人工無脳と人工知能の違いや種類、活用例を解説!アプリやサイトも紹介

「人工無脳」という言葉をご存知でしょうか。

近年話題になっているChatGPTや生成AIに関連する「人工知能」と言葉が非常に似ていますが、中身は大きく異なります。

では、人工無脳は知らなくとも「チャットボット」なら聞き覚えがあるのではないでしょうか。

企業のホームページを訪れた際、「何かお探しですか?」といったメッセージとともに小さなウィンドウが表示されるあのツールがチャットボットであり、人工無脳とも呼ばれているのです。

この記事では人工無脳の仕組みや、人工知能との違いや種類について解説していきます。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 shu-ichi

とある企業のシステム管理者として10年以上勤めています。 自身の経験や知識を活かし、誰にでも分かりやすい記事をお届けしたいです。

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    人工無脳とは?

    人工無脳とは、「人間と会話するロボット」であるチャットボットを表す言葉です。

    中身はコンピューター(システム)でありながら、人間とリアルタイムで対話しているかのように振る舞う仕組みがチャットボット。

    しかし、実際に文脈を読んで会話できているわけではなく、あらかじめ設定されたルールやパターンに基づいて行動する仕組みとなっています。逆に言えば、決められた対応以外はできないといえるでしょう。

    人工無脳は「人工無能」と表記される場合もあり、”人工知能ほど高度な処理は行っていない”ので『無能』と皮肉を込めてつけられたという背景があります。

    現代においては「人工知能(AI)」の言葉が一般的に広まり、また、AIを搭載したチャットボットなども普及し始めているため、人工無脳=チャットボットというのが一概に当てはまらなくなっているのが現状です。

    では、人工無脳と人工知能の明らかな違いとはどういったものがあるでしょうか。

    人工無脳と人工知能の違い

    人工無脳には「脳が無い」といった意味が込められていて、人工知能とは真逆な言葉のように思えます。

    しかし、人工無脳(昔ながらのチャットボット)には人工知能とは異なるメリットもあるため、それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けるのが大切です。

    ここでは「学習能力」「汎用性」「創造性」の点に着目し、人工無脳と人工知能の違いについて確認してみましょう。

    人工無脳 人工知能
    学習能力 自ら学習する能力はない 自ら学習する
    汎用性 予め設定された行動しか取れない 分野を限定すれば汎用性がある
    創造性 新たに創造することはない 同じ分野内であれば新しい発見をする
    導入にかかる時間 短期間で導入できる 導入には多大な時間がかかる
    開発コスト 安価 高額

    学習能力

    人工無脳には学習能力がありません。システム上に予め登録された定型文でしか対応できず、過去の質問内容から学習して、回答を適切なものに置き換えるといった動作はできません。

    一方、人工知能には自己学習能力が備わっています。

    過去に入力された大量の質問内容から自己学習を行い、人間がシステムに登録をせずとも、より最適な回答になるように自律的に動いてくれるのが特徴です。

    汎用性

    人工無脳に汎用性は無いと言っても過言ではありません。

    基本的に人工無脳は「想定される質問に対して決まった答えを返す」しかできず、異なる分野に関しての質問に対する回答や、人間のように柔軟な対応はできないため、色々な用途へ人工無脳の活用はできません。

    人工無脳と比べ人工知能は汎用性があるといえますが、それは特定の分野に限定した場合のみです。

    人工知能が最終的な理想形としているのは「何を質問しても何でも回答できる」ですが、現代の人工知能技術はまだその域には達していません。

    創造性

    創造性とは「模倣ではなく新しいモノを生み出す能力」と言えますが、人工無脳に創造性は備わっていません。人間がシステム上に登録した回答のみしか使えない人工無脳は、創造性は皆無であるともいえるでしょう。

