Anthropic社の生成AI「Claude(クロード)3」とは?AIモデルの機能や特徴を紹介

Kyama23_writer

本業でシステムエンジニアをしています。 分かりやすい記事を心がけています。

AI開発の第一人者といえばChatGPTを提供しているOpenAIです。ChatGPTをはじめとする様々なAIサービスを提供するOpenAIの名前を聞いたことがない人の方が珍しくなってきました。

一方で、Claudeを提供する「Anthropic」という企業が注目を集めていることはご存知でしょうか?

人間を中心に据え、AIの安全性と透明性を追求するAnthropicは、その主力製品である生成AI「Claude」を通じて人間との共存を目指しており、GoogleやAmazonなど大手企業から注目されており、多くの資金調達が行われています。

この記事では、Anthropicの企業理念、事業内容、課題、そしてAIの将来性について詳しく見ていきます。2024年現在、Anthropicは非常にタイムリーな話題です。AIの動向を追いたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

Anthoropic(アンソロピック)が発表!「Claude(クロード) 3」とは

「Claude(クロード3)」はAnthoropic(アンソロピック)社が開発したAIチャットツールです。

ChatGPTを超える精度を持つと言われており、大きな注目を集めています。
「Claude(クロード3)」の特徴や機能、旧モデルである「Claude(クロード)2」との比較をし、理解を深めていきましょう。

「Claude(クロード) 2」との比較

「Claude(クロード)3」は2023年7月11日にAnthropic社が発表したAIモデルです。最新版の「Claude(クロード)3」では処理速度や精度が上がり、OpenAI社のChatGPTを超えると言われています。

では、「Claude(クロード2)」と「Claude(クロード3)」ではどのような違いがあるのでしょうか。
表にまとめると以下のようになります。

Claude2 Claude3
精度 低め 高い
入力できるトークン量 10万トークン 20~100万トークン
画像認識 不可
回答拒否 多い 少ない

主な特徴と機能

「Claude(クロード3)」の主な機能は「ChatGPT」や「Bard」といった他のAIチャットと同様に、質疑応答や文章の生成、長文の要約、翻訳、プログラミングコードの生成です。

「Claude(クロード3)」には次のような特徴があります。

・人間らしい文章生成
まるで人間が書いたかのような自然な文章を生成することができます。
・読み込める文章量が多い
約15万文字の読み取りに対応しており、文章量の多いレポートや論文などでも
読み取りが可能です。また、PDFも扱うことができます。
・コード生成能力が高い
Python・JavaScript・Javaなど様々なプログラミング言語に対応しています。
また、コード生成だけではなくデバッグも行うことができます。

Googleと連携しているAnthropic(アンソロピック)社とは

Anthropic(アンソロピック)は、人工知能(AI)の安全性と透明性を追求するために設立された米国のスタートアップ企業です。2021年の設立から、生成AI会社のトップ4まで上り詰めた実績があります。

Anthropicは2023年5月、GoogleやSalesforceなどから4億5千万ドルを調達しました。設立から1年の間に5回の資金調達を行い、総額73億ドルの資金調達に成功した点で、AIをビジネスに活用する業界から多くの注目を集めていると考えられます。

Anthropicの主な事業は生成AI「Claude」を提供することです。Claudeは、チャットでコミュニケーションをとりながらAIがアシスタントをしてくれるものです。ChatGPTやBing AI、Geminiなどと同様のインターフェースとなっています。

また、GoogleとAnthropicは、AIの研究開発において以下の2点に協力関係を築いています。

  • 資金面の協力
  • Google Cloudとの連携

まず、資金面の協力についてはGoogleから20億ドルの資金調達に成功しています。

Google Cloudとの連携については、最先端のAIシステムのトレーニングとデプロイに使用するための、大規模な次世代TPU・GPUクラスターの構築に役立てられています。

