おすすめ・比較
VPSの仕組みやレンタルサーバーとの違いを知り、最適なサービスの選び方を見つけませんか？
この記事では、VPSがどのように機能し、どのような場面で最大の効果を発揮するのかを詳しく解説します。効率的なコストで高性能を享受し、安全性を確保する理由も紹介します。
また、おすすめのVPSサービスや選び方、失敗事例もご紹介しますので、ぜひ最適なVPSサービス選びに活用ください。
大学を卒業後、IT企業にてERP導入コンサルタントとして従事。その後 自社事業部に移りメディアディレクションを担当。現在は個人事業主としてメディア系のお仕事に奮闘中。
VPS（仮想専用サーバー）とは
VPS（Virtual Private Server）は、「仮想専用サーバー」と呼ばれ、一つの物理サーバー上に複数の仮想サーバーを設ける技術です。それぞれの仮想サーバーには独自のCPUやメモリなどのリソースが割り当てられ、一台のサーバーを複数のユーザーが共有しながらも、各自が専用サーバーのように利用することが可能になります。
ユーザーは各々のVPS上で、OSを自由に導入し、アプリケーションのインストールや設定変更など、幅広いカスタマイズが行えます。ただし、これらの運用や管理はユーザー自身が行う必要があるため、サーバー管理に関する一定の知識が求められます。
また、VPSは専用サーバーに比べて低コストで、高いカスタマイズ性とプライバシーを提供するため、中小企業や初期ビジネスにも適した選択肢となっています。
VPSで何ができる？利用シーン
VPSを使えば、個人のプロジェクトからビジネス用の小規模システム構築、特化アプリケーションの運用に適したサービスです。専用サーバーに匹敵するカスタマイズ性と独立性を低コストで享受できます。ここからは、VPSの具体的な利用シーンを紹介します。
Webサイト・ブログの運用
VPSの利用は、Webサイトやブログの運営を効率化します。なぜなら、VPSはユーザーに専用のリソースを割り当てることで、ページの読み込み速度を高速化し、ユーザー体験を向上させサイトの評価を高めるからです。
専用サーバーと同じような機能性を持ちながらも、物理サーバーの設定や故障対応など、運用管理の負担が少ない点も魅力の一つです。その結果、サイト運営者はセキュリティの強化や必要に応じたリソースの調整が容易になり、アクセス増加へ柔軟に対応できます。
開発環境の構築
VPSを利用すると、開発チームが共通の開発環境やテスト環境を簡単に設定し、運用することが可能になります。
インターネット経由でどこからでもアクセス可能な専用環境を作成し、開発に必要なアプリケーションやツールを自由に導入できます。これにより、開発チームは共通の環境で効率よく協力し、プログラムのテストやデバッグを迅速に行うことができます。
特に、リモートワークが普及している現代では社内環境を利用しづらいため、地理的な制約を超えて、どこからでも安全にアクセスし、開発作業を進められる点は大きな利点といえます。
また、プロジェクトの性質に応じてリソースを柔軟に調整できるため、必要な期間だけ高性能な環境を利用することで、コストを効果的に管理することも可能です。このように、VPSは開発プロジェクトの柔軟性と効率性を高める強力なツールとなります。
データベースの運用
VPSを使うことで、独自のデータベースサーバーを構築し運用できます。データベースの運用は、セキュリティとパフォーマンスの質が非常に重要です。
冒頭で上述したとおりVPSでは、OSからデータベースの設定まで全て自由にカスタマイズできるため、用途に応じて最適なセキュリティ対策を施し、パフォーマンスを調整できます。例えば、特定のアドレスからのアクセスだけを許可するように設定することで、不正アクセスを防ぎながら運用することも可能です。
VPSを利用することで、安価に高いセキュリティとカスタマイズ性を備えたデータベース環境を構築でき、データ管理の質を高めることが可能です。
サーバーアプリケーションの運用
VPSは、共用サーバーに対して、サーバーアプリケーションの運用に特に適しています。
サーバー側での処理を必要とするアプリケーションの実行には、高いカスタマイズ性と制御が求められます。共用サーバーでは、セキュリティやリソースの共有に関する制約から、これらの要件を満たすことが困難です。
