RPAとは?自動化できることやできないこと、おすすめツール、導入のポイントを解説

ThomasJohnson

「非エンジニアにわかりやすく」がモットーの兼業webライター。本業ではLinuxやGASをメインで使用し、自作の生成AIの開発に取り組む。 主な資格・・・G検定、AWSクラウドプラクティショナー

「RPAとは何か、何ができて何ができないか、おすすめのツール、導入から運用してからの見直し」までを解説。

現代のビジネスではルーティンワークのような業務はなるべく自動化することで、各企業では本当に注力するべき業務や人的なリソースを集中できる体制づくりが求められています。

RPAツールはそんな人におすすめ。仕事に活用したい方は最後までお読み下さい。

RPAとは何か?

 

RPAとは”Robotic Process Automation”という英単語の頭文字を取った言葉で、「ソフトウェアロボットを使用して決まった業務上のプロセスを自動化する」技術のことを表しています。

特にパソコンのソフトウェアを使った業務で、定型化されている作業を自動で処理をするために使用されることが多いです.

以降の文章で、仕組みやできること・できないことを解説していきます。抽象度が高くなりすぎないよう、実際の技術を交えながらご説明させていただきます。

RPAの仕組みとは?

RPAは既存の自動化処理を行うシステムの組み合わせと複数のアプリケーションを連携する機能から、一貫した自動化を実現しています。

例えば、Gmailには時間を指定してメールを送る機能があります。このような「特定の作業を自動で行う技術」は様々なソフトウェアに組み込まれており、Microsoftのものであれば「マクロ」や「VBA」と呼ばれています。

しかし、GmailをはじめとしたGoogle workspaceでは、Excel、PowerPointなどで作成されたファイルを自動でメールに添付することができません。

あくまで各社がすべて自社の仕組みを使う想定で開発しているので、これは仕方ないことではあります。

メールはGmailだけど、票の管理はExcel、プレゼン資料はパワポを用いている業務環境である場合もRPAを用いることで、決まった時間に自動でExcelファイルを作成し、それをメールに添付して誰かに送信することができます。

また、市販されているRPAを用いたツールのうち、いくつかはノーコード・ローコードでもシナリオ設計が可能です。

従業員数の多い企業であれば、社内業務の改善を行う専門の方がいる場合もあります。一方で、

部門の種類を問わず、各部門ごとに自主的かつ局所的に業務の自動化のために導入することが可能です。

RPAでできること

ここでは、RPAの導入と利用によって解決できるビジネス上の課題について説明します。

1. 作業の繰り返しやミスの削減

特に、データ入力などの繰り返し作業を自動化することで、人間のミスを減らし、作業の効率性を向上させます

複数のシステム間でのデータの移動や同期の漏れの解消:

人間が行うと作業の抜け漏れが発生するリスクがあります。異なるシステム間でのデータの移動や同期を自動化し、データの一貫性を保ちます。

2. くり返し作業の時間短縮

ロボットは同じ処理を何度も繰り返し処理することに向いています。同じ量の仕事であっても、RPAを導入することで処理する業務量の増減に柔軟に対応できるようになります。

また、RPAの導入によって、それまで人力で行っていた業務の時間および金銭的コストの削減や、働き手の生産性の向上などが見込めます

RPAはこれらの技術的な課題やビジネス上の課題を解決することができ、効率性や生産性の向上、コスト削減、および顧客満足度の向上など、多くの利点をもたらすことが期待されています。
ここまで挙げたように、RPAには業務の自動化に対して多くのメリットがあります。

RPAでできないこと

一方で、RPAにも得意ではない作業もあり、代表的なものを2つほど挙げます。

1. 複雑な判断や柔軟な思考が必要なタスク

RPAという技術は、初期に決めたルールをもとに動作するため、設定していない例外処理が発生した場合は望んだ結果が得られない場合があります。

同様に、ルールとして定めてはいない抜け道的な処理で対応している業務など、柔軟な思考が必要なタスクをこなせない場合があります。

2. 不定期に変更が頻発する業務プロセスの自動化

RPAは最初に自動化したい処理のシナリオを組み、繰り返し処理を行うものなので、初期設定にない動作が頻繫に組み込まれるような業務には向きません

仮に利用する場合、頻繁に変更されるプロセスに対応するために、変更されるごとに挙動を組み直す必要があります。近年ではAIを用いて自動で修正を行う機能があるツールもあります。

