リアルタイムで画像生成ができる「SDXL Turbo」とは?使い方や料金、注意点まで紹介

リアルタイムで画像生成ができる「SDXL Turbo」とは?使い方や料金、注意点まで紹介

SDXL Turboは、Stability AI によって発表された、最新のリアルタイム画像生成モデルです。

このモデルを利用すれば、作成したい画像イメージをプロンプトに入力することで、即座に画像を生成できます。

この記事では、SDXL Turboの使い方や料金、ほかにも注意点まで紹介しています。

この記事を読んで、SDXL Turboの使い方を学び、自社にてどのように活用できるかの参考にしてください。

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監修者 nyann_writer

現役のシステムエンジニアとして10年程度のキャリアがあります。 Webシステム開発を中心に、バックエンドからフロントエンドまで幅広く対応してきました。 最近はAIやノーコードツールも触っています。

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    SDXL Turboとは?

    SDXL Turboとは?

    SDXL Turboは、 Stability AIによって発表された、最新のリアルタイム画像生成モデルです。これは、「SDXL 1.0」を基盤としており、新しい蒸留技術「絶対的拡散蒸留(ADD)」を実装しています。

    この技術を活用して、高品質な画像を少ないステップで効率的に生成することが可能です。

    SDXL TurboとSDXLの主な違いは、速度、効率、そして品質です。

    例えば、従来のSDXLモデルが50ステップ必要だったのに対し、SDXL Turboは1ステップで同等以上の品質の画像を生成できるという特徴があります。

    SDXL Turboは、高速かつ高品質な画像生成を実現する革新的なモデルとして注目されています。

    SDXL Turboでの画像生成例5つをご紹介

    SDXL Turboでの画像生成例5つをご紹介

    ここでは、実際にSDXL Turboを使用して作成した画像生成例を5つご紹介します。

    まずは、以下の画像です。

    sexy girl

    プロンプト:「sexy girl

    指定している内容が少ないため、ほぼリアルタイムに生成されます。

    しかしながら、予想していた画像とはかなりかけ離れた画像が生成されてしまいました。

    次の画像は、指定する語句を少し増やした画像です。

    Sexy woman in uniform with cat ears sexy girl

    プロンプト:「Sexy woman in uniform with cat ears sexy girl

    「猫耳をつけて制服を着たセクシーな女性」を指定して画像生成した結果です。

    生成速度は、先ほどよりは若干時間がかかったものの、瞬時といってよいほど即座に画像生成されました。

    指定した通りの画像にはなっていますが、セクシーな女性ではないため、もう少し詳細な指定が必要かもしれません。

    次に、人物以外の画像を生成してみました。

    A futuristic cityscape at night with neon lights a

    プロンプト:「A futuristic cityscape at night with neon lights and flying cars, in a cyberpunk style. The buildings are tall and illuminated with colorful lights, and the streets are bustling with activity.

    事細かに指定したため、生成されるまでに数十秒の時間がかかりましたが、未来を想像させるような空飛ぶ車に高層ビルが立ち並ぶ風景が生成されました。

    もう一枚、画像を見てみましょう。

    A magical forest with glowing mushrooms and fairie

    プロンプト:「A magical forest with glowing mushrooms and fairies flying around, surrounded by ancient trees and mystical lights, creating an enchanting atmosphere.

    森の中に大小さまざまなキノコが生える幻想的な画像が生成されました。

    このように、細かな指定をすれば、SDXL Turboで自身のイメージに近い画像の生成が可能です。
    なかなかイメージ通りの画像を生成できないときは、細かな指定をするのがおすすめです。

    最後に、面白い画像を一枚。

    朝日が昇る山岳風景

    プロンプト:「朝日が昇る山岳風景

    英語入力を受け付けるプロンプトに、日本語でプロンプトを入力

    そうすると、特に指定もないのに富士山と思える山やお城が見える画像が生成されました。

    日本語が入力されたというだけで、日本を連想する画像が生成されたようです。

    SDXL Turboの特徴

    SDXL Turboは、Stability AIによって開発された高性能な画像生成モデルで、以下のような特徴があります。

    • リアルタイムな画像生成ができる
    • 大規模モデルを採用している
    • 品質と速度のバランスが良い
    • 幅広い用途がある

    以下ではSDXL Turboの特徴を説明します。

    リアルタイムな画像生成ができる

    SDXL Turboの最大の特徴は、敵対的拡散蒸留(Adversarial Diffusion Distillation: ADD)という新しい蒸留技術を採用していることです。

    ADDは、従来の他段階プロセスに比べて、1〜4ステップで効率的に画像生成が可能です。効率的に画像生成ができるため、生成速度が大幅に向上し、リアルタイムでの画像生成を実現しています。