一方でVPSは必要に応じてOSやサーバー環境を自由にカスタマイズできるため、Ruby on RailsやJavaサーブレット、JSPなどをはじめとする様々なサーバーアプリケーションの運用に最適です。
これにより、開発者はアプリケーションの要求に応じた環境を構築し、最適なパフォーマンスとセキュリティを実現することが可能になります。
VPSのメリット
VPSは物理的なサーバーを仮想化し、各ユーザーに専用リソースを提供します。
この技術により、専用サーバーと同等のメリットを享受しながら、複数の独立した環境を管理できます。VPSの主なメリットを詳しく探っていきましょう。
自由度の高い環境
VPS（Virtual Private Server）は、その名の通り「仮想」のプライベートサーバーを提供します。ユーザーは独自の環境を持ち、他のユーザーからの影響を受けません。つまり、管理者権限（root権限）を持てることが最大のメリットです。
管理者権限の所持により、OSを自由に選択し、任意のアプリケーションやミドルウェアをインストールできます。
もちろん、データベース管理システムの設定や、セキュリティ設定などカスタマイズも自由に行えます。そのため、自社やプロジェクトの具体的なニーズに合わせた環境構築が可能になり、柔軟に運用できる点が大きな魅力です。
高い拡張性
VPSはその柔軟な拡張性によって、様々なビジネスやプロジェクトのニーズに応える力を持っています。
上述したとおり、ユーザーがもつ管理者権限によりサーバー上での幅広いカスタマイズが可能です。この自由度は、共用サーバーやと比較して、VPSの大きなメリットです。
特にビジネスが急成長し、サイトのトラフィックが増加し追加のリソースが必要になった場合でも、リソースの追加や拡張も容易にできます。その結果、パフォーマンスの低下を避けつつ、効率よく運用を続けることができます。
また、プロジェクトに応じた特定のソフトウェア要件がある場合も、VPSなら自由に環境を構築・調整できるため、効率的な開発と運用が実現可能です。
コストパフォーマンス
VPSは、そのコストパフォーマンスで多くのユーザーに選ばれています。
物理的な専用サーバーの能力に匹敵しつつも、格段に低いコストで提供されることが大きな魅力です。
VPSの価格設定は、使用するリソースの量に応じて柔軟に調整可能であり、ユーザーは自分のニーズに合わせたサービスを月額数百円から利用開始できます。この手軽さは、小規模事業者やスタートアップ企業、個人開発者にとって特に有益です。
専用サーバーと比較して初期導入費用や運用コストが削減できるため、効率的なリソース管理が実現し、結果的に経済的な運用が可能になります。
セキュリティ
VPSユーザーは管理者権限を持つため、ファイアウォールの設定やセキュリティ対策を自由に設定できます。
自社のデータやアプリケーションを外部の脅威から堅牢に保護することが可能です。必要に応じてセキュリティ設定を追加し、個々のビジネスに最適なセキュリティ体制を構築できるため、会社規模やプロジェクト規模に応じたきめ細やかなセキュリティ対策を実現します。
柔軟性
VPSが持つ柔軟性は、多様なビジネスニーズに対応する上で大きなメリットの一つです。
VPSはユーザーが必要に応じてリソース（CPU、メモリ、ストレージ）を簡単に調整できるため、ビジネスの成長やプロジェクトの変動に柔軟に対応できます。
また、自由にOSやアプリケーションを選択しカスタマイズができる点も柔軟性を高めています。その結果、技術的な課題に直面しても、迅速かつ効果的に対応し、運用の効率化を実現できます。
レンタルサーバーとVPSの違い
ここまでVPSの特徴やメリットについて説明してきましたが、VPSの利用を考えている方はレンタルサーバーとの比較が必要です。ここからは、下記5つの観点でそれぞれの違いについて比較していきます。
| 比較項目 | VPS | レンタルサーバー |
| リソースの共有 | 共有しないため
他ユーザーの影響を受けない |
共有するため
他ユーザーの影響を受ける |
| カスタマイズ性 | 高い | 低い |
