ソフトウェア開発で迷走していませんか?システム構築を検討しているものの、プロセスがよく分からず立ち往生している方は多いのではないでしょうか。
この記事を読めば、ソフトウェア開発の基本的なプロセスや手法、フローを理解することができます。要件定義から設計、開発、テストとシステム構築における一連の工程が順を追って解説されています。
特に、成功するソフトウェア開発には仕様書の作成が欠かせません。この記事では仕様書の種類や目的、作成のポイントを詳しく知ることができます。よくあるトラブルとその対処法も提示しているので、円滑な開発を実現する手がかりが得られるはずです。
![Nao Yanagisawa](https://xs691486.xsrv.jp/wp-content/themes/JITERA/images/director-nao-1.png)
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
アプリ・システム開発は生成AIを活用することで、従来の開発ではあり得なかった、低コスト・高品質開発・スピード開発が同時に実現できます。
▼従来の開発とAIを使った開発の違い
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システムソリューションを得意とし、新規事業からDX推進まで幅広いジャンルの開発実績があります。
ソフトウェア開発のプロセスとは?
ソフトウェア開発におけるプロセスとは、要件定義から設計、コーディング、テスト、運用・保守に至るまでの一連の流れのことです。プロセスを決めておくことで、開発の効率化や品質の向上を図ることができます。
特に最近では、開発期間の短縮や変更への対応力が求められるため、プロセスの重要性が増しています。プロセスがない状態だと工程がずれたり、手戻りが発生するリスクが高まります。規律ある一連の流れを定めることが、開発成功のカギを握っていると言えるでしょう。
例えば、要件定義でユーザーの本当に解決したい課題をくみ取れなかった場合、完成したシステムが使われなくなる可能性が出てきます。設計段階で性能面の検討が不十分だと、想定を超えるアクセスが発生した際にサービスがダウンしてしまうことも。
開発プロセスがない状態では、このような失敗を起こしやすくなります。一方で、プロセスを明確化することで、手戻りやリスクの低減につながります。部門や担当者が変わっても一貫した開発を進めることが可能になるのです。
ソフトウェア開発・システム構築の基本フロー・工程
ソフトウェアやシステムを開発する際の工程は、大きく要件定義、設計、開発、テスト、納品、保守の6つに分けられます。それぞれの段階で行うべきことを確実にクリアしていくことが重要です。
要件定義
要件定義では、開発するソフトウェアやシステムがどのような機能を持ち、何を実現させるべきかを定めます。ユーザーが解決したい課題や要望をできる限りくみ取り、要件を文書としてまとめ上げます。この段階で、要件を漏れなく洗い出すことが開発成功の鍵となります。
例えば、Webサイトを制作する際には、掲示板機能や検索機能、商品購入機能といった具体的な実現要件をリストアップします。ユーザー側からは「使いやすくわかりやすいサイトがほしい」という、あいまいな要望しか聞こえてこないことが多く、丁寧なヒアリングが欠かせません。
要件定義書に盛り込むべき内容としては、機能要件に加え、非機能要件と呼ばれる品質や性能等の要件も確認する必要があります。例えば、同時接続数100人に耐えうること、処理時間1秒以内を保証すること、といった品質基準を設定します。
ヒアリングで得た情報を、過不足なく要件定義書に落とし込むことがプロジェクト成功への近道となります。改修に強い設計へつなげることも重要視しています。
設計
要件定義で取りまとめた要件を元に、システムの設計を行います。どのような構成・枠組みで要件を実現していくか、詳細なシステム設計図面と文書を作成します。性能面も考慮し、インフラ要件の抽出なども行います。
まずは、アーキテクチャ設計といって、システム全体の構成や処理の流れを定義します。主要な構成要素をブロック化し、各コンポーネント間の関係性を図解化します。次に詳細設計として、個別機能単位での処理手順やデータ構造を詳細に明記します。
設計段階では非機能要件への対応も大切です。例えば、同時アクセス数100人という要件があれば、クラウドサーバーのスペック選定やデータベースのレプリケーション設計が必要になります。パフォーマンス面やセキュリティ面も踏まえた設計ということになります。
