近年のIT技術の進歩は著しいものがあり、様々な業界に影響を与えていますが、その影響は情報業界、つまりIT業界自身にも影響が及んでいます。そんなIT業界自身に大きな影響を当てているツールがローコードツールとノーコードツールになります。
プログラミングと聞くと、人間にしかできない、それも高い知識を有している人間にしかできないというイメージが従来は根強かったですが、そのようなイメージはローコードツールとノーコードツールによって、覆されつつあります。
そんなローコードツールとノーコードツールには様々な市場も注目しています。本記事ではそんなローコードとノーコードの開発市場シェアについて解説していきます。

文系大学出身で、25歳の時にIT業界に足を踏み入れました。ヘルプデスクから要件定義まで、下流から上流まで文字通り叩き上げでキャリアを築き上げました。取得した資格もいつの間にかもう2桁に。趣味も資格取得。あと、映画鑑賞と飲み会。
ローコードとノーコードの開発市場比較
近年、注目されているローコードとノーコードの開発ですが、実はどちらも10年以上前から存在している技術です。
なぜ、これほどまでに「今」注目を集めているのでしょうか?
コロナ禍以降、世界中でデジタル化が加速し、同時にIT人材の不足が深刻化しています。この状況により、企業がより迅速にソフトウェア(アプリケーション)を開発したいというニーズが高まり、ローコードとノーコードの需要が急速に増加しました。現在、多種多様なローコードやノーコードのプラットフォーム(ツール)が市場に存在しており、その中から選択する際には悩むことが少なくありません。
しかし、プラットフォームを選ぶ前に考えるべきことは、ローコードを使うべきかノーコードを使うべきかを理解することです。その違いを把握することは、開発プロセスにおいて適切な方向性を見出すための重要な第一歩です。
そして、それぞれのアプローチがどのような市場ニーズに対応しているのかを深く理解することも不可欠です。つまり、迷う前に、自身のニーズやプロジェクトの要件に合致するかを検討し、情報を収集することが肝要です。
コーディングの必要性
ローコードとノーコードの違いの1つとして、コーディングの必要性の高低があります。ノーコードはプログラミングの必要性は皆無ですが、ローコードは少なからず必要になります。もっとも、ローコードであったとしても、プログラミングの絶対量は少ないです。
ただ、どちらの開発手法を使うにしても、プログラミングの知識が全く無くても大丈夫、という訳ではありません。大まかな処理内容やプログラムの構造を知っておいた方が、より適切な成果物を作成することができます。
開発の自由度
開発の自由度としては、ローコードもノーコードも、人力でプログラミングするよりは数段落ちてしまいます。ただ度合いとしては、ローコードツールの方が開発の自由度は上がります。ただこれはプログラミングやITの知識が同じだったら、という前提があります。
プログラミングやITの知識が劣っている人は、そもそもどのような構造の処理にすればよいかわからないということもあり得るため、ノーコードを使用した方が開発の自由度が上がるというケースも充分に考えられます。
開発スピード
開発スピードは、プログラミングという作業が無くなる、ノーコードの方がローコードよりも早くなります。
プログラミングという作業は知識や経験があったとしても、構想を練るのに時間がかかりますし、単純なミスによるバグやその抽出と修正に一定以上の時間がかかります。
それに対してノーコードはプログラミングの高低が無いため、前述したプログラミングの肯定やバグの抽出、修正にかける時間が丸ごと削除できます。
ノーコードの方が費用が高い場合もありますが、エンジニアの技術レベルが物足りない場合は、総合的に考えると費用を安く出来る可能性が高いです。
開発費用の目安
開発費用に関しては、前述した様にエンジニアの技術レベルが物足りない場合はノーコードの方が安く出来る可能性が高いです。
単純な値段はローコードの方が安いですが、エンジニアの技術レベルが劣る場合は、処理内容の構想を練るのにより多くの時間が必要になったり、バグの抽出や修正により多くの時間を必要とする場合が多いです。
逆にエンジニアの技術レベルが高く、ツールなしの状態でもある程度以上のプログラミングが可能な場合、ローコードの方が開発費用が安くなります。
開発期間
開発期間に関しては、ノーコードの方が短くなります。前述した様に、プログラミングは数が少なくても一定以上の時間がかかります。従って、なるべく少なくする、若しくは無くした方が開発期間は短くできます。