| 難易度 | 難しい | 簡単 |
| コスト | 高い | 安い |
| 適切な用途 | 中規模から大規模のビジネスサイト
独自のアプリケーション運用 |
個人ブログ
小規模なビジネスサイト |
リソースの共有
レンタルサーバーとVPSの大きな違いの一つに、リソースの問題があります。レンタルサーバーでは、一つのサーバーのリソースを複数のユーザーが共有します。
そのため、他のユーザーの行動が自分のサイトのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。例えば、他のユーザーがリソースを大量に消費することで、自分のサイトが遅くなったり、場合によってはアクセス不能になるリスクもあります。
一方でVPSでは、仮想的に分割されたサーバー上で、ユーザーごとに専用のリソースが割り当てられます。その結果、他のユーザーの行動から影響を受けずに、より安定した機能を期待できます。
カスタマイズ性
レンタルサーバーとVPSの比較において、カスタマイズ性において顕著な違いがあります。レンタルサーバーでは、ユーザーに提供されるのはあらかじめ設定された環境であり、OSやアプリケーションの選択肢には制限があります。
一方で、VPSではユーザーに管理者権限が付与されるため、OSやミドルウェア、アプリケーションを自由に選択し、インストールすることが可能です。この管理者権限により、ユーザーは個々のニーズやプロジェクトの要求に合わせてサーバー環境をカスタマイズでき、より柔軟な運用が実現できます。
また、特にサーバーアプリケーションを運用する場合は、カスタマイズが必要なことが多いため、VPSを選ぶことがおすすめです。
難易度
レンタルサーバーとVPSの間で、操作と管理の難易度は大きく異なります。
レンタルサーバーの場合、設定済みの環境が提供されるため、特に技術的な知識がなくても基本的なWebサイトの運用やメールサービスの運用が可能です。そのため、初心者や知識に自信がないユーザーにとってはメリットが大きいです。
一方で、VPSではユーザーがサーバーのセットアップから管理までを一手に担うため、できることが増えますが、それにはある程度の技術や知識が求められます。VPSはそういったカスタマイズ性や柔軟性の高さが魅力であるがゆえ、運用難易度が高いともいえます。
コスト
レンタルサーバーとVPSのコスト面での違いは、サーバー選択の重要な要素の一つです。
レンタルサーバーは月額数百円から利用が可能で、特に個人や小規模なウェブサイト運営に最適です。利用開始後すぐに多くのアプリケーションを利用できる点も踏まえるとユーザーによってはコストパフォーマンスが非常に高いです。
一方で、VPSは最低でも1000円程度からとなるため、レンタルサーバーに比べると高価ですが、その分、ユーザーは高度なカスタマイズ性や管理者権限も得られ、より具体的なサーバー設定やアプリケーションのインストールが可能になります。
純粋な金額だけを見ると、レンタルサーバーの方がお得ではありますが、サーバーの利用目的や事業の規模を考慮して、最適な良い選択をするべきです。サーバー業者や知識者に相談してみるのも良い手段です。
適切な用途
レンタルサーバーとVPSを選択する際、それぞれが適した用途を理解しておくことが重要です。
レンタルサーバーは、個人ブログや小規模なビジネスサイトの運用に最適です。比較的低コストで始められ、Webサイトやメールのホスティングに必要な基本的な機能を提供するからです。
一方、VPSは中規模から大規模のビジネスサイト、独自のアプリケーションを実行したい開発者、特定のカスタマイズやセキュリティ設定が必要なプロジェクトに適しています。
また、マルチプレイ用のゲームサーバーや仮想OS環境の運用にも利用できます。
【格安&使いやすい】おすすめVPSサービス一覧
ここからは、格安で使い勝手も抜群なVPSサービスについて紹介します。
初心者から上級者まで満足できるVPSサービスです。各サービスの特徴と料金を解説しますので、ぜひご覧ください。
さくらのVPS
出典：https://vps.sakura.ad.jp/｜SAKURA internet
さくらのVPSは、コストパフォーマンスとセキュリティ対策で知られています。