Anthropic(アンソロピック)の生成AI「Claude(クロード) 3」のメリット

それでは、続いて、Anthropic社が提供する生成AI「Claude3」を利用するメリットについて見ていきましょう。主に以下4つのメリットがあります。

  • 高い汎用性
  • 高い精度
  • 安全性の高さ
  • 使いやすさ

高い汎用性

Claude3は、マルチタスク学習による汎用性の高さが特徴です。ユーザーとの対話を通じた協調的なタスク解決に強いという特徴もあります。

GitHubのCopilotやOpenAIのGeminiなど、他のAIツールとの競争が注目されていますが、Claude3は汎用性と使いやすさで差別化を図っています。

高い精度

Claude3は、複雑なタスクへの対応精度や多言語対応の精度が高いことが特徴です。一般的な質問から専門的な内容まで的確に対応することができます。

また、画像と文章の同時処理にも対応しています。

Claude3は、高精度な最上位モデル「Opus」、汎用性向けの「Sonnet」、応答速度の速い「Haiku」の3種類が展開されています。

精度を求める場合は「Opus」を選ぶとよいでしょう。「Opus」では、大学レベルの専門知識やコーディングなど多くの分野においてGPT-4を超えたとされています。

安全性の高さ

Claudeは、Anthropicの理念にもあるとおり「安全性に重点を置いた設計」であることを意識して作られています。具体的には、実際に観測された危険に対する安全策をとる
「Empirical Safety(経験的安全性)」アプローチを採用しています。

このアプローチは、AIの安全性を確保するために実際のリスクに基づいて対策を講じるものであり、理論的な議論だけでなく実際の危険性に対処することを重視したアプローチ方法です。

人間の力に依存するのではなく、安全対策もAIに任せることで、システマチックに安全性に優れたAIを生み出せると考えて、運営が行われているようです。

使いやすさ

Claude3はスマホのブラウザでも使用することができ、操作画面は非常にシンプルで誰もが使いやすいデザインとなっています。
テキストボックスにプロンプトを入力するか、画像やPDFファイルを読み込ませることで回答を得ることができます。

Claude3は長いプロンプト処理も可能になり使いやすさが向上しています。

業務効率化システムを開発したいなら「ジテラ」へ!他社より1.4倍速い開発、お返事は3日以内、開発知識ゼロでもOK!、お見積りは無料。お見積りは無料!

Anthropic(アンソロピック)「Claude(クロード) 3」とOpenAI「ChatGPT-4」の違いを比較

Anthropic (アンソロピック) 社の「Claude(クロード)3 」が「ChatGPT」を超えたと話題になっていますが、実際に比較をするとどのような違いがあるのでしょうか。次の項目について比較をしていきます。

  • 機能面
  • 性能面
  • 使いやすさ
  • 価格
  • 倫理面

機能面

Claude3 ChatGPT-4
機能 ドキュメントや画像の読み込み ・ドキュメントや画像の読み込み
・音声入力機能
入力できる文字の長さ 最大20万文字 2万5000文字

機能面ではChatGPT-4のほうが優れているように見えますが、入力できる文字の長さはCalude3が圧倒的に多いことが特徴です。ChatGPT-4はDell E3による画像生成機能もあります。
どちらを使うかは用途に合わせて選択をするとよいでしょう。

例えば、論文のように長文のデータを読み込ませたい方はClaude3を利用するとよいでしょう。

性能面

Claude3(Opus) GPT-4
大学入学レベル知識 86.8% 86.4%
大学院レベル推論 50.4% 35.7%
コード 84.9% 67.0%
知識Q&A 96.4% 96.3%

上記の項目ごとの結果はAnthropicの公式サイトに記載されている情報を参考にしています。比較をすると、Claude3の最高モデルであるOpusはすべての項目でChatGPT4を上回っていることが分かります。

