企業のビジネス活動を支えているIT環境を如何に管理・運用するのかはとても悩ましい課題です。サーバーの運用方法には、「オンプレミス」や「クラウド」といった手段がありますが、それぞれにメリット・デメリット(課題点)があり一概に「この方法がベスト」とは決められません。
この記事ではオンプレミスとクラウドの違いについて詳しく解説し、クラウドの活用が進む中で生まれた「ハイブリッドクラウド」を含め、それぞれの運用方法のメリットやデメリット(課題点)、クラウドへ移行する際のポイントについてもご紹介します。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
オンプレミスとは?
オンプレミス(on-premises)は、デジタル時代における「自給自足」のIT戦略とも言えます。
このシステム構築方式では企業は自らの持つ施設に情報技術のインフラを全て設置して自身で管理と運用を行うため、クラウドとは対照的にカスタマイズの自由度が高いと言えます。
特徴としてはデータの物理的な所在が明確なため、企業はセキュリティとプライバシーの面で厳しい基準を自身で設定し管理することができる点があります。
また、オンプレミスはシステムの遅延を最小限に抑えることができるため、リアルタイム処理が必要な業務には特に適しており、金融機関や大量のデータを即座に処理する必要がある研究施設などではデータ転送の遅延が許されないため、オンプレミスの利用が適しているといえるでしょう。
オンプレミス型の導入方法
オンプレミスの情報システムを運用するには、以下のプロセスが必要です。
1.計画・設計
システム導入の第一歩であり、全体の方向性を決定づける重要な段階です。
- 現状の課題や要件を整理し、システムの目的と範囲を明確にする
- 必要なハードウェアとソフトウェアを選定し、システム構成を設計する
- 予算やスケジュールを立案する
2.調達・構築
計画・設計に基づいて、実際のシステムを構築していく段階です。
- 設計に基づいて、必要な機器やソフトウェアを調達する
- サーバーやネットワーク機器を設置し、ソフトウェアをインストールする
- 各種設定を行い、システムを構築する
3. テスト
構築したシステムの品質を確保するための重要な段階です。
- システムが正常に動作するかを確認するため、各種テストを実施する
- 単体テスト、結合テスト、統合テストなどを行い、不具合を修正する
- 性能テストやセキュリティテストも必要に応じて実施する
4. 導入・移行
テストが完了したシステムを本番環境に移行する段階です。
- テストが完了したら、本番環境へシステムを導入する
- 既存のシステムからデータを移行し、切り替え作業を行う
- ユーザー向けの説明会や研修を実施し、スムーズな移行を図る
5. 運用・保守
システムを継続的に利用するために必要な段階です。
- システムの安定運用を維持するため、定期的な保守作業を行う
- バックアップやパッチ適用、セキュリティ対策などを実施する
- ユーザーからの問い合わせ対応や、不具合の修正にも対応する
お気軽にご相談ください!
オンプレミス型を導入する際の注意点
ここまでで、オンプレミス型のメリットについては、理解していただけと思います。
本章では「オンプレミス型導入時の注意点」について詳しく解説していきます。
クラウドサービスとは異なり、初期費用が高額になったり、専門的な知識が必要になったり、運用・保守の負担が大きくなったりする可能性があるので、導入を検討される際にはぜひ参考にしてください。
初期費用が高額
オンプレミス型のシステムを導入する際、自社でサーバーやネットワーク機器などを購入する必要があります。これらの機器は一般的に高価であり、一度に大きな金額を投資しなければなりません。
また、システムを構築するための専門家への報酬も必要となるため、初期費用が高額になる傾向があることもあります。
専門知識が必要
オンプレミス型のシステムを導入・運用するには、ITの専門知識が必要不可欠です。もし社内にそのような人材がいない場合は、外部の専門家に頼らざるを得ませんが、そうすると費用がかさみます。
これらの知識を社内で育てるには、教育と実務経験が欠かせません。そのため、社内で専門知識を持つ人材を育成するか、費用対効果を考えて外部に委託するかを検討しなければなりません。
Jitera社では、大企業のDX施策や新規事業、およびスタートアップの事業開発などを行っています。豊富な実績と経験を持つ技術者が、あらゆるITやシステムの疑問にお答えします。