最安プランは月額643円（税込）からと非常にリーズナブルで、費用を抑えつつも費用に応じてリソースのスケールアップが可能です。そのため、初心者から中級者まで幅広いユーザーに適しています。Webアプリの開発や個人ブログの運営など、比較的軽い用途に最適です。
セキュリティ面においては、標準装備されている「SiteGuard Server Edition（WAF）」が、Webアプリケーションの脆弱性を利用した攻撃を効果的に検知・ブロックします。さらに、東京、大阪、石狩の3つのデータセンターリージョンから選べるため、災害時のデータ保護も強化されています。
ConoHa VPS
出典：https://www.conoha.jp/vps/｜Conoha VPS
ConoHa VPSは、GMOインターネットグループが提供するサービスで、特に初心者やスモールビジネスに人気があります。
このVPSの最大の特徴は、環境構築の速さと使いやすさです。たった25秒でVPSの構築が完了することを売りにしており、即座にサーバーを使用できます。
さらに、用途に合わせて選べる複数の料金プランがあり、最低料金プランは460円です。また、「まとめトク」という長期利用割引サービスがあり、最大68％オフという破格の割引サービスも展開しています。
エックスサーバーVPS
出典：https://vps.xserver.ne.jp/｜Xserver VPS
Xserver VPSは、国内シェアNo.1のエックスサーバーが提供するVPSサービスです。
このサービスは特に高性能なハードウェアを利用するユーザーにおすすめで、全ストレージに高速なNVMe SSDを搭載し、処理速度が極めて速いことが特徴です。また、第3世代のAMD EPYC™プロセッサを採用しており、他社VPSと比較して約4倍の処理速度を誇ります。
これにより、大量データを扱うアプリケーションやリソースを集中的に消費するタスクに適しています。
価格面では、メモリ2GB・3コアのプランが月額830円からと、高いスペックにもかかわらずリーズナブルです。これは他社の同等スペックプランと比較しても優れたコストパフォーマンスを提供しています。
Xserver VPSのサポート体制は、電話サポート窓口とメール・チャットでのお問い合わせを完備しており、安心して利用できる点も魅力の一つです。
【高スペック】おすすめVPSサービス一覧
価格よりも性能を求めるなら、これからご紹介するVPSサービスが最適です。スペックの不足は作業効率を下げ、最悪の場合サービスを停止させる可能性もあります。
今回は、そんな心配のない、信頼できる高性能VPSサービスを2つご紹介します。高性能なサービスを探している方は、ぜひチェックしてみてください。
カゴヤクラウドVPS
出典：http://www.kagoya.jp/vps/｜KGAGOYA JAPAN
カゴヤクラウドVPSは高いパフォーマンスと柔軟なスペック変更が可能な点が特徴的です。
メモリー1GBあたりのコストパフォーマンスで選ぶなら、KAGOYAのVPSが非常にお得です。
またユーザーは必要に応じてリソースを簡単にアップグレードできます。これにより小規模プロジェクトから大規模アプリケーションまで幅広く対応可能です。ストレージは全てSSDを搭載しているため、HDDと比べて最大300倍と高速に処理することが可能です。
契約も1日単位で結ぶことができ、非常に柔軟性に富んだサービスと言えます。
エイブルネット VPS
出典：https://www.ablenet.jp/vps/｜ABLENET VPS
エイブルネットVPSは、高速通信とコストパフォーマンスを重視するユーザーにおすすめのサービスです。1998年からの運営実績を持つ信用性の高いプロバイダーであり、非常に安心感があります。
特に月額554円から始められる基本プランは、他社と比較しても低価格でありながら、200Mbpsの通信速度かつ無制限のデータ転送量を提供する特徴を持ちます。
また全プラン初期費用無料のため気軽にリソース拡大が可能です。何より最大10日間のお試し使用が可能なため、ぜひ一度試してみてください。
VPS選びのポイント