特にコードに関してはClaude3が得意としていることがよくわかる結果となっています。

使いやすさ

使いやすさに関してはClaude3とChatGPT-4では大きな差はありません。どちらもプロンプト入力欄にテキストを入力することで回答を得ることができます。

どちらもシンプルなデザインで構成されているため、初めて利用する方でも迷うことなく操作することができるでしょう。

ただし、大量のテキストを読み込ませたい、音声入力をしたいとなるとどちらかに絞られるため使用用途に合わせて使いわけることをお勧めします。

価格

Claude3(有料版) ChatGPT-4(有料版)
料金 20$ / 月 20$ / 月

いずれも基本プランは無料で利用することができますが、有料プランの場合は日本円で月額約3000円になります。

Claudeの有料版では、無料版よりも精度が高い結果を得ることができます。
また、無料版の場合、利用できる回数に制限があるので注意が必要です。

倫理面

Claude3とChatGPT-4では倫理規定の違いがあります。
特にClaude3は精度の高い回答をしつつも、倫理規定はかなり厳格に定められています。

例えば、倫理的に回答が難しいプロンプトを入力した場合、Claude3では生成が中断されアラートがあがることがあります。
しかし、同じプロンプトをChatGPT-4で実行した場合は回答を生成してくれます。

Claude(クロード)3の活用事例

ClaudeはChatGPT-4にも勝る精度を誇るツールであることは理解していただけたかと思います。では、実際にはどのような活用方法があるのでしょうか。ビジネスでの応用についても触れながら紹介していきます。

画像資料からのデータ起こし

Claude3は画像の認識能力に優れており、画像を処理しデータとして活用ができようにすることが可能です。

また、グラフなどの画像を読み込ませ、プロンプトで「グラフデータを読み取って、わかることを文章で説明してください。」と入力するだけで、正確に数値を読み取り、回答を得ることができます。

紙ベースの資料や画像からデータを抽出したいといった場合にも活用することができます。

コーディングやバグの検出

Claude3は、コーディング能力が優れていることも特徴の一つとして挙げられます。コーディング中に「行いたい処理の記述の仕方が分からない」、「ヒントが欲しい」という場合にプロンプトにやりたい処理を入力するだけで、サンプルコードが表示されます。

自分の環境に合わせて変数やパラメータを変えるだけでおおよそのプログラムが完成してしまいます。

また、記述したコードをプロンプトに入力しバグの検出を行うことができます。従来のように一からデバッグをしてバグ抽出し、原因を探るという工程必要がないため、大幅に工数を削減することができます。

PDFなどの長文レポートの要約

Claude3はPDFなどのレポートを読み込み要約作成をすることができます。
PDFのみならず、テキストでも最大20万文字もの量を入力することができます。

長文の論文や議事録を要約する際に活用することができます。
ビジネスにおける業務効率化のほか、研究・開発の分野においても論文の要約など、さまざまな場面で効率化が可能です。

特定データの抽出と集計

Claude 3は、さまざまなデータから特定の項目のみ抽出し、集計するためにも活用することができます。
例えばアンケートから性別ごとにデータを抽出し集計したい場合は、アンケート結果を画像やテキストで読み込ませ「性別が男のデータを抽出し、カウントしてください。」とプロンプトを入力するだけです。

Excelの関数を使って抽出するよりもはるかに短い時間で集計までを行うことができます。

また、画像データからCSV形式での情報抽出も可能であり、表にまとめられたアンケート結果からデータをCSV形式で抽出する作業も行うことができます。

商品説明文の作成

作成したい商品の基礎情報をClaude3に与えると、商品説明文を生成することができます。

ECサイトなど、販売のための商品登録は非常に手間がかかります。
このような業務においてClaude3を活用することで業務の効率化を図ることができます。

また、文章作成能力にも優れているため、違和感のない自然な文章の作成が可能です。

テーマに沿ったコラムや記事の作成

Claude 3は、小説や脚本、コラムの執筆といった作業にも活用できます。
例えば、「AIをテーマにした。コラムを400文字で書いてください。」というプロンプトを入力するだけです。