設計が要件定義と乖離していれば、本来の目的を達成できないシステムになってしまいます。要件定義と設計の整合性を十分に検証する工程を確保することが大切です。
開発
設計段階で考案した設計図に基づき、実際に開発作業に入ります。プログラムのコーディングを行い、設計通りのシステムを構築していきます。設計に不備があれば見直しを行うこともあります。
まずは、設計図から個別機能を分割して担当者に割り振ります。各自が担当機能のコーディングを実施し、単体テストを行って動作確認を取っていきます。単体テストを通過した個別モジュールを統合していき、最終的には全体システムとしてコーディングと動作検証を完了させます。
コーディングでは、データベースやOSなどサードパーティ製品とも連携する必要が出てきます。この際には製品毎のインターフェース仕様に合わせて実装作業を進めなければなりません。また性能試験結果を見ながら、設計の見直しも発生することがあります。
開発フェーズは、とりわけ人的ミスが発生しやすい段階です。コーディング規約の厳守やレビューによるチェック体制を確保することが重要だと言えます。
テスト
開発したシステムについて、設計書や要件定義書との照合を行います。動作テスト、性能テストといった手法で、システムに不具合が残っていないかを確認します。不具合が見つかれば、再度開発側にフィードバックして改修します。
まず単体テストとして、個別機能が仕様通りに動作するか確認します。次に複数機能間の連携動作を確認する結合テストを実施します。さらに、全体システムとしての総合テストを行い、想定している使用環境で正常にサービスが提供できることを検証します。
性能テストの面では、要件に定めた最大同時接続数などの値に対して余裕を持った耐久試験を実施します。実際の運用を模したデータ量での処理テストも欠かせません。
テスト工程では、開発者とは別の立場のテスト担当者が品質チェックを行うことが大切です。要件から外れた動作や仕様書通りでない点を厳密にチェックします。テストを通じてシステム品質を向上させることが目的といえます。
納品
テストをパスしたシステムを顧客に納品します。データ移行や教育といった作業の支援も行い、顧客側での利用開始まで技術支援を継続することが大切です。
納品に先立ち、顧客にシステムをデモする作業を行い、最終確認を取り付けます。要件と照らし合わせて、漏れのない動作を実現できているか、再確認する時です。
その後、顧客環境へ実際にシステムを設置する作業に移行します。利用されるサーバーやネットワーク製品の設定や、データ移行のための仕込み作業が発生します。データ移行時には既存データとの整合性や完全性もチェックする必要が出てきます。
システム利用に関する啓蒙活動も重要です。操作マニュアルの作成や研修の実施によって、顧客側での理解度を高め、正しく利用いただけるよう配慮が求められます。
稼働開始時も、数日〜数週間は顧客に常駐してサポートを提供することが一般的です。不具合や操作上の疑問に対し迅速に対応することで、顧客に安心感を与えることができます。
保守
稼働を開始したシステムについて、バージョンアップや不具合修正といった保守を行います。技術動向に合わせた改修も継続的に実施し、安定稼働に努めます。
稼働後、しばらくすると顧客から改善要望が出てきます。使い勝手の良い機能を追加してほしい、といった要望に対応する形でバージョンアップを図ります。ユーザー数の拡大などもあってスペック変更が必要になることもあります。
不具合については、迅速な原因究明と修正が求められます。稼働に影響が大きく重大な不具合の場合は緊急対応を心がける必要があります。データや設定の破損といった深刻な不具合が多いシステムの場合、冗長化などの対策強化が求められます。
BAや英語版対応といった法改正への追従も保守業務に含まれます。技術動向の変化に伴う改修にも、継続的に取り組む必要があります。
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主要なソフトウェア開発の種類・手法
ソフトウェア開発にはウォーターフォール型やアジャイル型、プロトタイプ型といった手法があります。それぞれ特長が異なり、案件の特性に合わせて使い分けが重要です。
ウォーターフォール型
要件定義から設計、開発、テストと順を追って工程が進む手法です。手戻りが少ない反面、要件変更への対応力に乏しいデメリットがあります。大規模案件向けといえます。
ウォーターフォール型は、まず事前にしっかりと要件定義を行い、これをもとに工程ごとにフェーズを進めていく手法です。要件が固まっている大掛かりな案件向けとされています。工程が終わるごとにマイルストーンを設け、次工程に移行する前に確実にレビューを行います。