VPS選択の際は自身のニーズに合ったサービスを見つけるための基本的なポイントを把握し、最適な選択をしましょう。ここでは、効果的なVPSの選び方を詳しく解説します。
用途
VPSを選ぶ際、最も重要な点はその用途を明確にすることです。
VPSは、Webサイトのホスティング、アプリケーションの運用、データベース管理、開発環境の構築、メールサーバー設置など、多様な目的に使用できます。
例えば、Webサイトやアプリケーションの運用をする場合は、必要なCPUやメモリ、ストレージの容量を考慮する必要があります。
また、特定のソフトウェアを使う場合は、そのソフトウェアが最適に動作する環境を提供するVPSを選ぶべきです。
このように用途に応じて適切なスペックや機能を備えたVPSを選ぶことは、VPS選ぶにおいて最も重要です。
サービスの信頼性と安全性
サービスの信頼性と安全性も把握すべきVPS選びにおいて重要なポイントです。
VPSは、サーバーの管理がユーザー自身に委ねられているため、セキュリティ面での責任も大きくなります。
選ぶVPSサービスが厳重なセキュリティ対策と信頼できるバックアップシステムを提供しているか確認してください。例えば、定期的なセキュリティ更新、データの自動バックアップ、DDoS防御などが整っているかどうかがポイントです。
またサーバーの物理的なセキュリティを保証するデータセンターの補償を受けているかも、選定基準として重要です。
スペック
VPSを選ぶ際には、用途に応じたスペックを検討してください。
Webサイトのホスティング、アプリケーションの開発・運用など目的に合わせたCPUのコア数、メモリ数、ディスクの種類と容量を選ぶ必要があります。
例えば、高トラフィックのWebサイトやリソースを多く消費するアプリケーションを運用する場合は、より高いスペックが必要です。
一方で、単純なテスト環境や小規模アプリケーションでは、低めのスペックでも十分かもしれません。
自分の用途に適切なスペックを選ぶことで、コスト効率も向上し、無駄なリソースの浪費を防げます。
価格
初期費用やランニングコストは、サービスを利用する上で考慮するべき点です。
求められるスペックによって必要な投資額は異なるため、用途に合わせて最適なプランを選択することが肝心です。
最初にどれくらいのリソースが必要かを判断し、それに応じたプランを選ぶことが経済的にも効果的です。
またVPSサービスは月額料金のみならず、初期費用やリソース追加時にかかるコストなどもある点も考慮してください。
VPSサービスは低コストで始められるものも多々ありますが、スペックを増量していくことが予想できる場合は、追加時のコストも踏まえて検討してください。
サポート
サポート体制の充実度も非常に重要な点です。
VPSは各種設定をユーザー自身が行うため、技術的な知識が限られている初心者の場合、相談できる窓口があると安心です。そのため、充実したサポート体制を所持しているVPSサービスを選びましょう。
またサポートの種類には、メールやチャットなどの対応のみの場合と、電話での対応も可能な場合があるため、事前の確認は必須事項です。メールやチャットのみの対応の場合、緊急時の迅速な対応が困難な点も考慮してください。
VPS導入の注意点・よくある失敗
VPS導入時に注意すべき点とよくある失敗を掘り下げます。
- スペック不足
- 知識不足による設定ミス
- バックアップの不足
- 予算不足
- セキュリティ対策の不備
- サポート体制の確認不足
事前に上記の注意点を把握し、最適なVPS選択でトラブルを回避しましょう。
スペック不足
VPS導入時によくある失敗の一つが「スペック不足」です。
先述した通り、用途に十分対応できるスペックの選定が必要不可欠です。
複数のアプリケーションの運用をする場合や、膨大なアクセスが予測されるWebサイトを管理する場合は、必要なCPUのコア数、十分なメモリ容量、高速アクセスが可能なSSDの使用が不可欠です。
スペックが不足していると、パフォーマンスが下がり、UXの観点からも悪影響を及ぼします。そのような悪影響は訪問者からの評価はもちろん、検索ブラウザからの評価も下がります。
