Webサイトの表示速度は、さまざまな側面に影響を与えるため、重要な要素です。
では、Webサイトの表示速度は、どのように改善するとよいのでしょうか。
この記事では、表示速度の改善方法や、表示速度の改善をすることで得られるメリットを解説しています。
この記事を読んで、自社のサイトで表示速度の改善ができるかどうかの参考にしてください。

PHPを独学で勉強した後にWeb業界に参入。大手企業でプログラマーとして活躍後、自社サービスの立ち上げ、大手検索エンジンサービスの保守運用作業、ソーシャルゲーム開発などに携わりながら、SE・管理職の道を歩んで現在に至る。現在は、管理職に携わる傍ら、これまでの経験を活かした執筆活動を続けている。
Webサイトの表示速度はなぜ重要?
Webサイトの表示速度は、ユーザーエクスペリエンス・検索エンジンランキング・モバイルフレンドリー性・コンバージョン率など、さまざまな側面に影響を与えるため、重要な要素です。
ここでは、表示速度が重要視されている理由や、表示速度が遅い場合のおもな原因などを以下の項目に分けてみていきます。
- 表示速度が重要視されている理由
- 表示速度が遅い場合のよくある原因
これらの項目をみながら、表示速度の重要さを理解していきましょう。
表示速度が重要視されている理由
表示速度が重要視されているおもな理由は、以下のとおりです。
- ユーザーエクスペリエンスの向上
- 離脱率の低減
- 検索エンジンランキングの向上
- ビジネス目標の達成
Webサイトの表示速度が速いほど、ユーザーはコンテンツに素早くアクセスが可能です。待ち時間が少ないため、ユーザーはストレスなくサイトを閲覧でき、よいユーザーエクスペリエンスを提供できます。
ページの読み込みが遅いと、ユーザーはサイトを離れる可能性が高まってしまいます。特に、モバイルデバイスを利用するユーザーは、待ち時間が長いとイライラする傾向があるため、注意が必要です。
このため、速い表示速度は、離脱率を低減してユーザーをサイトに留めるのに役立ちます。
主要な検索エンジンは、Webサイトの表示速度をランキングに反映させているため、速いサイトは検索エンジンのアルゴリズムによっては好まれており、検索結果での順位が上がりやすくなります。
Webサイトの表示速度は多くの場合、ビジネス目標の達成に直接関連しています。たとえば、オンラインショップの場合、表示速度が早ければ購買行動が促進され、売上が増加する可能性があるでしょう。
表示速度が遅い場合のよくある原因
Webサイトの表示速度が遅い場合、おもな原因は以下のとおりです。
- 大きな画像やメディアファイルが含まれている
- 多くのHTTPリクエストがある
- サーバーのレスポンス時間が長い
- JavaScriptの負荷
- ブラウザのキャッシュの不適切な活用
サイトに大きな画像や動画、音声ファイルなどのメディアが含まれていると、ページの読み込み速度が遅くなります。これらのファイルは圧縮して最適化することで速度改善が可能です。
サイトが多数の外部ファイルやリソースを読み込む場合、それぞれのリクエストがネットワーク上での通信に時間を要してしまい、ページの読み込み速度が遅くなります。
不要なJavaScriptの最適化や、非同期読み込みなどの手法を用いれば、改善できるでしょう。
サーバーがリクエストに応答するまでの時間が長い場合、ページの表示に時間がかかります。これは、サーバーの負荷が高い、リソースが不足している、またはネットワークの遅延などが原因である場合が多いです。
大規模なJavaScriptコードやスクリプトがページで実行されると、ブラウザの処理速度が低下して、ページの読み込み速度が遅くなります。不要なJavaScriptの最適化や非同期読み込みなどの手法を検討してみるとよいでしょう。
ブラウザが適切にキャッシュを利用できていない場合、ページの再読み込みが頻繁に行われるため、表示速度が低下してしまいます。キャッシュの有効な活用ができれば、ページ読み込み速度を改善できるでしょう。
Webサイトの表示速度を改善する方法6つ
Webサイトの表示速度が遅くなることは、ユーザエクスペリエンスの低下やビジネス目標を達成できなくなる原因となることがわかりました。
では、どのようにして表示速度を改善していくのでしょうか。
ここでは、Webサイトの表示速度を改善させるためのおもな方法を、6つ紹介します。
- 画像や動画のファイルサイズを最適化する
- AMPを導入する
- ブラウザキャッシュの設定を見直す
- WordPressで使用していないプラグインを削除する