運用・保守の負担がかかる
オンプレミス型を選ぶと、システムの管理や保守は自分たちで行わなければなりません。つまり、以下のような作業が必要になるのです。
- システムに問題が発生した際の対応
- ウイルス対策などのセキュリティ対策
- ソフトウェアのアップデート
- 古くなったハードウェアの交換や、性能向上のための増設
- データのバックアップとその管理
これらの作業は専門的な知識が必要で、人手もかかります。そのため、自社で対応するには、それなりの負担がかかってしまうのです。
比較表でわかる!オンプレミスとクラウドの違い
オンプレミスもクラウドも、どちらも企業のデータ管理やアプリケーションの実行、日々の業務作業を支える重要な情報システム運用方法です。
現代のビジネス環境において、一人ひとりに支給されたPCで出来ることはごく限られており、大抵はネットワーク越しに巨大なコンピューターを遠隔操作することになります。そのため、PCを使う様々な業務には、そのシステムを実行するためのサーバーや通信環境が不可欠となります。
ですが、システムの規模が大きくなればなるほど必要になるサーバー環境の規模も大きくなるため、その構築方法や運用コストは大きな課題です。
オンプレミスやクラウドといった用語は、この巨大化するIT環境(サーバー)をどのように構築、運用するかを表した用語です。その他にもレンタルサーバーなどの様々な運用方式があります。
現在は、オンプレミスとクラウドが主流になっています。
オンプレミスもクラウドも、構築、運用、管理において様々な点でメリット・デメリット(課題点)が存在するため、各々を理解した上で選ばなくてはいけません。まずは、この2つの基本的な概要と違いについて解説します。
オンプレミスとクラウドの違い
オンプレミスとクラウドの違いは、物理的にサーバーを自社が管理している専用施設に置くか、クラウドサービス事業者が持つデータセンターを利用するかが大きな違いになります。置く場所がかわるということは、構築や運用、管理にも大きな違いが生まれます。
以下は、オンプレミスとクラウドの比較表です。
比較項目 | オンプレミス | クラウド |
初期費用 | 必要なハードウェア・ソフトウェア一式の準備費用 | 多くの場合は不要 |
ランニングコスト | 電気代、保守点検費、場所代、管理する人件費等 | 月額料金+従量課金 |
導入までの期間 | 必要な設備が整うまで(たいてい数ヶ月) | 契約後すぐ利用可能 |
カスタマイズ | 自由 | サービス事業者が許可している範囲まで |
セキュリティ | 必要セキュリティを必要な分実装可能 | 運営会社により様々 |
その他 | インターネットが使えなくても利用可能 | インターネットがあれば自由な場所や端末で利用可能 |
オンプレミス環境のメリットと課題点
オンプレミスは、自社の施設内に全ての環境を置くことによる完全なセキュリティコントロールと、独自システムや特殊な装置でも連携できる自由なカスタマイズ性が魅力の運用手法です。
初期投資やランニングコストが高くなることや、運用をスタートするまでに必要な準備期間が長くなることが気になりますが、独自のシステムが必要な場合はオンプレミスを選ぶと良いでしょう。
本章では、オンプレミスの具体的なメリットと課題点について解説します。
オンプレミス環境のメリット
自社施設内に環境を用意して、自社のネットワーク上で運用するため、以下のメリットがあります。
- 外部ネットワークからの干渉を受けない
- 自由にカスタマイズできる
オンプレミスを利用する場合、自社独自の専用システムやセキュリティポリシーにあわせてカスタマイズ出来ることが特に大きなメリットです。
現在はクラウドサービス各社も様々な追加オプションやセキュリティサービスを用意していますが、やはり独自システムや特殊な要件が必要ならばオンプレミスでなければ対応できません。
社内の独自システムやセキュリティポリシーにあわせた構築や、既存の業務システムとの互換性も確保しやすいため既に確立されたシステムが多い会社に最適です。
また、オンプレミス環境は外部ネットワークからの干渉がなく構築が可能です。そのため、外部からの攻撃を受けづらく、セキュリティレベルもコントロールしやすいです。
その他にも、ネットワーク環境に制限があるケースや、そもそもインターネット自体に繋げられないような環境でも利用できるのもオンプレミス環境のメリット。
小規模ならばクラウドよりも管理しやすい点、社内にサーバーを確保しているのでオフライン環境でも運用できる点が魅力です。
