「iOSアプリを使ったサービスを作りたいと思っているけれど、社内にはそんなリソースはないし、どのプログラミング言語で開発すれば良いのか分からない」「サービスをリリースしたいけれど、プログラミングは専門的な知識が必要だし、考える時間がとれない」といったことはありませんか。
iOSアプリ開発だけにとどまりませんが、言語の選択を誤ってしまうと、エンジニアの採用が難しくなってしまったり、欲しい機能が制限されてしまうかもしれません。
それぞれの言語の特徴を知ることで、そういったことを防ぐことができます。
今回は、iOSアプリ開発 に適したプログラミング言語を紹介していきます。
選ぶポイントや必要な環境についても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
iOSアプリ開発に適したプログラミング言語
使える言語を見極めるためにも、開発を始める前にどんな言語があるのかを知ることが大切です。
主に使われる言語は以下の5つです。
どういった特徴や利点があるのかを抑えていきましょう。
Swift
Swift は、Appleが開発した言語で、多くのApple製品のアプリの開発に使われています。
シンプルな文法で、Objective-Cをもとにして開発されていることが特徴です。
以前のApple製品のアプリは、Objective-Cを使って開発をしていました。
しかし、他の言語と比べて、仕様が複雑で習得が難しく、新しく開発を始めるのに時間がかかっていました。
そこで登場したのがSwiftです。初学者でも開発しやすく、開発スピードが格段に上がりました。
開発速度を重視する場合は、Swiftがおすすめです。
Objective-C
Objective-C は、オブジェクト指向型のC言語で、OS用のプログラミング言語として開発されました。
Swiftと同じく、Apple Storeでしか公開できず、プラットフォームはApple製品に限定されます。
C言語の経験があれば扱いやすく、動的な言語のため、拡張性も高いと言えるでしょう。
また、かなり長い歴史を持っているため、ライブラリの数も豊富です。
ドキュメントなどの情報が充実しており、習得できればさまざまな機能の開発ができると言えます。
JavaScript
JavaScriptを用いたアプリ開発は、ReactNativeを用いて行うことが主流です。
ReactNativeは、Facebookが開発したフレームワークで、iOSだけでなくAndroid開発にも対応しています。
そのため、iOSとAndroid両方でのリリースを考えている場合におすすめです。
また、Expoというプラットホームを使うと、実機で簡単に確認できるなど、開発のハードルが下がります。
JavaScriptやReactの開発経験があると、馴染みやすく、開発コストも低いと言えるでしょう。
その他にもVueNativeやNativeScriptなど、アプリ開発向けに作られたフレームワークが充実しており、人気の言語と言えます。
Python
PythonはWebアプリ開発やデータ解析によく利用されていますが、アプリ開発も可能です。
Web開発で多く用いられながらも、DropboxやSpotifyなどのアプリにも採用されています。
Pythonでの開発では、サーバーサイド側をPython, フロントエンド側をJavaScriptにするなど、フロントエンドの開発用の言語も必要です。
そのため、開発リソースに余裕があるか確認する必要があるでしょう。
iOSアプリ開発言語の選び方
iOSアプリ開発において、プログラミング言語の選び方はプロジェクトの成功を左右する重要な要素です。
プロジェクトに最適な言語を選ぶことで、効率的に開発を進めることができます。
一度決めた言語を途中で変更することは、かなりの工数がかかるため、慎重に選びましょう。
以下のポイントを考慮しながら言語を選択すると、最適な言語を選ぶことができます。
- 開発するアプリの種類
- 開発者の経験や既存のリソース
- ライブラリやフレームワーク
- 将来性
開発するアプリの種類は何か
開発するアプリの種類によって、最適なプログラミング言語は異なります。
高度なグラフィックスが必要なゲームアプリにはSwiftやObjective-Cが適し、シンプルなアプリにはJavaScriptやPythonが向いています。
学習コストの高い言語を選ぶと開発速度が遅くなるため、開発者の経験を考慮することが重要です。
また、言語の仕様により利用できる機能やライブラリに制限があるため、アプリの種類に応じた言語選びが求められます。
最適な言語を選ぶことで、効率的な開発が可能となります。
開発者の経験や既存のリソースがあるか
開発者の経験や既存のリソースを考慮してプログラミング言語を選ぶことで、開発効率が向上します。
扱ったことのある言語に近い技術を選ぶと、新たな学習コストを削減し、リソースを最適に活用できます。
また、既存のサービスと同じアプリを作る場合、技術的に移行可能な言語を調べると、コードの再利用や保守が容易になり、開発期間の短縮やコスト削減が期待できます。
経験や既存のリソースを重視した言語選びが、効率的な開発を実現します。
ライブラリやフレームワークが多いか
ライブラリやフレームワークを考慮してプログラミング言語を選ぶことで、iOSアプリ開発の効率と成功率に直結します。
豊富なライブラリを提供する言語を選び、コミュニティが活発なものを選ぶことで、ドキュメントやサポートが充実し、問題解決が容易になります。
例えば、SwiftのCocoaPodsやReact Nativeの豊富なライブラリは、開発のスピードと品質を向上させます。
また、プロジェクトの要件に合ったライブラリやフレームワークを活用することで、特定の機能を効率的に実装でき、高品質なアプリを迅速に提供できます。
将来性があるか
プログラミング言語を選ぶ際、将来性を考慮することも重要です。
例えば、Appleが推奨するSwiftは新機能やライブラリの追加が期待され、長期的なサポートも期待できます。
また、普及度やコミュニティの規模も重要で、React NativeやFlutterは成長中で多くのプロジェクトに採用される可能性があります。
さらに、企業の採用動向や技術トレンドを考慮することで、開発者の市場価値が高まり、キャリアの幅も広がります。