- ソースコードを圧縮する
- サーバーを高性能なものに変える
自社のサイトの表示速度が重いと感じたら、上記原因と同じかどうかを確認してみるとよいでしょう。
画像や動画のファイルサイズを最適化する
Webサイトの表示速度を改善するために、画像や動画のファイルサイズを最適化する方法が有効です。
以下は、そのおもな方法です。
- 画像圧縮する
- 適切な画像形式を選択する
- Lazy Loadingの使用
- レスポンシブ画像の使用
- 動画の圧縮とストリーミング
画像を圧縮してファイルサイズを削減すれば、表示速度を改善できます。オンラインの画像圧縮ツールや画像編集ソフトウェアを使用して、最適な圧縮率を適用するのがおすすめです。
JPEG・PING・GIF・SVGなど、異なる画像形式にはそれぞれ特性があるため、適切な形式を選択すればファイルサイズを最適化でき、表示速度を向上させることができるでしょう。
ページの読み込み時にすべての画像を一度に読み込むのではなく、画面内に表示されている画像のみを読み込むようにする、Lazy Loadingを実装するのがおすすめです。Lazy Loadingを活用すれば、初期に読み込む画像数が減るため、表示速度を向上させられるでしょう。
レスポンシブデザインを採用している場合、異なるデバイスや画面サイズに合わせて適切なサイズの画像を表示でき、ページの読み込み速度を向上させられます。
ほかにも、動画ファイルを圧縮し、必要に応じて動画ストリーミングを実装すれば、ページの読み込み速度を改善できるでしょう。動画の自動化を避け、ユーザーが動画を視聴する際にのみ、動画の読み込みを行うようにすることも有効です。
AMPを導入する
AMP(Accelerated Mobile Pages)は、Googleが提供するプロジェクトで、Webページの表示速度を向上させるために設計されたオープンソースです。
モバイルデバイスでのWebページの読み込み速度を高速化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることを目的としています。
以下は、AMPを導入する方法のおもなポイントです。
- AMP HTMLの使用
- AMPコンポーネントの使用
- AMPキャッシュの使用
- AMP Validatorの使用
- Google Search Consoleでの登録
AMPを導入することで、Webサイトの表示速度を劇的に向上させることが可能です。ただし、AMPは一部の機能を制限するため、柔軟性が低下する場合もあり、慎重に導入を進める必要があるでしょう。
ブラウザキャッシュの設定を見直す
ブラウザキャッシュの設定を見直すことで、Webサイトの表示速度を改善することができます。
ブラウザキャッシュは、Webページの一部や全体を一時的に保存して、再訪問時の再ダウンロードをなくしてページの読み込み速度を高速化するものです。
以下は、ブラウザキャッシュの設定を見直すためのポイントです。
- キャッシュの有効化を行う
- キャッシュのサイズを調整する
- 期限の設定を調整する
- 必要なファイルのキャッシュ制御を行う
- ブラウザの更新を行う
ブラウザ設定メニューからキャッシュの有効設定を確認し、必要に応じて有効化するとよいでしょう。ほかにも、キャッシュサイズの調整することで、キャッシュされるファイルの容量の増減が可能です。
キャッシュされたファイルの期限を調整することで、ブラウザがファイルを再ダウンロードする頻度を制御できます。期限が短すぎるとキャッシュ効果が得られないため、注意しましょう。
特定のファイルやリソースをキャッシュしないように指定することも可能で、動的なコンテンツやセキュリティ上の理由でキャッシュしない必要がある場合、これらのファイルを制御するのがおすすめです。
最新のブラウザバージョンを使用すれば、ブラウザキャッシュの最適化やパフォーマンスの向上が実現されることがあります。定期的にブラウザを更新して、最新の機能を活用するようにしましょう。
WordPressで使用していないプラグインを削除する
WordPressで構築したWebサイトの表示速度を改善するために、使用していないプラグインを削除することは非常に重要です。未使用なプラグインがインストールされていると、Webサイトのパフォーマンスに悪影響をおよぼす可能性があります。
以下は、WordPressで未使用のプラグインを削除する方法です。
- 管理画面から削除する
- ファイルマネージャーやFTPを使用する