上記のメリット、デメリットを踏まえたうえで、RPAを導入することで低負荷での作業効率の上昇が見込めるかを検証しましょう。

RPA導入のステップ

RPAを導入する際には、現状の業務内容の把握を行い、導入が有効で投資額に見合うだけの労務費を削減できる業務を選ぶことが大切です。

具体的には、以下の4つのステップを踏んで、導入候補から購入するツールを絞り込むようにしましょう。

  1. 今、会社内で行っている業務のうち、労力がかかり無駄が多い業務を抽出
  2. ①の中で、特にRPAが効果的であるものを選ぶ
  3. ②で選んだ業務に対して改善を見込めるツールを選ぶ
  4. 実際に使用し、思ったような効果が得られるか検証する

以下の段落で、このプロセスを踏むことの意味をご理解いただけると思います。

導入前の準備 – 何から始める?

導入する前に、導入することで効果を発揮する既存の業務を絞り込み、技術的に動作するかを実際に確認し、どれくらいの作業時間が浮くかを検証することが必要です。

RPAツールのうち、市販品を導入して長期的に運用する場合、ランニングコストがかかります。

そして、有料のツールを使用して削減できるのは人力での作業時間であり、導入するにはいくばくかの費用がかかります。

また、導入することで以前よりも作業時間や労力が増えては本末転倒です。つまり、導入することで最低限ランニングコストに見合うだけの「労働時間など数字で測ることができる効果」が出るかを事前に計算しておくことが大切です。

「働きやすくなった」などの感覚的な効果は導入する前には予測ができません。>一方で、数字で出せる効果は根拠があれば導入する前でも「どのような根拠で数字を出したか」などを議論ができます。

ここまでをひとつの式にまとめると、以下のようになります。

((①現状の業務のやり方にかかっている費用)+(②ツールの導入や稼働にかかる総費用))ー(③導入後の作業コスト)=導入効果

式のうち、①と②は大きければ大きいほどメリットがあり、③は小さいほうが導入効果が大きくなります。

業務改善ツールを導入することで、誰の目に見てもプラスになる効果を得るためには、KPIを決め、導入候補の業務・工程のうち、よりKPIが高くなる工程を選ぶ事が大切です。

RPAの選定基準 – どのツールを選ぶべきか

さまざまあるツールの中から、自社業務に必要なツールを選定するために何を考慮すべきなのかを、3つのポイントに絞って解説します。

検証すべきことは以下の3つ。

  1. これまでの社内における技術的な検証の実績
  2. 当面の業務への導入範囲とかかる総費用
  3. これからの他の業務への拡張見込み

複数のツールの中から本当に導入するツールを選ぶ際は、適用する業務に求められるセキュリティ要件をツールが満たしているか、継続的な管理・運用が容易なのはどれか、どちらの方がより安価に購入できるかを比較し、検証してみましょう。

いざ購入してから「職場の環境や要件、対象の業務に使えない・効果がない」ことが判明するのは避けたいですよね。

そのために、まず社内で先行事例がないかをインタビューなどで調査します。先行事例があれば同じツールを買うのが良いです。

一方で、先行して導入した事例がない場合は無料で使える期間があるプランやサービスを選ぶようにして、必ず技術的な検証ができるようにしておきます。これは、「買ったけど有効に使えなかった」リスクを小さくしておくことが重要です。

RPAを導入することで得られる効果とRPAツールの導入と運用にかかる値段、どれくらいの規模でツールを使うか、同時に使うユーザー数、今後の拡張見込み、現時点で効果の検証をしているかなどをもとに導入するかどうかを考えましょう。

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おすすめのRPAツール

ここからは、RPAツールのうち、初心者やITに対してあまり知識がない人にも理解して業務に活かしやすい、代表的なRPAツールを紹介します。会社内でもチームによって、ITの知識が豊富な人とそうでない人がいるので、どんな人が使うのか、使いやすさを考えてツールを選びましょう。

ここでは、RPAツールのうち代表的なツールの特徴と、どのような業務に適しているかを解説します。

1.WinActor

NTTグループが販売しているwinactorの特徴は、設計の操作性が良く、プログラミングいらずで業務の自動化を行えるようになっています。

そのため、非IT部門がシステム部門の支援なしで自走することも可能です。

また、現行の業務の記録を自動で行ってくれるので、業務改善を行うための新しいスキルを身に着けたり、業務を中断する必要もありません。

さらに、オンプレミス環境でも使用できるので、インターネットを使えないネットワーク環境内の端末で使用することも可能です。

2.UiPath  Platform

UiPath PlatformはUiPath社が提供しているRPAツールです。

カスタマイズ性が高いことと、スタッフとロボットの協業が可能なのが良い点です。

RPAツールで出力した結果をスタッフが確認し、最終的な出力としたい場合に有効です。

想定される使い方としては、経費処理など「最後は必ず人の目を通したい」業務のうち、途中の人力ではサポートが挙げられるでしょう。

3.BizRobo!