将来性を考えた言語選びはプロジェクトの成功と開発者の成長に繋がります。
iOSアプリを開発する方法については、以下の記事も参考にしてみてください。
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iOSアプリ開発に役立つおすすめのフレームワークやツール10選
iOSアプリ開発を効率的に進めるためには、適切なフレームワークやツールの選択が重要です。
ここでは、開発スピードを向上させ、品質を保つために役立つおすすめのフレームワークやツールを紹介します。
- Swiftic
- NativeScript
- ReactNative
- Xamarin
- Ionic
- Sencha Ext JS
- Onsen UI
- Flutter
- Corona
- jQuery Mobile
Swiftic
Swiftcは、ノーコードのように、開発の知識がなくてもドラッグ&ドロップでアプリを作ることができるモバイルアプリ開発プラットフォームです。
有料ではありますが、すぐにアプリを作りたいけど開発体制が整っていない!といった時には重宝するでしょう。
iOSとAndroidの両方に対応しているので、クロスプラットフォームな開発ができます。
NativeScript
NativeScript は、JavaScriptを使ってネイティブアプリが開発できるフレームワークです。
通常、SwiftやObjective-Cを学びなおさなければいけませんが、既存のサービスでWebサービスの開発をしたことがあるなら、NativeScriptはそういったことはありません。
JavaScriptを扱っていた人なら馴染みやすく、学習コストも高くないでしょう。
また、NativeScript & Vueなど、JavaScriptのフレームワークにも対応しています。
ReactNative
ReactNative は、JavaScriptのフレームワークであるReactを使ってネイティブアプリ開発ができるフレームワークです。
開発プラットフォームやドキュメントも充実しており、人気のフレームワークの一つと言えるでしょう。
また、JavaScriptのフレームワークとして最も人気なReactをもとにしているため、なじみ深い人も多いでしょう。
Xamarin
Xamarin は、.NET製のアプリを作ることができる開発プラットフォームです。
iOSアプリの開発には、ほとんどのフレームワークでMacが必要ですが、開発元がMicrosoftということもあり、Windowsでも開発が可能です。
開発環境がWindowsしかないけどiOSアプリを開発したいという場合には、検討するのも良いでしょう。
Ionic
Ionic は、PWA(Progressive Web Apps)に対応しているJavaScriptのフレームワークです。
PWAとは、App Storeなどからインストールはせずに、Webブラウザ上で操作できるアプリのことです。
インストールはせずとも、ホーム画面にアイコンを表示させたりプッシュ通知機能を使うこともできます。
ネイティブアプリにこだわっていない場合には選択肢の一つとするのも良いかもしれません。
Sencha Ext JS
Sencha Ext JSは、Sencha社が開発したJavaScriptアプリケーションフレームワークです。
オールインワンというコンセプトで開発されており、フロントエンド開発に必要な機能やコンポーネントが揃っているため、効率の良い開発が可能です。
また、日本語のサポートもされているので、ドキュメントの情報をあたるときも比較的読みやすいでしょう。
Onsen UI
Onsen UIは完全無料のオープンソースで、モバイルアプリ開発に特化したUIコンポーネントです。
こちらは、単体で使用するのではなく、JavaScriptが使用されている開発のUI部分をサポートします。
JavaScriptの有名なフレームワークでは一通り使えるので、モバイルアプリの見た目を簡単にそれっぽくしたい!というときに重宝します。
Flutter
Flutter もクロスプラットフォーム開発のためのフレームワークです。
Googleが開発したDartという言語が使われているため、パフォーマンスが高いのが特徴です。
また、最近のモバイルアプリ開発では、採用されることも多く、人気のフレームワークです。
開発プラットフォームもしっかりしていることや、開発事例も多いことなどからおすすめのフレームワークと言えます。
Corona
Corona もクロスプラットフォーム開発に対応しているフレームワークです。
すぐに開発を始められ、簡単にゲームアプリを作れるということで注目されています。
ゲームには向いていますが、サービスを作るという観点からは、他のフレームワークの方が長けていると言えるでしょう。
検討する際には注意が必要です。
jQuery Mobile
jQuery Mobileは、モバイルアプリケーション向けのフレームワークです。
jQuery Mobile という単体のプログラムで動くわけではなく、jQueryのプログラムに組み込んで使用します。
このフレームワークは、多くのスマートフォンやタブレット間で互換性を持つことが注目されてきました。
しかし、今後は新規機能の開発は行われずにメンテナンスのみを行うという発表もあったので注意してください。
まとめ:最適な言語でiOSアプリを成功に導く
iOSアプリ開発に使われるプログラミング言語は様々なものがあり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
言語やフレームワークによって適切な開発環境があるため、はじめの段階でしっかりと選択しておくことが大切です。
しかし、プログラミング言語を適切に選択するのは簡単ではありません。
言語を選択した後に、「これがコスト的にも良いと思ったけど、エンジニアが採用できない…」「開発体制は整ったのにリリースがとても遅くなってしまう」といったこともあるかもしれません。
こういったことを防ぐためにも、実績が豊富な会社などに一度相談しておくことがおすすめです。
Jiteraには、さまざまなプロダクト開発を推進してきた実績があります。ぜひ一度お気軽にご相談ください。