- データベースのクリーンナップを行う
- 定期的なチェックとクリーンアップ
これらの方法で、未使用となっているものを削除することで、構築したWebサイトの表示速度が向上し、セキュリティ上のリスクも軽減できます。
ソースコードを圧縮する
ソースコードを圧縮することで、Webサイトの表示速度を改善することができます。圧縮されたコードは、ファイルサイズが小さくなりダウンロード時間が短縮されるため、ページの読み込み速度が向上します。
以下は、ソースコードを圧縮するおもな方法です。
- JavaScriptの圧縮
- CSSの圧縮
- HTMLの圧縮
- 画像の圧縮
- CDNの利用
これらの方法を組み合わせて、ソースコードを効果的に圧縮することができます。ファイルを圧縮すれば、不要なスペースや改行、コメントなどを削除し、ファイルサイズを縮小することが可能です。
ファイルサイズを縮小して、Webサイトの表示速度を改善することができます。
サーバーを高性能なものに変える
Webサイトの表示速度を改善するために、サーバーを高性能なものに変更することは1つの方法です。
以下は、サーバーを高性能なものに変えるおもな方法です。
- 高性能なホスティングプロバイダーを選択する
- VPSまたは専用サーバーを検討する
- 高速なストレージを使用する
- キャッシュやCDNを活用する
- ハードウェアのアップグレード
サーバーを高性能なものに変更すれば、Webサイトの表示速度を大幅に向上させられます。ただし、コストや管理の複雑さなどの観点から、適切なサーバー選択を行うことが重要です。
表示速度の改善によって得られるメリット
表示速度の改善方法には、さまざまな方法があることがわかりました。
では、表示速度の改善で、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、以下3つのおもなメリットを解説します。
- 検索順位が上昇する
- コンバージョンや売上増加を期待できる
- 直帰率が改善される
これらのメリットをみて、自社のWebサイトにどのような影響があるかを確認してみてください。
検索順位が上昇する
表示速度の改善によって得られるメリットの1つは、検索順位が上昇することです。
主要な検索エンジンは、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、ページの読み込み速度を重視しており、表示速度が早いサイトをランキングの上位に表示する傾向があります。
このため、表示速度の改善によって、以下のような検索順位の向上が期待できます。
- Googleのページランクの向上
- 検索エンジンのクロール効率の向上
- ユーザエクスペリエンスの向上
- モバイルファーストインデックスの影響
このように、表示速度の改善によって、検索上位の上昇が期待できます。
表示速度が速いサイトは、検索エンジンによって高く評価され、上位にランク付けされる可能性が高くなり、SEO戦略の一環として表示速度の改善を行うことは非常に重要です。
コンバージョンや売上増加を期待できる
コンバージョンや売上増加を期待できるのは、表示速度の改善によって得られるメリットの1つです。
以下は、そのおもな理由です。
- ユーザーエクスペリエンスの向上
- 購買意欲の向上
- カート放棄率の低下
- 検索エンジンランキングの向上
表示速度が速いWebサイトでは、ユーザーがースムーズにコンテンツにアクセスでき、待ち時間が少なくなります。その結果、ユーザーの満足度が向上し、ページから離脱するリスクの低下が期待できます。
さらに、表示速度が速いサイトでは、ユーザーが商品やサービスを閲覧し、購入行動を起こすまでの時間が短縮されます。ユーザーがスムーズにページを移動し、シームレスな購買体験を享受できるため、ユーザーの購買意欲を高めることが可能です。
ほかにも、表示速度が速いサイトでは、ユーザーがカートに商品を追加し、チェックアウトプロセスを完了させるまでの時間が短縮されます。待ち時間が少ないため、カート放置率が低下し、ユーザーが購買プロセスを途中で中断するリスクを減らせるでしょう。
表示速度が速いサイトでは、検索エンジンのランキングで上位に表示される可能性が高まります。高いランキングを獲得できれば、Webサイトへのアクセスが増加し、コンバージョン率や売上の向上が期待できるでしょう。
このように、表示速度の改善は、コンバージョン率や売上の増加に直結する重要な要素です。