BizRobo!はRPAテクノロジーズ社が提供しているRPAサービスです。最大の特徴は、無料で使い始めやすいことと、安価なことが挙げられます。

web経由で利用の申し込みをしてからすぐに無料の利用をすることができ、有料版であってもサーバーを準備する工程は不要のため、本番業務への移行も容易です。

また、LGWANに対応しているので、地方自治体や公共団体からの業務であっても使用することができます。

他のツールも気になる方は、以下の記事も参考にしてください。

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RPA導入後の運用と管理

RPAを導入することで、それまで人力で行なっていた分の労働の時間を短くし、別の仕事に時間を割いてもらうようにできます

これらが見込み通りに得られているのかを、実測値と予想値を比較して検証しましょう。検証より大きく上振れていたり下ぶれていた場合は、運用方法や予測などを見直す必要があります

導入後の運用管理におけるポイントと、持続的な効果を得るためのコツを説明します。

RPAロボットの管理とメンテナンス

RPAツールを購入して実際の業務で導入した後に、求められる結果が出力されているかを検証できるような体制を用意しておくことが肝要です。具体的には、自動で処理された結果を人の目でチェックすることと、仕組みを書いた手順書を用意しておくことが大切です。

まず、現状で把握できている業務のパターンを分類し、全てのパターンを網羅できるようなテストケースを用意し、正しい答えも併せて用意しましょう。

また、作業がどのように進むかを記録した手順書を作成しておいたり、単一の処理ごとに出力結果を確認できるように準備していくのも必要です。

作業の手順書は、正しいやり方を記録しておくことで、実際に設定されたやり方を修正する際の目標になります。

各プロセスごとに出力結果を確認できるようにすることで、どの工程でミスが出ているのかがわかりやすくなります。

効果測定と改善のためのステップ

導入して得られた効果を確認するまでがRPAによる業務改善プロセスになります。以降の文章で導入したRPAの効果を測定し、継続的に改善していくための方法を説明します。

効果の測定は、定量的な評価と定性的な評価の2軸で行いましょう。定量的な評価は、どれくらいの作業時間が削減されたかと、どれくらいミスが減ったかを実績をもとに算出します。

作業時間の削減は、同じ業務量を処理するのに、RPAの導入前後の処理時間を記録します。導入前の処理時間と導入後の処理時間の差をとることで求められます。

また、かけなくて良くなった人手の数とその人の時給をかけることで「削減できた労務費」も求めることができます

導入前後でミスの件数の平均とミスの修正にかかっていた時間を記録しておくことで、ミスがどれくらい減ったか、ミスのリカバリーにどれくらいの時間がかかっていたかを判断する事が出来ます。

定性的な評価は、インタビューやアンケートを行い、RPAに代行させた業務に携わっていた人たちに「導入前と後で変わったこと」や「導入して何がよかったか・悪かったか」などをヒアリングし、言葉で回答してもらいます。

数字を使ったり、インタビューを行う事でどちらの評価も実際に業務に導入したことでどういった影響があるかを実感と数字による裏付けを合わせて把握することができます。

まとめ:RPAで業務を効率よく自動化してみましょう

RPAとはPCでの処理を自動化する技術であり、費用面やセキュリティ面、技術的な要件や拡張性などを総合的に検証し、試算と実証を繰り返して導入すれば、労働時間の短縮や労務費の削減を実現してくれる技術です。

一方で、使うツールや使用する工程によってはプログラミングや業務設計の知識など、経験がないと身に着けることが難しいスキルが必要になる場合があります。

社内の知識を借りることも考えられますが、外部の専門家に相談してみることも重要です。システム開発に詳しくないが、ITスキルによらず使いやすいシステムを自作したい場合は、まずはjiteraまでご相談してみてはいかがでしょうか。

<jiteraでも自動開発ツールを使用しているので、自動化の威力を感じられると思います。

ThomasJohnson

「非エンジニアにわかりやすく」がモットーの兼業webライター。本業ではLinuxやGASをメインで使用し、自作の生成AIの開発に取り組む。 主な資格・・・G検定、AWSクラウドプラクティショナー

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