また、ノーコードのツールの中でもGUI、つまりブロックや矢印などで視覚的にイメージしやすい形で作業をするツールの場合はより開発期間が短くなります。
開発期間が短くなればなるほど、費用は安く出来る可能性がありますし、エンジニアの労働環境も改善されます。
ローコードとノーコードの主要な開発ツールとプラットフォーム
ローコード開発にせよ、ノーコード開発にせよ、それらの開発プラットフォームはソフトウェアの開発現場に大きな変革を起こしています。
従来のソフトウェア開発においては、一定以上のいプログラミングの知識や経験が無いと、手も足も出なかったです。
それに対してローコード開発やノーコード開発のプラットフォームは、従来に比べるとずっと少ないプログラミングの知識や経験で、実用的な処理を構築することができます。
本章ではローコードプラットフォームとノーコードプラットフォームにはそれぞれどのようなものがあるか、具体的に解説していきます。それぞれに特徴があるので、自社の開発現場に導入する時はしっかりと吟味しましょう。
ローコードプラットフォーム
Microsoft Power Apps は、Microsoftの提供するローコード開発プラットフォームで、ドラッグアンドドロップで実用的な業務アプリの処理を構築できます。また、オフィス365やDynamics 365といったMicrosoftの製品群と簡単に統合できるので、開発内容に幅を持たせ、付与できる機能をより幅広くできます。
OutSystems も、ローコードプラットフォームですが、処理フローやデータモデルなどでビジュアル的にアプリを開発することができます。Webアプリやモバイルアプリの開発から運用まで、幅広い用途に対応しています。
Salesforce Lightning Platform(旧Salesforce App Cloud)は、CRMで有名なSalesforceの提供するローコード開発プラットフォームです。
アプリの構築だけでなく、管理などの保守作業も可能です。また、クラウドプラットフォームという特徴も持っているため、コスト効率もより高くなります。
Mendix は、ブラウザベースでアプリやシステムの構築や保守が可能になります。AIによる開発アシスト機能も付与されているため、開発効率と確実性をより高めることができます。
ノーコードプラットフォーム
kintone (キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供する日本国内で広く利用されているノーコードプラットフォームです。導入担当者の9割以上が非IT部門という情報もありますが、それでも未だに根強い人気があります。
Bubble は、アメリカで生まれたアプリで、プログラミングスキルがない人でも複雑なウェブアプリケーションを構築できるノーコードプラットフォームです。デザイン性などについても複雑なものを構築できるため、開発の自由度はノーコードツールでありながら非常に高いです。
AppSheet は、Google Cloudの一部であり、プログラミングの知識が無くてもドラッグアンドドロップなどで視覚的にわかりやすく、尚且つ直感的にアプリ開発を行うことができます。Google Workspaceの中の豊富な機能との連携も可能になるため、機能の拡張も容易に行うことができます。
ローコードとノーコードの市場規模と成長予測
今までソフトウェア開発においてはプログラミングの知識を持った人が必要不可欠でした。しかし、ローコードとノーコードの開発プラットフォームは、プログラミングの知識が少ない人でもアプリケーションを開発できるようにする技術であるため、ソフトウェア開発のハードルが一気に下がりました。
従って、ノーコードツールにおいてもローコードツール、市場の成長性は非常に高いとされる場合が多いです。この章ではローコードとノーコード、それぞれの市場規模と成長性はどのようなものなのか、解説していきます。市場規模や成長性が高ければ高いほど、参入者が多くなって競争者が多くなり、優秀な企業や優良な製品やサービスもそれに比例して多くなります。
ローコード市場
ローコード開発プラットフォームの市場規模は、2024年には約160億ドル超と評価され、僅か5年後の2029年には620億ドル超と、4倍程度に成長します。年平均の成長率は30%と非常に高いです。
この市場は、企業がデジタル変革を加速させるための手段としてローコードを採用していることから、成長を続けています。 最も成長性の高い市場の地域として、日本も含まれるアジア太平洋地域があげられます。
