クラウド移行の手順をわかりやすく解説!クラウド化成功のポイントや注意点

多くの企業がクラウド移行に注目しています。

ITシステムの人的リソースが不足している中小企業こそ、クラウドのメリットを最大限に活用できる可能性があります。

本記事では、クラウド移行のメリットや進め方、注意点などを解説。クラウド移行にメリットがあるのかわからない、どうやって進めたらいいのかわからないという方はぜひお読みください。

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監修者 toshi_writer

小中規模プロジェクトを中心にSEやコンサルとして活動。クラウド導入やスタートアップ、新規事業開拓の支援も経験しました。

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    クラウド移行とは

     

    クラウド移行とは、従来の自社運用のITシステム(オンプレミス型)をクラウドサービスへと移行することを指します。具体的には、以下のようなことを含みます。

    • オンプレミスのサーバー、ストレージ、ネットワークリソースなどをクラウド上のリソースに移植すること
    • オンプレミスで動作していたアプリケーションやデータをクラウド上に移行すること
    • 業務システムやITインフラの運用をクラウドベンダーのサービスに切り替えること

    クラウド移行により、ITリソースをクラウド上で利用できるようになります。初期投資が大幅に削減でき、ニーズに応じて柔軟にリソースを拡張・縮小できるようになるなどのメリットがあります。
    クラウド移行の方式には、以下の3つの主な方法があります。

    • リフト&シフト
    • リファクタリング
    • リビルド

    企業はニーズに応じて、これらの方式を組み合わせてクラウド移行を進めていきます。ITインフラ全体のクラウド移行を行う包括的な取り組みを「クラウドファースト」と呼びます。

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    オンプレミスとクラウドの違い

    項目 オンプレミス クラウド
    初期費用 サーバー機器、ソフトウェア、データセンターなどの設備投資が必要で高額 ほとんど初期費用がかからない
    運用費用 サーバー保守、電力代、人件費などの固定費がかかる 従量課金制で、使った分だけ支払う変動費用
    拡張性 機器の増設が必要で、スピーディな拡張が困難 リソースを簡単に拡張・縮小できる
    保守・更新 自社で行う必要があり、手間とコストがかかる ベンダーが最新の状態を維持してくれる
    セキュリティ 自社で対策を講じる必要があり、高度な対策が困難 ベンダーが高度なセキュリティ対策を実施
    場所の制約 オンプレミスのデータセンターからのみアクセス可能 インターネット経由でどこからでもアクセス可能
    BCP対策 災害時にデータ復旧が困難な場合がある クラウドベンダーが複数拠点でデータを分散保管
    メリット 完全な独自カスタマイズ、セキュリティポリシーの徹底が可能 初期費用がかからず、柔軟にリソースを拡張でき、先端技術にアクセスできる

    オンプレミスとは、自社内でサーバーやネットワーク機器を保有し運用する形態のことを指します。

    オンプレミスは、自社で完全に管理できる代わりに、多額の初期投資やリソースの拡張が困難といったデメリットがあります。一方クラウドは、低コストで柔軟に運用でき、最新技術の活用や BCP 対策に優れています。

    オンプレミスからクラウドへの移行を検討する際には、自社のビジネスニーズや要件に合った選択を検討することが重要です。

    クラウドとオンプレミスの違いは以下の記事で詳しく解説しています。

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    クラウド移行のメリット

    クラウド移行には、以下のようなメリットがあります。クラウド移行のメリットは多岐にわたり、企業の生産性や競争力を大きく高める効果が期待できます。

    コスト削減ができる

    クラウド移行の大きなメリットの一つは、従来の自社運用システムに比べて大幅な費用削減が期待できることです。

    サーバー機器の購入や運用管理コストが不要になるため、初期投資を最小限に抑えられます。また、必要に応じてリソースを柔軟に調整できるため、無駄な支出を抑えられます。

    業務効率化の実現ができる

    クラウドサービスには、AIやIoTなど最新の技術が統合されているため、業務自動化やデータ解析など、さまざまな側面で生産性が大幅に向上します。

    また、システムのメンテナンスや更新作業の手間が大幅に軽減されるため、本業に専念できるようになります。

    スケーラビリティが高い

    需要の変動に合わせてリソースを自在に拡張・縮小できるのがクラウドの大きなメリットです。物理的なハードウェアを用意する必要がないため、新規システムの立ち上げが従来に比べて格段に早くできます。

    ワンクリックで処理能力を増強でき、ピーク時の過剰なリソース調達を防げます。

    成長に合わせて柔軟にシステムを拡張することで需要の変動に迅速に対応でき、ビジネスチャンスを逃すリスクが低減します。

    最新技術へのアクセスができる

    クラウドベンダーは常に最新の技術を投入しているため、ユーザー企業は煩わしい技術の更新作業を行う必要がありません。AI、IoTなど先端技術を素早く低コストで活用できるメリットがあります。

    また、クラウドベンダーは最新のセキュリティ対策を講じているため、自社運用よりもはるかに高い水準のセキュリティ対策ができます。最新技術はセキュリティ面でも重要です。