    ADDの導入により、SDXL Turboは従来のSDXLに比べて大幅に高速化され、リアルタイムでの画像生成を実現しました。

    これにより、画像の生成スピードがあがり、ユーザーの要求に迅速に応えることができます。

    大規模モデルを採用している

    SDXLと同様に、SDXL Turboも大規模モデルを採用しています。

    大規模モデルは、より多くのデータを処理し、詳細な画像を生成する能力を持っています。

    これにより、高品質で詳細な画像生成が可能となっています。

    品質と速度のバランスが良い

    SDXL Turboは、画像の品質と生成速度のバランスが取れており、ユーザーにとって使いやすい画像生成モデルになっています。

    SDXL Turboは、512×512ピクセルの画像を生成可能な上、追加の処理では1024×1024ピクセル以上の解像度もサポートしており、詳細で鮮明な画像が生成可能です。

    ほかにも、プロンプトの入力に基づいて、詳細かつカスタマイズ可能な画像を生成することができます。たとえば、特定のスタイルやテーマを決定して、そのスタイルやテーマにそっての画像生成が可能です。

    このように、SDXLは高速かつ高品質な画像生成を実現する最新のモデルであり、リアルタイムでの画像生成や高解像度出力ができる画像生成モデルとなっています。

    幅広い用途がある

    SDXL Turboの高速かつ高品質な画像生成能力は、様々な分野での応用が期待されています。

    クリエイティブ業界での使用はもちろん、ゲーム開発、広告制作、プロダクトデザインなど、リアルタイムな画像生成が求められる多くの分野で活用できる可能性があります。

    また、短いプロンプトでも高品質な画像を生成できるため、ユーザーの直感的な操作を可能にし、幅広いユーザー層に対応できます。

    SDXL Turboの導入方法と使い方

    SDXL Turboの導入方法と使い方

    SDXL Turboは、新しい生成技術ADDを用いることで、リアルタイムに画像を生成できる技術であることがわかりました。

    次に、SDXL Turboをどのように導入していけばよいかみていきましょう。

    ここでは、SDXL Turboの導入方法と使い方を以下の項目に分けて解説します。

    • SDXL Turboの導入方法
    • SDXL Turboのインストール
    • メタパラメータを設定
    • プロンプト入力
    • 画像生成

    これら項目の操作手順にそって操作すれば、SDXL Turboを導入して利用することができます。

    SDXL Turboの導入方法

    SDXL Turboを導入するためには、GitとPythonのインストールが必要です。それぞれ、公式サイトからダウンロードしてインストールを進めてください。

    次に、Stable Diffusion WebUIをインストールします。

    Stable Diffusion WebUIは、Stable Diffusionモデルを簡単に利用するためのウェブベースのユーザインターフェース(UI)です。

    インストール手順は、まず、Stable Diffusion WebUIを格納するフォルダを作成します。次に、作成したフォルダ上で以下のコマンドを実行し、WebUIをクローンします。

    git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui

    コマンドを実行したあと、クローンしたフォルダに移動し、以下のコマンドを実行して必要な依存関係をインストールします。

    pip install -r requirements.txt

    SDXL Turboのインストール

    SDXL Turboをインストールするために、まずは、SDXL Turboをダウンロードしましょう。

    Hugging FaceやCivitaiなどからSDXL Turboのモデルファイルをダウンロードします。これらのファイルは、Stable Diffusion WebUIのフォルダに格納します。

    SDXL Turboのファイルをダウンロードしたら、以下のコマンドを実行して、WebUIを起動します。

    python launch.py

    メタパラメータを設定

    WebUI が起動したら、ブラウザで 「http://127.0.0.1:7860」 にアクセスします。プロンプト入力欄や各種パラメータの設定バーが表示されます。設定値のおすすめは以下のとおりです。

    • サンプリングステップ数:1
    • 幅:512
    • 高さ:512
    • CFGスケール:1.5以下
    • パッチ回数:1
    • パッチサイズ:1

    なお、サンプリングステップ数やCFGスケールを上げると、画質が悪化することがあるため、設定には注意が必要です。

    プロンプト入力

    プロンプト入力欄に、生成したい画像の説明を英語で入力します。具体的で詳細なプロンプトほど、規模に沿った画像が生成されやすくなります。

    プロンプトには、たとえば以下のような内容を入力するとよいでしょう。

    A futuristic cityscape at night with neon lights and flying cars, in a cyberpunk style

