【入門編】プログラミング言語Rustとは?できることやメリット・デメリット、将来性まで解説

プログラミング言語Rustは、C++やC、Pythonと比較して人気が高まっています。この言語の特徴は、安全性とパフォーマンスを両立させる点にあります。

Rustの読み方や意味、開発環境について解説し、何ができるのか、使いどころやメリット・デメリット、将来性についても探ります。

特にゲーム開発やシステムプログラミングにおいて、Rustの強みを理解することが重要です。難しいと感じる方も多いですが、その特性を知ることで新たな可能性が広がります。

監修者 元エンジニア takakuni7777

コンピュータの専門学校がプログラミング及び、コンピュータの基礎を学び、その後、日本電気の子会社で働きました。その後、いくつかの開発の仕事を経て,コンピュータの専門学校の講師兼担任を経験し、その後はフリーにてシステムエンジニアやプログラマーの開発の仕事を担当、そのかたわらプログラミングスクールや職業訓練所、企業の新人教育などを担当しました。 25年以上のシステムエンジニア、プログラマーの仕事の経験があります。

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    Rustとは

    Rustは、パフォーマンスと安全性を重視したプログラミング言語で、Mozillaによって開発されました。

    主にシステムプログラミングにおけるメモリ安全性の問題を解決することを目的としており、2006年にグレイドン・ホアレによってその歴史が始まりました。Rustは独自の所有権モデルを採用しており、安全なメモリ管理を実現し、バグの少ないコードを書く手助けをします。

    C++の代替としても注目されており、高いパフォーマンスと効率的な並列処理が特徴です。また、クロスプラットフォーム開発にも対応し、さまざまなオペレーティングシステムで利用可能です。

    このように、Rustはシステムプログラミングだけでなく、ウェブアプリケーションやネットワークプログラミングでも注目されています。

    Rust言語でできること

    Rustは、その柔軟性と強力な機能によって、様々なプロジェクトに適用可能なプログラミング言語です。特にシステムプログラミングや高パフォーマンスアプリケーション、Web開発において、その特性を活かして多くの利点を提供します。ここでは、Rustを使用して実現できる主要な開発領域について詳しく探ります。

    システムプログラミング

    Rustはシステムプログラミングにおいて特に強力な選択肢です。そのメモリ安全性と効率的なパフォーマンスにより、オペレーティングシステムやデバイスドライバの開発に適しています。

    独自の所有権モデルにより、コンパイル時にメモリアクセスのエラーを検出できるため、実行時のバグを大幅に減少させることができます。

    また、低水準の操作が可能で、ハードウェアに近いレベルでの制御が求められるプロジェクトでも、その特性が活かされます。これにより、開発者は安全かつ効率的にシステム関連のアプリケーションを構築できます。

    高パフォーマンスアプリケーション

    Rustの高いパフォーマンスと効率的なメモリ管理能力は、特に高パフォーマンスアプリケーションの開発において優れた効果を発揮します。

    ゲーム開発やデータ処理が求められるアプリケーションでは、Rustの特徴が活かされ、複雑なグラフィックやデータ処理を効率的に行うことが可能です。

    さらに、Rustの安全性は大規模なプロジェクトにおけるバグやセキュリティの問題を最小限に抑えるため、開発者は安心して創造的な作業に集中できます。これにより、効率的で信頼性の高いアプリケーションを実現できるのです。

    Web開発

    RustはWeb開発においてもその能力を発揮します。Rustの高速な処理能力と安全性は、特にWebアプリケーションのバックエンド開発に理想的です。

    強力な並列処理とメモリ安全性により、高負荷のWebサービスやAPIの構築においてもパフォーマンスを向上させ、安全性を確保します。

    また、「Actix Web」や「Rocket」といった人気のWebフレームワークを活用することで、開発者は効率的に、安全でスケーラブルなWebアプリケーションを構築できます。Rustは、モダンなWeb開発における価値ある選択肢です。

    Rust言語のメリット

    Rust言語には、開発者にとって多くのメリットがあります。その最大の利点は、メモリ安全性を保証しつつ、高いパフォーマンスを実現できる点です。

    Rustは、コンパイラによる厳格な型チェックと所有権管理を通じて、コードのバグを減らし、効率的なメモリ管理を行います。

    また、豊富なツール群が用意されており、開発者の生産性を向上させるサポートも充実しています。これらの特性は、システムプログラミングやウェブアプリケーションの開発において、Rustが選ばれる理由となっています。