    災害やBCP対策ができる

    クラウドなら、データをベンダー側の複数の拠点に分散して保管できるため、災害に強いシステムを構築できます。

    また、場所を選ばずにシステムにアクセスできるため、事業継続計画(BCP)の実現が容易になります。

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    働き方に合わせられる

    クラウドサービスなら、社員がいつでもどこからでもシステムにアクセスできます。中には従業員がモバイル環境からアクセスできるものも多いです。

    リモートワークや在宅勤務などの多様な働き方をサポートし、ワークライフバランスの実現にも貢献します。

    クラウドへの移行手順

    クラウド移行を効率的に行うためには、以下のステップを順番に進める必要があります。段階を踏んで慎重に移行を進めることで、リスクを最小限に抑えつつ、クラウド移行の価値を最大限に活用できます。

    手順1. 計画・準備

    まず、クラウド移行の目的や要件を明確にし、具体的な計画を立てます。

    現行のシステムをしっかりと把握・評価し、移行の必要性や課題を洗い出すことから始めましょう。次に、クラウドサービスの調査を行い、ニーズに合ったプロバイダーを選びます。

    そして移行に向けたプロジェクト体制を作り、スケジュールやコスト、リソースといった移行の全体計画を決めます。また、セキュリティポリシーのようなルール作りもこの時に行いましょう。

    手順2. 設計・アプリケーション開発

    次に、クラウド環境に適したシステムアーキテクチャを設計します。

    オンプレミスで動作していたアプリケーションをクラウドネイティブに再設計したり、マイグレーションツールを使ってコード移行を行ったりします。

    また、クラウドサービスの機能を最大限に活用するための新規アプリケーション開発も必要です。設計・開発が完了次第、テスト環境を構築し、アプリケーションの動作確認をします。

    手順3. 環境構築

    設計に基づき、クラウド上に本番環境を構築します。

    ネットワーク、ストレージ、コンピューティングリソースなどのインフラ構築を行った上で、オンプレミスからデータを移行します。

    セキュリティ設定、監視設定、自動化の設定なども忘れずに行いましょう。環境が整い次第、総合テストを実施し、無事に切り替え可能であることを確認します。

    手順4. 運用・保守

    本番環境に切り替えてクラウド運用の開始です。

    クラウド移行した後は、システムインシデントへの対応、パフォーマンス監視、セキュリティ対策などの日常の運用業務が発生します。

    また、ベンダーが提供するアップデートを適用するなどして継続的な保守・改善を行います。需要の変動に応じて、ワンクリックで柔軟にリソースを拡張・縮小できるメリットも活用しましょう。

    継続的な改善サイクルを回して、クラウドネイティブな開発・運用を実現していきます。

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    クラウド移行時の課題と解決策

    クラウド移行時にはいくつかの課題が生じることがありますが、それらを解決するための対策もあります。

    システムの互換性がない場合がある

    オンプレミスで動作していたレガシーシステムやアプリケーションがクラウド環境と互換性がない場合があります。

    そういったシステムをクラウドに移行するには、アプリケーションの再設計や再構築が必要になり、コストと工数がかかります。事前に十分な互換性検証が重要です。

    専門性が高い場合は、業者へに外注も必要になります。

    データセキュリティに不安がある

    クラウドはパブリッククラウドの場合、データがベンダー側のデータセンターに保管されます。つまり、ベンダー側のセキュリティに問題があれば、データ流出リスクの可能性があるということです。

    ベンダーのセキュリティ対策を厳しく精査し、自社でも適切な対策を講じる必要があります。

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    ビジネスの継続性に影響が出る

    大規模なシステム移行は企業の業務に大きな影響を与える可能性があります。

    移行中にシステムが利用できなくなったり、予期せぬトラブルが発生したりするリスクがあり、事業継続に支障をきたす恐れがあります。

    ビジネスを止めないためにも、移行計画の立案と検証をしっかりと行い対策を立てましょう。

    コスト管理に失敗するケースもある

    クラウド移行をすれば、コストの削減が期待できます。しかし、ワークロードが想定以上に増えた場合、想定外のコスト増となるリスクがあります。

    また、無駄なリソース調達を行ってしまうと、かえってコストがかさむ可能性もあります。クラウド移行のメリットを受けるためにも、適切なコスト管理が必須です。

    まとめ:クラウド移行は専門家へ相談しましょう

    クラウド移行は企業のITインフラ全体に大きな影響を与える重要なプロジェクトです。様々な課題や思わぬ落とし穴もあり、それらを自社だけの力で乗り越えるのは難しい場合多いです。

    もし、自社のリソースだけでは不安という方は、クラウド移行の実績と専門知識を持つ外部の専門家やコンサルタントに相談することをおすすめします。

    当社、Jiteraは数多くのクラウド移行プロジェクトに携わってきた経験から、的確なアドバイスとノウハウを提供します。

    とりあえず話だけでも聞きたいという方から、具体的に効率よくクラウド移行を進めたいと考えている方まで、お気軽に相談ください。

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