ミドルウェアとは?役割や種類、ソフトウェア・アプリケーションとの違いをわかりやすく解説!

ミドルウェアは、OSとアプリケーションの間を橋渡しするソフトウェアとして知られています。しかし、その役割や重要性、メリット、デメリットなどを理解していない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ミドルウェアの定義とその役割、種類、ソフトウェア・アプリケーションとの違いなど、ミドルウェアに関する情報を詳しく紹介します。また、ミドルウェア製品を一覧で紹介するので、自社のビジネスに合った製品が見つかるかもしれません。

これからミドルウェアを導入しようと考えている方から、すでに利用しているけれどあまり理解していないという方まで役立つ情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

アバター画像
監修者 hiro1120_writer

食品商社営業からシステムエンジニアへと転職後、バックエンドエンジニア(Java, PHP)として尽力。開発リーダーを含む上流工程〜下流工程に携わる。IT関連記事から芸能・法律など幅広ジャンルにて執筆。

\エキスパートが回答!/
この記事に関する質問はこちら
記事に関するご質問以外にも、システム開発の依頼やAIの導入相談なども受け付けております。

    会社名必須
    必須
    必須
    Eメール必須
    電話番号必須
    ご依頼内容必須

    ミドルウェアとは

    ミドルウェアとは

    ミドルウェアとは、システムとアプリケーション間の「仲介役」を果たすソフトウェアのことを指します。ここでは、ミドルウェアの定義やその重要性について詳しく解説します。

    ミドルウェアとは何か?

    ミドルウェアは、その名前の通り「中間層」のソフトウェアで、オペレーティングシステム(OS)とアプリケーションの間に位置します。

    このソフトウェアは、アプリケーションがシステムハードウェアや他のネットワークアプリケーションと効率良く通信できるようにするための橋渡し役を担っています。

    具体的には、データの管理、アプリケーションサービス、メッセージングの機能を提供しており、開発者が複雑なプログラミングを行わなくてもよいようになります。

    ミドルウェアによってアプリケーションの開発が簡素化されるため、異なる環境でも動作でき現在の多くのシステムにおいて重宝されています。

    ミドルウェアとソフトウェア・アプリケーション・OSとの違い

    ミドルウェアとソフトウェア・アプリケーションは、しばしば混同されますが、それぞれに明確な違いがあります。

    ここでは、ミドルウェアと一般的なソフトウェアやアプリケーションの違いを解説し、それぞれの役割と機能について解説していきます。

    ミドルウェアとソフトウェアの違い

    一般的なソフトウェアは、ゲームカセットのような直接ユーザーの目的を満たすために使われるもので、具体的なアプリケーションやユーティリティプログラムを指します。

    一方、ミドルウェアはシステム間の通信やデータの中継点として機能しており、異なるシステムやアプリケーションが効率的に連携するための基盤を提供しています。

    要素 ミドルウェア ソフトウェア
    目的 システム間の連携を促進
    直接的なユーザーのタスクを実行
    役割 通信やデータの中継点
    アプリケーションやユーティリティの提供
    機能 異なるシステムやアプリケーションの統合
    特定の作業やプロセスの実行
    使用例 データベース管理システム、メッセージングミドルウェア
    ワープロソフト、画像編集ツール

    ミドルウェアとアプリケーションの違い

    アプリケーションはユーザーの具体的な要求を満たすソフトウェアで、直接的なタスクや機能を提供しています。

    対照的にミドルウェアはシステムやアプリケーション間の連携をしやすくする役割を担っており、データの転送や変換、異なるシステム間の通信をサポートしています。

    要素 ミドルウェア
    アプリケーション
    目的 システム間の連携を促進
    ユーザの特定のニーズに応える
    役割 通信やデータの中継点
    タスクやプロセスの実行
    機能 異なるシステムやアプリケーションの統合
    ユーザーインターフェースと機能性
    使用例 データベース管理システム、メッセージングミドルウェア
    電子メールクライアント、オフィスソフト

    ミドルウェアとOSの違い

    オペレーティングシステム(OS)はコンピュータの基盤となるソフトウェアで、ハードウェアのリソースを管理してアプリケーションがシステムのハードウェアを使用できるようにする役割を持っています。

    一方で、ミドルウェアはオペレーティングシステムとアプリケーションの中間に位置するソフトウェアで、異なるアプリケーションやデータベースがスムーズに通信できるようにする架け橋のような役割を果たしています。