    コードにバグが少ない

    Rustは、厳格な型システムと所有権モデルを採用しており、これによりプログラム内のメモリ管理が厳密に制御されます。この特徴により、メモリリークやデータの不整合といった問題が大幅に減少します。

    具体的には、各値には一つの「所有者」が存在し、その所有者が範囲外になると自動的にメモリから削除される仕組みです。

    さらに、Rustの型システムは、コンパイラによるチェックを通じて変数やデータの正しい使用を保証します。デフォルトで変数は不変であり、意図しない変更を防ぐために特定のキーワードを使用する必要があります。

    これにより、Rustプログラムは信頼性が高く、エラーの発生を最小限に抑えることが可能になります。

    高速な実行ができる

    Rustは、メモリ安全性を維持しながらも非常に高いパフォーマンスを実現するプログラミング言語です。

    低水準の制御が可能であり、効率的なメモリ管理を行うことで、他の多くの言語と比較しても高速な実行が可能です。コンパイラは最適化を行い、実行時エラーを減少させるため、結果としてアプリケーションのパフォーマンスが向上します。

    特に、ゲームエンジンや高負荷のデータ処理アプリケーションでは、Rustの持つ速度と効率が大いに活かされます。このように、Rustはパフォーマンスが求められる場面でも、その能力を発揮するため、多くの開発者に支持されています。

    並行処理が安全にできる

    Rustは、並行処理を安全に行うための強力な機能を備えています。

    所有権モデルと借用ルールにより、データ競合やバグが発生するリスクを大幅に減少させることができます。

    Rustでは、スレッド間でデータを共有する際に、どのスレッドがそのデータを所有するのかを明確にするため、データの整合性が保たれます。

    このように、Rustは並行処理を行う際の安全性を保証し、開発者が安心してマルチスレッドプログラミングを行える環境を提供します。結果として、効率的かつ安全な並行処理を実現することができ、システム全体のパフォーマンス向上にも寄与します。

    パッケージ管理が充実している

    Rustには、優れたパッケージ管理ツールであるCargoが搭載されており、これが開発者にとって大きなメリットとなっています。

    Cargoは、プロジェクトのビルドや依存関係の管理を自動化し、開発プロセスをスムーズに進めることができます。さらに、Cargoを使うことで、外部ライブラリのインストールやアップデートが簡単に行えるため、開発者は必要な機能を迅速に取り入れることが可能です。

    また、Rustのエコシステムには多くのライブラリが揃っており、これらを活用することで、さまざまな機能を簡単に実装できます。このように、充実したパッケージ管理システムは、Rustの開発をさらに効率的にし、開発者にとっての大きな利点となっています。

    Rust言語のデメリット

    Rustのバージョンアップと仕様変更
    Rust言語には、いくつかのデメリットがあります。特に、UI開発との相性の悪さや学習の難易度の高さ、コンパイル時間の長さが挙げられます。

    これらの要因は、Rustの特性や設計思想に起因しており、特に初心者にとっての障壁となることが多いです。

    また、技術面でもさまざまな課題が残っており、実用的なアプリケーション開発において注意が必要です。以下では、Rustのデメリットについて詳しく見ていきます。

    難易度が高い

    Rustの学習は、独特な所有権やライフタイムの概念が影響し、多くの開発者にとって高いハードルとなっています。これらの概念は、Rustのメモリ管理を革新するものであり、他の言語には見られない特徴です。

    所有権システムは、メモリリークの防止に寄与し、ライフタイムは安全なメモリアクセスを保証しますが、これらを理解するには時間と努力が必要です。

    特に、JavaやPythonのようなガベージコレクションを用いる言語から移行する場合、これらの概念を把握するのが難しいことがあります。

    学ぶためには段階的なアプローチが推奨されており、まずはRustの文法を理解し、その後に所有権やライフタイムの詳細を学ぶことが重要です。初心者にとっては根気強い学習が求められるでしょう。

    開発速度が遅い

    Rustでは、コンパイル時間が長いという問題があり、これが開発速度に影響を与えることがあります。これは言語の高いパフォーマンスと安全性を実現するための複雑なコンパイルプロセスに起因しています。

    特に大規模なプロジェクトや複雑なプログラムの場合、コンパイルにかかる時間が長くなりがちで、開発者は繰り返しビルドやテストを行う際に効率性が低下することがあります。

    この長いコンパイル時間は、開発の迅速なサイクルを妨げ、特にアジャイル開発環境では大きな障害となることがあります。ただし、Rustコミュニティでは、コンパイル時間を短縮するためのツールや手法の開発が行われており、将来的にこの問題が改善される可能性も期待されています。

