ChatGPT プロンプトとは?最適化するコツや作成システムなどわかりやすく紹介!

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kannba

大学院を修了後、金融系SIerでSEとして従事。現在も外資系ITサービス企業で金融部門のSEとして勤務しています。ITの知見を活かしてWebライターとしても活動中です。

AIと人間の対話を可能にするChatGPTは、プロンプトという特定の指示や質問に基づいて応答します。

プロンプトの良し悪しは、ChatGPTの回答の精度を上げる重要な要素です

この記事では、ChatGPTのプロンプトの基本から、最適化するコツ、プロンプトを作成するためのシステムについて、わかりやすく解説します。

ChatGPTのプロンプトを効果的に活用することで、より精度の高い情報を得ることができ、日々のコミュニケーションや業務の効率化に役立てることが可能です。

ChatGPT プロンプトとは?

ChatGPTに送信する文章、つまりプロンプトは、AIに対する直接的な指示や質問です。

このプロンプトによって、ChatGPTはユーザーの意図を理解し、適切な回答を生成します。プロンプトの設計は、ChatGPTの応答の質に大きく影響するため、その最適化は非常に重要です。

プロンプト(Prompt)

プロンプトは本来、コンピューターが利用者に対して何らかの処理や入力を促すための文字列です。

代表例は、Windowsのコマンドプロンプトに表示される『>』の記号です。

ChatGPTを始めとしたAIの領域では、プロンプトは『利用者がAIに対して送信する指示や質問などの文章』のことであり、AIの応答を導くための重要な役割を果たします。

回答の質はプロンプトの質に依存しており、ChatGPTが学習している莫大なテキストデータから回答を引き出します。

プロンプトの種類

ChatGPTのプロンプトには様々な種類があり、それぞれに特徴と用途があります。以下に主なプロンプトの種類とその例を紹介します。

種類 特徴
Instruction 自分がしてほしいことを具体的に命令する。
Completion 後に続く文を補完させる。
Demonstration 回答や推測の形式を実演し、真似をさせる。

Instruction

Instruction型のプロンプトは、AIに対して特定の行動やタスクを指示するものです。

「してほしいこと」を具体的に命令します。

例えば、「天気予報を教えて」というプロンプトは、AIに天気情報を提供するよう指示しています。

Completion

Completion型のプロンプトは、AIに文章やリストなどを完成させるよう求めるものです。

途中までの文章やリストを入力すると、後に続くテキストを補完させます。

例えば、「次の文を完成させて:太陽が昇ると、」というプロンプトがこれに該当します。

Demonstration

Demonstration型のプロンプトは、AIに特定の例やデモンストレーションを提供するよう求めるものです。

希望する回答や推測の形を実演して真似をさせます。

例えば、「嬉しい=プラス、悲しい=マイナス、楽しい=プラス、寂しい=」と送信すると「マイナス」と返答します。

ChatGPT プロンプトの代表的な作成システム

ChatGPTのプロンプトを作成するためのシステムには、様々なアプローチが存在します。

代表的な作成システムは以下の3つです。

  • 深津式プロンプト
  • ReActプロンプト
  • ゴールシークプロンプト

これらのシステムは、プロンプトの精度を高め、より効果的な応答を得るために開発されています。

それぞれ紹介します。

深津式プロンプト

深津式プロンプトとは、note株式会社のCXOである深津貴之氏が考案したChatGPTの応答を最適化するシステムです。

ChatGPTの役割を冒頭で明確に指定し、#や箇条書きを用いて条件を詳細に伝えます。

例えば、「AI」をテーマに記事を作成する際には、以下のようなプロンプトをChatGPTに入力します。

#命令書:

あなたは、プロのWebライターです。

以下の制約条件と入力文を基に、最高の記事を出力してください。

#制約条件:

・文字数は3,000文字程度。

・小学生にもわかりやすく。

・文体はですます調。

・簡潔に説明する。

#入力文:

「AI」をテーマとした記事を作成してください。

#出力文:

ReActプロンプト

ReActプロンプトは、「Reasoning+Act」を意味し、「初期の推論→必要な行動の考察→最終的な見解を出す」までの3段階で答えを導くシステムです。

ReActプロンプトでは、以下のようなプロンプトを使用します。

・(例)優れたプログラマーになる方法を教えてください。

・Thought:

・Action:

・Observation:

質問に対して、Thought、Action、Observationの順番に回答を生成します。Observationは、ThoughtやActionの内容を踏まえて生成されるため、より精度の高い回答が得られます。

ゴールシークプロンプト

ゴールシークプロンプトは、ユーザーの目的に必要なプロンプトをChatGPT自身に作成してもらうことができるシステムです。

ゴールシークプロンプトでは、以下のようなプロンプトを使用します。

あなたはプロンプトエンジニアです。

あなたのゴールは、私の目的を達成できる最高のプロンプトを考えることです。

完成したプロンプトはChatGPTで使用します

1.最初に何についてのプロンプトであるのかを私に質問してください。

私が回答した後、次の2.と3.を何度も繰り返して改善しましょう。

2.私の入力を元に、以下の2つのセクションを作成してください。

・a:改善されたプロンプト(あなたが書き直したプロンプトを提案してください。簡潔に、明確に、簡単に理解できる形で記載してください。)

・b:質問(現在のプロンプトを改善するために必要な情報を私に質問してください)

3.私が完了したというまで繰り返します。

ChatGPTとの会話を繰り返してプロンプトを改善し、満足のいくプロンプトを作成します。

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ChatGPT プロンプトを上手に使うコツは?

ChatGPTのプロンプトを効果的に使用するためのコツには、指示の明確化、状況や条件の定義、表現の指定、出力形式の指定、指示の明確化、追加情報の提供などがあります。

先頭に指示を入れ、内容に応じて指示と文脈を分ける

プロンプトの先頭に明確な指示を入れ、内容に応じて指示と文脈を分けることで、ChatGPTはより正確な応答を提供できます。指示と文脈を分けることで、ChatGPTがユーザーの意図を読み取りやすくなります。

例えば、以下のようなプロンプトです。

指示:以下の文章を要約してください。

文章:(要約する文章を入力)