オンプレミス環境の課題点
社内に置いておくことで融通が効くといえば聞こえがいいですが、逆に言えば所有して管理するということは多くの手間が掛かります。
オンプレミスの課題点としては、以下が考えられます。
- 初期費用が高い
- 保守点検に手間とコストがかかる
- サーバーや回線が占有するスペースが必要
- サーバーの性能を簡単には変更できない
- 外部サービスとの連携や、自宅からの接続がやりづらい
- 最新技術を適用するのに時間がかかる
費用や人員をはじめ、物理的なスペースなどありますが、近年ではリモートワークも増えたことから自宅からの接続が容易ではないことも大きな課題となっています。
クラウド環境のメリットと課題点
クラウドサービスは、拡張性が高く低コストで運用できる点が魅力の運用方法で、様々なクラウドサービス事業者が各ニーズに合ったサービスを展開しています。しかし、セキュリティや機能がベンダーに依存する点やカスタマイズのしにくさに懸念があり、従量課金によって思わぬコスト増加が発生する場合もあります。
サーバー管理の手間や導入コストを削減し、低コストでより柔軟なリソース運用を実現したいならばクラウドの活用を検討しましょう。
本章では、クラウドの具体的なメリットと課題点について解説します。
クラウド環境のメリット
クラウドにシステムの管理を任せることで、コストの削減や自由なリソース配分が可能になります。
具体的なクラウドのメリットは、以下になります。
- 運用や管理の手間が不要
- 初期費用を抑えやすい
- 性能や機能の拡張性が高い
- 端末さえあれば場所を選ばない
低コストかつ効率的なサーバー運用がクラウドの最大の魅力です。特に管理の手間を削減できる点や柔軟にシステムの拡張縮小が行える点は、オンプレミスでは実現できない大きなメリットと言えるでしょう。
クラウド環境の課題点
クラウドは業務データやシステムを外部のデータセンターに預けることになります。そのため、その手軽さと引き換えにセキュリティやシステム連携にいくつかの不安があります。
クラウドの代表的な課題点としては、以下が考えられます。
- ニーズに合わせたクラウドサービスを選ぶ必要がある
- 外部からのアクセスをコントロールしづらい
- セキュリティに不安がある
- オフライン環境下では使用不可能
- 独自システムや既存システムとは相性が悪い
- カスタマイズ性が低い
様々な形式のクラウドサービスがあり、自身の利用形態にあわせたサービスを選ばなければ、金銭的にも人員的にもコストが無駄に掛かことが大きな課題点です。
また、ネットワーク帯域やトラブルによってサーバーが重くなると業務に支障をきたす可能性も。
サーバーをクラウド化にするためにはニーズに合ったものを選び、利用するクラウドサービスの機能を理解して、既存システムとの連携をすることが重要です。
オンプレミスとクラウドのどちらが最適か
オンプレミスとクラウドの選択は、企業の特定のニーズ、セキュリティ要件、運用の柔軟性、およびコスト効率に基づいて検討されます。それぞれのアプローチには独自の利点と制約があり、適切な選択をすることが必要になります。
本章では、それぞれでおすすめなケースを詳しく紹介していきます。
オンプレミス環境がおすすめのケース
具体的にオンプレミスを選ぶ方が適しているケースとは、一体どのようなものがあるでしょうか。
例えば以下のようなサーバー運用を行いたい場合、オンプレミスのほうがクラウドよりも適しています。
セキュリティが重要なシステムを運用
機密性が高い情報や、閲覧履歴などのやり取りが明確に記録されなければならないような情報を扱う際には、オンプレミスで運用するメリットが大きいです。
自社の出入りを管理し、そもそもサーバーにアクセスできる人間を物理的に選別することで情報の機密性を高めることができます。
特殊なシステムや既存の独自システムとの連携が必須
独自システムや有線接続が必須の外部装置など、特殊なシステムと連携を行う場合、スムーズなシステム連携が可能です。
大量のデータを扱うシステムを運用する
大量のデータを扱い場合は、クラウドよりもオンプレミス環境が安定しているため適しています。
また、大量のトラフィックが発生するシステムは、クラウドを利用すると多額のコストが掛かります。
自社のビジネスや要望に直結するようなシステムやサービスを運用する
クラウドでも様々なオプションを用意しているものの、オンプレミスのカスタマイズ性には劣ります。