例えば、基幹システムの開発案件などは事前要件がある程度想定しやすいため、計画的に工程を進められるウォーターフォール型が向いています。反面、要件の変更に対して柔軟な対応がしづらいといった短所もあります。
ウォーターフォール型は、変化に弱いが品質は安定するという特徴があります。大規模で基本設計が固まっているようなプロジェクトに適している手法といえるでしょう。
こちらの記事では、ウォーターフォール型開発について詳しく解説しています。ぜひ、ご一読ください。
アジャイル型
小刻みに要件定義→開発→テストを繰り返し、頻繁にリリースする手法です。要件変更への柔軟性が高く、スピード重視の案件向きといえます。
アジャイル型は短期間のスプリント(開発サイクル)を連続的に回すことで、頻繁な要件反映とリリースを可能にする手法です。スプリント期間は通常2〜4週間程度とし、定期的にリリース可能な製品を出すことを目指します。
要件がまだ固まっていない段階や、変更が予想される場合に向いています。掲示板やSNSといった変化の速いサービス開発向けが適しているでしょう。反面、大規模なシステム開発には向きません。
期間が短く要件も固定しにくい、Webサービス等の開発が向いています。納期を重視するよりも、良いものを早く出すことにフォーカスした開発手法と言えます。
こちらの記事では、アジャイル型開発について詳しく解説しています。ぜひ、ご一読ください。
プロトタイプ型
まずは試作システムを開発し、実際に触って要件を確認する手法です。ユーザー要件が不明確な時に向いています。
プロトタイプ型は、まず短期間でシステムの試作版を作製します。これをユーザーに触ってもらいながら、実際の利用シーンを想定した要件定義を行っていきます。使ってみて、いろいろ改善が必要であることに気づくことも多く、要件漏れを減らすことができます。
開発したプロトタイプは一度破棄し、本番のシステム構築に移行します。プロトタイプでの要件確認をもとに、本開発の方針や設計を練り直す形です。新技術の導入検証にも向いているとされます。
一方で、コストや期間がある程度増えるデメリットがあります。要件定義と設計にあらたにプロトタイプ作成という工程が追加されるためです。
ソフトウェア開発における仕様書の作成
ソフトウェア開発プロジェクトを成功させるには、仕様を文書化した「仕様書」の作成が欠かせません。仕様書には、開発するものの目的や内容、品質基準等を明確に定義する効果があります。
例えば、Webサイトを制作する場合、最初に顧客が「どのようなサイトが必要か」を要求仕様書にまとめます。次に作成する機能の一つ一つを機能仕様書で明示します。このように、開発フェーズごとに必要な仕様書を作成することが大切なのです。
今回は、仕様書の目的と種類、そして作成時のポイントを解説します。ソフトウェア開発の成功には仕様書が不可欠な要素であることをご理解いただければと思います。
仕様書の目的と重要性
仕様書は開発するものを明確化し、メンバーの認識を合わせることが目的です。仕様を抜け漏らさず文書化することが大切です。
ソフトウェア開発では、要件定義から設計、開発、テストと多くの工程を経て完成します。そのため、関係者間で認識のずれが起こりやすくなります。仕様書は、工程ごとに関係者の認識をまとめ上げ、ずれを防ぐことがその主要な目的です。
例えば、要件定義段階で管理者側が「データの相互運用性が必要」と発言していても、設計段階のエンジニアがその通り認識できていなければ、後工程でつまずきが発生します。仕様化することで認識齟齬を減らし、円滑な開発を実現するのです。
品質基準等も文書化することで、テスト工程での判断基準を明確化できます。「要件通りの仕様か」を明確に判断できるのです。ソフト開発の成功には、仕様漏れの無い完成度の高い仕様書が欠かせません。
仕様書の種類
ソフトウェア開発において、フェーズや目的に応じて様々な種類の仕様書が存在します。要求定義段階、設計段階、テスト検証段階と、工程ごとに異なる種類の仕様書を作成することが一般的です。
代表的な仕様書として、要求仕様書、機能仕様書、設計仕様書、テスト仕様書が挙げられます。次項からはそれぞれの種類別仕様書について詳しく見ていきます。
要求仕様書
顧客が必要とする、機能やシステムを定義する文書です。
要求仕様書は、名字が示す通り、顧客が開発に対して要求している事項を文書化したものです。Webサイトであれば、掲示板機能が必要だとか、検索機能で検索ワードを絞り込みたい、といった要望事項をできる限り包括的に定義します。