参考:ローコード開発プラットフォーム市場 -規模、シェア、成長
ノーコード市場
ノーコード開発プラットフォームの市場は、2020年には約80億ドルと評価され、2026年まで毎年40%以上の成長性が期待されるなど、ローコード市場と同様に成長しています。現状の市場規模はローコードツールに見劣りしていますが、成長率は凌駕しています。
プログラミングの知識が全く無くてもアプリを構築できる手軽さから、高い需要が見込めるため、今後参入企業がどんどん増えることが予想されます。
参考:【2023年最新】ノーコードは流行る?市場規模について徹底解説! | Walkersメディア
ローコード/ノーコード開発の費用比較
ローコード開発やノーコード開発は、開発期間や開発規模という観点においてソフトウェア開発の現場に変革をもたらしていますが、それは開発費用についても同様です。従来のソフトウェア開発に比べ、費用を大幅に圧縮できます。
しかし、ローコード開発とノーコード開発では細かい差異があるのも事実です。この章ではローコード開発とノーコード開発の費用について、それぞれ比較、解説していきます。
開発費用
まずローコード開発における開発費用の相場は、数十万円から数百万円となっております。従来のソフトウェア開発をスクラッチ開発で行うと費用は数千万円にも及ぶことが珍しくないことを考えると、破格の安さとも言えます。
ノーコード開発の場合は少し高くなりますが、数百万円ほどが相場になります。ローコード開発に比べると費用は高めですが、費やす労力や時間も考慮に入れると、やはりソフトウェア開発に比べると開発にかかる費用は安くなると言えます。
参考:ローコード開発にかかる費用相場は?メリット・デメリットやおすすめツールを紹介
参考:【シミュレーション付き】ノーコード開発費用の相場まとめ【2024年最新版】 | Walkersメディア
運用コスト
運用コストについてはローコード開発においてもノーコード開発においても、月辺り数千円から数万円程度となります。
それに追加して運用を担当するエンジニアの人件費という運用コストも追加されますが、従来のソフトウェア開発に必要となる人員からは大幅に削減されます。
エンジニアの人件費は月当たり数十万円はするため、運用コストも大幅に削減することができます。削減した運用コストを他の経営領域に割り振り、更にビジネスを進歩させることも可能になります。
参考:ローコード・ノーコード開発にかかる費用とは?自社開発と外注の相場も紹介 | ノーコード・ローコードに特化したシステム開発・導入支援サービス
ROIの比較
ROI、つまり投資収益率を比較しても、ローコード開発とノーコード開発におけるパフォーマンスの高さは従来のソフトウェア開発手法よりも群を抜いています。</span >
ローコード開発もノーコード開発も、従来のソフトウェア開発の10倍以上にROIを改善することができます。
前述した様に初期コストも運用コストも従来の開発手法より大幅に低くなり、更に投資収益率も群を抜いて高いとなると、導入のメリットは極めて高いと言えるでしょう。
参考:ローコードツールを活用して ROI 10倍の効果を得る方法 – インフラジスティックス・ジャパン株式会社Blog
ローコードのメリットとデメリット
ローコード開発プラットフォームは、開発の速度と柔軟性を提供する一方で、特定の状況や要件に応じてデメリットも考慮する必要があります。
適切なプラットフォームを選択する際には、ビジネスとITのコミュニケーションと協力を促進するかどうか、AI機能が利用可能かどうか、開発者がカスタムコードや設計言語を再利用可能な形式でプラットフォームを拡張できるかどうかを検討することが重要です。また、開発戦略をユーザーの実際のニーズと欲求に合わせて計画することが鍵となります。
ローコードのメリットと利点
ローコード開発プラットフォームには、開発速度の向上、コスト削減、柔軟性の提供など、多くのメリットがあります。これらの利点により、企業は市場の変化に迅速に対応し、イノベーションを推進することが可能になります。ただし、ローコード開発が全てのプロジェクトに適しているわけではないため、プロジェクトの要件を考慮して適切な開発手法を選択することが重要です。
- 開発時間の短縮
- コスト削減
- ユーザーとの協力
- 柔軟性とスケーラビリティ
- リスクの軽減
- イノベーションの促進
ローコードのデメリットと課題