文章のテーマ以外にもペルソナや見出しの有無など細かく指定し、より目的に沿った文章の生成が可能です。

SNS投稿案の作成

Claude 3は、投稿者が今までに行ったSNS投稿の情報を与えることで、投稿者の特徴をとらえたSNS投稿案の生成をすることができます。

過去のSNS投稿のデータを与えることで投稿者の投稿の特徴を学習させることで実現することができます。AIが作成したとは思えないほど、違和感のない文章で生成することができます。

Claude 3を利用する際の注意点

Anthropic(アンソロピック)のClaude 3はAIの安全性と透明性を追求する企業として多くの可能性を秘めていますが、それと同時にいくつかの注意点もあります。

Claude 3を利用する際の注意点として次の5つのことに気を付けましょう

  • 著作権・商標権の侵害
  • 機密情報の漏洩
  • 誤情報
  • 料金が高い
  • 日本語対応

著作権・商標権の侵害

Claude 3のような生成AIでは、インターネット上の膨大なデータを学習データとして使用しているため、アウトプットされた内容に関しては著作権や商標権に注意が必要です。

アウトプットのみならず、読み込ませる画像についても同様に著作権や商標権の侵害にならないよう注意して利用するようにしましょう。

機密情報の漏洩

生成AIは学習に使用されたデータから新しい情報を生成するため、元のデータに機密情報が含まれている場合、生成されたコンテンツにも反映される可能性があります。個人情報についても同様です。

そのため、ユーザーはデータの適切な管理及びデータの匿名化を行い利用しましょう。

誤情報

生成AIにおける誤情報は、重大な課題の一つです。生成AIは、与えられたデータから学習して新しい情報を生成するため、その出力に誤情報が含まれる可能性があります。

この問題に対処するため、AIが生成した情報を全て信じるのではなく、人間が確かめて必要に応じて修正することが求められます。

料金が高い

Claude3は無料プランもありますが、有料プランに比べて精度が低く、使用可能回数も設定されているため活用の幅狭まります。

有料プランに切り替えることで、高精度な機能を制限なく利用することができます。
ただし、月額約3,000円もの料金が発生します。

まずは無料のプランから試して、より精度の高い結果を求める場合は有料プランに切り替えるとよいでしょう。

日本語対応

日本語に対応しており、日本語での利用は可能です。
ただし、トップページに関しては表示言語を日本語にすることはできません。
そのため、英語が分からない場合はブラウザの翻訳機能を利用して対処する必要があります。

 

まとめ:Anthropic(アンソロピック)のClaude(クロード) 3は革新的なAIモデル

Claude 3は回答の精度がChatGPTを超える革新的なモデルであることはお判りいただけたかと思います。しかし、機能面においてはChatGPTのほうが充実しているなど、それぞれの特徴があります。

OpenAIとの競争は、Anthropicが直面する大きな課題です。これらを克服し、持続可能なビジネスモデルを構築することがAnthropicの成功の鍵となるでしょう。

Anthropicの挑戦は、AIの将来形を見据える上で注目に値します。ぜひ、今回の内容も参考に、Anthropicの動向を追ってみてはいかがでしょうか。

また、この記事を執筆している株式会社Jiteraでは、AIのノーコード開発やAI導入支援などのサービスを提供しています。この分野に興味がございましたら、ホームページからお問い合わせください。そして、今回の内容について疑問・質問などがございましたらお気軽にご相談ください。

Kyama23_writer

本業でシステムエンジニアをしています。 分かりやすい記事を心がけています。

コスト削減も課題解決も同時に実現

「JITERA」で迅速
ソフトウェア開発

開発を相談する
Recommended articles for you

Discover more of
what matters to you

email-img
メルマガ登録
JITERA社内で話題になった生成AIトレンドをいち早くお届けします。
Thank you!

Jiteraのメールマガジン登録が完了しました。