    要素 ミドルウェア オペレーティングシステム (OS)
    目的 システム間の連携を促進 ハードウェアの管理と基本的な機能を提供
    役割 通信やデータの中継点 ハードウェアからの入出力を管理し、システムリソースをアプリケーションに割り当て
    機能 異なるシステムやアプリケーションの統合 ファイルシステムの管理、デバイスドライバ、メモリ管理、プロセス管理
    使用例 データベース管理システム、メッセージングミドルウェア Windows, macOS, Linux

    ミドルウェアの種類一覧

    ミドルウェアは3種類に分類できます。

    • Webサーバ
    • アプリケーションサーバ
    • データベース管理サーバ

    また、この3種類が助け合いながらミドルウェアを構築している状態のことを「Web三層構造」と呼びます。

    それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

    Webサーバ

    Webサーバは、ユーザーがインターネットにアクセスしたことに反応し、Webページを表示させる機能を持つミドルウェアです。Webブラウザからのリクエストを受け取り、対応するウェブページやサービスを提供します。ユーザーがウェブブラウザから特定のURLを要求すると、その要求に対応するHTMLページを提供する役割があるのです。

    たとえば「jitera 公式サイト」と検索してみます。すると、最も上にあるページはこちらです。「https://jitera.com/ja」

    Jitera公式サイト

    ユーザーがクリックしたことに反応し「https://jitera.com/ja」のページを表示させるのがWebサーバの役割です。

    また、ウェブサイトが画像や動画などのメディアファイルを含む場合、それらのファイルもWebサーバから提供されます。

    アプリケーションサーバ

    アプリケーションサーバは、Webサーバからのリクエストに対して処理を行います。javaやPHPなどの言語で作成されたアプリケーション(動的コンテンツ)が表示されるのはアプリケーションサーバの役割です。具体的には、アプリケーションサーバによって次のような操作が行えます。

    • ユーザーが検索した商品を表示する
    • 注文情報をデータベースに保存する
    • データベースからデータを取得し、アプリが読み取れる状態に変化させる

    アプリケーションサーバには代表的なものとして、次のようなものがあります。

    • Tomac(Javaで使用)
    • Unicorn(Rubyで使用)
    • Apache(PHPで使用)

    アプリケーションサーバで処理できないものについては、データベース管理サーバにリクエストを送ります。

    データベース管理サーバ

    データベース管理サーバは次のような機能を持つミドルウェアです。

    • データベースの作成
    • 管理
    • アクセス制御
    • SQLクエリのデータ検索、挿入、更新、削除

    たとえば、ECサイトにおける顧客情報、商品情報、購買履歴などのデータを格納、管理し、必要に応じてこれらのデータを取り出すのが、データベース管理サーバの役割です。

    ちなみに、データベース管理サーバとしてよく知られているのは次の3つです。併せて確認しておきましょう。

    • Oracle Database
    • MySQL
    • PostgreSQL

    開発におけるミドルウェアの役割

    ミドルウェアは、ソフトウェアの世界において非常に重要な役割を果たしているため、その業界に精通する方にとっては、避けて通れない要素だといえます。

    中でも、システム運用を行う際に用いられる「運用ミドルウェア」は、本来アプリケーションを必要とするミドルウェアにその機能を追加したものであり、少し理解が難しいという方も多いのではないでしょうか。

    ここでは、一般的なミドルウェアと運用ミドルウェアの各役割と開発プロセスについて詳しく紹介していきます。

    一般的なミドルウェアの役割

    まず、一般的なミドルウェアの役割を見ていきましょう。

    • 開発費・開発期間を抑えられる
    • OSやハードウェアの違いを共通化させる
    • 処理を高速化する

    まず、開発費・開発期間が抑えられる点について紹介します。多くのアプリケーションで使用される汎用的なフレームワークがあるのですが、それを共通化させられるため、開発にかかるコストを大幅に削減できます。

    また、ミドルウェアの中には複数のOSやハードウェアに対応しているものがあり、その違いをミドルウェアが受け取り、変換することが可能です。そのため、どんなOS、ハードウェアだったとしても同じように動作させることができます。

    そして、OSが持たない豊富な機能を持つミドルウェアを使用することで、高度な処理を行い、高速化させることが可能です。

    運用ミドルウェアの役割

    次に、運用ミドルウェアの役割について紹介します。主な機能は次の通りです。

    • ジョブの処理順序やスケジュールを設定する
    • システムを監視する
    • システムのバックアップを取る

    バックアップとログ取得

    運用ミドルウェアは、システムの安全性とデータ整合性を保つために自動的にバックアップを取る機能があるので、データの損失や破損が発生した場合でもすばやく復旧が可能となります。

    また、システムやアプリケーションの動作状況を詳細に記録するログ取得も自動化されており、ログデータは問題発生時の追跡調査やパフォーマンスの監視、セキュリティの強化に役立てられています。