    実用的ではない

    Rustはシステムプログラミングに優れた特性を持つ一方で、UI開発との相性が悪いというデメリットがあります。

    Rustの所有権モデルや不変性のルールが、UI要素の変更を難しくしているため、一般的なUIフレームワークに比べて開発が複雑になります。

    例えば、UIフレームワークでよく使用される構造がRustには存在しないため、UI開発においては特有の問題が生じることがあります。

    確かに、Rust用のUIライブラリやフレームワークも存在しますが、これらはRustの特性に起因する課題にすべて対応できているわけではありません。そのため、現状では他の言語に比べてUI開発が難しく、実用的なアプリケーションの開発にはさらなる努力が必要です。

    技術面でも課題が多い

    Rustには技術面での課題も多く存在します。特に、UI開発におけるライブラリやフレームワークの成熟度が不足しているため、他の言語と比較して選択肢が限られています。

    加えて、Rustのエコシステムは急成長していますが、依然として他の言語に比べて成熟していない部分があります。新しいライブラリやフレームワークが増えてはいるものの、それらが広く採用されるまでには時間がかかることが多いです。

    また、Rustのコミュニティも活発ですが、情報やリソースが十分に整っていない場合もあり、特に初心者にとっては学習の妨げとなることがあります。これらの課題は、Rustの実用性や採用のハードルを高めている要因となっています。

    このように新しいプログラム言語の習得には、非常に長い時間を要して、それが人材不足をもたらしています、

    代表的なフレームワーク4選

    Rustは、強力で多様なフレームワークを提供しています。これらは、Rustの機能を最大限に活用し、開発プロセスを効率化するのに役立ちます。以下では、Rustで特に人気のある4つのフレームワークについて詳しく見ていきましょう。

    axum

    特徴 説明
    非同期処理 AxumはTokioベースの非同期フレームワークで、高いパフォーマンスを提供します。
    型安全性 Rustの型システムを活用して、コンパイル時にエラーを検出し、安全なコードを実現します。
    シンプルなルーティング 直感的なルーティング機能を提供し、エンドポイントの管理が容易です。
    ミドルウェアのサポート リクエスト処理の過程で機能を追加できるミドルウェアを簡単に実装できます。
    フルスタックサポート HTTPサーバーとWebSocketを同時に扱えるため、リアルタイムアプリケーションの構築が可能です。
    コミュニティとエコシステム 活発なコミュニティがあり、豊富なドキュメントやライブラリが提供されています。

    axumはRustで開発された最先端のWebフレームワークです。このフレームワークは、非同期処理をフルに活用し、高効率なAPI開発を実現します。

    シンプルで直感的なAPI設計により、開発者は迅速かつ容易にプロジェクトを開始し、運用することができます。これにより、axumは現代のWeb開発ニーズに応えるための理想的なフレームワークとなっています。

    ダウンロードは下記から可能となっています。

    GitHub

    また詳しい内容が知りたい方は、下記をご参照ください。

    axumのドキュメント

    Actix Web

    特徴 説明
    高パフォーマンス Actix Webは非同期処理をサポートし、高速なリクエスト処理が可能です。
    強力な型システム Rustの型システムを活かし、コンパイル時にエラーを検出できるため、安全性が高いです。
    ミドルウェアのサポート リクエストの処理過程で柔軟に機能を追加できるミドルウェアを簡単に実装できます。
    エコシステムの豊富さ 多くのライブラリやツールが利用可能で、開発をスムーズに進めることができます。
    非同期プログラミング Tokioなどの非同期ライブラリと統合されており、高効率な非同期アプリケーションの構築が可能です。
    コミュニティの活発さ 活発なコミュニティがあり、豊富なドキュメントやサポートが提供されています。

    Actix Webは、Rust言語で開発された高性能なWebサーバーフレームワークです。

    その最大の特徴は、驚異的な速度と軽量な構造です。Actix Webは非常に高速であり、低オーバーヘッドで動作します。

    これにより、大規模なWebアプリケーションや複雑なWebサービスの開発に最適ですまた、Actix Webは高い拡張性を持ち、多様な機能やライブラリを統合することができます。

    これらの特徴により、Actix WebはRustを使用したWeb開発において、広く利用されているフレームワークの一つです。

    また詳しい内容が知りたい方は、下記をご参照ください。

    Actixの公式HP

    Tauri

    特徴 説明
    軽量なアプリケーション Tauriは、Electronよりも軽量なアプリケーションを構築でき、リソース消費が少ないです。
    セキュリティ重視 Webビューを使用しつつ、ネイティブ機能へのアクセスを安全に管理する設計です。
    クロスプラットフォーム対応 Windows、macOS、Linuxで動作するアプリケーションを一つのコードベースで開発できます。
    Rustによるバックエンド Rustで書かれたバックエンド部分により、高パフォーマンスとメモリ安全性を実現しています。
    簡単なビルドプロセス シンプルなコマンドでアプリケーションをビルドでき、開発がスムーズに進みます。
    Web技術の利用 HTML、CSS、JavaScriptを用いてフロントエンドを開発でき、従来のWeb開発スキルを活かせます。