低いスペックでコストを抑えることも重要ですが、運用中に予想外のトラフィックやリソースの要求が増加した場合には迅速にスケールアップできるオプションも考慮してください。
知識不足による設定ミス
VPSはユーザーがセットアップから各種設定まで行うため、できることが多い反面、知識や技術が求められるものです。
適切な知識がないまま設定を行うと、セキュリティの脆弱性が生じたり、システムが不安定になる可能性があります。
例えば、Linux OSの扱いに慣れていない場合、間違った設定がシステム全体のパフォーマンス低下を招くこともあります。
このような失敗を避けるためにも、導入前に必要な知識を学ぶか、サポート体制がしっかりと整ったサービスを選ぶことが推奨されます。
バックアップの不足
VPS導入時にしばしば見落とされがちなのは、適切なバックアップ体制の欠如です。
VPSは物理的なハードウェア障害者サイバー攻撃など様々なリスクからデータを守る必要があります。適切なバックアップ体制や運用ルールがない場合は、トラブル発生時に、重要なデータを失うリスクが高まります。
また、バックアップの復元手順を定期的にテストすることで、万が一の事態に迅速に対応できるようにしておくことも大切です。バックアップはVPS運用の基本であり、怠ることは大きな失敗へ繋がるでしょう。
予算不足
VPS導入には、予算不足による失敗も発生します。導入初期に見積もりが不十分で、後から追加コストが発生することは珍しくありません。
初期費用だけでなく、月額料金、必要な拡張機能やサポートサービスの費用も予算計画に含める必要があります。さらに予期せぬトラフィック増加やリソースの追加需要に対応するための費用も見積もることが大切です。
適切な予算設定を行うことで、長期的に安定してVPSを利用することが可能となります。
そのため、VPSを選ぶ際は、初期費用と運用コストをしっかり見定め、全体的なコストパフォーマンスを考慮することが推奨されます。
セキュリティ対策の不備
VPSを導入する場合は、セキュリティ対策により注意する必要があります。
VPSはカスタマイズ性の高さから、ユーザー自身が適切なセキュリティ設定を行う必要があります。
しかし、必要な知識が不足していると、不適切な設定によりデータの漏洩やサイバー攻撃のリスクが高まります。例えば、デフォルト設定のまま運用を開始してしまったり、ファイアウォールの設定漏れ、更新されていないソフトウェアの使用などが挙げられます。
このような不備は外部からの不正アクセスを許してしまい、結果として企業の信頼を大きく損ねる原因となり得ます。VPSを選ぶ際には、セキュリティ対策が充実しているサービスを選ぶことが重要です。また、自身でもセキュリティ管理を徹底してください。
サポート体制の確認不足
サポート体制を確認せず、VPSサービスを選択してしまうと導入後に失敗へと繋がる可能性が高まります。
VPSは多くの設定をユーザー自身で行います。そのため技術力がある方は問題ないですが、サポートありきで進めるつもりであればサポート体制の確認が必要です。
事前にどのようなサポートが提供されているのかを確認し、問題が発生した際に迅速かつ適切に対応してもらえるかを見極めましょう。
また、サポートの方法には、メール、チャット、電話対応などがありますが、電話対応が可能なサービスを選ぶと、緊急時にすぐにヘルプを求めることができて安心です。
サポート体制が充実しているVPSを選ぶことで、技術的な障害に直面した際も安心して対応できます。
まとめ：VPSが中小企業にもたらすメリット
ここまでご覧いただきありがとうございます。VPSについてまとめると以下の通りです。
- VPSは、一台の物理サーバーを仮想化技術で分割し、複数のユーザーがそれぞれ独立したサーバー環境を利用できるサービス
- レンタルサーバーと比較して、高いカスタマイズ性と拡張性を持ち、用途に応じたリソースの調整が可能
- 中小企業にとって、コスト効率よく専用サーバーに匹敵する性能を得られることが最大のメリット
VPSの導入は、特にシステム開発を内製化しようとする中小企業に適しています。もしWebアプリ開発でお悩みの場合、実績豊富な株式会社Jiteraにご相談ください。貴社のニーズに沿った適切なソリューションを提供することが可能です。