要求事項を漏れなく文書化することが重要で、ヒアリング時だけでなく顧客の業務もある程度把握した上で作成することが理想です。一言で「使いやすいシステムがほしい」といった、漠然とした要望では開発が行えないため、できる限り具体的に要求定義を示す必要があります。
要求仕様書は、後続の機能仕様定義や設計につながっていく、ソフト開発における起点となる文書といえます。要求事項を抜け漏らすことなく定義することが大切です。
機能仕様書
実装する機能の詳細事項を、文書化するものです。
機能仕様書は、個別の機能単位で実装すべき内容を詳細に定義した文書です。要求仕様書で示された事項を基に、実際にプログラムとして作成すべき機能の仕様を具体的に明記します。
例えば、「検索機能を作成する」という要求仕様があった場合、機能仕様書では、具体的にどのデータから検索させるか、検索条件は何を指定できるか、検索時の待ち時間はどの程度まで許容するか、といった細部の定義を行います。
機能仕様書に定められた内容は、後続の設計および開発作業において実装条件となります。個別機能レベルでの品質基準や、条件を設定することで、安定したソフト開発を実現することが期待できるのです。
設計仕様書
内部設計や処理フロー等を文書化したものです。
設計仕様書は、ソフトウェアの内部的な構造や処理フローに関する詳細仕様を示す文書です。どのようなモジュールで構成され、各モジュールがどのような処理を実行するか、といった設計図面と考え方を文章化します。
例えば、外部インターフェースを担当するモジュール、データベースと連携するモジュール、業務ロジックを実装したモジュール、というふうに構成要素を切り分けて、それぞれの働きとデータの受け渡し等の関係性を文章と図で明確化します。
外部仕様である機能仕様書から、内部仕様へ具現化するための定義が設計仕様です。これに基づいて、コーディング作業が実施されることから、設計漏れを減らすことが大切になります。
テスト仕様書
テスト項目やケースを示した文書です。
テスト仕様書は、ソフトウェアテストにおいて検証する項目と手順を文書化したものです。机上検証だけでなく実際のテスト作業の指針が記載されています。
例えば、ある機能テストの場合、テストする対象機能名、入力条件(テストデータ)、期待される結果を列記します。また負荷試験の場合は、アクセスユーザー数や同時処理条件を定義します。
テスト仕様がない場合、テスト担当者の担当者によって検証方法がバラバラになりがちです。テスト項目を漏らさず文書化することで、品質基準を統一し、全体のテスト品質を担保できるのです。納品物の完成度チェックには欠かせない文書といえます。
仕様書作成のポイント
関係者の認識の違いが無いかを、必ず確認しましょう。
仕様書作成にあたって重要なポイントは、関係者間の認識ズレを防ぐことです。担当者が交代しても区切りごとに認識を合わせる作業が欠かせません。例えば、要件定義書作成後は関連部門に内容確認を求める等の対応が必要です。
作成した文書のレビューも重要なプロセスとなります。単に文面のチェックに留まらず、要件自体が適切に定義されているか、設計に漏れがないか、といった水準感の確認を複数人で行う必要があります。
さらに、用語の定義統一も大切なポイントです。同じ用語でも認識のレベルに誤差がある可能性があり、開発後工程で支障をきたす場合があるためです。専門用語は極力平易な言い換えを検討することも有効な対策の一つと言えるでしょう。
ソフトウェア開発のよくあるトラブルと解決策
ソフトウェア開発とは、万全な準備と計画の元で進められるものであっても、多くの場合思わぬ問題が発生するものです。要件定義の曖昧さや、設計上の欠陥、開発中の不具合など、様々なトラブルが頻発します。
こうした問題が生じた際、適切な対応を取らなければ手戻りや工数超過を招き、開発の失敗につながりかねません。そこで今回は、ソフトウェア開発で多くみられる代表的なトラブルと、その解決策を紹介します。未然防止に努めるとともに、もしも問題が起きた際の対処の仕方を把握しておきましょう。
仕様書の不備
要件が不足していたり、定義ミスがあることで発生します。仕様レビューを徹底して未然に防ぎましょう。
ソフト開発で最も頻発するトラブルの一つが、仕様書の内容に不備があるケースです。要件定義漏れや認識の相違により、開発後工程で方針修正が必要になることがしばしばあります。最悪の場合、当初期待した成果物が実現不可能と判明することもあります。