    システム監視

    運用ミドルウェアはシステム全体の健全性をリアルタイムで監視する機能を持っています。

    ハードウェアの状態(ノード、リソース)やソフトウェアの現在の状況が含まれており、異常があればすぐに警告を発して対応するよう教えてくれます

    このような監視機能は予期せぬダウンタイムを防げるため、システムの可用性・運用性を高めるのに不可欠といえます。

    作業の効率化

    運用ミドルウェアは、ジョブスケジューリングやタスク自動化を通じて運用作業の効率化をあげてくれます。

    サーバの再起動、ソフトウェアの更新、パッチ適用などのルーチン作業を自動で行うことができるので、全体的な運用コストの削減や業務時間の削減に役立ちます。

    ミドルウェアのデメリット

    続いて、ミドルウェアのデメリットを3つ紹介します。

    • 導入と維持にコストがかかる
    • 難易度が高い
    • 依存によるセキュリティリスクが懸念される

    詳しく見ていきましょう。

    導入と維持にコストがかかる

    ミドルウェアの導入と維持には、さまざまな費用が発生します。具体的には、以下のような費用が掛かります。

    • ライセンスコスト
    • 開発コスト
    • 運用管理コスト

    つまり、初期投資だけでなく、システムが稼働している間中、継続的にコストが発生するということです。中でも、大規模なシステムでは、これらのコストが予算を圧迫することもあり、財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

    そのため、ミドルウェアの導入と維持に関連する費用は、システムの全体的な運用コストについて丁寧に計算し、計画を練るべきです。

    難易度が高い

    ミドルウェアの設定と管理は、専門的な知識が必要となる重要なタスクです。これは、システム間でのデータのやり取りをスムーズに行うために不可欠な部分であり、その部分は専門家に任せる必要があります。

    そして、ミドルウェアの設定や最適化は、正確さが求められます。技術を理解していて、専門的な知識を持つエンジニアが必要となるのです。もしくは、初心者でも利用しやすいUIのものを選択することで、運用がしやすくなる場合もあります。

    依存によるセキュリティリスクが懸念される

    ミドルウェアは基幹システムやデータベースと連携して使用されるため、どうしても依存性が高くなりがちです。ミドルウェアに問題が生じると、アプリケーション全体に影響を及ぼし、障害を引き起こしてしまう可能性があります。

    さらに、ミドルウェアの更新やパッチ適用が遅れると、これがさらなるセキュリティリスクを増大させる可能性があります。全体のセキュリティ管理の中でも特に重要な部分ですので、ミドルウェアの管理と更新には注意することが大切です。

    ミドルウェアの製品一覧10選!

    それでは、ミドルウェアを提供する主要な企業や製品を紹介します。

    • ECHONET Lite
    • @Hyway
    • CIFS NQ(TM)
    • Hai Surf3
    • DODAI
    • Micro DECENTRA
    • EmPlus V3.0
    • Sodiac
    • DataHub
    • RSW-ECAT-Master
    • CABIN

    各ツールの特徴について詳しく紹介するので、導入の参考にしてみてください。

    ECHONET Lite

    ECHONET Liteは、図研エルミック株式会社が提供しているスマートハウスのためのホームネットワークシステムです。様々な家電や設備を接続し、一元的に制御することができます。

    これにより、エネルギー管理やセキュリティ対策、健康管理など、ユーザーの生活をより快適で便利にすることを目指しています。また、ECHONET Liteはオープンな規格であるため、多くのメーカーの製品と互換性があります。

    ECHONET Lite

    @Hyway

    @Hywayは、シノジャパンが提供するミドルウェア製品で、高度なデータ連携とデータ共有を実現します。この製品は、異なるシステム間でデータを円滑にやり取りすることを可能にし、業務効率の向上やコスト削減に貢献します。

    また、信頼性の高いセキュリティ機能を提供していることも特徴です。企業のビジネスデータを保護します。@Hywayは、その柔軟性と拡張性により、あらゆる企業環境に適応可能です。

    @Hyway

    CIFS NQ(TM)

    CIFS NQ(TM)は、ITbook テクノロジー株式会社が提供しているファイル共有とネットワーク機能を提供するミドルウェア製品です。異なるシステム間でのファイルとデータの共有を容易にし、効率的なデータ送信を可能にします。

    また、CIFS NQ(TM)は堅牢なセキュリティ機能を提供し、企業の重要なデータを保護します。その高度なパフォーマンスと拡張性により、CIFS NQ(TM)は大規模な環境でも効果的に機能するはずです。

    CIFS NQ(TM)

    Hai Surf3

    Hai Surf3は、シェアードシステム株式会社が提供する、多機能統合アプリケーションミドルウェアです。この製品は、アプリケーションの開発から運用までを効率的にサポートします。