ユーザーにとってストレスのない、スムーズで高速なWeb体験を提供することが、ビジネスの成功につながることを理解してWebサイト構築を行うとよいでしょう。
直帰率が改善される
表示速度の改善によって得られるメリットの1つは、直帰率が改善されることです。
直帰率とは、Webサイトの訪問者が最初のページで離脱する割合を示す指標であり、高い直帰率はユーザーエクスペリエンスやコンテンツの低さを示唆します。
以下は、表示速度の改善が直帰率に与えるおもな影響です。
- ユーザーの待ち時間を減少できる
- ユーザーの興味をひきつける時間が増加する
- ユーザーエクスペリエンスの向上
- 検索エンジンランキングの向上
以上のように、表示速度の改善は直帰率の低下につながり、Webサイトのユーザーエクスペリエンスや検索エンジンランキングの向上が期待できます。
表示速度の計測ができるツール2つ
表示速度が改善できれば、多くのメリットが得られることがわかりました。
では、表示速度の計測ができるツールには、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、表示速度の計測ができるツールを、以下2つ紹介します。
- Page Speed Insights
- Lighthouse
これらツールを活用して、自社の表示速度を計測してみるのもよいでしょう。
Page Speed Insights
出典:https://pagespeed.web.dev/?hl=ja
Page Speed Insights(ページスピードインサイト)は、Googleが提供している、ページのパフォーマンスを測定できる無料のツールです。
Webページの読み込み速度を測定・評価し、スコアで表示します。URLを入力する欄に調査するURLを入力すれば、携帯電話とデスクトップのそれぞれで、Webサイトのスコアや改善ができる項目や診断された内容が提示されます。
また、入力したURLのページ速度スコア(点数)とWebページの表示速度改善に必要なアドバイスも提供します。
Page Speed Insightsでは、ページがパフォーマンスに関する一般的なおすすめの方法にどの程度準拠しているかを評価し、
ページに対するパフォーマンスの改善があるかどうかを推定したスコアを0〜100の値で算出します。
Lighthouse
出典:https://chromewebstore.google.com/detail/lighthouse/blipmdconlkpinefehnmjammfjpmpbjk?hl=ja&pli=1
Lighthouseは、Googleが提供するオープンソースの評価ツールです。WebサイトやWebアプリをチェックし、改善すべき項目を自動でレポートしてくれます。
パフォーマンスやアクセシビリティ、SEOなどの評価が可能です。評価結果は、ページを改善するための指標として利用することができます。
Lighthouseは、Google Chromeの拡張機能のひとつであり、導入方法は簡単です。分析、評価したいサイトを表示させて、拡張機能のアイコンからLighthouseを起動させるだけで測定できます。
表示速度 改善のまとめ
今回は、Webサイトの表示速度に関することをみてきて、以下のことがわかりました。
- Webサイトの表示速度はさまざまな要素に影響を与えるため重要な要素
- Webサイトの表示速度が速いほどユーザーはコンテンツに素早くアクセスが可能
- 多くの場合ビジネス目標の達成に直接関連している
- 大きな画像やメディアファイルが含まれていると表示速度が遅くなる原因となる
- 表示速度の計測ができるツールがある
Webサイトの表示速度は、さまざまな要素に影響を与えるため、重要な要素です。表示する速度が速いほど、ユーザーはコンテンツに素早くアクセスが可能となります。
多くの場合、ビジネス目標の達成に直接関係しているため、Webサイトを表示する速度の改善は重要です。表示する速度が遅くなる原因はさまざまですが、大きな画像やメディアファイルが含まれていると、表示する速度が遅くなる原因となります。
表示する速度を測定ツールがあり、自社のWebサイトがどれだけの速度なのかを調べるのに便利です。
自社のWebサイトがどれだけの速度であったり、どのように速度を改善すればよいかわからない場合もあるでしょう。
このようなときは、Webサイトを表示する速度の改善に知見のある、株式会社Jiteraへご相談ください。
自社のサイトを拝見させていただき、どのように表示する速度を改善すればよいか、適切にアドバイスさせていただきます。