ローコード開発プラットフォームは多くの利点を提供しますが、柔軟性の制限、パフォーマンスの懸念、スケーラビリティの問題、プラットフォーム依存、コストの問題など、いくつかのデメリットと課題にも注意が必要です。これらの課題に対処し、適切な戦略を立てることで、ローコード開発の利点を最大限に活用することができます。
- 柔軟性の制限
- パフォーマンスの懸念
- スケーラビリティの問題
- プラットフォーム依存
- コストの問題
ノーコードのメリットとデメリット
ノーコード開発プラットフォームは、迅速なアプリケーション構築を可能にし、技術的なバックグラウンドがない人々にも開発の扉を開きます。
一方で、このアプローチがもたらす利便性には、特定のプロジェクト要件や状況における限界も存在します。
適切なノーコードプラットフォームの選択にあたっては、そのプラットフォームが企業の長期的な戦略にマッチしているか、カスタマイズの範囲がプロジェクトの要求を満たすか、また、将来的にシステムの拡張やメンテナンスが行えるかどうかを検討することが重要です。
さらに、実際のユーザーのニーズと期待に応えるための開発計画を慎重に立て、適応させることが、成功に不可欠な要素となります。
ノーコードのメリットと利点
ノーコード開発プラットフォームは、技術的なスキルがない人でもデジタル製品を簡単に作成できるプラットフォームを提供し、開発プロセスの民主化を実現しています。
これにより、開発時間の短縮、コスト削減、ビジネスのアジリティ向上など、多くのメリットが生まれています。
ただし、複雑なアプリケーションや特定のカスタマイズが必要な場合は、ノーコードの限界も理解しておく必要があります。
- 技術的なスキルが不要
- 開発時間の短縮
- コスト削減
- ビジネスとITのギャップを埋める
- 柔軟性と迅速な変更
- イノベーションの促進
ノーコードのデメリットと課題
ノーコード開発プラットフォームは、開発プロセスを簡素化し、迅速なプロトタイピングを可能にしますが、柔軟性とカスタマイズの制限、パフォーマンスの問題、スケーラビリティの課題、プラットフォーム依存性、セキュリティとコンプライアンスの懸念など、いくつかのデメリットと課題に直面します。
これらの課題を理解し、適切に対処することが、ノーコード開発を成功させるための鍵となります。
- 柔軟性とカスタマイズの制限
- パフォーマンスの問題
- スケーラビリティの課題
- プラットフォーム依存性
- セキュリティとコンプライアンスの懸念
ローコードの開発事例
ローコードの開発事例には、花王とNECでの事例をあげることができます。開発効率を高められるだけでなく、ユーザー側から見ても、アプリやシステムの改善スピードや頻度が上がるため、両社とも多大なメリットを享受しています。
花王:Power Apps(パワーアップス)で原材料管理アプリを開発
花王株式会社は、ローコード開発を活用して製造現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。和歌山工場では、従来紙媒体で管理されていた原材料の管理をデジタル化しました。
ローコード開発ツール「Power Apps(パワーアップス)」を使って、社員4人が3週間でスマートフォン向けの原材料管理アプリを開発しました。人員的にも時間的にも、従来のソフトウェア開発にかかる費用を大幅に削減しています。
またそれだけでなく、このアプリ導入により、ユーザー側は年間約480時間の作業時間短縮が実現しました。アプリには、在庫管理や危険物の保管数量警告機能が備わっており、情報共有が容易になりました。
NEC:ローコード Mendixで社内のDXを推進
日本電気株式会社(NEC)は、社内DXを迅速かつ効果的に進めるために、ローコード開発プラットフォームであるMendixの導入を決定しました。
このアプローチでは、開発初心者でも比較的短時間でローコード開発の技術を身につけることが可能であり、開発担当者だけでなく、ユーザーである現場担当者やビジネスアナリストも開発工程に巻き込むことを目指しています。
AIアシスタント機能も付与されているため、開発におけるミスや開発期間を更に圧縮させることが可能になります。
ノーコードの開発事例
ノーコード開発はローコード開発に比べると導入費用などは見劣りすることが多いですが、より簡単かつ確実、安価にシステムやアプリケーションを開発することができます。この章では日清食品と自治体の例を解説します。
日清食品:商品情報閲覧アプリを25時間で開発