    Hai Surf3は、業務アプリケーションの効率化を実現し、ビジネスプロセスの最適化に寄与します。その強力な機能と使いやすさにより、Hai Surf3はアプリケーション開発と運用の効率化に優れたミドルウェアとして評価されています。

    HaiSurf3

    DODAI

    DODAIは、株式会社アシストが提供する、ネットワークやデータベースなどの基盤技術を統合的に管理するためのミドルウェアです。この製品は、システムの運用管理を効率化し、システムの安定性と信頼性を高めます。

    DODAIは柔軟性が高く、さまざまな企業環境やビジネスニーズに対応可能です。その結果、ビジネスの効率化と成長をサポートします。

    DODAI

    Micro DECENTRA

    Micro DECENTRAは、株式会社スカイリー・ネットワークスが提供する高度なデータ連携と処理を可能にするミドルウェアです。大量のデータをリアルタイムで処理し、分析結果を即座に提供することが可能です。

    これにより、企業はビジネスに必要な情報を迅速に得ることができます。また、省電力の環境でも大規模なデータ処理も容易にこなせる特徴を持っています。

    Micro DECENTRA

    EmPlus V3.0

    EmPlus V3.0は、組込みシステム向けのリアルタイムOSのミドルウェアです。モバイル向けのソフトウェア制作を行うための機能が充実しており、ノーコードでレイアウトを調整、必要な機能を搭載させられるので、短期間で制作できます。

    EmPlus V3.0の特長は、オフラインでの運用が可能であることです。サーバからアプリケーションをダウンロードする形で動作するためです。ネットワーク接続が不可能または制限された環境でも、安定したシステム運用が実現できます。

    EmPlus V3.0

    Sodiac

    Sodiacは、株式会社アレックスが提供するリアルタイムデータ連携を可能にするミドルウェア製品です。音声LSIを必要とせず同等の品質で再生できます。もちろん、音声LSIの導入が不要なため、大幅なコストダウンが実現可能です。

    異なるシステム間でのデータのやり取りを効率的で、迅速に行うことができます。

    これにより、情報の一貫性を保ちつつ、業務効率の向上を実現します。また、また、堅牢なセキュリティ性能を持っているため、企業の重要なデータをしっかり保護します。

    Sodiac

    DataHub

    DataHubは、株式会社ベルチャイルドが提供する読み込みからクラウドまでをパッケージ化した産業用のミドルウェアです。異なるデータソースからのデータを統合し、必要なデータを即座に取得することが可能です。データ分析やBI業務を効率的に行うことができます。

    また、DataHubは監視制御画面が充実している特徴があります。権限を設定できる画面から、データの一方向接続制限を設定できるので、セキュリティリスクが発生する機会を減らせるでしょう。

    DataHub

    RSW-ECAT-Master

    RSW-ECAT-Masterは、気軽にPCでEtherCATを利用できることを目的としたミドルウェア製品です。ハードウェア不要で、高速かつ高精度なデータ送信ができ、システム間の通信を効率化させられます。

    また、サンプリングしたデータをWindows上で利用するためのAPI機能を提供しているので、自社のニーズにあったプログラムを作成できます。

    RSW-ECAT-Master

    CABIN

    CABINは、ハンズフリー通話用の音声信号処理ミドルウェアです。高品質な音声通話を可能にするための、先進的な音声処理技術を提供しています。走行時など雑音が発生した際に自動音量制御機能を活用し、クリアな音をリアルタイムで発生させられます。

    車載システムやコールセンターの音質向上策として、さまざまなシーンでの利用を想定できるでしょう。

    CABIN

    まとめ

    この記事では、ミドルウェアについて詳しく解説しました。

    ミドルウェアはアプリケーションとOSの間に位置してデータのやり取りをスムーズにすることで、システム間の連携を効率化し、全体のパフォーマンスを向上させる役割を果たしています。

    しかし一方で、ミドルウェアの導入・維持コストがかかったり、システムへの依存性が高いためミドルウェアに問題が生じると全体に影響を及ぼす可能性があったりするなどのデメリットもあります。

    今回ご紹介した内容も参考に、自社のニーズに最も適したミドルウェアを選択してみてください。

    また、ミドルウェアの選定に関するお悩みや相談、もしくはこの記事に関する質問、お悩みなどがございましたら、株式会社Jiteraにご相談ください。貴社の要件に合った最適なソリューションを提案させていただきます。

    株式会社Jitera

    例:開発手順、ツール、プロンプト

    メルマガ登録

    社内で話題になった「生成AIに関するニュース」をどこよりも早くお届けします。