ユーザーが置かれている状況や求める条件を事前に定義

ユーザーが置かれている状況や求める条件を事前に定義することで、ChatGPTはより適切な応答を生成することができます。

例えば、『あなたは、プロのコピーライターです。』や『30代男性に刺さるコピーを作ってください。』など、具体的な状況や条件を提示します。

プロンプトで表現を指定する

プロンプトで特定の表現を指定することで、ChatGPTはその表現に沿った応答を提供することができます。

例えば、『文体はですます調で』や『箇条書きや表を含む』などです。

ブログ記事や説明資料など、自分が作成する文章の用途に適した表現を指定することで、完成度の高い文章ができる

プロンプトで出力形式を指定する

プロンプトで出力形式を指定することで、ChatGPTは指定された形式で情報を提供することができます。

例えば、『小学生でも理解できる表現を使って』などが挙げられます。

曖昧なプロンプトにならないように指示をする

曖昧なプロンプトを避け、指示を明確にすることで、ChatGPTはより正確な応答を提供することができます。

例えば、「アイディアをいくつかください」ではなく、「アイディアを10個ください」というように具体的な数を指定します。

また、「文章を作ってください」ではなく「〇〇の説明資料のための文章を作ってください」など用途を明確にすることも重要です。

具体的に指示をすることで、自分のイメージに近づけることができる

追加で情報を与える

ChatGPTは確率論に基づいて文章を認識し、回答を作成します。

そのため、追加で情報を与えることで、より精度の高い応答を得ることができます。

一度目の回答が満足いかないものだったら、「より詳しく説明してください」や「違うアイディアをください」など、追加で情報を与えます。

その結果、自分が求める文章により近づけることができます。

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GPT-4Vの画像認識機能を使ったプロンプト例

2023年9月25日、OpenAI社はChatGPTの新機能『GPT-4V』を発表しました。

GPT-4Vは、2種類以上のデータをもとに情報収集し、解析、出力できるマルチモーダルAIです。

GPT-4Vは画像認識機能を搭載しており、以下の用途で活用できます。

画像からサンプルコードを生成する

GPT-4Vは、アップロードされた画像からWebサービスの開発などに活かせるコードを生成できます。プロンプトの回答として、画像のデザインを再現するCSSやHTMLのコードが出力されます。

例えば、以下のようなプロンプトを入力します。

あなたはHTMLコーダーです。添付した画像を表示するためのCSSやHTMLをコーディングしてください。

(引用:株式会社Jitera)

画像の内容を説明させる

GPT-4Vは、画像が何を示しているのかや、画像内の状況を説明させることができます。画像をアップロードすると、GPT-4Vが画像内の情報を解析します。

人の目では気づきにくい細かい情報についても説明が可能です。ただし、プライバシー保護の観点から人物の画像に関する回答は制限されています。

プロンプトの例は以下の通りです。

添付した画像は何ですか?

(引用:ACイラスト)

インテリアの改善案

GPT-4Vは、部屋の画像を解析して、インテリアの改善のためのアドバイスを提供することができます。インテリアの改善を検討している部屋を撮影し、画像をアップロードします。

家具の配置や配色、照明など様々な観点から最適化のアドバイスをもらうことが可能です。また、写真と同時に自分の好みも指定することで、好みに沿ったアドバイスを得られます。

プロンプトの例は以下の通りです

添付の画像のインテリアを改善する方法を教えてください。

(引用:O-DAN)

画像の文章を要約する

GPT-4Vは、画像内の文章を読み取ることが可能です。また、もともとChatGTPには文章を要約する機能があるので、画像内の文章を要約することができます。

プロンプトの例は以下の通りです。

画像内の内容を要約してください。

(引用:株式会社Jitera)

画像から位置情報を特定する

GPT-4Vには、風景写真を提示すると、どの場所かを推察・特定できます。風景写真の中に特徴的な建物など目印になるものがあれば、位置を特定することができます。

ただし、情報が少なかったり、よくある風景だったりすると特定は難しいです。場所の特定が難しい場合、おおよその場所を説明してくれます。

プロンプト例は以下の通りです。

添付の画像はどこでしょうか?

(引用:O-DAN)

画像内のアイテムの用途を説明させる

GPT-4Vに、画像内のアイテムの用途を説明させることもできます。特に外国の写真など自分の生活とはかけ離れた写真の中に「これは一体何に使うものだろうか」と思う場面はあると思います。

その際に、写真をGPT-4Vにアップロードして、質問すると用途を回答してくれます。名前を知らなくても検索することができるので便利です。

プロンプトの例は以下の通りです。

添付の画像のアイテムは何に使いますか?

(引用:O-DAN)

教科書などの画像を解説させる

GPT-4Vに教科書などに掲載されている画像をアップロードすれば、画像について解説してくれます。特に医学や機械工学など専門性の高い書籍は、本文だけでなく図解も理解をするのが難しいこともあるでしょう。

一方で、GPT-4Vは、簡単な問題であれば解法とともに解答を提示してくれます。このことについては、「子どもが考えなくなってしまいそう」や「ChatGTPが家庭教師になる」あど賛否両論があります。

プロンプトの例は以下の通りです。

添付の画像の仕組みを簡潔に説明してください。

The main components of a steam locomotive

(引用:Wikipedia)

