの現状や将来について詳しく解説していきます。

    • COBOLプログラマーの需要と現状
    • COBOLが活躍する業界
    • 脱COBOL時代にプログラマーが考えるべきこと

    これらの点を踏まえ、COBOLプログラマーは今後も一定の役割を担いながら、最新の技術にも対応していくことが求められるでしょう。

    COBOLプログラマーの需要と現状

    COBOLプログラマーの需要は、COBOLが古い言語であるにもかかわらず、現在も一定の水準で維持されています。

    特に金融機関や政府機関など、COBOLで構築されたシステムが多く残っており、これらのシステムの保守や運用に携わるプログラマーが必要とされています。

    しかし、COBOLを扱えるプログラマーが減少しているため、COBOL技術者の需要はむしろ高まっている現状です。

    このように、COBOLプログラマーの現状は技術者の減少に伴い需要が高まっており、今後も一定のニーズが続くと考えられます。

    COBOLが活躍する業界

    COBOLが現在も活躍している業界は、主に金融機関、政府機関、保険業界など、大量のデータを処理する必要がある業界です。

    これらの業界では、COBOLで構築されたシステムが長期間にわたり利用されており、システムの安定性と信頼性が非常に重要とされています。

    例えば、銀行の取引システムや保険会社の契約管理システム、政府機関の年金管理システムなど、膨大なデータを取り扱う必要がある場面でCOBOLが利用されています。

    このように、COBOLは大量データの処理と信頼性が求められる業界で、今後も活躍が期待されています。

    脱COBOL時代にプログラマーが考えるべきこと

    脱COBOL時代において、プログラマーが考えるべき重要なポイントは、今後のキャリア形成と新しい技術の習得です。

    COBOLが今後徐々に使用されなくなる一方で、プログラマーは他の現代的な言語や技術にシフトすることが求められています。

    例えば、JavaやPythonなど、COBOLに代わる言語の習得は、これからのキャリアに大いに役立ちます。

    さらに、クラウド技術やAI、データ解析などの次世代技術を学ぶことは、プログラマーとしての市場価値を高めるだけでなく、柔軟なキャリア形成を可能にします。

    このように、脱COBOL時代には新しい技術の習得が重要であり、プログラマーは時代に合わせたスキルアップを目指すべきです。

    まとめ:COBOLとは業務用高水準プログラミング言語

    今回の記事では、COBOLの特徴や欠点、そしてプログラマーの将来性について詳しく解説しました。

    COBOLは長い歴史を持つ業務用高水準プログラミング言語であり、現在も多くのシステムで使用されていますが、技術の進化に伴い「脱COBOL」の動きが進んでいます。

    • COBOLは金融機関や政府機関などで活躍する一方、現代のプログラミングパラダイムには適応していない。
    • プログラマー不足が深刻化しており、今後のキャリア形成には他の言語や技術の習得が重要。
    • 「脱COBOL」の流れを受け、最新技術やツールへの移行が進んでいる。

    COBOLに依存したシステムの運用から脱却し、最新の技術に移行する際には、効率的な開発支援が不可欠です。

    システムの移行や開発に関する相談や質問、依頼がある場合、実績豊富な株式会社Jiteraに一度ご相談ください。

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