2024年7月1週目:社内で話題になった「生成AIトレンド・ニュース」

こんにちは!Jiteraの岩崎です。

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。夏の暑さが厳しいですが、体調には気をつけてくださいね。私は先日、友人と海に行ってリフレッシュしてきました。では今週もこの一週間で社内で話題になった生成AIトレンドについて説明します。

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監修者 岩崎亮太

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    Sony, Warner, Universalの提訴

    2024年6月24日、主要レコード会社のSony Music Entertainment、Warner Music Group、Universal Music Groupが、AI音楽生成サービスを提供するSuno AIとUncharted Labs Inc.(Udio AIの開発元)を著作権侵害で提訴しました。訴訟は米国録音産業協会(RIAA)が主導し、マサチューセッツ州とニューヨーク州の連邦裁判所に提起されました。

    訴訟の概要

    レコード会社は、これらのAI企業が許可なく著作権で保護された楽曲を大規模に使用してAIモデルを訓練したと主張しています。訴訟の主なポイントは以下の通りです。

    訴訟の理由

    • 無断複製の主張: レコード会社は、SunoとUdioが著作権で保護された音源を無断で複製し、AIモデルの訓練に使用したと主張しています。
    • 生成された音楽の類似性: これらのサービスが既存の楽曲と酷似した音楽を生成できることを問題視しています。

    求める措置

    • 著作権侵害の宣言
    • 今後の侵害を防ぐための差し止め命令
    • 過去の侵害に対する損害賠償(1作品につき最大15万ドル)

    業界の立場

    RIAAは、責任ある形でのAI開発を求めており、アーティストや作曲家の権利を尊重し、人間の創造性を中心に置いたAIツールの開発を推進しています。

    被告の反応

    • Suno AIのCEOの主張: 同社の技術が既存のコンテンツを複製するのではなく、新しい出力を生成するためのものだと主張しています。
    • Udio AIの立場: 現時点でコメントを控えています。

    この訴訟は、AI技術と著作権法の交差点にある重要な問題を提起しており、音楽業界とAI開発者の間の今後の関係性に大きな影響を与える可能性があります。

    パナソニックグループ企業の生成AI活用

    2024年6月25日、パナソニックグループ企業が発表した生成AI活用に関する調査結果によると、生成AIの活用により1回の業務あたり平均約20分の時間短縮が実現しました。この調査は、グループ内の複数の部門や職種を対象に実施され、文書作成時間の短縮やアイデア出しの効率化、情報収集・分析の迅速化など、具体的な効果が示されました。

    具体的な効果

    • 文書作成時間の短縮: レポートや企画書の作成が迅速に行えるようになりました。
    • アイデア出しの効率化: ブレインストーミングや企画立案のプロセスがスムーズになりました。
    • 情報収集・分析の迅速化: 大量のデータから有用な情報を迅速に抽出し、分析できるようになりました。

    導入による利点

    • 業務効率の向上: 繰り返し作業が減少し、効率的に業務を進めることが可能になりました。
    • 創造的な作業への時間配分の増加: 業務の効率化により、従業員はより創造的な作業に時間を割くことができるようになりました。
    • 従業員の作業負担軽減: 生成AIがルーティンワークを代行することで、従業員の負担が軽減されました。

    今後の展望

    • グループ全体での生成AI活用の拡大: より多くの部門や職種で生成AIの導入を進めていく予定です。
    • AIリテラシー向上のための教育プログラムの実施: 従業員のAI活用スキルを向上させるための教育プログラムを実施します。
    • セキュリティガイドラインの整備と徹底: AI活用に伴うセキュリティリスクに対応するためのガイドラインを整備し、徹底していきます。

    東京大学の「イライザ」公開

    2024年6月27日、東京大学発のAIスタートアップ企業ELYZAが、日本最高レベルの性能を持つ大規模言語モデル(LLM)「Llama-3-ELYZA-JP-70B」を公開しました。この新モデルの主な特徴と意義は以下の通りです。

    性能と規模

    • 700億パラメータを持つ大規模モデル: 日本語の処理能力に特化しています。
    • ベンチマーク評価: 日本語ベンチマーク「ELYZA Tasks 100」と「Japanese MT-Bench」で、OpenAIのGPT-4やAnthropicのClaude 3 Sonnetなど、世界トップレベルのモデルと同等あるいはそれ以上の性能を達成しました。

    開発手法

    • Meta社の「Llama 3」をベースに追加学習: 日本語データで追加学習を行うことで、一から開発するよりも効率的かつ低コストでの開発が可能となりました。

    特徴と利点

    • 日本語に関する深い知識: 日本語の文脈理解に優れ、日本の文化的背景や日本人特有の考え方も学習しています。
    • 商用利用が可能: 企業向けのAPIサービスや共同開発プロジェクトとして提供が予定されています。