    画像生成

    設定が完了したら、「生成」ボタンをクリックして、画像を生成します。

    この画像は、SDXL Turbo を使用して生成されたサンプル画像で、ネオンや空飛ぶ車などの未来的な夜の街並みをサイバーパンク風に表現しています。

    ライトアップされた高層ビル、星が輝く暗い空、賑やかな通りが描かれており、活気に満ちたハイテクな雰囲気を作り出しています。

    SDXL Turboの料金プラン

    SDXL Turboの使用料について

    SDXL Turbo は、さまざまな使用レベルに応じた料金プランを用意しています。

    以下は、その内容を表にまとめたものです。

    プラン 料金 特徴
    非商用(Non-Commercial) 無料 個人用途と研究用途で利用が可能。
    プロフェッショナル(Professional) 20ドル クリエーター、開発者、スタートアップ向け。商業用途での自己ホストモデルへのアクセスが可能。
    エンタープライズ(Enterprise) 要お問い合わせ 大企業向け。プロフェッショナルの全機能に加えて、エンタープライズサポートやソリューションエンジニアリングなどが利用可能。

    詳細およびサブスクリプションの登録に関しては、SDXL Turboの料金ページを参考ください。

    SDXL Turboの料金ページ

    SDXL Turboは、非商用のオープンソースです。

    ただし、商用利用する場合にはライセンス契約が必要となるため、プロフェッショナルかエンタープライズの利用を検討する必要があります。

     

     SDXL Turboを使用する際の注意点

    SDXL Turboを使用する際の注意点

    SDXL Turboを利用すれば、思い描いた画像を瞬時に生成できることがわかりました。

    次に、SDXL Turboを使用する際の注意点をみていきましょう。

    ここでは、以下の項目に分けて注意点を詳細に解説します。

    • 法的・倫理的な注意点
    • 技術的な制約

    それぞれの項目を理解して、正しくSDXL Turboを利用しましょう。

    法的・倫理的な注意点

    SDXL Turboを使用する際には、法的や倫理的な項目に注意が必要です。まずは、法的な注意点には以下のようなものがあります。

    • 著作権と知的財産権
    • 商用利用のライセンス
    • プライバシーとデータ保護

    SDXL Turboを使用して生成した画像には著作権がありますが、その利用には制限がある場合があります。特に、商用利用する際には、生成した画像に関する著作権やライセンス条項を確認しましょう。

    次に、倫理的な注意点です。

    • 不適切なコンテンツの生成
    • 誤情報の拡散
    • フェアユースとバランス

    差別的・攻撃的・暴力的、またはそのほかの不適切なコンテンツを生成することを避けるようにしましょう。

    AIツールを使用してこれらのコンテンツを生成することは、倫理的に問題があり、プラットフォームの利用規約にも違反する可能性があります。

    これら法的・倫理的な点に注意しながら、SDXL Turboを適切かつ倫理的に利用しましょう。

    技術的な制約

    SDXL Turbo は特定のネットワーク環境におけるいくつかの注意点があります。以下はそのおもな内容です。

    • ネットワークの制約
    • 設定の最適化
    • セキュリティとプライバシー
    • ネットワークの可用性と信頼性

    SDXL Turboは高速なネットワーク接続を必要とします。遅い回線では効果が発揮されず、パフォーマンスが低下する可能性があるため注意が必要です。

    また、SDXL Turboを使用する際には、適切な設定と最適化が必要です。キャッシュの管理・帯域幅の最適化、およびサーバーの設定変更に最適な設定をしましょう。

    さらに、SDXL Turboはデータを圧縮し高速化するため、セキュリティとプライバシーに関する考慮が必要です。特に機密性の高いデータの場合、適切な暗号化とセキュリティ対策を検討するようにしましょう。

    まとめ:SDXL Turboでリアルタイムに高画質な画像を生成

    まとめ:SDXL Turboでリアルタイムに高画質な画像を生成

    今回は、SDXL Turboに関して、以下のことがわかりました。

    • SDXLはStability AIによって開発された高性能な画像生成モデル
    • SDXL Turboバージョンではリアルタイムでの画像生成が可能
    • Webブラウザ上でSDXL Turboを利用できる
    • SDXL Turboを使用する際には法的・倫理的な点に注意が必要

    SDXLは、Stability AIによって開発された高性能な画像生成モデルです。SDXL Turboバージョンでは、リアルタイムでの画像生成ができます。

    プロンプトでさまざまな内容を指定すれば、その内容にそって瞬時に画像生成できるのが魅力です。

    SDXLとSDXL Turboの主な違いは画像生成速度や使用技術、性能です。SDXL Turboは速度と効率性を重視したモデルであり、特にリアルタイムでの画像生成が求められる場面での利用が期待されています。

    しかしながら、SDXL Turboを使用する際に操作方法や注意点などわからないことも多くあるでしょう。

    SDXL Turboに関してわからないことは、AI開発に知見の多い、株式会社Jiteraにお気軽にご相談ください。

    SDXL Turboをどのように活用したいかをヒアリングさせていただき、最適なご提案をさせていただきます。

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