例えば、利用者数10万を想定した性能設計だが、実際には100万アクセス程度が見込まれる場合などです。あるいは、データ移行手法について詳細検討不足なため、複数システム間のデータ連携に失敗する場合などが考えられます。
こうした事態を避けるには、仕様書のレビューを形式的にせず、要件漏れがないかを本質から検証するプロセスが欠かせません。マネジメント側の責任で検討会を重ねる等の対応が求められます。
設計のミス
設計段階で、パフォーマンス面やセキュリティ面の考慮が不足しているケースです。レビューとテストの強化がカギです。
ソフト開発後半で発生するトラブルの多くは、基本設計時の検討不足が原因といえます。特に非機能面である性能やセキュリティを十分考慮せずに設計を組み立ててしまうことで、テスト段階や稼働後に様々な問題が噴出してしまうことがあります。
例えば、同時アクセス数に対するデータベースアクセス競合やデッドロックは、負荷テストで初めて発覚することがありえます。またセキュリティ面での脆弱性が、本番運用開始後に表面化してしまうケースも少なくありません。
このような事態を回避するには、設計フローやアーキテクチャのレビューを複数人で重ねるとともに、テスト項目・ケースを網羅的に設定しておくことが欠かせません。時間や手間を要する対応ではありますが、手戻りを減らすうえで非常に有効な手段といえるでしょう。
不具合の発生
想定外のバグやエラーが多発する事態です。 原因特定と対処に、全力を注ぎましょう。
ソフト開発でよくあるパターンとして、テスト段階や納品後の稼働で想定外の不具合が頻発してしまうケースが挙げられます。見落としていた仕様や、複雑な条件分岐が原因でバグが続出したり、サーバーやネットワークの負荷上昇に伴いシステムエラーが多発することがあります。
例えば、算出結果の桁落ちや、データ整合性が取れてなかったり、ファイルアップロード機能で想定外のフォーマットが処理できなかったりするケースが考えられます。
こうした事態への対処としては、まず原因の特定と臨時対応を最優先で実施します。並列して、根本原因の解析を行い再発防止策を練ることが欠かせません。予備機の確保など、リカバリ体制の拡充にも取り組む必要があるでしょう。
スケジュール遅延
作業量見積りミスや、要件変更が遅延の原因となります。タスクの再把握と工程見直しがポイントです。
ソフト開発の現場でよくみられるパターンとして、計画よりも作業が想定以上に遅れてしまうスケジュール遅延があります。見積りミスや、要件変更に伴う設計変更や修正が増え、結果として納期に間に合わない事態となります。
例えば、データ移行の作業量を甘く見積もっていたためにテスト期間を圧迫する、といったケースが考えられます。あるいは顧客からの変更要望が仕様に大きな影響を与え、当初のスケジュールどおりに作業を進めることが困難になってしまった、という場合も少なくありません。
この対策としては、期日に間に合わせるため工程や人員の見直しが欠かせません。業務内容を再確認し、作業工程と所要時間の再見積もりを迅速に実施し、工程計画の補強を図ることが重要です。 要件変更への柔軟な対応も同時に図っていきます。
予算オーバー
人員増や工期延長が、予算超過につながります。作業範囲の絞り込みと精査がカギです。
ソフト開発プロジェクトでは、スケジュール遅延に伴って予算も当初の見積りを超えてしまうケースがよくみられます。開発体制の拡大や、テスト期間の延長が人件費や稼働コストの増大につながり、結果的に予算オーバーを招いてしまいます。
例えば、テスト工程で多数の重大な不具合が発見され、開発側の人員を増強せざるを得なくなったために、予定の1.5倍のコストが必要になってしまったというようなケースです。
この対策としては、まず現時点での予算超過がどの程度かを正確に把握し、残工程の作業範囲を見直す必要があります。顧客との交渉のうえで、要件の優先順位付けを行い、可能な限り削減できる工程を絞り込んでいく等の対応が欠かせません。工数やリソースをある程度ひっ迫させる覚悟も必要でしょう。
まとめ:効率的なソフトウェア開発とは
ソフト開発を成功させる上で大切なことは、しっかり文書化した仕様書と、体系的なプロセスの徹底にあるといえます。トラブルが起きた際の迅速な対応も、欠かせません。
Webサイトやシステム開発を検討中の方は、実績豊富な開発会社に相談することをオススメします。要件定義支援や詳細な計画提案などを通じ、成功への近道を提示してくれるでしょう。
株式会社Jiteraでは、様々な開発プロジェクトを手がけてきた経験があります。貴社の要件に対する的確なアドバイスが提供できるので、検討段階でぜひ一度ご相談ください。