    Tauriは、Rust言語をベースにしたデスクトップアプリケーション開発のためのフレームワークです。その主な特徴は、セキュリティとパフォーマンスに重点を置いた設計にあります。

    Tauriを使用することで、ウェブ技術を活用してクロスプラットフォームのデスクトップアプリケーションを開発できます。特に、OSのネイティブなWebレンダラーを使用することにより、アプリケーションのサイズを600KB未満に抑えることが可能です。

    例えば、クライアント側の言語として任意のフロントエンドフレームワークを使用できる点や、Rust関数をWebアプリから呼び出すためのシンプルかつ強力なコマンドシステムを持つ点が挙げられます。

    その他にも、以下のような機能を提供します。

    • マルチウィンドウ管理
    • システムトレイ
    • 通知API
    • ファイルシステムやクリップボードの操作

    これらの特徴により、Tauriはセキュリティを重視しながらも、軽量で高性能なアプリケーションの開発が可能なフレームワークとして注目されています。

    さらに詳しい内容を知りたい方は、下記からご参照ください。

    tauri公式サイト

    Rocket

    特徴 説明
    直感的なAPI シンプルで理解しやすいAPIを提供し、迅速な開発が可能です。
    型安全性 Rustの型システムを活用し、コンパイル時にエラーを検出できるため、安全性が高いです。
    デフォルトで非同期 非同期プログラミングをサポートし、高いパフォーマンスを実現します。
    豊富なミドルウェア リクエスト処理を拡張するための多くのミドルウェアが用意されています。
    セッション管理 セッションやクッキーの管理が簡単で、ユーザーの状態を保持しやすいです。
    豊富なドキュメント 詳細なドキュメントがあり、学習や開発をサポートしています。

    Rocketは、Rustで開発された高性能なウェブフレームワークで、直感的なAPIと型安全性が特徴です。

    シンプルな構文により、迅速なアプリケーション開発が可能で、非同期プログラミングをサポートしているため、高いパフォーマンスを発揮します。

    また、豊富なミドルウェアやセッション管理機能を備えており、ユーザーの状態を簡単に管理できます。

    Rocketは、詳細なドキュメントが充実しており、開発者が学びやすい環境を提供しています。そのため、初学者から経験豊富な開発者まで幅広く利用されており、Rustコミュニティの中で急速に人気を集めています。

    さらに詳しい内容を知りたい方は、下記からご参照ください。

    Rocketの公式HP

    Rust言語は流行らない?将来性を考察

    Rust言語は、近年注目を集めていますが、今後の流行についてはさまざまな意見があります。

    Rustは、安全性とパフォーマンスを重視したシステムプログラミング言語であり、特にメモリ安全性に関する特徴が強みです。これにより、バグやセキュリティの脆弱性を減少させることができます。

    企業のニーズに応じて、特に高いパフォーマンスが求められる分野や、IoT、WebAssembly、クラウドネイティブな開発での採用が進んでいます。また、MozillaやMicrosoftなどの大手企業がRustを採用していることも、将来性を示す要因の一つです。

    しかし、Rustは学習曲線が急であり、習得に時間がかかるため、他の言語に比べて普及が遅れる可能性もあります。

    それでも、コミュニティの活発さやエコシステムの成長を考えると、Rustは今後も重要な役割を果たす可能性が高いです。総じて、Rustの将来は明るいと考えられますが、普及のスピードには慎重な観察が必要です。

    まとめ:Rustは現代的なシステムプログラミング言語

    Rustは、現代的なシステムプログラミング言語として、パフォーマンスと安全性を兼ね備えた特徴があります。

    独自の所有権モデルにより、メモリ管理の効率を高め、実行時エラーを減少させることができます。この特性は、システムプログラミングやウェブアプリケーションの開発において非常に有用です。

    また、Rustの豊富なツール群やライブラリは、開発者の生産性を向上させ、クロスプラットフォーム対応も強化されています。

    一方で、学習の難易度やUI開発との相性の悪さなどの課題も存在しますが、これらを克服することで、Rustは今後ますます注目される言語となるでしょう。

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