画像内の文章を翻訳させる

GPT-4Vは、画像内の文章を認識し、翻訳することが可能です。例えば、英語で書かれた標識などの画像をアップロードすると、英語を日本語に翻訳してくれます。

DeepLを始め、多くの翻訳ツールがありますが、その中でもChatGPTの翻訳精度は高く評価されています。GPT-4Ⅴも同様に高い精度の翻訳をすることが可能です。

プロンプトの例は以下の通りです。

添付の画像の英語を日本語に翻訳してください。

(引用:O-DAN)

チャートを分析させる

GPT-4Ⅴに、図表やグラフなどチャートを分析させることもできます。図表やグラフなどの画像をアップロードし、質問をすることで、解析結果を説明してくれます。

ただし、数値が誤っていることもあるため、GPT-4Ⅴの解説をもとに自分でチャートを確認する必要があります。

プロンプトの例は以下の通りです。

添付の画像のチャートを解析してください。

undefined

(引用:Wikipedia)

手書きの文字や図を読み取れる

GPT-4Ⅴは、手書きの文字や図を読み取ることができます。そのため、黒板やホワイトボードの写真を撮り、GPT-4Vにアップロードすることで文字起こしをすることが可能です。

プロンプトの例は以下の通りです。

添付画像のホワイトボードの内容を説明してください。

(引用:O-DAN)

AIを使ってアプリ開発を行う日本企業、Jitera社とは

Jitera社で行う開発の魅力

Jitera社で行う開発の魅力は以下の3点です。

  • フルスクラッチ開発よりも何倍も速いソフトウェア開発
  • 高い技術力とアジャイル開発による高品質な開発
  • 緻密なコミュニケーションと提案力による委託しやすさ

それぞれ紹介します。

フルスクラッチ開発よりも何倍も速いソフトウェア開発

Jitera社では、自社で開発した開発自動化プラットフォーム「JITERA」を活用して開発を行うことで、フルスクラッチ開発よりも何倍も速くソフトウェアを開発できます。

開発期間を短くすることで、ユーザーへ早く価値提供できるだけでなく、工数を削減できるためコスト削減にもつながります。

高い技術力とアジャイル開発による高品質な開発

Jitera社は、採用通過率0.1%程の厳しい審査で、高い技術力を持ったエンジニアを世界各国から集めています。

開発の手法はアジャイル開発を採用しており、日々変化するビジネスの環境に適応するように柔軟に開発を進めることが可能です。

また、開発の一部をJITERAで自動化することで、エンジニアが複雑なロジックや追加機能の開発に注力できる環境を整えています。

緻密なコミュニケーションと提案力による委託しやすさ

アジャイル開発は、しばしばドキュメントの煩雑化が問題となります。

しかし、Jitera社ではドキュメンテーションもしっかりと行い、お客様や開発メンバーと正確に認識合わせをしてから開発に取り組んでいます。

そのため、コミュニケーション不足による齟齬をなくし、安心して開発を任せることができます。

ChatGPTプロンプトのまとめ

 

ChatGPTへの指示や命令であるプロンプトについて紹介しました。

プロンプトを作成するには、『より簡潔に、より具体的に』文章を作ることが重要です。また、一度の指示で満足のいく回答を得られなければ、追加情報を与えて繰り返し回答を作成させることで満足のいく回答を得られるでしょう。

また、プロンプトの作成システムには、深津式プロンプトなど様々なものが存在します。いろいろなプロンプト作成システムを試して、自分が使いやすいシステムを見つけてください。

さらに、GPT-4VというChatGPTの最新機能ではテキストだけでなく画像も解析することができるようになりました。画像の文字起こしや場所の特定など、様々な場面で活用できるツールです。

Chatgptのプロンプトに関する質問や案件のご相談などがある場合は株式会社Jiteraへお問い合わせください。貴社のご要望に合わせたアドバイスを提供いたします。

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大学院を修了後、金融系SIerでSEとして従事。現在も外資系ITサービス企業で金融部門のSEとして勤務しています。ITの知見を活かしてWebライターとしても活動中です。

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