そのため、社内ルールや特殊な事情に沿った環境が必要なケースではオンプレミスのほうが取り扱いやすい
社内ネットワークのみに限定したい
データの特性やインターネット回線が利用できない場合など、社外のネットワークに繋げないケースでは、オンプレミスが最適です。
クラウドはネットワークに依存するため、特に高いセキュリティが必要だったり、インターネット回線のない環境下ではオンプレミス環境の選択が必要です。
クラウド環境がおすすめのケース
具体的にクラウドを選ぶ方が適しているケースとは、一体どのようなものがあるでしょうか。
例えば以下のようなサーバー運用を行いたい場合、クラウドのほうがオンプレミスよりも適しています。
初期費用を抑えたい、迅速に運用を始めたい
クラウドを活用すれば初期費用を抑えて迅速にシステムを運用開始できます。機材の購入費用が不要になることに加え、導入期間も大幅に短縮できるためすぐに運用を始めたい人におすすめです。
運用・保守の費用を抑えたい、運用の手間を減らしたい
クラウドならばサーバーの運用や保守は全てベンダーが行なってくれるため、使用するリソースを管理するだけです。
オンプレミス環境の場合、サーバーの運用や保守には専門のスタッフが必要になり、継続的な点検業務が発生します。
リソースが足りないという会社はクラウドであれば運用コストが抑えられます。
サーバー機能や性能の拡張性(スケーラビリティ)が必要
クラウドは、特定の時期に需要が増加するようなシステムや、一時的に容量が必要なるケースなど、ビジネスをする上での「融通の利きやすさ」が魅力です。
例えば繁忙期にだけコストを掛けてサーバーを強化し、必要最低限でいい閑散期は低コストで運用するなどの柔軟な運用が可能になるので、柔軟に対応したいという会社はクラウドがおすすめです。
災害対策や地理的な制約が必要
システムをクラウドで運用することで、利用者は場所を選ばずにシステムを利用できます。
災害時に継続していつものシステムが使えたり、リモートワークなどの対応も行いやすくなったりするので最近ではクラウド導入も増えているほどです。
また、海外に拠点を構えているなどの地理的な制約があるケースでも、同じシステムを利用できるのでグローバルに対応したい会社にはクラウドがおすすめです。
オンプレミスとクラウドを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」
オンプレミスの圧倒的なカスタマイズ性の高さと、セキュリティコントロールが明確な点はとても魅力的です。一方でクラウドを使ったコスト削減や柔軟なスケーラビリティは、現代ビジネスにとっては必要不可欠な要件になりつつあります。
そのため、クラウドサービスの中には、サーバーを様々な人と共有する「パブリッククラウド」ではなく、自社専用に用意されたクラウドサーバー内に環境を構築する「プライベートクラウド」という選択肢が用意されています。
プライベートクラウドならば、一般的なパブリッククラウドに比べてコストは掛かりますが、オンプレミスに似たより強固なセキュリティを確保しつつ保守管理の手間を削減することができます。
※他にも自社施設内にクラウド設備を作ってしまうオンプレミス型プライベートクラウド方式なども存在しますが、ここでは所謂ホスティング型のプライベートクラウドを取り扱います。
とはいえ、プライベートクラウドを利用したとしても、オンプレミスのように一般的ではない特殊な独自システムを扱うことは出来ません。そこで、オンプレミスのメリットとクラウドの柔軟性を兼ね備えた「ハイブリッドクラウド」という運用手法が注目を集めています。
ハイブリッドクラウドは、オンプレミスとクラウドの両方を併用して一つのシステムを構築する運用方法です。
オンプレミスとクラウドには、以下の通り適しているシステムが違います。
システムの運用方法 | 利点 | 適しているシステム | |
オンプレミス | 自社施設内にシステムを構築し、自社独自のシステム環境を実現する | 独自のシステムを扱える
物理的にサーバーを隔離できる |
クラウドに任せられない、自社内で抱えるべき最高機密のデータや特殊な装置を必要とするシステム |
パブリッククラウド | 巨大なクラウド環境を他のユーザーと共有で使用し、低コストで一般的によく使うシステム環境を実現する | リソースを柔軟に拡張できる
低コストで運用可能 |
リソース量が時期によって大きく変動するようなシステム
一時的に大量の処理性能が必要となるシステム |
プライベートクラウド | クラウド環境全体を専有し、より自社の要件に沿ったシステム構成をクラウドで実現する | 高度なセキュリティや専用システムを扱える