日清食品ホールディングス株式会社 は、マイクロソフトやサイボウズが提供するツールを利用して商品情報閲覧アプリを自前で開発しています。
このアプリ開発は、わずか25時間で完成し、営業担当者がスマートフォンで約1200品目の商品情報を簡単に検索できるようになりました。従来のソフトウェア開発から考えると驚異的なスピードと言えるでしょう。
これにより、開発に必要な費用を大幅に削減できるだけでなく、取引先との交渉がスムーズに進むようになりました。
この手法によって浮いた時間や費用を本業である食品の開発や研究、プロモーションなどに回すことができるため、ビジネスの進化をこれまで以上に速めることができます。
全国の自治体:「ノーコード宣言シティー」を宣言
DXの波は、民間企業だけに留まらず、地方自治体にも広がりを見せています。元々、マイナンバーカードの導入など、政府の官公庁や地方自治体などの公的な団体はDXに積極的でした。
この動きを加速させるために、「ノーコード宣言シティー」というプログラムがノーコード推進協会(NCPA)によって立ち上げられました。このプログラムの目的は、自治体がノーコードツールを積極的に利用することで、DX推進をよりスピーディに実現することにあります。
静岡県の焼津市も、「ノーコード宣言シティー」を宣言しています。スマートシティYAIZUを提唱しており、ICTなどの新しい技術やデータを活用して市民の生活を便利にすることを目指しています。産業だけでなく防災に関する情報を掲載する、焼津データマップを開発しています。焼津は地震やそれに付随する津波などが長年懸念されているため、この試みはとても有意義です。
企業規模・目的別の選び方
ローコード開発やノーコード開発と一口に言っても、前述した開発プラットフォームの章でもあったように、多種多様な種類があります。
この章では、企業規模や開発の目的別にしたローコード開発とノーコード開発の開発プラットフォームの選び方や導入に適したプラットフォームはどのようなものかを紹介、解説します。
スタートアップ向け
スタートアップ企業の場合、自社のITに関する知識や経験を基準に選定すると良いです。もしある程度、ITの知識や経験がある社員が多い場合はローコード開発を導入した方がコストパフォーマンスが良いです。
もし自社の社員のITの知識や経験が乏しい場合は、多少値が張ってもノーコード開発を導入した方が得策です。ローコード開発で自社のノウハウや知識を蓄積させた後に、より安価なローコード開発を導入するという手法を取ることもできます。
大企業向け
大企業の場合、資金や予算が豊富なこともあり、なるべくノーコードの開発プラットフォームを導入して使用した方が良いです。
初期の導入費用は多少なりとも高くなりますが、エンジニアの人件費や労力も含めたランニングコストはローコードの開発プラットフォームよりも低いため、長期的な視点から見たコストパフォーマンスは優れています。
蓄積したノウハウをドキュメントにして残すと、更に長期的なコストパフォーマンスを高めることができます。
目的別おすすめツール
この章では目的に応じた開発ツールを、前述した開発プラットフォームも参考にしながらそれぞれ紹介しています。まず、ExcelやPower Pointなども利用して業務改善のためのアプリを開発する場合は、Microsoft Power Appsを導入することをおすすめします。
ECや企業の紹介ページなど、BtoCのサイトを開発する場合は、Bubbleをおすすめします。ノーコードにもかかわらずデザインも含めてかなり柔軟に開発できるため、個人が利用する場合もおすすめできます。
ローコード/ノーコード市場のまとめ
ローコードとノーコードの開発市場は、従来のプログラミング手法に革新をもたらし、企業が素早くアプリケーションを開発できるようになりました。
ローコードはプログラミングの知識がある程度必要ですが、開発速度や柔軟性が高く、ノーコードはプログラミング未経験者でも使いやすいが、柔軟性にやや制約があります。それぞれの手法にはメリットとデメリットがありますが、両者の相乗効果により、市場は拡大し続けると予測されています。
今後はより使いやすさや機能の向上が期待され、ローコードとノーコードの融合が進むことで、さらなる開発効率化と革新が生まれるでしょう。
ローコードやノーコード開発に関する疑問、選択における迷い、または具体的な案件や依頼について、お困りの際はぜひ 株式会社Jiteraにお問い合わせください。経験豊かな専門スタッフが、初歩から丁寧にサポートさせていただきます。