    対して人工知能は、創造性は高いレベルにあるといえます。

    近年の急激なAI技術の発展、特に生成AI分野の成長は著しく、生成AIによって作られた制作物は人が作ったものと遜色ないクオリティにまで進歩しているのです。

    人工無脳の活用例

    現代において人工無脳は、様々な場面やシステムにて今なお活用され続けています。

    人工無脳という言葉は知らなくとも、一度は触れた経験があるシステムに実は人工無脳が使われているといったケースもあるため、どんな仕組みに人工無脳が活用されているか把握しておくのが重要です。

    ここでは、主な人工無脳の活用例を具体的に紹介します。

    チャットボット

    人工無脳を最も活用しているのがチャットボットです。

    ユーザーが入力すると思われる質問内容・キーワード、そしてその回答を登録しておき、自動でユーザーからの問合せに対応する仕組みとなっています。

    現代においては人工知能を搭載したチャットボットも開発されているため、必ずしも人工無脳=チャットボットというわけではありませんが、依然として人工無脳を活用しているシステムです。

    音声認識

    音声認識の技術を組み込んだ人工無脳(チャットボット)も存在します。

    音声認識機能が組み込まれたチャットボットは、商業施設・ホテル・駅などに設置されたデジタルサイネージで利用できたり、コールセンターなどの電話応答で活用されているケースが特に多いです。

    利用者は画面や電話機に向かって話しかけるだけで自動で応対してくれるので、「人と話すのが苦手」「感染対策として距離を離したい」といったニーズに応えられる仕組みといえます。

    画像認識

    画像認識

    画像認識が可能な人工無脳(チャットボット)も存在しており、企業だけでなく地方自治体が提供するサービスなどにも活用されています。

    千葉市が提供している「千葉市家庭ごみチャットボット」はその画像認識を活用したサービスです。

    こちらはゴミの捨て方が分からない市民向けに提供しているサービスで、文字での問合せに加え、チャットボット上に写真を送れば、その写真からゴミの内容を認識して、適切な廃棄方法を教えてくれるものとなっています。

    機械翻訳

    多言語への機械翻訳機能も、人工無脳(チャットボット)に多く組み込まれている技術の一つです。

    通常でのチャットボットだと日本語の質問は日本語でしか返せませんが、機械翻訳機能が搭載されたチャットボットであれば、翻訳して欲しい言語をチャット上で設定できます。

    この機能を活用すれば、例えば訪日した外国人が(通常日本語で設定されている)パソコンを使っても母国語で回答してくれるため、スピーディーな対応が可能になるのがメリットです。

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    人工無脳の代表的なアプリ

    人工無脳(チャットボット)を利用しているのは、パソコン上だけではありません。今やiOSやAndroidといったスマートフォンアプリにも活用されているのです。

    ここでは、人工無脳を搭載している代表的なアプリを2種類ご紹介します。

    人工無能 Chabot (Android)

    「人工無能Chabot」は、知能を持たない会話プログラム用アプリです。

    初期段階では支離滅裂な会話が続きますが、質問を続けたりテーマを絞って会話を続けていれば、次第にコミュニケーションが取れるようになっていく過程を楽しむアプリといえます。

    使い続けると知能レベルが上がっていき、回答内容に長文を使うようになるなど、成長も感じられるようになっているのが特徴です。

    人工無能 Chabot(GooglePlay)

    人工無脳と会話するアプリ (iOS)

    「人工無脳と会話するアプリ」は、その名の通りチャットボットとの会話を目的としたアプリです。

    ユーザーが話す言葉を記憶していくので、会話を続けていくと次第に人間と会話しているかのように成長していきます。

    また、人工無脳側を「評価」する仕組みがあり、人工無脳側との会話を評価してあげるとそれが「正しい会話」だと理解するようになっていくので、自分で人工無脳を育てている感覚を味わえるアプリです。

    人工無脳と会話するアプリ(AppStore)