オンプレミスよりも管理・運用の手間が少ない |
従来のオンプレミスのシステム構成の中で、効率よく運用したい全てのシステム |
実現したいシステムを細かく区分けし、社内のサーバー、クラウドサービス内の環境、SaaSなどの外部サービスに分散させ、それぞれで構築したシステムを統合して単一のシステムに再構築することでオンプレミスとクラウド双方の欠点を克服できます。
利用するクラウドサービスも1つだけに絞らず、得意分野に合わせて複数のサービスを併用します。
ハイブリッドクラウドはオンプレミスとクラウドの課題点をカバーし合う特徴を持っています。
- セキュリティを担保したまま、実務に使うシステムはクラウドの柔軟性を獲得できる
- いくつかのサービスを併用することで、負荷やリスクを分散できる
- 高性能なデータ処理能力が必要なシステム、共有や管理が頻繁に起きるシステムなど、得意分野に合わせて異なるサーバーを利用できる
ただし一方では、以下のような課題もあります。
- 複数の環境をまたぐためシステム構成が複雑化し、運用が難しくなる
- クラウド間の相互接続、いわゆるルーティング処理が複雑になり、把握が難しくなる
- コストと規模が大きくなりやすく、システムを構築するためのプロジェクト管理自体が難しい
ハイブリッドクラウドへのシステム移行を行なう場合は、専門のIT企業と手を組み、長期に渡って根気強く取り組むべきでしょう。
サーバー運用方法の選定に悩まれているなら、ぜひJiteraにご相談ください。要件に合わせた最適なシステム構成をご提案いたします。
Jiteraでは、お客様の業務特性やセキュリティ要件、コスト効率など、様々な観点から最適なサーバー運用方法をご提案いたします。オンプレミス、クラウド、ハイブリッドクラウドなど、あらゆる選択肢の中から、お客様のビジネスに最適なソリューションを見出します。
Jiteraのサーバー環境構築サービスの強み
- お客様の要件を深く理解し、最適なシステム設計を実現
- 豊富な構築実績と高度な技術力による、スムーズな移行とシステム統合
- 運用コストの最適化とパフォーマンス向上を両立する、効率的なリソース配分
- セキュリティとコンプライアンスを重視した、信頼性の高いシステム環境
Jiteraでは、お客様のビジネスの成長と変化に合わせて、システム環境を柔軟に進化させていくことを重視しています。クラウドへの段階的な移行や、ハイブリッド環境の構築など、お客様の状況に合わせた最適なアプローチを提案いたします。
また、運用フェーズに入ってからも、継続的なパフォーマンス改善と運用サポートにより、お客様のビジネスを支え続けます。
Jiteraの開発力と技術力を活かせば、お客様のビジネスに真に価値をもたらすシステム環境を、スピーディーかつ高いコストパフォーマンスで実現することができます。
サーバー運用方法の選定やシステム移行にお悩みなら、ぜひJiteraにご相談ください。
今すぐJiteraに無料相談する
オンプレミスからクラウドへ移行する手順
仮想化技術が発展するまでは、多くの企業のシステムはオンプレミスで稼働していました。しかし、現在のクラウドサービスが提供するスケーラビリティと管理の委託はとても魅力的なものです。
そのため、現行のオンプレミスシステムをクラウドへと移行したいというニーズが高まっています。オンプレミスシステムからクラウドへの移行には、業務システムの移行と切り替えを計画的に行わなければいけません。
ここでは一般的にどのような手順でクラウドサービスへ移行するべきかを紹介しますが、具体的な手順は企業の抱える事情や要件によって大きく異なります。移行に失敗すると既存の業務に支障をきたす可能性もあるため、より堅実な移行を行ないたいならば、外部委託などプロの手を借りることも検討しましょう。
移行計画の策定
まずは移行するシステムの洗い出しと移行計画の策定を行います。
移行予定のシステムについて、現状を把握・分析しましょう。
- 現在の利用状況はどのようなものか
- 管理方法とセキュリティポリシーはどのようなものか
- 担当者はどの部署で誰が行なっているか
- このシステムが一時的に使えなくなった場合、影響が出る範囲はどのくらいか
そして、分析結果を元に、以下の観点を中心に移行計画を策定します。
- クラウド化する目的
- どの範囲をクラウド化するのか
- 担当者、スケジュール、手順
- システム切替時の連絡体制
- 代替手段を用意
