こんにちは!Jiteraの岩崎です。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。私は先週末、友人とアウトドアでリフレッシュしてきました。さて、今週も社内で話題になった生成AIトレンドについてお届けします。今回は、国内外で注目を集めている生成AIの新しい取り組みについてご紹介します。
三井住友海上とNECによる事故対応業務向け生成AIシステムの開発
三井住友海上火災保険株式会社とNECは、事故対応業務における顧客との通話内容を自動でテキスト化し、生成AIで要約するシステムを開発しました。このシステムは、NECの高度な音声認識技術とAzure OpenAI Serviceを組み合わせており、通話内容をリアルタイムで要約します。担当者は要約内容を確認後、システムに登録することができ、これにより業務の効率化と顧客対応の品質向上が期待されています。
特に注目すべき点は、このシステムが事故対応の迅速化に寄与することです。事故対応において、迅速で正確な情報伝達が求められる中で、通話内容の自動テキスト化と要約は大きな利便性をもたらします。NECの音声認識技術は高精度であり、Azure OpenAI Serviceとの連携により、即座に内容を理解しやすい形で要約することが可能です。
富士通と東洋大学によるカスタマーハラスメント体験ツールの開発
富士通と東洋大学は、顧客による迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の体験ツールを共同開発しました。このツールは、従業員の心理的負担を軽減し、応対スキルの向上を図ることを目的としています。具体的には、カスハラのシミュレーションを通じて、従業員が実際の状況に対処するための訓練を行うことができます。
この体験ツールは、VR技術や生成AIを駆使してリアルな体験を提供します。従業員は、様々なシナリオを通じて現実に近い状況を体験することで、冷静かつ適切に対応するスキルを身に付けることができます。企業にとっては、従業員のメンタルヘルスを守りながら、顧客対応の質を高める一助となるでしょう。
富士通のエンタープライズ生成AIフレームワークの開発
富士通は、企業向けに特化した「エンタープライズ生成AIフレームワーク」を開発し、2024年7月から提供開始することを発表しました。このフレームワークは、知識グラフ拡張RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術や生成AI監査技術を含み、企業の多様なニーズに対応するために設計されています。
エンタープライズ生成AIフレームワークは、企業が大規模なデータを効率的に扱い、法規制に準拠した生成AIの利用を可能にします。これにより、企業は迅速かつ正確に情報を生成し、ビジネスプロセスを最適化することができます。特に、データガバナンスやセキュリティに対する懸念を払拭するための監査機能が強化されており、企業にとって安心して利用できる環境が整っています。
SAPとMicrosoftの生成AI提携
SAPとMicrosoftは、生成AIを活用した新しいソリューションを共同開発するための提携を発表しました。この提携により、SAPのビジネスプロセスソフトウェアとMicrosoft 365 Copilot、Azure OpenAI Serviceが統合され、ユーザーの生産性向上や人材管理、財務運営、顧客体験の改善が期待されます。
具体的には、SAP Signavio Process ManagerやSAP SuccessFactorsなどのツールが含まれ、これらが生成AI技術と融合することで、ビジネスプロセスの最適化が図られます。ユーザーは、日常業務の効率化だけでなく、データ駆動型の意思決定を支援する新たなインサイトを得ることができるようになります。
NTTコミュニケーションズの生成AIビジネス
NTTコミュニケーションズは、生成AI技術を活用して新たなビジネスを展開しています。具体的には、生成AIを用いたデジタルヒューマンを導入し、顧客との対話を通じてカスタマーエクスペリエンス(CX)の向上を目指しています。
デジタルヒューマンは、生成AIによって作られた人工知能キャラクターであり、自然な対話が可能です。NTTコミュニケーションズは、このデジタルヒューマンを顧客対応の窓口に配置することで、以下のメリットを見込んでいます。
- 顧客対応の効率化: デジタルヒューマンが顧客の問い合わせに対応することで、人的リソースを効率的に活用できます。
- パーソナライズされたサービス: デジタルヒューマンは顧客一人ひとりに合わせた対応ができ、高い顧客満足度が期待できます。
- 24時間365日対応: デジタルヒューマンは休みなく稼働できるため、時間外の対応も可能になります。
NTTコミュニケーションズは、すでにデジタルヒューマンの実証実験を複数の企業と実施しています。例えば、イーデザイン損保との実験では、カスタマーセンターの車両入替業務をデジタルヒューマンで対応し、その有効性を検証しました。また、太陽生命との実験では、生命保険募集業務にデジタルヒューマンを活用しました。対話精度やアバターイメージの評価を行い、将来の商用化に向けた検討を進めています。
今週は、国内外で注目されている生成AIの取り組みを中心にご紹介しました。Jiteraでは、要件定義を書くだけでAIが開発をしてくれるシステム開発AIエージェントを運営しています。生成AIを活用したシステム・アプリの開発のご支援も行っております。生成AIに関する疑問や、開発に関するお問い合わせがあれば、こちらよりお気軽にご相談ください。
来週も、Jitera社内で話題になったAIトレンドを発信していくので、お楽しみに!