    人工無能のチャットボットの実用例

    人工無脳のチャットボットは「ルールベース型」と呼ばれる仕組みであり、あらかじめ定義されたルールに基づいて、ユーザーが入力した質問に対して回答を生成するのが基本形となっています。

    AI(人工知能)を搭載していないチャットボットだと、定義されたルール以上の対応ができず柔軟性に欠けるというデメリットはありますが、AI搭載のチャットボットと比べると早期に開発・運用できる点が最大のメリットです。

    ここでは、人工無能チャットボットの実用例についてご紹介します。

    FAQチャットボット

    FAQ(よくある質問)チャットボットは、最も一般的かつ浸透しているチャットボットといえるでしょう。ユーザーから寄せられる質問とその回答をあらかじめ準備して、システム上に登録しておく仕組みです。

    最大限に活用されるFAQチャットボットを構築したいのであれば、想定される質問の幅と回答精度の高さが求められます。せっかく質問したのに満足できる回答がもらえなければ、ユーザーはそのFAQチャットボットを活用しなくなる可能性が高いからです。

    FAQチャットボットを構築するのであれば、この点について十分に考慮する必要があります。

    注文受付チャットボット

    「注文を受け付ける仕組み」をチャットボットで構築し、注文に関わる一連の処理を自動化すれば、対応部署の省人化やコスト削減が見込めます。

    注文受付チャットボットは様々な業界で活用できる可能性があり、飲食店や通販など一般ユーザーへの対応はもちろん、取引先企業からの物品注文を24時間受け付けるなど、ビジネス目的にも応用できるでしょう。

    自治体などで「粗大ゴミ回収依頼をチャットボットだけで完結する」といった事例も増えており、今後も活用が期待されています。

    予約受付チャットボット

    ホテルや公共施設などを利用予約する際、従来の電話予約だと必ず予約業務を専任で行う人員が必要でした。

    しかし、基本的に予約業務で行うのは作業手順が決まっているルーチンワークであり、誰がやっても同じ結果を求められます。

    そこで予約受付をチャットボット化した結果、人員を配置する必要が無くなり、いつでも予約できるこのでユーザー側の満足度も上がるという相乗効果を得られました。

    注文受付や予約受付など、作業手順がしっかりと決まっているのもはチャットボット化しやすいというのが分かる事例ではないでしょうか。

    サポートチャットボット

    サポートチャットボットは、パソコンや家電製品、特定サービスのトラブル対応などでよく採用されているチャットボットです。

    特にパソコンなどはトラブルの原因が多岐にわたるため、直接サポート窓口に電話を繋げてしまうと細かい部分から症状をヒアリングしなければなりません。

    担当者はもちろん、ユーザー側も不満が募ってしまい、結果的に良いサポートに繋がりません。

    初期段階での切り分けをチャットボット化してユーザー側に症状を選択してもらえば、窓口はヒアリングが不要になり、ユーザー側もすぐに回答を得られて双方にとってメリットがあります。

    人工無脳のまとめ

    この記事では、人工無脳と人工知能の違いや主な種類、そして実際に人工無脳を活用した事例を詳しく解説しました。

    AI(人工知能)技術の発展が著しい現代においても、従来の方式である人工無脳(チャットボット)は未だに活用されるケースは多々存在しています。

    人工無脳(チャットボット)はあらかじめ決められた対応しかできませんが、様々な業界においてその特長を最大限に活かせるシーンが必ずあるので、まずは自社のビジネスにおいて人工無脳(チャットボット)が活用できないかどうか考えてみるのはいかがでしょうか。

    弊社では、人工無脳(チャットボット)だけでなく、要件定義を書くだけでAIがアプリやシステムを自動開発するプラットフォーム「JITERA」を軸として、ウェブやスマートフォンアプリの開発、マーケティング、UI/UXデザインなども行っております。

    システム開発を行いたいが社内にリソースや体制がない、もしくはAIの活用方法や、AIを使ったシステム開発などでお困りであれば、ぜひ弊社へお問い合わせください。

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