これらの観点を事前にきちんと決めて、トラブルが起きたときの対応まで決めておくとスムーズに移行作業に移れます。
また現状把握と共に、「そもそも本当にクラウド化すべきなのか?」ということも検討しましょう。不必要なクラウド化は、コストの増加を招く他、最悪業務自体が停止する危険性があります。
技術要件とクラウド環境の選定
自社のオンプレミスを移行する際にでどのような技術的要件が必要なのかを把握できたら、次にクラウドサービスの選定を行います。
クラウドサービスの比較基準は多岐にわたります。
- クラウドサービス自体の信頼性
- データセンターの継続性や可用性
- 業務システムに必要なオプションやソフトウェアが利用可能か
- 外部システムとの連携にどれだけ対応しているか
- どの程度のパフォーマンスが確約されているのか
- セキュリティやサポートはどの程度整っている
- コストと機能性のバランスは許容できるものか
オンプレミスの規模や企業の事情に合わせて、多角的な観点からクラウドサービスを選びましょう。
データ移行の実施
クラウドサービスの選定も終わり、クラウド化の検討も十分に行えたならば、データ移行を実施します。データ移行の方法は、システムの内容に合わせて様々です。「移行計画の策定」で策定した手順を遵守しましょう。
大まかには、以下の手順でデータの移行を行います。
移行するシステムのデータのバックアップを用意する
-
- バックアップデータにはタイムスタンプを付け、保存する場所と破棄する条件も決めておく
- 大量のデータをバックアップする場合、バックアップ専門の担当者を決めておき、状況が把握できるようにしておく
クラウドサービスの環境に合わせて、データの変換を行なう
-
- 専用の移行ツールが用意されている場合もありますし、自身で独自の移行システムを開発する必要がある場合もあり
- 移行するシステムによって、手順も規模も大きく異なる
移行後のデータの整合性を確認する
-
- クラウドへデータを移行したあとは、移行後のデータが正しいものかを必ず確認する
- 新システムへ業務を切り替えたあとに、データ移行不備でトラブルになる場合があるため、バックアップと移行時の作業記録を整理して保管しておく
アプリケーションとワークロードの移行
データの移行が無事に済めば最後にワークロードの移行に移ります。
多くの場合は移行ツールが用意されているため、各クラウドサービスの提供するツールに従って設定を行いましょう。
ワークロードの移行
-
- システム環境の土台となるOSやミドルウェア、アプリケーションをクラウド内の仮想サーバーに再配置する
パスやネットワークの書き換え
-
- 各システムに付随するパスや接続文字も必要に応じて書き換える
- 要件によってはサーバー内のネットワーク構成をシステム用に書き換える作業も必要
移行後のシステムテスト
-
- 移行したシステムが正常に動くかをテストを行う
といった手順を取ります。
データとワークロードの移行手順は要件によって千差万別です。場合によっては、小規模のシステムを移行し、徐々にクラウド化する範囲を広げていくことも検討することになります。失敗すると大きな損失を被るため、予算が噛み合うならば専門の事業者に外部委託することをおすすめします。
まとめ:オンプレミスとクラウドの違いを理解して自社に合った選択を
本記事では、オンプレミスとクラウドの特徴を紹介しました。
自社でシステムを保有しすべてを管理・コントロールできる「オンプレミス」、システムをデータセンター内の仮想空間に構築することにより柔軟で低コストな運用ができる「クラウド」、そして、高度な構築技術が求められますが各々の欠点を解消できる「ハイブリッドクラウド」などがあります。
検討が必要になったときにベストな選択肢を取れるよう、それぞれの運用方法のメリットや課題を正しく把握しておきましょう。
しかし、どちらを選ぶにしてもIT環境の構築は高度なノウハウが必要です。特にクラウドへの移行する際には様々なトラブルが予想されます。より適したサーバー環境をスムーズに構築するならば、専門の事業者に外部委託する方がよいでしょう。
サーバーの運用方法、オンプレミスからクラウドへの移行など不明点や困ったこと、質問、相談、などありましたら Jitera に問い合わせください。
Jitera では、要件定義を書くだけでAIが生成するツールで、アプリ・システム開発を行っています。制作している途中で要件が変更になっても柔軟に修正しながら開発できるので、アプリ開発・システム開発のご相談があればお気軽に相談ください。