    意義と今後の展開

    • 国内AI技術の進展: 日本国内での大規模言語モデル開発を加速させ、海外モデルへの依存度を減らす可能性があります。
    • カスタマイズ性とセキュリティ: 企業利用に適したセキュリティ対策が施され、カスタマイズ性の高いAIツールの開発が進められています。
    • 未来への展望: ELYZAは今後も日本語LLMの研究開発を継続し、業界や企業に特化したLLMの開発も計画しています。

    ここから試せます→ https://service.elyza.ai/

    リブ・コンサルティングの生成AI利用実態調査

    2024年6月28日、リブ・コンサルティングが発表した大企業と中堅・中小企業の生成AI利用実態調査結果について、主なポイントをまとめます。

    調査概要

    • 対象企業: 日本の大企業(年間売上高1,000億円以上)と中堅・中小企業
    • 調査時期: 2024年2月
    • 目的: 企業規模による生成AI活用の違いを明らかにすること

    主な調査結果

    • 生成AI導入状況:
      • 大企業: 導入済みまたは導入予定の企業が多数
      • 中堅・中小企業: 導入に慎重な姿勢が見られる
    • 活用分野:
      • 大企業: 幅広い分野で活用(例:マーケティング、製品開発、顧客サービス)
      • 中堅・中小企業: 限定的な分野での活用(例:文書作成、データ分析)
    • 課題認識:
      • 大企業: データセキュリティ、倫理的問題、人材育成
      • 中堅・中小企業: 導入コスト、技術的知識の不足、効果の不確実性

    今後の展望

    • 生成AI市場の成長: 成長が継続すると予測されます。
    • 支援と教育: 中堅・中小企業向けの導入支援や教育プログラムの必要性が指摘されます。

    調査の意義

    企業規模による生成AI活用の実態と課題を明らかにしたこの調査結果は、今後の政策立案や企業戦略に有用な情報を提供しています。大企業と中堅・中小企業の格差解消や、日本全体の生成AI活用促進に向けた施策を検討する上で重要な基礎資料となるでしょう。

    株式会社アクト・ツーのSynthesia提供開始

    2024年6月28日、株式会社アクト・ツーが高品質AIビデオ動画プラットフォーム”Synthesia(シンセシア)”の提供を開始したことを発表しました。この新サービスの主な特徴と意義は以下の通りです。

    ビジネス向け特化

    Synthesiaはビジネス利用を目的としたAIビデオ動画プラットフォームであり、マーケティング、製品・サービスの解説、社内教育マニュアルなどの用途に適しています。

    コスト効率と制作の簡便性

    高価な撮影機材や専門的な編集技術が不要で、低コストで高品質なビデオを作成できます。動画制作の経験やノウハウがなくても利用可能な、直感的なユーザーインターフェースを提供しています。

    カスタマイズ可能なアバター

    多数のアバターとビデオテンプレートが用意されており、自社や個人のアバターを作成し、ブランドの一貫性を保ちながら視覚的に魅力的なビデオを作成できます。

    多言語対応

    70以上の言語に対応しており、グローバルな視聴者向けのビデオ作成が可能です。各言語でネイティブスピーカーのような品質の音声を提供します。

    簡単な制作プロセス

    シナリオ作成、テキストのアップロード、音声と画像の自動同期、アバターによる説明の追加など、シンプルな手順でビデオを作成できます。

    アフィリエイトパートナーシップ

    アクト・ツー社はSynthesia社のアフィリエイトパートナーとして、情報提供やセミナー、コンサルティング、制作代行などのサービスも提供します。

    このサービスの提供開始は、AIを活用したビデオ制作の分野で日本企業の競争力を高める可能性があります。特に、中小企業や個人事業主にとって、高品質なビデオマーケティングを手軽に始められる機会となることが期待されます。

    ここから試せます→ https://www.synthesia.io/

    まとめ

    生成AI技術は、音楽業界やビジネスの各分野で業務効率化や創造性の向上に大きな影響を与えています。一方で、著作権侵害や倫理的な問題などの課題も浮き彫りになっています。Jiteraでは、生成AIを活用したシステム・アプリの開発のご支援も行っております。生成AIに関するささやかな疑問や、開発に関するお問い合わせがあれば、こちらよりお気軽にご相談ください。

    来週も、Jitera社内で話題になったAIトレンドを発信していくので、お楽しみに!

    例:開発手順、ツール、プロンプト

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